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<日 記> 前回の内房は竹岡でのシャクリマダイ、190回以上を数える我が釣行の中でも5本の指に入ること間違い無しの厳しい釣りでした。
スソとかボウズには慣れっこですが、極寒に対してはそれほど耐性が出来ていないことを痛感した次第です。
結局、敵は貧果ではなく、目の前の寒さだったのですね…。
しかしです。自然と対峙することが不可欠な釣りにおいて、冬に寒いのはあたり前。
寒さは釣り人のモチベーションを下げるのに大いなる影響を与えるでしょうが、それに負けていては春になるまで魚を釣る楽しみを得られません。
冬場の釣りで大切なのは、寒さに打ち克つ精神力、貧果を恐れぬ強い自制心、取りあえずは現場に出る逞しい行動力だと先日の海は教えてくれた気が致します。
とかなんとか言ってますが、実際問題として寒いのはイヤです…。
冬だからってブルブル震えながら竿を出すよりも、やっぱり小春日和の晴天の下、心穏やかに釣りをしたいのがホンネです…。
魚だって水温が低ければ元気ないのも当然のこと…。
そこで私は声を大にして言いたい、
と(オイオイ、それ言ったらオシマイじゃん…)。
ええっと、2月に入ってますます寒い日が続きます、皆さんどうぞ風邪など引きませんように…。
■ 洗脳口撃
今朝の午前5時ジャスト、我がマンション前にまっちゃんの車が到着。
わはは爆釣隊男子隊員最後の独身貴族(死語ですか、「独身貴族」って?)まっちゃんにとって約一ヶ月振りとなる本日の釣行。
最近は将来の奥さん、K子ちゃんと式の打ち合わせ等で多忙な週末を過ごしているまっちゃん。
大好きな釣りを我慢して人生の門出に向け、着々と準備を整えている近況を聞くと、思わずこちらまで嬉しくなって参ります。
「ふふふ、今まで好き勝手に釣りしたり道具買ったりしてたけど、これからはそう簡単にいかんもんね…」
「そのうち奥さんから『家庭と釣り、どっちが大切なの!?』とか選択迫られちゃうんだもんね…」
「奥さんから見て度が過ぎれば釣りもギャンブルも同じだもんね…」
以上が私からの祝福の言葉であります。
まあ、今のうちにたくさん甘い新婚生活の夢を見ておいて下さいな。わはは。
そんな幸せ予備軍のまっちゃん、ところが走行中口にする言葉は何故かネガティブ色の濃いもの。
「多分、今日は潮が悪いから釣れませんよ…」
順風満帆なはずのまっちゃんにしてはイヤに後向きな発言…。
しかも、狙う魚は無難なアジだというのに…。
「天気は良さそうだけど、潮が動かないから多分釣れませんよ。ツ抜け出来るかどうか…」
また同じようなことを繰り返し語りかけてくる…。
確かに今日お世話になるこうゆう丸さんの昨日のアジの釣果は「6〜14尾」。それほど芳しいものではない。
そんなまっちゃんの暗示が徐々に私にも浸透し、
「そうかそうか、今日は釣れないんだ。潮が動かないんだ。なにやってもダメな日なんだ…」
と、ナゲヤリになる。
今から振り返ると、これはまっちゃん特有の釣行前の心理戦だったのかも知れない…。
1時間弱で新安浦港に到着。
港の手前で、先に着いていたKOBUさんを発見。今日は私たちよりも早く船に乗り込み、釣り座の確保にあたっていてくれたのだ。
このKOBUさんも、まっちゃん同様に我が隊の中ではおめでたい系に属する。
先月の21日、ついに第一子(男の子)が誕生し、一児のパパとなった。
その当日、ご本人から「体重2,980グラムとオニカサゴなら天然記念物サイズです」とご報告を受ける。
私は、息子さんがKOBUさんに似て天真爛漫な桃太郎に育つよう、心から祈った。
KOBUさんが押さえてくれたのは左舷オオドモから3番目まで。
「やっぱり、こうゆう丸のオオドモと言ったらまっちゃんでしょ!」
とのKOBUさんからの提案に従い、トモからまっちゃん・私・KOBUさんの順に落ち着く。
今度は宿にお邪魔し、料金を支払う。
その後、まっちゃんが駐車場へ車を移動しに行っている間、私は先に船に戻る。
予報では暖かい一日になるとのことだったが、念のためホカロンを貼って防寒着を身につける。
ちょうどそのとき、操舵室からこうゆう丸の看板娘、梨沙ちゃんが姿を現した。
「昨日は釣れました?」ありったけの笑顔で質問する私。
「う〜ん、どちらかと言えば午後の方が調子良かったみたいです…」と、はにかむ梨沙ちゃん。
「そう。午後なんだ…」
「えへへ♪」
ちょっと困った顔で笑う梨沙ちゃん。
相変わらず恥じらい気味な物腰が可愛い。
「遊漁業界のアイドル」「東京湾のひまわり娘」「ミス三浦半島」と噂されるのも頷けるのだ(誰が噂したんだ!?)。
本当ならもっとお話をしたかったのだが、出船前で忙しいのか、船を降りて宿に向かってしまった梨沙ちゃん…。
私は握っていた自分のメルアドが書いてあるメモを海に捨てた(ウソです、はい…)。
■ 烙印
出発までの時間、私は用意したアーリータイムスを水割りにして身体を温める。
もちろん、酒の肴はKOBUさんやまっちゃんとの船上での会話である。
それにしても私たちのいる左舷は誰一人お客さんが座らないのが気になる。私たち3人だけがポツンといるのみ…。
反対の右舷は数人のグループの他にも多くの釣り人が陣取り、かなりの混み具合だというのに…。
「やっぱりアレですかね、私たちを見てみんな避けるんですかね?」
「多分そうでしょ、『ほら、左のオオドモにいるデカイ人、まっちゃんだよ。あっち座ったら釣れないよ…』とかって近付かないのかも知れません…」とそのデカイ人。
「手前の水色のカッパ着ているのってわははの人じゃないの、って寄ってこないんですよ多分…」と水色のカッパの人。
なんとなく、「見捨てられた連中」「船上の鼻つまみ者」「社会不適格者」という烙印を押されたような気になる私…。
その後、さらに追い打ちを掛けるかのように仲乗りさんから船を乗り移るよう指示が出される…。
どうやらタチウオ船が満員状態なので、収容員数の多いこのアジ船に乗り換えてもらうらしい…。
「キミたちにこんな大きな船は必要ないの。キミたちのせいで船が右に傾くの。ツベコベ言わずにアッチの船に乗りなさいシッシ…」と言われているみたいなのだ(ホントは言ってませんが…)。
なんとなく、「どうでもいい人たち」「厄介者」「招かざる客」という烙印を押されたような気になる私…。
釣り座はそのままで第18こうゆう丸から第28こうゆう丸へと移動した私たち。
どことなく、「左遷」「子会社に出向」「降格人事」という烙印を押されたような気になる私(こればっか…)。
釣りをしているとときどき、人生の悲哀を感じることがある…。
■ 嬉しい誤算
午前7時20分、梨沙ちゃんがアシスタント役(彼女の場合「仲乗り」とは言わないの)を務めるアジ船は沖を目指した。
海は期待どおりに穏やかな凪。
陽射しも暖かく前回とは雲泥の差なのだ。
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船はいつものポイントを通過し、観音崎を越え、久里浜沖に針路を取る。
25分ほどで釣り場に到着。
周りにはたくさんの僚船がひしめき合っており、アジの魚影が濃いことをうかがわせた。
KOBUさんとまっちゃんは、「一尾が貴重かもしれないので…」とクッションゴムを装着。
私は、俺も男だ気合のゴム無し。だけど、仕掛けはちょっと弱気な2本バリ。エサはKOBUさんが買ってきてくれたアオイソメを小さく切って付けた。
ビシを沈め、仕掛けを放ると約80mダチで着底。なにげに深いのだ…。
船長からの指示ダナは3〜5m。
そこで私は3mでコマセを振り、1m上げ再度振って待つことに。
私たちの中で一番最初に型を見たのはオオドモのまっちゃん。
「中ノ瀬サイズ」ではあるが金ピカに光る美味そうな本命。
それからすぐ、私にもヒット。
今しがたまっちゃんが釣った物と同級。出来ればもっと良型が欲しいところ…。
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| <幸せそうなまっちゃん> |
以降もまっちゃんはダブル・トリプルと好調の模様。
彼にとって今年初となる本日の釣行。
私の本年の初釣り釣果、「本命丸ボウズ」に比べると羨ましい限りである(コンニャロめっ!)。
ところが逆に、KOBUさんは開始早々からツイていなかった…。
アジが食ったと思ったら後の人とオマツリし、せっかく数10m巻いてきたアジをバラす結果に…。
さらに私やまっちゃんの仕掛けもKOBUさんに対してテロ活動を行い、今ヒトツ調子に乗れない様子…。
しかし、そんな境遇にもメゲず、KOBUさんは持ち前の粘り強さで手堅く本命を取り込む。
子供は親の背中を見て育つという言葉が真実だとすれば、KOBUさんの愛息はきっと逞しく育つに違いない。
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| <息子よ、父の生き様を見れ!> |
その後もアジはポツポツと釣れ続け、20尾を越えてきた。
予想に反したまずまずの食いに私たちはホッと一安心。
船長も最初に停めたこの場所から船を動かすつもりはないようだ。きっとアジの群れが落ち着いているのだろう。
「よしよし、このままいったら30はカタイな…」
と、喜んでいた私。
ところがその後、思わぬ邪魔が入ることに…。
■ まっちゃんの誘惑
「タカギさぁん、こっちは暖かいよぉ〜!!」
その誘惑は私の頭上から聞こえた…。
その声の主はいつの間にか居なくなっていたまっちゃんだった…。
後を振り返ると、高台に設けられているキャビンに座り、日向ぼっこをしている真っ最中…。
「こっちは暖かいよぉ〜!!」
彼はまた私の釣りを妨害しようとしているらしい…。
「ふん、自分がそこそこ釣ったからって俺の邪魔すんな!俺はな、魚を釣るために船に乗ってんの!キミみたいに日光浴しに乗ってんじゃないの!」と内心思う。
しかし、非常にキモチ良さそうなのも事実…。
暖かくてとっても居心地も良さそうである…。
こちらは日陰で鼻水垂らしているというのに…。
気付くと、いつの間にか私もキャビンに上がり、燦々と降り注ぐ太陽からの恵みを全身に受けていた…。
そこはまさに船上のオアシス、心に安らぎと平和を与える洋上の楽園だった…。
「いいねぇ、ここ…」
「でしょでしょ!!」
だが、安楽な状況を選び、釣りを投げ出した根性無しに魚など釣れるわけがない。この時点で私たちの釣りは終わっていた…。
そんな私たちを尻目に、出だしにつまずいたKOBUさんは孤軍奮闘中。
次々とアジを釣り上げ、血抜きをしてはタルに放り込んでいる。
自らを「ストイック系アングラー」と称するだけあって、安寧としたキャビンよりも陽射しから隔絶された状況を選んだのだ。
| ◇対照的な船上の風景◇ |
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| <加山雄三風なまっちゃん> |
<このたび扶養家族が増えたKOBUさん> |
結局、KOBUさんは見事な追撃を果たし、今までの遅れを取り戻した。
午前11時30分、納竿。
最終釣果。KOBUさん・まっちゃんともに27尾。私は最後に決めたトリプルのおかげで28尾。
前回のビシアジのとき、あまりの食いの良さに逆上して一束も釣った前科のある私。
だから帰宅後、家内が心配そうに釣果を訊いてきたのも理解出来た。
しかし、今日に限ってはそんな心配など無用。
私は鼻歌まじりで1ダースほどアジを開き、塩水に漬け、ベランダに干した。
今夜は新鮮なアジの刺身と干物で冷酒を飲むつもりなのだ。
シャワーを浴びて昼寝をし、夕方、干物を取り込む。
そのとき、私は思い出した…。
名古屋に住む義理の父が送ってきた南知多産のアジの干物が冷凍庫にテンコ盛りであることを…。
ああ、やっぱりしばらくアジ地獄…。
「マジメに釣っていたらどうなってたんだろ…」
と身震いし、今さらながらまっちゃんに感謝をする2月の初日でありました…。
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