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 釣行日:平成14年7月27日(土) 中潮 天候/超晴れ 

<釣り物> ショウサイフグ
<釣 果> ショウサイフグ3尾
<船 宿> 鶴見潮見橋 新明丸

<釣り場> 東京湾 大貫沖
<タックル> 竿/東作 マゴチ竿、リール/Daiwa SUPERDYNAMIC-Z105i/iL早技(道糸:PE1.5号)、仕掛け/船宿オリジナル仕掛け(ナツメオモリ10号)・ミサキ 関式オリジナル仕掛け(ハリ丸海津胴突3号・ハリス4号・幹糸4号・全長0.5cm)、先糸/ナイロン5号50cm、その他/水中集魚ライト(グリーン)
<エ サ> アルゼンチンアマエビ
<釣り座> 左舷ミヨシ3番目
<同行者> 
<どう食ったか> 刺身、唐揚げ

<日 記>

 皆様、暑中お見舞い申し上げます。

 これからしばらくは暑さ対策として帽子と長袖シャツ&長ズボン(いまどき「長ズボン」なんて言わないって…)そして水分補給をお忘れなく。このどれかヒトツでも忘れちゃうと確実に茹でダコ化、もしくはミイラ化します…。

 さて、我家では子供たちが夏休みに入り、口には出さないものの目では「どこかに連れてけ!」と訴えかけている昨今、その視線に気付かないフリをして釣行することに若干の抵抗を感じ始めているマイホームパパな私。
 でも、私が連れて行ける場所と言ったら海の上かその帰り道の魚屋しかないことをよぉーく知っている彼らは敢えてそれを口にしない良識と分別を持っている出来たヤツらです。

 そんな父がしてあげられることは彼らの食べたい魚を釣ってくること以外ありません(
「東京ディズニー・シーに行く」とか「3泊4日で海辺の温泉付き旅館でのんびりする」とか「スパリゾートハワイアンズでポリネシアンショー観たり、フラダンス体験コーナーで手足をクネクネさせて『アロハ〜♪』ってハワイアンチックに笑ったりしちゃう」なんてのは釣り仕事忙しいからムリなのです…)。

 先日、上の子供が、「父ちゃん、フグのお刺身が食べたい」と言いだした(釣りをしない人が聞いたら「なんて裕福な家庭なんでしょ!生意気なガキ!!キ〜ッ!!」と勘違いするでしょうが我家ではフグとアジは同レベルの魚なんです…)。
 子供の夏休みのリクエストが「フグの刺身を食べたい」ただそれだけ。
 それを聞いて私は我が子の幸薄い夏休みを思い、涙するのでありました(それならどこかに連れてけっての…)。

 そこで、子煩悩な私は本日、ようやくその願いを叶えてやることにしたのです(エライぞ俺!)。



 自宅を余裕を見て朝の6時に出る。
 それから10分少々で地元の新明丸に到着。

 船上に立つとまだ誰もいない。
 宿のHPによると最近またフグが釣れている様子なので混むだろうと予想していただけにちょっと拍子抜けする。
 そこで早速オオドモ方面に行くと右舷には前日から挿さっていたであろう竿があった。しかし左舷には竿もクーラーもない。「おっ、ラッキー♪」と言いつつ、速攻で竿を挿し、道具類を並べる。

 「見てろよ、父ちゃんはオマエらがイヤって言うほどフグ釣ってやっからな!もう食べ過ぎて舌とか全身とかピリピリしちゃうくらいに食わせてやっからな!」と何故か殺気立つ。

 そこに一人のオジサンが登場。
 礼節を重んじる私は爽やかに「おはようございます」と挨拶をした。そして返ってきた言葉は…、

 「あれ、受付でオオドモ空いているって聞いたんだけどな…」だった。





よい子のマナーその1

「おはよう」とあいさつされたら「おはよう」とこたえよう。





 このオジサン、明らかに不満そうな顔をしている。
 そして右舷を見てさらに…、

 「ちっ、右なんて前の晩から竿立ててあるじゃないか!だからイヤなんだよ、新明丸は!!」と憮然とする。
 さらに、
 「これだからみんな他の船宿に行っちゃうんだよ!!ったく!!」と明らかに楽しそうじゃない。

 私も内心「そうなんですよ。常連さんがよく前日から席取ってあるんですよね…」と納得する。

 「もうカネ払ってきたんだけどな!」
 「受付でオオドモが空いているって聞いたのにな!」
 「これだからイヤなんだよ、新明丸は!」
 と、なおも文句を並べ立てる。新明丸がイヤなら来なければいいのに…。

 そして次に出た言葉は…、
 「で、オタクはナニ!?」だった。

 この唐突な質問に私は困った。
 「で、オタクはナニ!?」と問われた場合の正しい答えが思いつかなかった。

 
「はい、私はニホンジンです」
 「私は釣りサイトの管理人やってます」
 「ただの釣りバカです」

 この3つが即座に浮かんだがどう考えてもこのオジサンが求めている答えとは違うような気がした…。

 「で、オタクはナニ!?」
 またオジサンが繰り返した。どうやらこの人は同じセリフを何度も言わないと気が済まない性格らしい。
 「ん〜と…」と、ちゃんとした答えが思いつかないので困っている私。

 次にオジサンから出たセリフはダイナマイト級の驚くべき言葉だった。



 
「オオドモ、変わってくれる!!」



 釣りを始めて2年近く経つが船上で聞く初めての言葉、「オオドモ、変わってくれる!!」(ポイントとしては「!」マークのあとにさらに「!」が付いていることです。「?」が付くと問い掛けですがこの場合は命令口調になります)。

 つい、
「なんだとぉ!?」と言いそうになる私。
 しかし、冷静な自分がささやいた…。





「でも俺、カネ払ってないじゃん…」





 オジサンの言い分としてはきっと、「お前のが先に乗ったかも知れないけど俺は既に料金を払っているんだからオオドモに座る権利がある。だからドケ、この!!」ということなのだろう。ある意味、もっともである…。

 座る場所くらいのことでゴタゴタするのも大人げないと判断した私は笑顔で席を譲り、ヒトツ席をずらす(オトナだなぁ、俺!!)。





よい子のマナーその2

おとしよりにはせきをゆずろう。





 その後、そのオジサンの友達らしい人が二人来たので一緒に並んで釣りたいだろうと相手を思いやり、私はミヨシに移り、朝食を摂りながら缶ビールを開ける(だからカネ払って来いっての…)。

 良いことをしたあとのビールは格別の味がした。
 今日は朝から蒸し暑く、「ビールがうまい季節になったなぁ」と空を見上げる。

 ようやく宿に行き、船代を支払い、エサとカットウを買って船に戻る。
 出船の8時までヒマなので船上で文庫の「釣りバカ日誌」を読んでいると次々とお客さんが乗り込んできた。中には若い女性の二人組もいたりして本日の船上は華やかな雰囲気だ。

 出船30分前に若いカップルが乗ってきた。二人分の空きがなかったので舳先のスーパーミヨシとその次に席を構えた。これで私はミヨシから3番目になったが「スーパーミヨシに変わってくれる!!」とは言わないのだ(当たり前だっての…)。
 次にそのカップルの友達らしい人が乗り、私の左隣りに座った(ホントは私が一個席をずらして並んでもらった方が良かったんだろうけど、コンビニの袋とか結んじゃったし面倒だったのね。ゴメンね…)。
 その方が「よろしくお願いします」と挨拶をする。やっぱり朝の挨拶はこうでなくっちゃネ。

 定刻の8時、ロープが外され、船は大貫沖を目指した。



 ポイント到着後、バケツで海水を汲んでいたどこかのアホが手を滑らせ、それを海に落とし、船長が操船技術を駆使して船を動かしなんとかバケツをタモ取りするアクシデントがあってからスタートの合図が出た(その犯人、私です。スンマセン…)。

 開始早々、右舷ミヨシの人が良型の本命を上げる。
 さらに右舷胴の間にいた女性二人組の一人がなんとトラフグを釣るが、先糸が切れて無念のバラシ…。

 それに引き替え左舷に並んだ9人は思うように型を見れない…。
 私は今回もまた釣れない側を選んでしまったようだ…。

 何度か流し替えをして胴の間や例のオオドモのオジサンがようやくフグを釣り上げる。
 しかし、私が釣るのはヒトデと良型メゴチにミニフグばっかり(もう全部リリース!)。
 時間だけが刻々と過ぎていき、気付けばお昼を回っていた…。

 「やばい、この調子だと子供たちにフグの刺身も食わせてあげられないぞ…。遊びに連れて行かないし、フグを食わせてもやれないサイテーの父親になっちゃうぞ…。『サイテーパパ』とか言われちゃうだぞ、弱ったな…」とあせる私。
 ところがその本人、内心のあせりとは裏腹に「お昼になったし、そろそろ…」とお弁当とキンキンに冷えたワンカップを取り出す。ちょっと自暴自棄なのだ…。

 でも、良く冷えたワンカップは泣けるほどうまかった…。
 「本命見る前にワンカップ飲むと釣れないジンクスあったけど夏場だけ例外にすっかな」と思った。

 食事も終わり再度竿を出す。
 すると「ククッ」と小さなアタリがあり、「すぅっ」と聞き上げると糸がフケた。そしてそのままリールを巻くとズシンとした重みが加わる。これこそ本命(ミニじゃないヤツ)の手応え!

 取り込まれたのは20cm少々のショウサイ。なんとか刺身に出来そうだ!

 しかし、それからまたアタリは停滞期に突入(カットウの上に食わせ仕掛け付けたり、集魚ライト付けたりしたけど効果なし…)。
 前日までの好調さから一転した本日に船長も「産卵期に入って食い渋っているのかな」と困った様子。

 席に座りながら竿を出していたら、先週TAKEさんとやったマダコ釣りのとき日に焼けたヒザの皮がムケていることに気付く。

 ヒマだからついつい爪の先でカリカリする…。
 すると面白いようにペロンとムケた。

 次第にそのカリカリ範囲がヒザから腿へとエリアを拡大していく…。
 一気に広範囲の皮がムケるとちょっと嬉しい…。
 無心に皮をむく私。釣りなんてホッタラカシだ(そんなことしているから余計に釣れない。あと、左にいた人ゴメンナサイ。たくさんの皮を飛ばしました…)。

 あらかたムケるところをむいた私は時計を見た。
 「やばい、あと1時間しか残ってない!」
 バカだった…。

 ところが低迷していたアタリがラスト1時間で盛り上がりを見せる。
 ずっと大人しかった私たち左舷ミヨシ側でバタバタと掛かり始めたのだ。
 スーパーミヨシにいた爽やかなカップルもとうとう本命を上げ、楽しそう(よかったよかった…)。
 皮ムキオヤジとなっていた私もこのチャンスになんとか2尾を追釣して午後3時納竿。

 晩の食卓に並んだ薄切りのフグ刺し。
 それを旨そうに食べる我が子を見て、
「ああ、俺の家庭サービスも無事終わったなぁ〜」と安堵する私でした(ホントにこれでいいのか、俺!?)。


釣れない人の席頼み…。
<もちろん一晩でなくなりました>