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| <釣り物> ヤリイカ <釣 果> ヤリイカ16杯、イワシ1尾 <船 宿> 長井 栃木丸 <釣り場> 相模湾 城ヶ島沖 <タックル> 竿/Daiwa リーディングXLヤリイカ195、リール/Daiwa SEABORG500e(道糸:PE6号)、仕掛け/ヤマシタ イカ釣PROサビキ(カラフル針11cm7本・ハリス3号・幹糸5号・枝10cm・間100cm)、オモリ/120号+中オモリ10号 <エ サ> ― <釣り座> 右舷胴の間(っていうか状況としてはミヨシ) <同行者> TAKE氏、まっちゃん <どう食ったか> 刺身、沖漬け、まぐろ中落ち巻き、ユッケ丼 |
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<日 記> 沖釣り歴10年以上のまっちゃん。 |
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早朝5時半、TAKEさんが迎えに来てくれた車に乗り込みいざ、イカ好きがしのぎを削る長井を目指す。 高速の衣笠の出口を出て、三浦縦貫道を通過中にまっちゃんからメールが入る。 「着いたアル。TAKEさんにオオドモ用意したアル」と。 まっちゃんの朝は早い。 いつも私たちより先に宿に到着し、釣り座をキープしてくれている。いい人だ…。 本日お世話になる栃木丸さんに到着するとまっちゃんが宿で待っていてくれた。 料金を支払い、早速船へと乗り込む。 メールにもあったようにオオドモはTAKEさんで決定。 まっちゃんの竿はその隣りに挿してある。 そこで私は同じ右舷の胴の間へ座ることとした。 ふと、周囲を見渡せば天気予報では一日中雨が降ると発表されていたためか、他のお客さんの姿がない。どうやら今回も得意の大名釣りとなりそうな気配。 午前7時ジャスト、小雨がパラつく中、女将さんに見送られながら船は港を離れる。 結局、私たち3人の他には左舷に1名の方がいるだけの船中4人。 激闘のヤリイカ争奪戦を想像していただけにこの人数は有り難い。各自へのイカの分配が増えるのは必至なのだ。 「この人数なら今日こそはヤリイカのツ抜け達成ですね!」と私がまっちゃんを励ました。 彼の目にも期待と希望が色濃く滲んでいた。 航程約30分で城ヶ島沖に到着。 その周りには長井の船が多く集まっている。 潮回り後、船長から戦闘開始の合図が出される。 水深は約110m。まっちゃんによると今はヤリイカの乗っ込み時期で浅場に来ているそうだ。 今日の私の作戦は底を重点的に狙うこと。広く探らず、ベタ底気味で終始し、仕掛けの上下の移動は極力少なくするつもりだった。 そこで、ツノを7本の物にし、オモリが着底したら大きく誘い、乗りがなければ即オモリを落とす作業を繰り返した。 船長からの指示ダナは5mくらい。 つまり今日の私の仕掛けならリールを巻かずともヤリイカが群れている層をカバー出来る計算なのだ。 一流し目は全員が空振り。 しかし、その次と三流し目で状況は上向いてきた。 まず、私が最初に型を見た。 オモリが底に着いた反動で揺れたツノに乗ったのか、誘い上げようとしたときにグッと重みが加わったのだ。 栃木船長のアドバイスでリールの巻き上げ速度を「15」の中速にして仕掛けを回収。 小振りながらも本命がブルーのツノを抱いて上がってきた。 次投も底でヒット。今度は下から2番目のケイムラのツノに乗っていた。 苦手とするイカ釣りではあるが、今日に限ってはイヤに幸先がいい。 その後、私はさらに幸運に恵まれ、ダブルヒットも達成し、合計5杯。 まっちゃんも2杯をオケにキープし、TAKEさんは私同様に2点掛けに成功。 しかし、好調だったのはそこまで。 それ以降はときおりポツポツと乗る程度。 「むむっ、ヤバイ!俺のが釣ってるぞ…。これじゃまっちゃんの立場が…」と私は暗澹とした気持ちになる。 がしかし、やっぱり釣れている嬉しさは隠し切れない…。 私は昨年11月に作成し、冷凍庫で寝かせてあった沖漬けのタレをこっそりとクーラーから取り出す。 適当な大きさのヤリを2杯ほどジップロックに入れ、そこにドボドボとタレを投入。 生まれて初めて味わう醤油とミリンと酒の混合液に驚愕の色を隠せないヤリイカはビニール袋の中でスミを噴出させ悶え苦しむ。 半透明の体色はみるみるうちに茶褐色へと染まっていく。 青色吐息ならぬタレ色吐息だ…。 「さあ、もっとタレを吸いなさい!タレ色に染まってタレ味になりなさい!身も心もタレに捧げなさい!」とタレたヨダレを拭きつつ見守る。 そんな私にまっちゃんは、 「いくら見てたってイカは増えませんよ…」とチョッカイを出す。 「ふん、悔しかったら漬けてみれ!!」と好戦的になるが口には出さずにおく…。 そんなとき、まっちゃんのリールが低くゆっくりとした巻き上げ音を発した。 「むふふ。これは大きいですよぉ〜!!」とニンマリしている。 確かに竿の突っ込み方は良型もしくは多点掛けを思わせる。 そしてカンナに刺さって上がってきたのは…、
どーも、調子が今イチのようだ…。 この時点で私のヤリは8杯に増えていた。 あと2杯でまっちゃんが目指すツ抜けが達成出来る。ちなみにまっちゃんは5杯…。き、気まずい…。 時間は午前11時50分になった。 私たちの目の前にひろさんご夫婦が乗っている同じ長井の春盛丸が見えた。本日は仲間内で仕立てて、ヤリイカを狙っているのだ。 すると胴の間で竿を出しているお二人を発見! 「お〜〜〜い、ひろさぁ〜〜〜ん!!」とまっちゃんがヤケクソ気味に叫び、手を振る。 するとご主人が先に気付き、ひろさんに教えこちらを指差す。 手を振り返してくれるお二人。 距離がありすぎるので会話は出来ない。 本当なら「どうです、そちらは!?」などと声を掛け、 「まだ○杯です〜ッ!!そっちは〜ッ!?」なんて声が返ってきて 「俺、あと2杯でツ抜け〜ッ!!」なんて私がでしゃばったりすると 「まっちゃんは〜ッ!?」とアンタッチャブルなテーマが飛び出し 「それがぁ〜〜〜」と多くを語らなくても察しがつくファジーな返答をして、ひろさんたちは思わず苦笑いをし、なにもなかったかのように釣りに戻るのが正しい出会いの光景であるのに…。 そんな状況で誘っていたら沈黙を続けていたイカが急に乗りだす。 あれまあれまと言う間に私は3杯も上げ、いとも簡単にツ抜けを達成…。 ついさっきまではまっちゃんが「ね、最初は釣れても10杯に届く頃になると急に難しくなるんですよ…」としみじみ言っており、私も「そーかそーか、そういうことか…」とツ抜け達成の困難さを身にしみて実感していたのに…。 この流しでまっちゃんも数杯追釣した。 TAKEさんはこの一瞬の時合に仕掛けを作っていたのでチャンスを物に出来ず…。 ひろさんの船と別れを告げると私たちの乗りにも別れが訪れた…。 納竿時間の午後2時まであと1時間ほどになった頃、ポイントは130〜150mダチの深場へと変わっていく。 その場所で今まで静かだったTAKEさんの仕掛けへ突然イカが押し寄せた。 朝のダブル掛けからあまり数を伸ばすことが出来ないでいたTAKEさんがいきなり釣り始め、一気に数杯を追加。 私もまたダブルを達成し、ついに合計16杯…。 「すいません、タバコ貰えますか?」とまっちゃんが私の席まで来た。 「一ヶ月振りにタバコ吸います…」としみじみ語った。 「前回はどこで吸ったの?」と問う私に 「会社です…」と答えるまっちゃん。 「そのときイヤなことでもあったの?」の質問に 「そうです…」と言葉少なに返事をした。 そのときのまっちゃんの目は遥か遠くを見ていた…。そして目尻にはうっすらと涙の雫が浮かんでいたのを私は見逃さなかった。しかし、我らわはは爆釣隊に涙は禁物。私は気付かないフリをした…。 定刻の午後2時ついに納竿。 まっちゃんヤリイカ9杯にスルメ1杯・カガミダイ1尾。TAKEさんヤリイカ6杯。 「ね。これがいつものペースなんです。でも、これが私のスタイルなんです。これが私の釣りなんです!」とまっちゃんは激白した。 「分かったよ、まっちゃん。誰もあなたのことをヘタ呼ばわりしないから安心しなよ…」と私は慰めた。 宿に戻り、お茶を頂く。 お土産に生ワカメを頂戴した。 船長と女将さんに別れを告げ、TAKEさんが買い物をしたいというので3人で長井水産へ行くと、偶然にもひろさんご夫妻と会う。 残念ながらひろさんの船も渋かったようだ。 買い物を済ませたTAKEさんと共にまっちゃんに手を振る。 まっちゃんの愛車、グリーンのレガシーは晩冬の景色へとけ込んでいった。 私は胸の内でこうつぶやいた、 「席も実力のうちだよ…」と。 私はまっちゃんに春が訪れるのはまだまだ遠いような気がした…。
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