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<日 記> 新年早々、アマダイ5連続ボウズ達成という忌まわしい記録を樹立した私…。
そろそろ意地になるのもヤメてアマダイ終結宣言を出そうかと思っている今日この頃です…。
見方によっては、「勇気ある撤退」「前進のための後退」「戦略の練り直し」とも取れますが、「泥沼化して降参」「全面降伏」「作戦失敗」「無念の敗北」とも受け取れる情けない事態になったことは返す返すも残念です…。
しかし、いつまでもアマダイなんかに関わり合っている場合じゃないのです。
あんなアホヅラした魚ばかり相手にしていたら私に釣られたがっている他の魚たちに申し訳が立ちません。
「いい気になるなよ!」
「金輪際、面倒起こすんじゃねぇぞ、コンニャロ!」
「ちっ、バカ魚めっ!!」
そんな捨てゼリフを吐きたくなる私の気持ちもご理解下さい。
ってことで、今回が今期の対アマダイ最終決戦。
有終の美を飾るか、それともトドメを刺されるかの微妙な瀬戸際なのであります…。
■ 某ファン氏との出会い
本日、お世話になったのは館山にある真澄丸さん。
ここは大きなオニカサゴを釣らせることにかけて知る人ぞ知り、知らない人は当然知らないという有名な宿である。
そして、もうヒトツの名物は高橋忠船長のオニカサゴに対する熱き思いと「小オニリリース制度」。
出船前に宿で聞く船長のオニ攻略のレクチャーは非常に参考になる。
また、その言葉の端々から伝わるオニへの愛情の深さが、船長の優しさと情熱を物語っている。
真澄丸で施行されている前述の制度も素晴らしい。
成長するのに大変な時間を要する魚であるから良型だけをキープする。大切な資源を根絶やしさせない努力。あたり前のことだが、それをキッチリと実行する行動力はさすがなのだ。
船上でオニが上がると船長はその大きさを見て、
「○○さん、おめでとうございます!船中○匹目、キープ!!」
「△△さん、おめでとうございます!船中○匹目、リリース!!」
と、スピーカーを通して判定を下す。
しかし、せっかく来てくれたお客さんを手ぶらで帰すのも申し訳ないと、本当はリリースサイズであるがその後、釣れない可能性もあるので明らかな小型のオニ以外には、お情けキープも許される。
ただし、バケツに入れて生かしておくあいだ、頻繁に水を換えて大切に扱うように指示が出る。
もしも良型が釣れたときには、そのお情けキープは即座に海に帰らせるためだ。
そんな真澄丸さんでの本日の対戦カードは「午前オニカサゴ・午後アマダイ」。
そしてその釣行にご一緒してくれたのが、わはは爆釣隊の歩く昭和史、コウさん。
本来であればKOBUさんも参加する予定であったのだが、奥様のご親戚(「奥様の親の兄弟の妹」だか「奥様の親のいとこの子供」だかとにかくそんな感じの遠い身内です)に不幸があったとのことで、今回は欠席。
私は、午前3時半前に迎えに来てくれた車に乗り込み、一路、館山へと向かった。
約1時間半で宿に到着。
まだ、宿の人は誰も来ていない様子。そこでコンビニに行って買い物を済ませる。
戻ってくると店の窓から明かりが漏れており、早速私たちは中へとお邪魔した。
今日は土曜日ということもあり、私たちの他にも多くの釣り人が集まっていた。
そしていつものように船長のトークタイムがあり、港へと移動。
船着場は以前お邪魔したときと違い、車で数分の場所に移動していた。
船長から指示された釣り座は左舷のオモテ。
そこでミヨシへコウさんに座ってもらい、私はミヨシ2番目。
片舷4人ずつの合計8名を乗せて船は港を離れる。
オニカサゴのポイントへ向かう間、私とコウさんは燗番娘を開け、我が身のエンジンに燃料を補給していた。
その時、「私、タカギーさんのHPのファンなんです…」と話し掛けてくる一人の釣り人。
訊くと私たちと同じ横浜市民で32歳の妻帯者とか。
「そうですか。ではお近付きのシルシに私のワンカップを飲みませんか?」と勧めるも…。
「イヤ、私は飲めないんです。そのかわりこれでもかじってます…」とナイススティックを取り出した。
我が隊にもナイススティック愛好家がいるので初対面とは思えなかった…。
しかも、その方の釣り座は私の左隣りのミヨシ3番目。
突然のファンの登場に、今日の釣行がますます楽しくなりそうな予感がしてきた。
■ 若手の造反
航程40分ほどかけてポイントに到着。
私はノルウェー産のサバを切ったエサを持参していた。
脂がノリノリでいかにも旨そうなサバである。
それを真澄丸オリジナル仕掛けのハリに刺し、スタートの合図とともに海へ沈める。
船長からのアナウンスでは水深174mだとのことだが、実際に出た道糸は200m強。
以前もそうであったが、このポイントは潮が速すぎて底ダチが取りづらいことがある(150号でもね…)。
右舷ミヨシに陣取る3人組はどうやら初心者の方らしく、オニ攻略最大の必須項目、底の確認に苦労されている様子。
それを見た船長、全員オモリを150号から200号へ換えるように指示。
私は200号オモリなど持っていないので、船長から借りて再投入。
これでようやく底ダチが取りやすくなった。
タナはベタ底。ときおり船の揺れでオモリが海底を叩く程度でアタリを待つ。
デカオニはアタリが小さいので常に竿先に注意していないとならない。
わずかなモタレ、小さな違和感を憶えたら、即座に道糸を手繰り出し、食い込ませる態勢で待つ。
すると、「コツッ…」とホンの小さなアタリがあった(と思う…)。
アワセを入れて、とりあえず手で数m巻き上げてみたが、期待していた生体反応はない(気がした…)。
それから、エサの確認をしようと電動リールのスイッチを入れる。それと同時にコウさんも巻き上げを開始。
突然、私の竿にかかっていた負荷が軽くなった。
「あっ、オマツリだ…。コウさん、ぼくのとマツっているみたいッスよ…」と申告し、お互いに同じスピードで回収作業にあたる。
ところがなんと、上がってきた仕掛けには20cmくらいのプチオニが付いていた。
しかも、コウさんと私のハリを両方口に咥えている…。
「はい、おめでとうございます。左のミヨシで本日最初のオニが上がりました。リリース!!」と船長。
10年後に私のハリに掛かるようにと厳命してお帰り頂く。
しばらくして、右舷オオドモで1.35kgと1kg強のオニが一荷で上がった。
その直後、ポイントの移動を告げた船長の合図と共に仕掛けを巻き上げる(高橋船長のコダワリで、1尾釣れたらポイントを変えるのです)。
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| <照れ屋さんの某ファン氏> |
すると、
「いやぁ、スイマセンスイマセンスイマセン!!」と謝っているわりにはやたら嬉しそうな某ファン氏。
なにをそんなにお詫びしているのかと目を向けると、なんと中型サイズのオニを手にしているではないか…。
「いやぁ、掛かっていることは知っていたのですが…。こんなの釣っちゃってスイマセン!!」と平謝り。
管理人である私や、赤魚ハンターのコウさんを出し抜くとはなんたる非礼、なんたる不躾、そしてなんたる無作法…。
「年功序列」という日本古来の制度を逸脱したその行為が私の心証を著しく害した…。
「ふん、若手のクセして生意気!どうせ俺のサイト読んで勉強したんだろが!キ〜ッ!!」と苦情を言ってみるが、毒トゲの切断に忙殺されている彼の耳には届いていないようだった…。
■ おじさんたちの巻き返し
しかし、私だって負けてはいられない。
小さいアタリを感じ、糸送り・アワセ・中速での巻き上げを行い、同様に中型オニカサゴをゲット。
さらにもう一尾、同級の本命を取り込み、おじさんパワーをマザマザと見せつけた。
「けっ、昨日今日釣りを始めた若者に負けられるかっての!キミのような若手アングラーはブラックバスでも釣ってなさいっ!」と内心ほくそ笑む…。
そして、今まで大人しくしていたコウさんの巻き返しが始まる。
取りあえずはやや小振りのオニを手中に収め、その後、中型のそれを取り込んだ。
この真澄丸での釣行は初挑戦であるコウさん。いつもとは釣り場もタナも違うのにやすやすと本命を上げるいぶし銀の技は円熟の極みである。
「でも、これくらいのサイズならいつも乗っている船でも釣れるけどね…」とコウさん。
どうやら百戦錬磨の猛者に今日のサイズは不満らしい。
その後、潮の流れが緩やかになり、オモリも同時に150号へと戻された。
ところが、潮が流れなくなってからピタっとオニからのアタリも激減。
それでも果敢に攻めの釣りをする私たちは、先般の某ファン氏・コウさん・私とそれぞれがリリースサイズではあったがどうにか追釣を果たす。
午前の部の最終釣果。コウさんと私、3.5尾(2尾キープ)、某ファン氏2尾(1尾キープ)。
残念ながら私の今年の目標である2kgクラスのオニカサゴは船中0尾であったが、アタったあとの食い込ませ方やアワセ方などこの釣りの奥深さを十分に堪能でき、私は満足だった。
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| <爆釣隊の重鎮、コウさんのキープ> |
■ アマダイ最終決戦の意外な結末…
一旦、陸に揚がって昼食を摂り、再度乗船。
本来なら私の師匠も午後のアマダイに参戦する予定であったが、船長から再三の「遠くから来てもらっても風が吹いて出船出来ないかも…」との電話での説得に、残念ながら不参加となる(後日、師匠は真澄丸を「真面目な宿です」と高く評価した)。
しかし今のところ、空は晴れわたり、風もそれほど強くない。
私たちとすっかり意気投合した某ファン氏は、
「そうですか。師匠さんとお会いしたかったのに…」と我がことのように残念がる。
「こんなに天気がいいのに来ないなんてねぇ…」と不肖な弟子の私。
「今、大島では9mの風が吹いているそうです…」
船長がボソっと口にした…。
釣り人の間で忌み嫌われている「大島情報」だ…。
船長からの「今、大島で何メートルの風が吹いている」と「ヘタすっと早揚がりだかんな」は同義語と思って間違いない…。
だが、今期最後のアマダイ対戦と決めた私は、大島で風が吹こうが、八丈島で雪が降ろうが知ったことではない。
「早揚がりするかも知れないので早めに出船します」との船長の指示に従い、私たちは早々に準備を整えた。
午後12時55分、再度の出船。
船上はほとんどの方が通しで釣るらしく、某ファン氏も同様である。
取りあえずは幻の魚、シロアマダイを狙うため、港前のポイントで停泊。
コウさんと某ファン氏はサニービシにオキアミを入れた仕掛けで臨むようだ(正確には「コマセ」ではなく、「食い気を誘うためのエサ」である)。だが、私は慣れているコマセ無しのスタイルで挑戦することにした。
灘寄りということもあり、水深は20m少々。
凪た海でオモリも軽く、浅場であるから非常に快適、とっても楽チン。
しかし、ここでは船中本命の型は誰も見れずに移動となる(いいんです、シロじゃなくても…。赤いアマダイですら釣れないんですから、私…)。
しばらく走って80mダチのポイントに到着。
私は下バリに2匹、上バリに1匹のオキアミを付け、仕掛けを沈める。
タナは1〜1.5m。
いつものようにゆっくりと誘い上げ、ゆっくりと下ろしていく。
そして、いつものようにトラギスと両型のヒメが食ってくる…。
| 「ガ〜ッ、イマオオシマハ11メートルノカゼデス。ガ〜ッ…」 |
操舵室の無線からそんな縁起でも無いお知らせが聞こえてきた…。
「な、なんだよ!もうそんなに強くなってるのかよぉ!まだ始まったばっかりじゃんかぁ!頼むよ、もう少しやらせてよぉ〜ッ!!」
私はトラギスの口から飲み込んだハリを抜きながら泣きそうになった…。
そのとき、反対の舷から歓声が上がった。
なんと、体長48cmの良型アマダイが釣れたというのだ。
私は今期、そのサイズの本命を幾度となく目にしてきた。そう、もちろん赤の他人が釣ったアマダイではあるが…。
「アマダイさん、お願い!ボクはあなたと対戦するのは今期最後なの。それに残された時間もないの、大島では11メートルの風が吹いているんだって…。だから一口でいいからボクのオキアミを食って…」
だが、私の懇願は船長からの、
「誠に残念なお知らせです。大島で14メートルの風が吹いているそうです。この流しで終了します…」
というアナウンスにかき消された…。
午後2時半、まさかの納竿…。
当然、コウさん・某ファン氏、私の3人はボウズ…。
ここに私と同じアマダイ連続ボウズの苦汁を舐めているKOBUさんがいたなら、
「うぉ〜っ、俺たちは、
アマダイを釣ることも
許されないのかぁぁぁぁぁっ!!」 |
と、叫んでいたことだろう…。
■ フテ寝
「お帰りなさい。早かったわねぇ」家内が玄関で私を迎えてくれた。
「うん。風が強くて早揚がりになっちゃったんだ…」
「そう…。釣れた?」
「うん。オニカサゴはね…」
「アマダイはやっぱりダメだったの?」
「うん…」
「しかたないわね。さあ、お風呂に入ってゴハンにしましょ…」
いつになく家内は優しかった。
本当ならアマダイの刺身か昆布締めが飾ったであろう食卓にはいつもの見慣れた惣菜が彩りを添えていた。
私はその晩、缶ビールと冷酒を少し飲んだ。
寝不足と疲労からか、いつもより酔いが回るのが早かったような気がした。
眠そうな私を見た家内は、布団を敷いた。
「もう寝たら?」
「うん…」
眠りに落ちる間際、まだリビングでテレビを見ている子供たちと家内が会話している声が聞こえた。
「こらっ、静かにしなさい。父ちゃんは寝ているのよ」
「また釣れなかったんだね…」
「途中で釣りが中止になったんだって…」
「なんか元気なかったよね…」
「明日の朝には元気になっているわよ…」
「だといいな…」
朦朧とした意識の中でそう思った。
どうやらハナをすする前に眠れそうで、初めて今日、心から安堵することが出来た…。
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