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| <釣り物> アジ <釣 果> アジ18尾、サバ4尾、カタクチイワシ数尾 <船 宿> 新安浦 こうゆう丸 <釣り場> 東京湾 横須賀沖〜観音崎沖 <タックル> 竿/Daiwa リーディングXサソイ100-150、リール/Daiwa SEABORG300(道糸:PE4号)、仕掛け/【A】ミサキ アジ喰競ちびウイリー巻(白ムツ10号3本針・幹糸2号・ハリス2号・枝25cm・間60cm・全長2m)【B】ハヤブサ 竿頭大アジ(ムツ12号2本針・幹糸2号・ハリス2号・枝25cm・全長2.3m)、テンビン/夢の天秤(アジ・イサキ用)、オモリ/アンドンビシ130号 <エ サ> 【付けエサ】イカのアカタン【コマセ】イワシのミンチ <釣り座> 左舷ミヨシ2番目 <同行者> TAKE氏 <どう食ったか> 刺身、梅シソ丼、ゴマリネ |
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<日 記>
今月の8日に葉山あぶずりで行われたTAKEさん・KOBUさんとのスルメ対決。 その日記の中でTAKEさんがリストラにあった話をご紹介したところ、全国からたくさんの励ましのメールを頂戴しました。 まずはその一部をご紹介します。
などなど。 頂いたメールは全てTAKEさんに転送してありますのでご安心下さい。 さて、本日は以前から計画していた東京湾でのショウサイフグの釣行日。 しかし、相も変わらず貧果人生を進んでいる私として、ショウサイフグはやや厳しい…。 それよりもたまにはババンと釣れる釣りをやりたい…。 ここはヒトツ手堅く、安心・確実・堅実・外れ無しなターゲットを狙いたい…。 真っ先に頭に浮かんだのはアジ。 そういえば最近、ビシアジをやっていないことに気付く。 このコーナーで過去、何度も提言しているように「ビシアジは人生のキホン」であります。 また、言い換えれば「ビシアジは人生の縮図」でもあるのです。 さらに「ビシアジは筋書きのないドラマ」だし「ビシアジは釣りのロールシャッハテスト」ともいえるわけです。 そこで前日、TAKEさんにアジに変更の打診をし、快諾をもらう。 宿はもちろん安浦港にあるこうゆう丸さん。私とTAKEさん、お気に入りの宿であります。 リストラにあい、パチンコで生計を立てようとしているTAKEさん。志低く、釣果もジリ貧な私。こんな二人にとって人生を見つめ直す意味も含め、ビシアジは正にピッタリの釣り物だと思うわけであります。わはは。 ■ 澄み潮 午前5時半ジャスト、約束の時間にTAKEさんの愛車は待ち合わせ場所に到着。 一時は奥様がお子さんを連れて実家に帰っていた時期もあったようだが、今はどうやら平穏な生活を営んでいる様子のTAKEさん。 ところが、安浦港に向かう車内のTAKEさんは、私に心配をかけまいとして無理して普段どおりの態度を装っているように思えた。 私はTAKEさんと何度も釣行をしているので彼が今ひとつ元気がないのが良く分かる。 いつもであれば運転をしながら本日の釣りをテーマに、心から嬉しそうに会話するのだが、今日の様子は心ここに在らずといった感じ…。 私たちはカーナビの助けを借りず、一度の迷走もないまま無事に新安浦港の駐車場に入った。 駐車してある車の数はそれほど多くない。 早速、後部に積まれた荷物を持ち、第18こうゆう丸に乗り込む。 右舷のミヨシと両舷オオドモはすでに陥落済み、そこでガラガラの左舷ミヨシへ荷物を置く。 釣り座はTAKEさんがミヨシ、私がミヨシ2番目。 その後、宿に戻り、支払いを済ませることに。 受付けには私たちのアイドル、こうゆう丸の看板娘の梨沙ちゃんとそのお母さんがいた。 テキパキとして感じの良い梨沙ママに船代5,000円を払い、あくまでも自然に、そしてあくまでもさり気なくその横にいる梨沙ちゃんへ愛情タップリの視線を送る。 まだ眠いのかややアンニュイな雰囲気を醸しだす理沙ちゃん。なんとなくフランス映画のヒロインみたいな雰囲気におじさんは(私のことね)速攻でメロメロ…。いわゆる瞬殺状態なのだ…。 私の次に受付けをしたTAKEさん、後姿からしか判断出来ないが間違いなく鼻の下は伸びていることだろう…。私らのような30代半ばの妻子持ちを手玉に取るとは梨沙ちゃんも罪な人なのだ(っていうか俺らの態度のが罪っぽいけど…)。 その後、TAKEさんは駐車許可証を車へ置きに行き、私はそのまま船へと戻る。 タックルの準備をしているそのそばで、せっせとコマセの用意をする荻野“梨沙パパ”勝美船長。 その船長が海を見て大きな声で独り言をつぶやいた。 「昨日の風で水が澄んじゃったなぁ…」 私は最後の結びの言葉がどうも気になった…。 「水が澄んでくれたなぁ…」とか 「水が澄んだぞ!」やら 「水が澄んでるぅ〜☆」などとは明らかに違い、よくないイメージが強い。 駐車場から戻ってきたTAKEさんと「今日の海は俺たちのハートと同じで透き通っているぞ!」と騒いでいると先般の梨沙ちゃんが乗船してきた。 途端に俺たちのハートに濁りが生じる…。 「梨沙ちゃんが船長ですかね…」 「だといいですね。可愛い声でタナの指示とか出たり…」 「あと、『はい、もっとコマセをたくさん撒いて下さぁ〜い』なんて言われたら…」 「いろんなコマセ撒きそうですよね…」 どうしようもない会話である…。 出船時間近くになって最後に乗ってきた常連さんが私の左隣りに座り、左舷総勢6名という余裕の釣り座。 空は晴れわたり、カラッとしていて気持ちがいい。 喉を流れる缶チューハイがメチャメチャ美味く感じる。 定刻よりも10分早い、午前7時20分、梨沙パパが舵を握る船はベタ凪の海へと出発した。 ■ TAKEさんの内省 航程約10分、横須賀の真沖で船はストップ。 すぐに投入の合図。タナはいつものように底から2.5〜3mの指示。 出船前、船長が言っていたように海は結構澄んでいる。 私はセオリーどおりに、ビシ着底後2、3度底ダチを取り直し、2mでコマセを振って3mでアタリを待つ。 するといきなり魚信が到来。 今回もゴム無しで臨んでいるが、電動リールの巻き上げ速度は中速。 抜き上げられたのは体長20cmくらいのアジ。しかし、ハリ掛かりしていたのは口ではなくエラブタ…。 次の投入ではまたもやエラ掛かりした本命に加え、シコイワシの一荷…。 イワシはTAKEさんが好きなので彼のタルにプレゼント。 しかし、全体的にはあまり食いが良いとは言い難い。 ときおりポツポツとあたるくらい。
たまに釣れたと思えばシコイワシ…。 なんとなく声を掛けづらい雰囲気が流れる…。 「俺、企業に向かないから…」 ボソっとTAKEさんがつぶやいた。 どうやら今は釣りよりも内省の時間のようだった…。 「小学校の通信簿にも協調性がないって書かれてたし…」 私に話しているというよりも自分に語りかけているようだった…。 「カミサンも言うんです。パパは普通の人とはうまくやっていけないタイプだって…。ちょっと変わった人たちとしか付き合えないって…」 ちょっと変わった人たち、私も当てはまるのだろうか…。 「なんで俺だけ釣れないんだろう…」 次第に矛先が変わってきた…。 「たまにアジらしいアタリがあっても誰かさんとオマツリしてバラしちゃうし…」 誰かさんとは私のことらしい…。 「釣れたと思ったらちっこいイワシだし…」 大好きなイワシまでも糾弾し始めた…。 「会社リストラ」→「協調性無し」→「釣れない」→「掛かったらオマツリ」→「結局バラシ」→「釣れてもイワシ」。それはまさに負の流れ、負の相乗効果、負のわらしべ長者であった…。 ■ 父親としてのメザシ 突然、私の仕掛けが深く突っ込む。 明らかにアジのアタリではない。 仕掛けをグジャグジャにして上がってきたのは丸々と太った旨そうなサバ。船内でもアチコチでサバが釣れ始めた。ここで私は4本をキープ。 TAKEさんにも1本が掛かり、無事に取り込む。 少し釣れ始めたことに気を良くしたのかTAKEさん、タルに泳がせていたシコイワシを指でさばきだす。 内臓を出し、開いて、船上干しを始める。 「ウチの息子は魚好きなんです。焼肉を食べに行っても肉食べないでメザシを食うくらい」 どうやらTAKEさんは息子さんのために自家製メザシを作っているようだ。愛情あふれる良き父親の姿を垣間見た。 ところがその頃、サバの襲来が過ぎ、アジが順調に食い始めていたのだ。 「TAKEさん、干物作るよりも今は釣りしたら!?」と私は思わず忠告する。 しかし、今の興味は船上干し以外には考えられないようだった…。
でも、次第にTAKEさんがいつもの笑顔に戻ってきたので正直私は嬉しかった。 「私は釣りをするのではなく、溜まったストレスを捨てに海に来ているのです」と語った人がいる。 今のTAKEさんもきっと同じなのだろう。 私が今回、フグをやめ、ビシアジを選んだのはTAKEさんに釣りを楽しんでもらいたいからという理由もあった。 一日中、小さなアタリを取って一所懸命に行う釣りより、気が向けば誘い、休みたければ竿を置き、半日リラックスした気分で過ごしてもらいたいと思っていたのだ。 私の左横では常連さんと楽しそうに会話をする梨沙ちゃんの声が聞こえた。 陽射しは強く、梅雨の時期とは思えない真夏の太陽が照りつける。 凪いだ東京湾に抱かれ、船上はまったくもってノンビリムード。 Tシャツ越しに汗ばんだ肌を冷やすそよ風。 ときおり思い出したように釣れるアジ。 これ以上なにかを望むのは贅沢だと思った。敢えて望むならそれはTAKEさんの定職くらいなものだ…。 ■ ビシアジの意義 船長は船を第二海堡の南側へ移動させた。 そこは湾奥や走水の船が集結する船団が形成されていた。 水深は40m以上と灘寄りだった先程の場所より10m以上深くなっている。 ここではアタリが頻発するようになった。 型は今イチ小さいものの金色に輝くアジが飽きない程度に上がる。 TAKEさんにも多くのアタリが続いた。 しかし、実際に手に入れることが出来たのはその内の半分くらいだろうか…。 巻き上げている途中でどうしてもバラシてしまうらしい…。 「なんでバレるんだろう…」と思い悩むTAKEさん。 「バレるときはバレますよ…」となんの解決方法にもならないコメントを寄せる私。 「そうですよね、バレるときはバレるんですよね」TAKEさんが復唱した。 このとき、TAKEさんはどこか吹っ切れた様子だった。 なにか物事の真理を受け入れたような笑顔だった。 「バレるときはバレる」 ビシアジは私たちに人生の本質を教えてくれたようだった。 バレないよう努力することは大切だが、バレを全て防ぐのは不可能なんだと諭してくれた気がする。 だが、決してバラシを恐れてはいけないとも。 「生きていると理不尽で不条理な出来事がたくさんある。公平で平等なことなんかオマエらが期待するほどたくさんは無いんだ。でも、希望と夢と前向きな気持ちだけは忘れるなよ」 ビシアジは私たちにそう教えてくれた気がした。 「これ、よかったら持って帰って食べて下さい」 TAKEさんは自分が作ったイワシの干物を私に渡した。 「いいんですか?」 「まだあるし。それにアジも家族で食べる分くらいは釣れたから」 いつもの笑顔が応えた。 ■ 嬉しい出会い 午前11時30分、船長から納竿のお知らせ。 港に戻るまでの操船は梨沙ちゃんが行っていた。 将来は素敵な女性船長になるのだろうか。ちょっと楽しみである。 船着場に戻り、もやい綱を渡しているとき、見慣れた人が目の前にいた。 「わはは爆釣隊の重鎮」コウさんである。 私とTAKEさんがこうゆう丸の午前アジに乗ることを知って駆けつけてくれたようだ。 ファッショナブルな服装で見た目は実年齢よりもずっと若い。 微笑をたたえた目はキラキラと輝き、温かく優しい。 そんなコウさんの出迎えを受けた私たちは、今日一日がさらに素敵なものとなったのだ。 コウさんは明日、仲間たちと小網代までマルイカ狙いで臨むらしい。 今日と明日のお互いの健闘をたたえあって別れた。 TAKEさんは宿でこうゆう丸オリジナルTシャツ(1,000円)を買った。 そのTシャツがクタクタになる頃、ビシアジは今度、私たちになにを教えてくれるのだろうか…(ああ、今日の日記はいい話で終わったなぁ〜)。 |
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