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<日 記> 私はこの「毎週釣り日記」および、それを包括する「釣りキチの週末報告」というHP全体を総して「釣り人の癒し系サイト」だと自負しています。
釣った(もしくは「釣れた」)ことを自慢するのが本来の趣旨ではありません。
家族と過ごす土日を犠牲にしてまで、毎週臨む週末釣行。
その貧果をネタに、私のような釣り不適格者がいることを多くの方に知って頂き、
「ありゃ〜っ、自分よりダメな人もいるんじゃん…」
「俺のがまだマシだな、こりゃ…」
「ヘタの横好きってこーいうことなのね!」
など、皆様に「安らぎ」と「癒し」と「憩い」を与えるのが主な目的であります。
人呼んで「釣りの自虐系サイト」(なんだか変態系サイトみたいだな…)。
その基本コンセプトから大きく逸脱することは、私の本意ではありません。
大体、どこの誰が自分以外の人の豊漁を心から喜ぶのでしょうか?
赤の他人がたくさん釣ったことを知ってハッピーでしょうか?
雑誌等の釣行レポートで「船中○〜○○尾。私がどうにか竿頭であった」を目にして「んだよ、結局は自慢かよっ!!」とムカっ腹を立てないでいられる人が何人いるのでしょうか?
他人の脳天気な爆釣自慢話を聞かされたとき(または読まされたとき)、芽生えるのは「怨嗟」「嫉妬」「羨望」「逆上」「諦念」「呪詛」などのマイナス的感情だけであります。
ですから私は訪問される皆様方が、不快なキモチになるのを避けるため、敢えて釣らないのです。
釣れないのではなく、釣らないのです。この違いはご理解頂けますよね?
しかしながら、シロギス釣りにだけはそのような気遣いはありません。
何故ならば、釣ったキスの数こそが私の自我同一性の確立を意味し、自尊心の拠り所となり、自己の存在を推し量るモノサシだからです(なに言ってんだろ、俺…)。
ですから以下に書く日記が誠に不本意ながら、皆様にとって厚かましくて鼻持ちならない自慢話に聞こえるかも知れません。あらかじめご了承下さいませ。わはは。
■ メンタル・オペレーション
本日もミスター高橋氏といつもの広島屋さんでお馴染みのキス♥(もちろん「シロギス」って意味です…)。
前回のシロギス釣行で目標だった念願の40尾超えを達成し、その勢いで今日も目一杯釣ってやろうと意欲的な私。
先日の釣行でなんとなくピンときたことがある。
キスにも明らかに「食うタナ」があり、それは間違ってもベタ底ではなく、底から数cm、ときには数10cmの範囲であるということ(今さらではありますが…)。
そのタナを見極められれば、頻繁なアタリを享受でき、外道からの攻撃も避けられるのだと理解し始めた。
もちろんその当たりダナは底潮の流れの速さ、仕掛けの長さ、キスの活性によって変動するが、いち早く修正することで、魚信は途絶えることがないのだと確信したのだ(ホントかどうかは分かりませんよ…)。
ということで本日の目標を「60尾」とした強気な私。
今まで30尾前後をウロチョロしていた自分にとって無謀な数字、60尾。
まさに未知の領域であり、未踏の世界である。
高橋氏の車は午前6時過ぎには船宿に到着。
荷物を抱えて船に乗り込むと、ミスターは左舷ミヨシ2番目にクーラーを置いた。
「高橋さん、ミヨシに座って下さいよ…」と私。
「いや、2番目でいいです」とミスター。
「あっ、前回その席で釣れたからでしょ!?」
「分かりました?」
ミスターは過去の実績を重んじる人である。
高橋氏が車を駐車場へと移動している間に、私はコンビニへ行って宴会用の飲み物を購入。
船に戻るとミスターは、タックルの準備の真っ最中。
道具立ては、愛用しているKT関東のキス竿にベイトリール。
どうやら船下を中心に狙い、ときにはキャストもする作戦のようだ。
私の方は最近お気に入りのダイワのキス竿にスピニングリール。
高橋氏と同様に船下狙いであるが、ひとたび食い渋ったら仕掛けをブン投げて広範囲を探る戦法なのだ。
タックルの違いこそあれ、あとは同じ「夢の天秤」にハリス0.8号の仕掛け。
唯一、明らかに違うのは先糸の有無。
高橋氏は先糸を結び、私は道糸から即テンビン。
「あれ、先糸付けないんですか?」と私に牽制球を投げる高橋氏。
「ええ、まあ…」私はそれをかわした。
「先糸が無い方のが釣れるんだったら切るだけで済むけど、逆なら結ぶのにその10倍は時間が掛かりますよ…」
突如、ミスターは心理戦を展開してきた。
釣行前に相手の不安感を増長させて精神面で優位に立つとともに、敵の心の隙間に楔を打ち込み自滅させるメンタル・オペレーション。
しかし私は、わはは爆釣隊での釣行で幾度も同じ経験をしていた。メンバーたちの論法はさらにあざとい…。
「そうですよね…」軽く受け流した。
その後はいつものように船上宴会へとなだれ込む。
お互いのおつまみを頬張りつつ、ビールや缶チューハイを飲み進む。
今日は予報に反して朝から晴天で気温が高い。足元に置かれたゴミ箱代わりのバケツには次々と空き缶が増えていった。
午前8時、10名近い釣り人を乗せた船は岸を離れた。
女将さんと船長の娘さんが手を振って見送ってくれる。
その見送りは船が遠のくまでずっと続くのだった。
■ キスはご機嫌、ぼくらもハッピー♪
航程20分で中ノ瀬に到着。
そして石井晃船長からスタートの合図が出された。
常に晃船長は開始直後、エサの長さ・投入の仕方等を丁寧にアナウンスしてくれる。
全員に気持ち良くたくさん釣ってもらいたい思いの表れなのだろう。
そんな気遣いが高橋氏をこの宿に通わせる理由のヒトツなのかも知れない。
オモリが着底したあと、数cm底を切り、しばらく待ってみる。
すると間髪入れずに高橋氏にヒット。
16、7cmのレギュラーサイズの本命が上がった。いきなり型を見られて嬉しそうなのだ。
そしてすぐさま私にもアタリが。
「プルッ」ときて「スウッ」と聞き上げるとハリ掛かりに成功。
やはりこの「プルッ」とか「ブル…」とか「クンクン」って感触は(やたらに擬音語が多いです…)何度体験しても楽しい。
それからはほとんど途切れることなくアタリが続く。
今日のパターンはあまり誘わないこと。
ここぞと決めたタナで待つと向こうから食い付いてくる。あとはアワセのタイミングさえつかめれば数は間違いなく増えた。
そこで私は、オモリを15号から10号へと勝手にチェンジ。
号数を落とすことでキスのプルプル感をより大きく感じたかったのだ。
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| ▲ミスターも絶好調! |
高橋氏も着実に数を増やしていった。
さらには小型ながらマコガレイも食わせ、癒しの小物釣りを満喫しているご様子。
海はキス釣りに絶好の凪。
船上には梅雨入り前とは思えない真夏並みの陽射しが照りつける。
魚の機嫌も麗しく、私たちの気分も最高なのだ。
こうなると、手返しに忙しくても自然と缶チューハイに手が伸びる。よく冷えた氷結果汁の「シュワシュワ感」が喉に心地よい。
稀にみる好調さに気を良くして、私は竿を置き、タバコに火を点ける。
深々と吸い込み、吐き出されたケムリは見上げた青空の下で霧散していく。
「なんか、今日っていい日だな…」珍しく満ち足りたキモチになった。
船べりに置かれた竿の先端が、先ほどから魚信を伝えている。
食いの良い日はのんびりと一服するヒマも与えられない。
「どれどれ…」
巻き上げてみればキスの一荷。
釣れる日はなにをやっても釣れるのだ。
私の中の「いい日指数」が益々アップした。
晃船長が用を足すためにミヨシに来る。
「タカギさん、いくついった?」と途中経過を訊いてきた。
私のクーラーにはすでに20尾のキスが収まっていた。
昼までに大分時間があるのに20尾をクリア。この調子でいったら目標の60尾も夢ではない。
さて、ここまで書くとそろそろ「オチ」を期待するかと思いますが、いやぁ、それが…。
■ 前代未聞の新記録
時間は12時になっていた。
クーラーの中には信じられないことに40尾のキスがいた。
半日で40尾。
実釣3.5時間で積年の目標だった数字をクリア。
まさに破竹の勢いである。
次第に食いが悪くなっても、仕掛けを交換し、エサを新鮮な物に付け替えるだけで食いは戻った。
タナも徐々に上ずってきて、午後は底から50cmあたりになっていた。
キャストをしなくても十分にアタリは頻発した。
「また食ったの!?」
「どうして一人だけ…」
「なんかムカツク〜ッ!!」
先日、私が高橋氏に放った言葉と似たようなセリフが氏から発せられる。
どうしてそんなに釣れるのかと訊かれても、その本人が教えてもらいたいほどだった。
自分の決めたタナで待っていれば勝手にキスが食い付くのだ。
釣れなかった理由が分からないのと同じで釣れる理由も分からない。これぞ爆釣の困惑…。
50、60、70尾…。
本日の目標すらも軽くクリアしていた…。
釣果は留まるところを知らない…。
一体、今日の私にはなにが起こったのだろうか?
午後3時15分。
「それじゃあ、すいませんけど仕掛けの上がっている人から片付けて下さい」
晃船長からのアナウンス。
私の最終釣果は驚愕の83尾。もちろん竿頭である…。
二本竿にしていたら多分一束を超えていただろう…。
ミスター高橋氏も自己記録を更新して58尾。
私たちがワンツーフィニッシュを決めたことは間違いない。
帰宅後の家内の反応を見るのが恐い気もしたが、とりあえずは今日の僥倖を噛みしめた。
「今後、この記録を更新するのは厳しいかも知れませんね…」
高橋氏が呟いた。
まったく同感だった。
しかし、私にはある不安があった。
海の神様は皆に対して平等である。
つまり、出る杭は打たれるのだ。
次週の南房での仕立て釣行で凄惨な釣果が待っているような気がしてならない…。
ちなみにクーラーの中身を見た家内からのコメント、
「しばらくの間、キスの顔は見たくないわ…」
が嘘偽りのない本音であると確信した5月最後の釣行でした。わはは…。
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