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<日 記>
あっ、いきなり恐い顔したオジサンの写真で驚かせてごめんなさい…。
この人は稲川会系の人でなければダフ屋系の人でもありません。
もちろん繁華街で「ネエチャン、この薬飲むと痩せるでぇ」と偽って白い粉々売るとか、「貸したカネ払えないなら職場乗り込むど、コラッ!」と脅すのが本職の人でもありません。
上記の人、確かに昔ちょっとヤンチャだったのは事実ですが、現在は立派な家庭を持ち、子煩悩な良き父親であります。
ところで今、我がわはは爆釣隊は新規女性メンバーを多数募集しております。容姿・年齢・身長・体重・カップのサイズ等は一切問いません。
ですからこの人が当隊のメンバーだと知っても恐がらないでドシドシ応募しましょう。
ちなみに活動エリアは相模湾・東京湾・外房です。銭洲あたりまで遠征してモロコとかカンパチとかヒラマサ狙ったりはしません、「強面(こわもて)=遠征オヤジ」だと勘違いしないで下さいね。
さて、本日はやまやさんに誘われて、「第2回金沢漁港シロギス釣り大会」に行ってきました。
私にとって釣り大会は初めてのこと。
もちろん数でその順位を競うのなら参加するはずもありませんが、釣ったキスの中から良型3尾を選んでその重量が一番の人がチャンピオンになるルール。これならわずかでもチャンスがあるかも知れません。
その釣行に参加してくれたのが前述のTAKEさん。
今日、お子さんが熱を出しているのに釣りを断行してしまう豪気さは他の隊員の模範となるものであります。
さあ、一等の景品、「憧れのハワイ旅行ペアチケット」を目指して気合入れて闘うぜ。わはは。
■ 爽やかな朝
「川口の顔役」「博徒系アングラー」「脱サラ構成員」ことTAKEさんの愛車、「まじめなCOLT」は既に集合場所に待機していた。
私は待ち合わせ時間の5時50分に到着するはずであったが出発間際に便意をもよおし数分の遅刻をしてしまった。
「あぁヤバイ、俺は遅刻したからTAKEさんに落とし前つけろって怒られて小指とか詰められるんだ、きっとごめんなさいごめんなさい二度と遅刻しませんから見逃して下さいお詫びにカミサン貸しますから許して下さいって懇願しても絶対ダメでバッカンから刃渡り35センチくらいの本場堺の職人が精魂込めて作った柳刀包丁と100円ショップで買った抗菌素材のまな板取り出していいからとっととテメーの右手出せって強制的に小指叩き切られて敗血症で死ぬんだ俺、あぁどうしようどうしよう…」
と、ビビッていたが、実は本人それどころではなく、次に向かうやまやさんとの待ち合わせ場所であるJR鶴見駅東口の行き方に思い悩んでいた。
近くで見るとそのTAKEさん、頭髪が先週よりも短くなっている。
訊くとスキカルで刈り込んだとか。
さらにそばで話をするとヤケに吐く息がお酒くさい…。
昨晩、戸塚にいる奥様の親戚のおじさんと芋焼酎をしこたま飲んだらしい。
そんなTAKEさんが運転する車は間もなく鶴見駅に到着。
やまやさんは鶴見駅まで電車で来て私たちと合流する予定。
しかし、本来の待ち合わせ場所である東口へ行くにはぐるりと迂回しなければならないのだ。さらに合流後、開かずの踏み切りを渡らなければならず、前途多難な行程が待っていた。そこで仕方なく西口前に車を着ける。
するとタイミングを見計らったようにやまやさんから電話が。
私たちが今、西口にいる旨を伝え無事に落ち合う。
駅の階段を下り、TAKEさんの車に近付くやまやさん。
すると彼の動きが一瞬止まる…。TAKEさんの変わりように明らかに動揺している様子だ…。
「ね、恐いでしょ…」と私。
「ずいぶん変わりましたね…」とやまやさん。
「これでスーツ着て国金に行って融資してもらったんです。わざわざ次長が出てきましたよ」TAKEさん。
「次長が出るっていうのはヤバそうな人の場合ですよ…」
「ヤバそうな人」国民金融公庫の人と私は同じ価値観を持っているようだった…。
■ ポイズンキラー、「東京スナメ」
私たちは出船の1時間以上前に金沢漁港に到着。
TAKEさんと私がお世話になる進丸さんの駐車場はすでに満車状態。そこで店の裏に車を停める。
荷物を降ろしていると「胃潰瘍と一生付き合っていくことを決めた男」「キャプテン・マーロック」「胃に千の穴を持つ船長」と噂される正船長が満面の笑みで出迎えてくれた。
そして船長は突然、自分の頭に巻いていたタオルを取る…。
「ぼくもTAKEさんと同じで頭を丸めたんです!」と嬉しそうに告白した。
確かに髪の毛の長さはTAKEさんのそれと同じであった…。
私は正船長がボウズにした理由を知りたかったが、それを問いただすと満身創痍の胃部に激痛が走り、苦悶するだろうと判断し、断念。忘れたい思い出はそっとしておくのが一番なのだ…。
しばらく歓談したあと、やまやさんは仁春丸さんへと向かった。
そう、これからは二班に別れての釣行なのだ。
「じゃあ、表彰式で会いましょう!」とその場を去るやまやさん。
出来れば壇上で再会したいものだ…。
「もう結構お客さん乗ってるんで席取っておいた方がいいですよ」と正船長。
その言葉に促されてそそくさと船着場へ。
ずらっと竿が並ぶ、船上。
しかし、ちょうど左舷胴の間に2人分の席を見付け、そこを今日の釣り座に決定。
そばにいた大船長に挨拶をして今度は受付けへと向かう。
「金沢漁港の太陽」と称される女将さんが息子船長以上の笑顔で出迎えてくれた。その眩しいばかりに輝くスマイルを見ると「もしや俺に気があるのかな?」と思えるほど(あったらどうする!?)。
料金を払い、乗船券代わりの記念品詰め合わせセットを貰う。
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| <目黒の寄生虫館を思い出します…> |
TAKEさんは今日のために特エサを持参していた。
それは「東京スナメ(一袋1,150円)」。
しかしその特エサ、長さに太さそして発色、どれを取っても非常に気色が悪い…。
「店員によるとコイツは毒素を持っていてその毒がキスを狂わせてしまうらしいんです」とTAKEさん。口からボツリヌス毒素でも吐くのだろうか…。
「タカギさんも使ってみて下さいよ」
せっかくの好意だが私はアオイソメを触っただけで手がボロボロになる軟弱体質なのにそんな毒虫に触れたらどうなることか…。
ところがこのエサ、実はある魚に絶大な効果があることが後に証明される…。
■ メゴチ根
午前7時50分、正船長が舵を握る船は港を離れた。
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| <戦闘前の僚船群> |
漁港を出て、八景島の先あたりで一旦停船する。
周囲には金沢漁港の船が多数、集結していた。きっとスタートの午前8時までここで待機するのだろう。
そして時計の針が8時を指すと各船が一斉におのおのの場所へと散っていく。
私たちの乗る船も釣り場へと直行。
普段から良型のキスを釣らせることで定評があり、私も絶大な信頼を寄せている進丸。
根周りを攻め、過去に何度も良型の強烈な引きを楽しませてもらっていた。私は例え頭がボウズだろうと正船長の腕を信じている…。
航程20分弱で最初のポイントである横須賀沖に到着。
大会のルールのひとつである「竿は一本だかんな!」を遵守し、私は愛用の関東のキス竿で臨む。
道糸の先には3号のハリスを1m直結で結び、仕掛けの太さは0.8号。
船長からスタートの合図が出され、まずは船下を攻めてみた。
良型を狙うなら「エサは大きく、誘いはゆっくり」の信念に従い、イソメの長さをタラシ3、4cmにして海底をゆっくりと探る。
私の右横にいるTAKEさんは例の毒虫を使っていた。痙攣・吐気・幻聴・幻覚・意識の混濁などはないのだろうか、非常に心配である…。
しかし、一向にアタリが訪れない私たち。周囲の人たちも同じ状態。
「週刊つりニュース」のAPC氏が私たちのそばで待機していた。
「頑張って釣って下さいね、最初にキスを釣った人は名前が載りますから」と叱咤激励してくれるが、なかなか船中第一号が上がらない…。
すると突然、左舷トモ寄りが騒がしくなった。
ついに本日初のシロギスかと思えば、小型のアイナメ。さすが、進丸。
その後、ポツポツと本命が釣れだし、船上に活気が出てきた。
私もなんとか20cmほどのキスを釣り、一安心。
横を見るとTAKEさんもリーリングの真っ最中。
ところが、私と正船長の期待をよそに上がってきたのは良型のメゴチ…。
しかもそれ以降しばらくメゴチ入れ食い状態に…。
「なんだよぉ!このエサってメゴチしか食わないじゃん!」と嘆くTAKEさん…。
「もう飽きた!帰りたい!」といつものTAKE節が鳴り響く…。
「ここってメゴチのポイントじゃないの!?」と用を足しに来た正船長に苦言を呈する…。
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| <TAKEさんの嬉しそうな笑顔♪> |
そしてTAKEさんはようやく毒虫に見切りをつけ、信頼と実績のアオイソメへとシフトチェンジ。
するといきなりの本命。
正船長の胃痛もこれで若干はラクになったことだろう。
さて、冒頭で書いたように私は大会初参加。
私の想像では船上はピリピリとした緊張感が張りつめ、飲まず食わずしゃべらずのストイックな雰囲気が漂っていると思っていた。
他船はそうかも知れないが、この進丸にはそれが皆無。
みんな、和気あいあいとして笑いや会話が絶えない。きっと船宿の皆さんの人柄によるところが大きいのだろう。
正船長は積極的に船を動かし、様々なポイントを攻めてくれた。
ときどき根掛かりするのはやはり根周り中心の証拠。
寡黙だが柔和な大船長は近頃、舵を握るのを正船長に一任している。
それは息子を船長として認めていると同時に世代交代の準備からだろう。
今日のキス釣り大会での操船という重責を担いながらも正船長は操舵室から私たちを応援してくれた。
TAKEさんもその応援に応えようといつも以上にマジメに竿を出した。
午後1時、大会は終了。
結局、TAKEさんは良型主体で6尾のキスをゲット。メゴチのバリ食いをかいくぐっての執念の釣果である。
本日一番の良型はカップルで訪れた女性が上げた28cm。間近で見たがすごいド迫力だった…。
■ 遠いハワイ
沖揚がり後、各自がベスト3を選出し、計量へ。
「なんか量るのも恥ずかしいからこのまま帰りましょうか…」
「どうせ入賞出来るわけじゃないし…」
ネガティブな会話である…。
しかし、計量は参加者全員の義務みたいなので適当に選んだキスを3尾、正船長に差し出す。
デジタルカウンターが表示した数値はジャスト200g。
次にTAKEさん。カウンターは170g強。
「あっ、やまやさんが近付いてきますよ…」とTAKEさん。
「会わせる顔がありませんね…」と私。
ところが、そのやまやさんの顔色も冴えない…。
「釣れました?」(タ)
「8尾です…」(や)
「重さは?」(タ)
「訊かないで下さい…」(や)
「教えてよぉ〜」(T)
「ボウズの人の次です…」(や)
「………。」(T&タ)
「カサゴとメゴチは20ずつ釣れたのですが…」(や)
「東京湾の小物釣り師」を自他ともに認めるやまやさん。残念なことに釣ったキスも小物だったらしい…。
私たちはお土産の地元八景で採れた乾燥ワカメを頂き、冷やかしついでに表彰式の会場へと向かう。
各船から持ち寄られた良型キスの最終計量が終わっていないのか、結果の発表はまだのようだった。
ハワイ旅行への夢が潰えた悔しさを私は近くにいた有名女性アングラー、UH嬢の化粧の濃さを非難することでウサを晴らし、港をあとにした…。
お通夜のように静まり返った帰りの車内でやまやさんから、
「今月の末に忠彦丸でキス釣り大会があるんです。一等はグァムなんです。どうですか?」
と提案が出された。
「へ〜っ、グァムか…」
「こうなったらサイパンでもいいなぁ…」
私の耳には会場で流れていたハワイアンがずっとリフレインしていた。
そしてUH嬢のまぶたに色濃く塗られた真っ青なアイシャドーをふと思い出した。「あんなに濃くしなくても…」そう、心の中で思った。
「俺ら3人で景品ゲッターズってチーム作りましょうよ!」TAKEさんが言った。
「ゲットしてないけどね…」とやまやさん。
自分はクジ運が悪いことを思い出して私は押し黙った…。
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| <好対照なお二人です> |
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