釣行日:平成14年9月22日(日) 大潮 天候/曇り 

<釣り物> イイダコ
<釣 果> 
イイダコ30杯(自己申告)
<船 宿> 富津 川崎丸
<釣り場> 東京湾 富津沖
<タックル> 竿/KT関東 先攻きす150、リール/Daiwa105i早技 SUPER DYNAMIC−Z(道糸:PE1.5号)、仕掛け/【A】船宿支給イイダコテンヤ【B】hoosei イイダコテンヤ6号、先糸/ナイロン5号3m
<エ サ> ラッキョ、長ネギ
<釣り座> 左舷胴の間
<同行者> 畑田氏
<どう食ったか> しゃぶしゃぶ

<日 記> 最近の私の釣りの傾向は非力な自分の体力を考えずに重いオモリを使うハードなものでした。

 太海での釣行は2週連続で150号を使用し、次のスルメイカでは120号、そして前回のハナダイではようやく軽くなったといっても60号。
 その平均値を計算すると、(150+150+120+60)÷4=120。

 一ヶ月間、毎週120号のオモリを上げ下げしていれば普通なら僧帽筋とか三角筋とか上腕二頭筋などが肥大してマッスルなタフガイになり新宿歌舞伎町2丁目でビレッジピープルなYMCA系の口ひげ生やして夏でも黒い革のピチピチパンツとか穿いている「米国人・エド(26歳)・アリゾナ州出身・将来の夢は弁護士」あたりから熱烈なキスの集中砲火とか便通時に苦痛を感じる洗礼とか受けてもおかしくはない状況になるのでしょうが、タンパク質を摂る元が基本的にアジな私はプロテイン飲んでないから安心です。

 さて、そんなヘビーな状況が続くと小物釣りを無性にしたくなります。

 
「そういえば東京湾での釣りってご無沙汰してるよな…。そろそろ軽くて楽な釣りがしたいな俺…」
 
とか思っていたときに師匠畑田氏から今回のお誘いメールが届いたのです。

 
「ハナダイは全部しゃぶしゃぶで食った(^^)次はイイダコに行かぬか?」と。

 
「イイダコ(※1)」、私の中ではシロギス釣りをやっていると時々掛かってくる外道か、オニカサゴのエサって印象しかありません。しかも今年は初のマダコ釣りをして数杯ゲットしてます。「なにも今さらちっこいイイダコ釣らなくても…」と思う気持ちは分かってもらえますよね?(誰に訊いてるんだ俺!?)

 まあしかし、これも後学のためと自分をムリヤリ納得させたものの心配事も…。

 「一束とか釣れたらどうすんだろ…。100杯のイイダコのアタマと800本のゲソと格闘するのはカミサンなんだぞ…。メンド臭い魚をさばいていると顔付きがだんだんと険しくなるんだよなアイツ…。で、いきなりプッツンして『私、こんなたくさんのタコをさばくために結婚したんじゃない!!』って引きこもりになったらどーすんだ、おい!?」

 「ああ、子供たちが成長して中学生になったとき『今だから言うけど母さんと別れたのは父さんがある日イイダコ100杯釣ってきたのが原因なんだよ…』って告白したら多分、グレるか家出するんだろうな、やっぱ…」

 「会社でも噂になって…、

OL(A) 「ねえ、ほらあの人…」
OL(B) 「あっ、例のバカみたいにイイダコ釣り過ぎたのが原因で離婚したって噂の…」
OL(A) 「イイダコっていうのが情けないわよね…。まだ鯛とか平目とかブリなら救いもあるけど…」
OL(B) 「しょせんイイダコの器ってことよ。結局イイダコ止まり。将来真っ暗って感じぃ」

 とか陰で噂されちゃうんだろうな…。んで上司の評価も下がってボーナスの査定もダウンして減給・減俸・降格・左遷・出向って人生の階段を踏み外していくんだきっと俺…」

 イイダコ、恐るべしです…。



 師匠と午前4時に合流し、大黒ふ頭から高速に入り、アクアラインを抜けて一路富津岬へ。
 ところがその道中、アクアラインの海中トンネルを抜け、海上に出たら
「風速15m」の表示が目に飛び込む。

 
「あれ〜、風が強いなぁ。今日はちょっとツライ釣りになりそうですね…」と畑田氏。
 午後から雨が降ることは天気予報で知っていたが、まさか風が吹くとは思っていなかっただけになにやらヤな胸騒ぎがした…。

 出発してからちょうど1時間で今回お世話になる船宿、川崎丸さんに到着。
 この宿は師匠も初めてらしい。
 しかも、言い出しっぺのクセに彼はイイダコ釣り初挑戦とか…。

 
「いやぁ、前からイイダコ釣りしたかったんですけど、富津の船宿からしか出てないし、そこまで一人で行くのは交通費掛かるから敬遠してたんですよ…」と車内で語っていた師匠。

 どうやら今回ばかりは「師匠」と呼ぶのは不適切みたいだ…。

 若い女将さんが立つ受付で料金を支払い、乗船券と会員証を貰う。
 店の中にも外にもたくさんのお客さんで溢れ返っていた。そう、本日は3連休の真中、混まない方が不思議なくらいだ…。

 港まで車で移動し、広大な駐車スペースに車を停め、早速船へと向かう。
 そのとき船長から「今日は2艘出しですから好きな船に乗って下さい」と言われる。そこで私たちは新しくて大きい本船を選んだ。
 乗船すると両舷のミヨシとオオドモは埋まっていたが胴の間周辺はガラガラである。
 そこで師匠はお気に入りの左舷を選択し、ミヨシ寄りに席をキープ。

 私はカミサンの機嫌が悪くなるリスクを承知で本日は2本竿で臨むつもりでいた。用意したのは愛用のキス竿。
 ところが、師匠もナニゲに私と同じ考えらしくチャッカリシッカリ、竿を2本持ってきている。

 「ふん、どうやら俺と勝負するつもりらしいな…。先週の借りを今日はキッチリと返すけんね!!」何故か博多弁で闘志を燃やす私。

 ところがそこへ船長が通りかかり、
 
「お客さん、すいません。今日は一人でひとつの穴になるので少し詰めてもらえますか?」と言ってきた。

 私の聞き間違いでなければこの爽やかな風貌の船長は確かに「一人でひとつの穴」と言った…。
 出来れば「一人で3〜4つの穴」くらいはキープしたい。それが贅沢ならば最低でも2つは欲しいところだ…。

 「これからまだたくさん乗ってくるみたいですね…」と私。
 「こりゃ、2本竿はムリかもしれませんよ…」と畑田氏。

 出船までの時間、アタリメを食いながら缶ビールを飲んでいると次から次へとお客さんが乗り込んでくる。
 今まで空いていた胴の間は見事にビシッと「穴の数」だけ埋まっていく。

 それを見て畑田氏は「目標を50杯から30杯に落とそっと…」と、下方修正した。国内の不況を象徴するような景気の悪い話である…。
 さらに、「混んでいるから足元のバケツ邪魔でしょ?どうせならひとつのバケツにお互いのイイダコ入れてあとで半分ずつにしませんか?」と折衷案を出してきた。
 「なるほど。そうすれば俺が調子悪くても師匠がその分釣ってくれるかも…。俺、のんびりワンカップ飲めちゃうな…」と判断した私はそのやや弱腰な案に賛成した。今日だけはチームプレイが要求されるのだ。

 最終的に私たちが乗った船は42人が乗り込んだ。別船も満員状態。噂には聞いていたけどこの宿は人気があるのだ。

 定刻の午前6時半、2艘の船は航程10分ほどのポイントを目指して出発した。

 しかし、心配していた風は相変わらず強く、船の進むスピードもかなりゆっくり。船長から「いつものポイントは風と波の影響で底荒れして厳しいはずなので少し沖に行きます」とアナウンス。どうやら状況は芳しくないらしい…。

 ポイントに到着し、スタートの合図が出される。
 釣り方は出船前に船長からアドバイスがあった。投げないで船下にテンヤを降ろし、テンヤが底から離れないように小突くだけ。重みや違和感を感じたら大きく竿を上げて合わせるだけなのだ。そう、マダコ釣りと要領は同じである。

 早速、船宿から支給されたラッキョの縛られたテンヤを海中に降ろす。
 するとすぐに着底。海底までの深さは4mほどの浅場。

 しかし、風と波に邪魔されて思うように小突けない。
 そして船長が心配していたとおりイイダコの乗りも良くないようだった。

 だが、そんな厳しい中で師匠畑田氏がいきなり本命を取り込んだ。スーパーで見掛けるような大きいサイズではなくかなり小振りである。そしてその後、まだ同サイズのを釣り上げた。回りでもポツポツながら顔を見ている人もいる。

 ところが私にはなんの重みも違和感も訪れない。
 そこで畑田氏が用意してくれた白テンヤに長ネギを縛り付けた仕掛けにチェンジしてみる。
 「カミサンはネギは高いんだからヤメテよ、と言ってましたが、意外と乗るかも!」と師匠イチ押しの仕掛けである。
 私も以前のマダコ釣行のときに白いテンヤにしたら好調だったことを思い出し、釣れる予感がした…。

でも、桃屋の花らっきょはダメらしい…。
<仕掛けは支給された物を使いましょう…>
 ところがこの「白テン&ネギ仕掛け」には重大な欠点があった。
 仕掛けを小突いたり、上げ下げしているうちに長ネギがベロンとむけてくるのだ…。

 「し、師匠、このネギってベロンベロンなんですけど…」
 「ああホントだ…。やめたほうがイイですよそれ…。だからラッキョなんですよ!

 ああ、このオッサンの言うことを信じた私がバカでした…。どうりでこの人は船宿の仕掛けだけを使っていると思った…。やっぱり自分でも言い知れぬ不安感を抱いていたのでしょう…。

 私はこれで貴重な数十分間をムダにした。見事なチームプレイである…。

 信頼と実績の船宿仕掛けを付け直し、再投入。
 するとようやくテンヤにわずかながらの重みが加わった。
 大きく聞き上げ、開始から1時間近く経過してなんとか1杯目をゲット。束釣りの心配はなさそうだ…。

 8時半過ぎ、船長は風を避けるため陸寄りの去年好調だったポイントへの移動を宣言。そこは今年はまだ試していないがイイダコがいれば数が上がるはずとのこと。

 そしてその予想は見事に的中、入れれば掛かる今日初めての入れ乗りタイムに突入。
 それまでは「イイダコ釣りなんてつまらない…」と思っていた私がようやく楽しいと感じるようになってきた。
 しかし、今まではポツポツと取り込んでいた師匠に突然アタリがなくなる…。回りではほとんどの人がハイペースで釣り上げているのに反して彼には今イチ乗りが悪い。だが、こういう時こそ師弟関係のタッグチームは有利なのだ。私のおかげでバケツの中に浸かっている網はドンドンと膨れてきた。

網から出てるゲソがかなりエグエグですぅ!
<2人分の釣果全景>

 沖揚がりは午後12時の予定だったが、次第に強まる風と今にも雨が降りそうな空模様から判断し、船長は30分納竿時間を早めた。

 私は途中まで自分の釣り上げた数をカウントしていたが、ワンカップのアルコールが効いてくると数えるのも面倒になったので正確な数字は分からない。多分30杯くらいは釣ったと思う。
 師匠は自己申告で35杯と言っていた。それが本当かどうかは知る由もない…。

 イイダコ釣り、天気さえ良くてあまり混雑してなければそこそこ面白い釣りだと思った。小物釣りに欠かせないのんびりとした雰囲気を楽しみつつ愛らしいタコたちを眺めていれば釣りの楽しさを再確認するはず。

 是非、皆さんも機会があったらお試し下さい。
 ただし、そのときは船宿のテンヤを使いましょうね。わはは。



 下船後、女将さんから貰った「イイダコの料理方法」。
 そこに載っていた「しゃぶしゃぶ」は悶絶するくらいに旨かった!!
 ゲソとアタマを別に切り、昆布ダシに数秒くぐらせ、ポン酢ともみじおろしで食べる至って簡単な料理。しかし、富津ブランドのイイダコの旨味がそのまま味わえ、スーパーで売っているそれとは雲泥の差であることを実感!!私個人の好みではマダコよりもこっちのが旨いのだ!!これ、絶対にお薦めします!!ホント!!

 しゃぶしゃぶを食べたらまたイイダコ釣りに行きたくなりました。
 もちろん今度は2本竿でね♪


※1【イイダコ(飯蛸)】
別名コモチダコ。腕膜の表面にある一対の大きな眼球状紋が特徴。日本での主産地は瀬戸内海。冬から早春に卵が熟し、外套(がいとう)の中に飯粒が詰まっているように見えるのが名の由来。身も卵もおいしい。最近、店頭に並べられる眼球紋のある小型のタコは、東南アジアから輸入された近縁種のコツブイイダコで、この種は卵が非常に小さいことで区別できる。

小振りだけど味はサイコー!!
<一気に食べました>