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<日 記>
深川生まれで深川育ち、朝は強いが夜弱い
曲がったことは嫌いじゃないが、竿が曲がるのあまりない
嬢にもろくて信念もろい、小指の失敗数知れず
気は短くて脚短い、親を恨んじゃいないけど、もっと身長欲しかった
家事と育児は妻任せ、釣果はほとんど運任せ
結構毛だらけ俺釣りダラけ、席の周りは缶だらけ |
そんな訳で(どんな訳よ?)、今年も来ました「ハゼ・イシモチ江戸前小物釣り」の季節が。
釣りは「ハゼに始まりハゼに終わる」といわれるそうです。
っていうことは、いまだハゼ釣り2回の経験しかない私など、江戸前釣り師から見れば門前の小僧。
それでもハゼ釣りの楽しさを少しは理解しているつもりです。
アタリを取る難しさ、小気味よい引きの気持ち良さ、食いが立ったときの忙しさ、どれもがこの釣りの魅力だと思っております。
またイシモチは、湾内で強烈なガクガク感を味わえる唯一の魚。それはまるでクロムツのよう。
ユーモラスな顔付きなのに性格は意外と繊細。道糸がPEだと咥えたエサを放してしまう敏感タイプ。
イシモチもハッキリと腕の差が出るシビアな魚であります。
ハゼとイシモチ、いずれも地味な存在ながら欠くことの出来ない東京湾の秋季選手。
先日、私の地元にある新明丸さんで両者のリレーが始まりました。
本日はKOBUさんとのんびり竿を出して、そんな秋の風物詩を堪能するつもりであります。わはは。
偶然の出会い
KOBUさんが土曜出勤であるため、そのご都合に合わせ、午後のイシモチだけを狙うつもりでいた私。
ところが前日、ご本人からメールが入った。
「明日、朝も時間が出来ちゃいました。ハゼも行っちゃおうかと思ってます。タカギさんはいかが致しますか?」
午前中の仕事をどう都合をつけたのかは知る由もないが、もともと丸一日空いていた私の予定。断る理由などコレっぽっちもないのである(どれっぽっちだ?)。
朝の6時に私の自宅前まで迎えに来てくれたKOBUさん。
我がマンションから徒歩10分少々で着く宿なのにありがたい心遣い。
店に到着後、まずは釣り客としての権利を発生させるため、乗船の前に料金を支払う(新明丸ではこれ大事!)。
受付けを済ませ、イシモチ用の仕掛けをついでに購入。
KOBUさんが駐車場に車を移動させる間、船へと乗り込み、席の確保にあたる。
左舷のトモが空いていたので、オオドモへKOBUさんに座ってもらい、私はトモ2番目に落ち着くことにした。
今日の天気は気持ちのよい秋晴れ。
空気も爽やかで風もなく、絶好の小物日和。
魅惑的な釣り物が目白押しなこの季節、本当なら仕事などしている場合ではないのだ。
「来週あたり、平日に休んで釣りでも行こうかな…」
「他の連中は一週間くらい休んだんだから、俺だって休み貰ってもバチ当たんないよな…」
「ったく、俺ばっかりマジメに働いちゃってバカみたい…」
私は自分の労働力を過大評価する傾向があった…。
駐車場から戻ってきたKOBUさんとバトンタッチし、私は近くのコンビニへアルコールの買出しに向かう。
今日は長丁場である。普段よりもたくさんのチューハイ関係を購入する必要があった。
そこで、「缶チューハイ×6本」「ワンカップ大関×1本」「缶ビール×1本」の磐石の構えを構築した。朝方、ビールで喉を潤し、その後はチューハイで酔いを持続させ、〆はワンカップで祝い酒という見事なストーリーを描いたのだ(なにしに来てんだ、俺)。
当然、収納方面にも抜かりはない。
小物釣りであるにも関わらず、私は20リットルのクーラーを用意していた。
ワンランク下の12リットルのそれでは到底、飲み物が入りきらないのである(魚の心配は無しかよ…)。これが「釣りは肝臓までも駆使するスポーツ」といわれるゆえんなのである(誰が言った?)。
船に戻って早速、プルオープン。
喉を流れるビールの爽快感に打ち震える私。
朝の6時から飲むキリンは背徳と堕落の味がした。
出船までの時間、KOBUさんと今日の釣りに思いを馳せていると、反対舷のトモにいた方がお声を掛けてきた。
お話を伺うと弊サイトを最近知り、時おりご覧頂いているとか。左舷にいる私たちを見て「もしや…」と思われたらしい。
これぞ、インターネットが取り持つ偶然の出会い。
「ヘタすると将来、スッゲー美人が船上で声を掛けてくるかも…」
「俺のレポートを毎週楽しみにしている松嶋菜々子似のギャル(死語です)がゼロとは限らないしな」
「んで、釣りが終わってから食事に誘われたらどうするよ、俺!?」
私は自分の未来を楽観視する傾向もあった…。
リバーサイドの収穫
午前7時45分、高橋英夫船長が舵を握る船は一路沖を目指した。
と、書きたいところだが、最初の釣り物はハゼ、船は鶴見川を少し下ったあたりで右折。
航程10分で着いたのが大黒運河。
「オフショアフィッシング」が絶対条件の私。
ところが、周囲の状況はどう考えても「インショア」。
それから推し量ると前半の釣りは下半身への攻撃並みの反則技。しかし、乗合船だし今回はムリヤリOKとするのだ(沖に出たらイトヒキハゼとか釣れちゃうしぃ)。
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| ▲海況、いや、川況はベタ凪 |
▲当然、周囲に僚船とか船団はありません |
昨年は竿1本で臨んだハゼ釣り。だが、今年の私は気合いの2本竿で真剣勝負。
開始のお知らせとともに、船下へ投下。
水深約2m。二枚潮、底荒れ、船酔い等の心配はなさそうで一安心(当たり前です)。
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| ▲「海の男」も今日だけは「運河の男」です |
KOBUさんは1本を置き竿、もう1本は投げて誘う広角打法の二刀流。
すると開始早々に本命をゲット。
手元には食べ頃サイズの良型ハゼ。マゴチのオンシーズンであればやまやさん垂涎の大きさである。
さらに、立て続けてハゼを連釣。
しかも、そのほとんどがグッドサイズ。
はたから見ていても楽しいのが手に取るようによく分かる。
私もどうにか良型サイズをキャッチ。これでボウズの心配はなくなった(ハゼでボウズ食らったらかなり凹むだろうな…)。
昨年の怒涛の入れ食い状態に比べればやや渋いものの、飽きない程度に釣れ続ける。
私は当初、1本バリで臨んでいたが物量作戦に切り替え、2本バリの仕掛けにチェンジ。ハヤブサ製「今夜はごちそうシリーズ」を装着した(私にとってのごちそうは焼肉ですが…)。
対岸の工場では、休憩中の工員が岸からルアーを放って魚釣りに興じている。
表層を探っていることからハゼ狙いではないらしい。
船上も工場もどこかのんびりとした雰囲気が漂う。こんな緊張感のない釣りもたまにはいいものなのだ(まあ、私は普段から緊張感ないですけど…)。
中盤、やや食い渋った時間もあったが、後半はまた盛り返してきた。
結局、午前11時40分の納竿までに、KOBUさんは82尾の本命を釣り上げた。良型主体のいいお土産が出来た。
午前中の総括。
「ハゼの合わせは悩ましい」
「数を期待できる釣りは楽しい」
「ハゼ船に若い女性はいないらしい(っていうか見たことない)」
釣り師の真髄
釣り客の入れ替えを行うため、一旦船着場に戻った船。
ところが、ハゼ船に乗っていた人のほとんどが居残り組。
私の右隣りにいたオジサンが私に、
「午後も乗るんですか?」と訊いてきた。
「ええ、イシモチもやりますよ」と私。
「一日通して乗るような物好きは私くらいかと思っていましたよ」ニヤリと一言。
「私も結構物好きですからねぇ」お互いに顔を見合わせて笑い合う。
KOBUさんがコンビニへ昼食を買いに行っている間、私は船上でおにぎり&ワンカップの昼食を摂る(はい、最後まで我慢できませんでした、ワンカップ大関…)。
すると、先般の右舷オオドモの方が話し掛けてくれる。
「いつも楽しませてもらってます」
「どもども。ところでハゼはどれくらい釣れました?」
「133です」
「うわっ、そんなに!」
「私じゃなくて、竿が釣ってくれたんですよ」
「竿が釣ってくれたんですよ」なんと謙譲と謙遜に満ちた素晴らしい言葉か。これぞ大人の言動、紳士の作法。
仮に私だったら…、
1、「結局、釣りってセンスだから…」
2、「ダテに高い授業料払ってないしぃ」
3、「それでも今日はちょっと調子悪かったなぁ〜っ」
等の自慢殺しをするハズである。
それを竿のお陰とアッサリ言ってしまうこの方は相当に熟達した技量の持ち主だと直感した。
「むむむっ、ヤルな…」
ヤラない私が言うのもおこがましいが、ワンカップを飲みつつ心から敬意を表するのであった(ああ、なんて無作法な私…)。
Yes、本牧!!
12時35分、再度の出船。
結局、降りる人よりも乗ってくる人の方が多く、午後のイシモチはハゼ以上に混み合う結果に。
どうも「釣らず嫌い」「食わず嫌い」の人が多い印象を受けるイシモチ。ところが、これほどまでにファンがいる現実を知って、私は少し嬉しくなる。
航程20分少々でポイントに到着。まずは横浜沖からのスタート。
しかし、海水はかなりの濁りが入っており、一面コーヒー色。これぞまさしく湾奥カラー。
なんとなくイヤな予感を感じつつも仕掛けを下ろす。
KOBUさんと私は、午後も2本竿攻撃の方針を打ち出した。
朝方、船宿で購入したイシモチ仕掛け(実際にはメバル仕掛け)の2本バリにアオイソメを一匹チョン掛けにし、オモリが底を叩く位置で待ってみる。イシモチのタナはベタ底がセオリーなのだ。
ところが、いくら待っても魚信は遠い…。
マイノリティーの象徴イシモチのご機嫌は斜めである…。
個人的には非常に好感を持っているのだが、その好意が相手には伝わらないらしい…。
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| ▲思わぬ食い渋りで両竿に念を送るKOBUさん |
「食いませんね…」KOBUさんがつぶやいた。
「どうしたんでしょう…」私はチューハイを飲んだ。
そのとき突然、KOBUさんの竿が叩かれた。
竿先の動きが「ガクガク」している。いわゆる「ガクる」である(広辞苑には載ってません…)。
「ガクった!」と言うやいなやKOBUさんはリーリングを開始。
取り込まれたそれは銀鱗を輝かせた本命のイシモチ。
私の経験では、イシモチは誰かにヒットすれば周りも釣れる魚である。人が釣ったら自分にもチャンスが回ってくると思って間違いない。
その予想は見事的中。
私のメバル竿にも明らかなシグナルが到来した。
ハリ掛かりしたのを確認してからリールのハンドルを回す。しかし、期待のガクガク感は希薄だ。覇気のないイシモチなのだろうか…。
がしかし、海面に現れたのはアジ。
「あのね、キミじゃないの!キミはお呼びじゃないの!アッチに行ってなさい、シッシ…」
と言いながらもしっかりとキープする私。
その後、ようやく小型の本命を1尾ゲット。
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| ▲Yes、イシモチ!Yes♪ |
ここで船長は本牧沖に移動を決断。
このポイントでもアタリが頻発するには至らないものの、俄然サイズがアップした。
KOBUさんと私は久し振りのお刺身サイズに喜色満面。
船中も胴の間からトモにかけてポツリポツリと顔を出す。ようやく上げ潮が効いてきたのだろうか。
ところが、ミヨシ方面は閑古鳥の鳴く厳しい状況。トモを選んでホントに良かった…。
私たちは基本的には置き竿釣法。
相手任せの向こうアワセ。やることといったら底ダチの取り直しと新鮮なエサの付け替えくらい。
あとは釣れたらしっかり血抜き。今夜の晩酌が楽しみなのだ。
午後4時30分、長い一日が終わりを迎える。
KOBUさんは8尾を釣り上げ竿頭。
イシモチでも彼の実力は遺憾なく発揮された。
鶴見川に戻る船上で右舷のトモ氏と会話を楽しむ。
話をしているうちにその方もHPの管理人を務めていることが判明。
「まるかつ釣り日誌」というサイトを運営され、お名前も「まるかつさん」とおっしゃるそうだ。
そのまるかつさんが考案された「カワハギの肝グラタン」の作り方から始まり、近場の穴場で出来る深場釣りへのお誘い、その他様々な釣りの話で盛り上がる。
お陰であっという間に鶴見に帰港。
またどこかでお会い出来ることを信じながら、まるかつさんに手を振ってお別れ。
西の空を見上げると、オレンジ色した秋の空。
カラスがねぐらに帰るように私たちも家路へと急ぐ。
地元の海と川で一日遊び、ほどほどの釣果を得られた満足感。
気負いも衒(てら)いもなく、どこか鄙(ひな)びた鶴見の釣りは、アチコチで浮気をしていた私を優しく迎えてくれたのでありました。わはは。
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