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<日 記> 私は根っからズボラな性格であります。
小事にこだわらない大らかな性格ともいえますが、ただダラシナイだけともいえるでしょう。
先日も、財布の中身を整理していたら、清算していない領収書がテンコ盛りで出てきました…。
日々の営業活動でかかった交通費も随分と未清算のままです…。
振り返るとどちらも…、うわっ、4月1日から3ヶ月以上も手付かずのまま…。
こうなると経理の子には非常に出しづらいものがあります。
試しにその両方を計算してみたら、な、なんと8万円もの大金に膨れ上がっていました(どうりでカネが無いわけですよ、まったく…)。
この状況からもいかに私が非常識でダラシナイ人間であることがお分かり頂けるかと思います。
一計を案じた私は、経理の女の子たちのためにケーキを差し入れ、ご機嫌をうかがう事にしました。
1個が約350円として合計10個。3,500円の投資で80,000円を手に出来るのですから悪い話ではありません。
その甲斐もあり、ようやく財布が膨れます。
「さあ、これを住宅ローンの返済に回すか…」
そういう発想があれば、私の人生も少しは変わっていたのでしょう…。
「えへ、これでなにを買おうかなぁ♥」
こう考えてしまう私は結局、ダメな人間なのかも知れません…。
今、欲しい物。
それはダイワから出たジギング用のニューロッド。現在持っているジギングロッドは硬すぎてタチウオのアタリを弾いてしまうのです。
さらにPE0.8号を巻いたリールにも物欲が刺激されます。
早速、その現金を握り締め、キャスティング・キッカー日本橋店にお邪魔しました。
ルアーコーナーを物色していたらありましたよ、そのロッドが。
取り急ぎ、ケースから出して調子を見ます。
「見た目良し!調子良し!値段良し!」もう、「3良し」なわけです。
ケースには「新製品」なんてステッカーも貼ってあります。新しい物好きな私は軽くイチコロですよ。
次に、ラインコーナーでPE0.8号200m巻きを手にし、リールが収納されているガラスケースに向かいます。目的のブツを確認してからレジに進み、
「あの、あそこのミリオネアにこれ巻いてもらえます?あと、このロッドも下さい…」
そう言い放ちましたね。キモチいいじゃありませんか。
店員のお兄さんの顔が驚いています。そりゃそうです。いきなり「これ下さい」ですから。
こんな豪胆な買い物をしたのは久し振りです。
さらに、頭の中で計算したらまだオツリがあります。
ついでだからメタルジグも何点か選びます。「全額使わなくてもいいんじゃないの?」そう思うでしょうが、私のようなダメな男はそれが出来ないのです。
レジに打ち込まれた合計金額は80,523円でした。完全燃焼です。矢吹丈もビックリです。
レシートにはわざわざ収入印紙が貼られてます。もちろんこれは経理には出せません(当たり前です…)。
家に持ち帰り、リビングでロッドを振り振りします(皆さんもやりますよね?)。
家内は「竿を買うお金がよくあったわね…」そんな目で見てますが、口には出しません。よく出来た女房です。
もうこれで、本日のルアータチウオは釣れたも同然の気分です。
海の神様だってハチマンエンの対価に相当する釣果を配分してくれるはずです。いや、そう信じたい。
ただ、困ったことに給料前で財布の中身はスッカラカン…。
月末までどうやって過ごせばいいのでしょうか…。
ああ、本当に私はダメな人間です…。
■ 船長との約束
唯一のルアー仲間であるミスター高橋氏が選んだ宿は、新山下にある渡辺釣船店さん。
今日は気合と根性の一日船のルアータチウオ決戦である。
そのミスターが手にしているロッドも私のと同じ。
前日、有給休暇を取ったミスターは自宅最寄のキャスティングで購入したのだ。
「マネをしたみたいですみません」と謝る高橋氏。こんな気遣いをするところに、氏の人柄が滲み出る。
早朝の船上はまだ乗客も少なく、船首方面はガラガラ。
そこで左舷ミヨシへ高橋氏に座ってもらい、私はその隣り。
その後、いつものように出船前の船上宴会に突入。
朝から蒸し暑い船上で汗を流しながら缶ビールを開ける私たち。
ビールやチューハイがクイクイ進み、足元のバケツには空き缶がどんどん溜まっていく。
「左ミヨシの連中、マジヤバくねぇ!?」
他のルアーマンからそんな声が聞こえてきそうである。
私は今まで、何回もルアー船に乗っているが、船上でアルコールをたしなんでいる人(しかも大量に…)に会ったことは一度もなかった。
そう、私たちは明らかに異色であった…。
そこにいつもお世話になっている船長が登場。
そして、目に笑いを浮かべながら私たちのそばに来て、こう言った。
「タカギーさんとミスター高橋さんですよネ?」と。
さらに、「毎日、チェックしてますよ」とも。
「予定に今日、渡辺釣船店で炎のリベンジって書いてあったから来るの知ってましたよ」
うげっ、船長はこのHPの存在を知っていたのだ。
私は何故か、家内に内緒でメル友の女性と会っていたことがバレた昔の事件を思い出した(もちろん、会っただけです。なにもしてません…)。
ちょっと照れ臭い思いが込み上げる。
「今日こそは頑張ってタチウオ釣りますよぉ!」虚勢を張ってみる私。
「太田屋さんのリベンジですね」船長の笑顔は一層輝いた。
「たくさん釣って宿をPRしますね!」前回、完ボだっただけに信憑性は低い…。
船長の応援にますます気を良くした私たちはますますチューハイを飲んだ。
この一週間、タチウオの釣果は好調である。
ミスターの目標は6本(内訳:自宅に2本、近所の方へ2本ずつ)。
私は強気にツ抜けを目指していた。
さらに、後半は状況によりサバを釣らせてくれるサービスもあり、クーラーが空っぽという忌むべき事態は避けられそうなのだ。わはは。
出港直前、ニコやかな顔から船長の顔へと一変した若きキャプテンは私たちに、
「フックは4本ね!」
とアドバイスをくれる。
現在のルアータチウオのトレンドは4本フックのバーブレス。
刺さりの良さでは3本のカエシ有りよりも断然上なのだろう。
午前7時ジャスト、多くのルアーマンで賑わう船のモヤイが解かれた。
出船直後、広島屋の晃船長と目が合い、挨拶を交わす。明日はKOBUさんとビシアジでお世話になる予定である。
「待ってろよ、タチウオめ。釣れないと船長に申し開きが出来ないんだかんな!」
私は静かなる闘志を燃やし、空き缶を握り潰した。
■ 痛恨のラインブレイク
航程40分で観音崎の遥か千葉寄り、大貫沖のポイントに到着。
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| ▲急いで買え! |
最初のジグは宿の受付けで買った「ムーンウォーカー」の赤金80gをセレクト。
リアのアイにはすでに4本フックのバーブレスが装着され、アシストフックまで完備されているいわば、信頼と実績の「船宿お勧め仕掛け」である。
船長の合図とともにリールのクラッチを切る。
今回も水深20m以下のシャローでの闘いになるようだ。
私は、一投目だけにロッドの先端とPEラインの糸フケに注視しながら着底を待つ。
このフォール中のバイトを見逃してはタチウオの釣果を上げることは厳しい。
着底後は一番無難なタダ巻きで様子を見た。
リーリングのスピードを変え、どの速さに一番反応を示すか試行錯誤を繰り返す。
ミスターはトゥイッチングを交えながらの攻めを展開。
船中を見渡しても、リーリングスピードはマチマチ。
だが、すぐに移動の合図。
浅場だけにタチウオにプレッシャーを与えるのか、それとも移動速度が速いのか。
周囲の僚船にも海面から抜き上げられるシルバーの魚の姿は見られない。
何度かのポイント移動後、船中のファーストヒットは右舷ミヨシ氏。細めの体型ながらも陽光を浴びたメタリックシルバーの魚体が眩しい。
その後、船内でポツポツとタチウオがランディングされ始めた。
そしてついに私にもフッキング。フォール中にバイトしたのだ。
今日のために買ったジギングロッドはバットエンドが長いため、非常にヤリトリがしやすい。難なく取り込まれたのは指3本サイズながらも今期初の本命。
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▲見た目はルアーマンらしく格好いいのですが
基本的には酔ってますぅ |
さらにもう一本追加した直後、ミスター高橋氏が呟いた。
「来ました…」と。
ダイワのニューロッドは大きくカーブを描き、フッキングしたタチウオの大きさを物語った。
取り込まれたのは私の獲物よりも一回り大きいグッドサイズ。
我々酔っ払いアングラーもヤルときはヤルのだ。
「ヨッシャ、このまま突っ走るぜ!頼むぞ、俺のムーンウォーカー!!」とジグに向かい、叱咤激励してから送り出す。
ところが、タダ巻きをしている最中、突然ジグの重みが消えた…。
急いでリーリングをするが、依然として軽いまま。もしや、タチウオの歯でラインが切れたのだろうか…。
突如、海面に鋭い眼光を発した銀色の魚体が現れた。
その口にはマイ・ラッキージグともいえるムーンウォーカーを咥えていた。フッキングした直後から食い上げていたようだ。
ラインにテンションを掛けるためリールのハンドルを高速回転させている途中、そのタチウオは海中へと帰っていった。
「タカギさん今のタチウオ、ルアー咥えたまま逃げましたよ…」ミスターが囁いた。
「ええ、そうみたいですね…」呆然としながら私…。
以前はジグが結ばれていた14号のリーダーを見ると、スパっと切られていた。あのイマイマしい歯で寸断されたのだ。
買って間もない1,100円(税込)のメタルジグ。
これからもたくさん活躍してくれると信じていたラッキージグ。
今後、お互いにイイ関係を築けると思っていただけに、その相棒を失ったショックは大きかった…。
■ 船上の殺戮
船長からのアドバイスだと、流し替えの直後は船下でもいいが、タチウオの移動が速いためキャストをして広く探る方法が有効とのこと。
私たちは久し振りのタチウオとのファイトを楽しんだ。
強烈な引きは胸を熱くさせ、抜き上げる瞬間は気持ちがトキメキ、お互いの健闘をたたえ合った。
午後12時20分、タチウオのアタリが無くなったのを見た船長は、サバ狙いに転戦することを告げた。
「フックを3本に替えて下さい」と指示が出る。
「なんで4本じゃダメなのかしらん?」と疑問に思ったが、実際に釣ってみてようやくその意味を知った。
ビシアジでサバが邪魔をするとき、仕掛けの夜光玉は外すのが定石となっている。
言い換えれば、サバは光り物が好きなのだ。
そう判断して対サバジグはグローカラーのタイプを選ぶ。アシストフックは付けず、通常のトレブルフックに交換した。
サバ場に到着してスタートのお知らせ。
すると、フォール中からいきなりのフッキング。
しかも、その引き込みはタチウオ以上に強烈。私はこれほどルアーサバが面白いとは思わなかった。
ところが、リーリングの真っ最中にまさかのラインブレイク。
無念にもPEラインから切れていた。0.8号のそれはタチウオの歯で痛んでいたのかも知れない。
急いでラインを組み直し、再投入。
すぐさまサバがヒット。
船内でもアチコチでロッドがカーブを描いている。
「釣れたら血抜きしてすぐにクーラーにしまって下さいね。気温は30度以上、水温も26度くらいありますから30分もしないうちに痛みますよ」
船長から注意が促される。
せっかく釣ったサバ、大事に持ち帰って欲しいという船長の気遣いである。
常連氏はキャッチ&リリースを繰り返すが、私は速攻で首をヘシ折り、タルに放り込む。
我々の足元はサバの鮮血が飛び散り、およそルアー船の様子とはかけ離れていた。
さらに、3本フックを丸呑みしているサバもいて、思うように口から外れない。船長が言っていたようにフックの数を落とすのは正解なのだ。
ナイフでサバの首を切るミスターのシャツには、血が点々と付着していた。断末魔のサバが強烈なバイブレーションを繰り返し、あたり一面に血液を撒き散らしているからだ。
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| ▲カタクチ君もルアーにヒット… |
「今日はサバも食わないや。いつもなら入れ食いなのに…」
と、船長はマイク越しに嘆くが、それでも私たちは十分なお土産を確保した。
クーラーには太くて立派なサバがゴロゴロと転がる。
私とミスターは顔を見合わせ、どちらともなく休憩タイムに突入。
すると…、
「ハイ、休まないで下さい。お酒もタバコも禁止ですよ。もう、ジャンジャン釣って下さい」
と、操舵室から指令が飛ぶ。
明らかに私たちに対する叱咤激励である(スンマセン、普段から釣れ慣れてないのですぐに満足しちゃうんです…)。
船長の声援に励まされ、なおもジグを躍らせるが、次第にアタリが遠のく。
そして午後1時45分、再びタチウオを追い求めて船は走り出した。
だが、タチウオの第2回戦目は結局、ノーバイトに終わった。
午後2時30分、納竿のお知らせ。
ミスターは当初の目標であったタチウオ6本を見事にクリア。酩酊アングラーの意地を見せた。
長かった闘いも終わり、下船する間際、
「明日のアジも頑張って下さいネ!」
船長が翌日のビシアジ釣行を応援してくれる。
宿とは対岸に位置する駐車場まで別船で私たちを運んでくれた船長。
別れ際、振り返って挨拶をすると、温かい笑顔を返してくれた。
私は目標を達成できなかったが、また一人、素敵な船長と知り合えたことが嬉しかった。わはは。
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