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今夜の番組チェック




 釣行日:平成15年2月22日(土) 小潮 天候/曇り一時雨 

<釣り物> ショウイサイフグ
<釣 果>
 番号札1枚
<船 宿> 外房大原 天の清栄丸
<釣り場> 太東沖(に行くはずだった…)
<タックル> 竿/RYOBI 別誂夢幻海かわはぎ浅場180、リール/Daiwa ミリオネアCV-Z103(道糸:PE1.5号)、仕掛け/ヤマシタ フグカットウ仕掛(カットウ針16号2本針・ナツメオモリ夜光アオヤギカラー25号)、先糸/フロロカーボン4号(1.5m)
<エ サ> アオヤギ(を使うはずだった…)
<釣り座>
 左舷トモ3番目(席番号22番)
<同行者> まっちゃん
<どう食ったか> ―

<日 記> 2月15日(土)、わはは爆釣隊一のイカおやじ、まっちゃんがついに長井での悲願のヤリイカツ抜けを果たした。
 その時、船中には11人乗っており、それらの並み居る常連客を抑えての「竿頭」という輝かしい栄冠まで手中に納める偉業を達成。肝心の釣果は12杯。

 ツ抜けをした瞬間、「男まつもと」は感極まって号泣したと噂されている。
 嗚咽し、泣きじゃくりながら天に向かって高々とガッツポーツを掲げたと伝え聞く。
 「これで他の釣りが出来るぅぅぅっ!!」と絶叫し、その雄叫びは城ヶ島沖に響き渡ったとも言われる。

 まっちゃんはヤリイカのツ抜けを成功させるまで他の釣りをやらないと決めていた。
 これでようやく自分に課した試練を乗り越え、イカ以外の魚と対峙出来るようになったのだ。

 そんなまっちゃんが最初に選んだ釣り物はショウサイフグ
 今までフグ釣りの経験がなく、是非とも対戦したかった相手だそうだ。

 そして初フグと闘う場所は外房の大原を指名。
 理由は「数が釣れそうだから」と「さばいてくれるみたいだから」。

 そのまっちゃん曰く、「釣りは船宿選びから始まる」
 彼が推薦した宿は天の清栄丸さん。何故かといえば「その名前が他の宿を圧倒しているから」と「なんか空いてそうだから」。安直といえば誠にもって安直な理由…。

 しかし私も、今までフグ釣りといったら東京湾でしかやったことがなく、外房での釣行は今回が初めて。
 幾度も湾内で泣かされた対ショウサイフグの経験を外房で試すのも興味深いとその誘いに乗ったのが本日の悲話の始まり…。



 午前2時45分、迎えに来てくれたまっちゃんの車に乗り込む。
 アクアラインを渡り、木更津北インターチェンジで降りたあと、延々と続く国道を走って房総半島を横断。
 所要時間約1時間45分で大原港に到着。

 港の道を進むと軒並みある宿の中に天の清栄丸さんを発見。
 店の近くに車を停め、宿にお邪魔する。
 中には10人近い釣り人が集合していた。

 前日に女将さんから聞いた話では釣り座は店の中にある座席表の番号札を取るようにと。
 四隅はすでに埋まっていたので左舷のトモ3番目と4番目の札をまっちゃんがチョイス。座席番号は21番と22番である。

 この宿は店の中でおでんが湯気を上げており、釣り人は自由にそれを食べられる。嬉しいサービスなのだ。
 そこでまっちゃんは「どれどれ…」とばかりに数個を口に運ぶ。アツアツでいかにも旨そう…。

 店の横に併設されている釣具屋さんで私たちはカットウ仕掛け(400円)をヒトツずつ購入。

さすらいのリルート男です…
<初フグに浮かれるまっちゃん…>
 その後、外房での初フグ対決にいてもたってもいられず、着替えを済ませ船に乗り込む。
 大きくて設備もしっかりしているいい船である。

 しかし、宿に着いてからずっと気になっていることがあった。

 どうも風が強いのだ…。
 明らかなる強風ではないが、小さいアタリを取るフグ釣りにはやや問題がありそうな強さ…。

 それでも私は
「まあ、どうにかなるでしょ…」といつもの脳天気ぶりを発揮。

 タックルのセッティングを済ませ、お馴染みの「ふく娘 燗番娘180ml(291円)」を「ズズッ…」とすする。ほどよく温められた日本酒にムセそうになりながらもその味を堪能。
 私が旨そうに飲んでいるのを見たまっちゃん、つられて自分も燗番娘をオープン。

 談笑しながら時計を見ると出船時間の午前5時30分を大きく回っていた。
 操舵室には船長の姿はない…。

 「んだよ、誰かまだ来てないヤツでもいんだろ!んもぅ!!」と本場でのフグ釣りに高まる期待を抑え、悶々とする私。

 午前6時。
 いまだに姿を現さない船長…。
 まっちゃんは2本目の燗番娘に手をのばした…。

 そのうちに私たちの間にある疑念が沸き起こった…。

 「沖は波が高すぎて出船出来なかったりしてね…」
 「もしも中止だったら東京湾で午後船のビシアジでもやりますか?」
 「車をぶっ飛ばせば鶴見の新明丸のショウサイフグに間に合うかも!」
 「でもアジも捨て難い…」

 しかし、このときはもちろん冗談のつもりだった…。

 午前6時10分。
 相変わらず船長は登場しない…。

 さては、お腹の調子でも悪いのだろうか…。
 日テレの「ズームイン!!サタデー」に夢中になっていることも考えられる…。
 犬の散歩から帰ってきてないって可能性だってある…。

 私はふと、ミヨシに行き、港の外はどうなっているか様子を見た。
 遠くに見える景色に私は愕然とする…。
 堤防にブチあたる波しぶきが尋常ならざる高さなのだ…。
 それはまるで東映の映画のオープニングドド〜ン!!のよう…。

 「ま、まっちゃん。ここに来てアッチの方、見てみ…」
 「あっ、あああっ…」


 その波しぶきを見て、私たちは一瞬にして事態を悟った…。
 大原港内に停めてある他の釣り船も一隻たりとも出船していない…。
 それどころか荷物を持って乗客が降りている船さえある…。
 どうやらさっきの会話が現実のものとなる可能性が高くなってきた…。

 午前6時20分。
 依然ミヨシで呆然と立ちすくむ私にまっちゃんが腕で「×」印を作った…。
 正式に出船中止が告げられたようだ…。

人生初の出船中止です…
<ホロ酔いのまっちゃん…>
 下船する際女将さんが、「どうもすみません…」と丁重にお詫びしてくれるが相手が自然では仕方ありません…。

 飲み物が減ったせいで少しだけ軽くなったクーラーを仕舞い、防寒服を脱ぎ、港を後にした…。

 1時間半前に通ったばかりの道を引き返す私たち…。
 ハンドルを握るまっちゃんの手首に座席の番号札があるのを発見。
 私の右手首にも同様の札があった…。

 「いけね、札を返すの忘れてた!!」と私。
 「まあ仕方ないでしょ、出船中止だったんだから…」と意味不明なことを口走るまっちゃん。相当こたえているようだ…。

 我がわはは爆釣隊員の中で悪名高い「まっちゃんプロデュース釣行」
 不思議と彼が企画した釣りでは貧果に泣かされることが多い。

 振り返れば今日の釣り物を決めたのはまっちゃんである…。
 東京湾のフグでもよかったのに、外房まで行こうと言い出したのもまっちゃん…。
 「釣りは船宿選びから始まる」と豪語したのも彼だった…。

 そんな私の声無き非難を感じたのかまっちゃんはこう、うそぶいた。

 「釣りって出船前が一番楽しいじゃないですか。つまり今日はその美味しいところだけを味わえたのです!出船が中止になったおかげで早く家に帰れ、昼寝も出来るし!あっ、そうだ!帰ったら床屋に行こっと…」

 しかし、その言葉とは裏腹に気持ちの動揺を隠し切れないまっちゃんは道に迷った…。
 間髪入れず、カーナビが女性の声でこう告げた。


「リルートします…」


 出来れば本日もスタートの時点からリルートしたいと心から願う一日が始まったばかりの外房の6時40分…。
 新ユニット「リルート隊」誕生の瞬間でありました…。


只今、21番と22番は座りたくても座れません…
<郵送でお返しします…>