|
<日 記> 「あんぐらぁ徒然」のblogマスター、とくさんが懇意にしている居酒屋「あくね」。
場所は東急東横線「都立大学」駅前にあり、薩摩鶏と旬の魚を中心に厳選された芋焼酎を愉しませてくれる今風にいうなら「隠れ家的なお店」。
またそのご主人は、クマさんのような外見(失礼
(^^ゞ)で気さくな性格。いつも優しい笑顔を絶やさない温厚な方。
さらには、お店に出す食材を求めて、閉店後に沖に出てしまうほどの釣りキチ。
鮮魚と美味い焼酎、そしてご主人との釣り談議でついつい終電の時間ギリギリまで長居をしてしまう魅力的なお店なのです。
さて、ここに集う呑ん兵衛たちは当然のことながら魚料理の好きな面々。
通常、美味い魚を食べたい場合、選択肢は三つに分かれます。
1、買いに行く
2、食べに行く
3、釣りに行く
まあ、他にも「貰いに行く」とか「盗みに行く」とか「育てる」などもありますが、今回はあえて触れません。
ところで、中国には「アナタ本当にうまい魚を食べたいアルなら釣りに行くアルね」という諺があるそうです(滅茶苦茶ウソ)。
その言葉どおりに、あくねの常連各位の中にも釣り好きの人がかなりいるご様子。
そんな常連氏たちを集めて仕立て釣行の企画が立ち上がったのは、自然な成り行きであります。
さて、「企画」と聞いて黙っていられないのが前述のとくさん。
ご自身も企画・開発の会社を取締っているほどのプランナー。
予想通りに、とくさんから「あくね貸し会議室」において「緊急企画会議」召集のお呼びがかかりました(飲み会ではありません、あくまでも会議です…)。
そのメンバーは「内房の理論派」「長崎が生んだ天才釣り師」「鎌ヶ谷の板長」と呼ばれる「釣りたい魚は数あれど」のblogマスター、入江さん。
また、あくねで会議が開かれる情報を得て飛び入り参加してくれた、築地さん(ちなみに築地さんとは全員が初対面。しかしご本人はとくさんや私のサイトをご存知であります)。
さらには「初台のカリスマデザイナー」I野さんや紅一点のK宮さんも加わり、議事進行役を務めるとくさんの総勢6名がテーブルを囲む。また、相談役は重鎮あくねのご主人。
その宴席、いや席上では丁々発止にキタンのない意見と「空のグラス」や「お代わりの催促」が飛び交い、激論を戦わせた。
ある者は相手の襟首を掴み、ある者はテーブルを叩き、ある者は泣きながら懇願して自分の意見を主張(大幅にウソ)。
 |
| ▲ピリピリとした緊張感に包まれる会議風景 |
その結果、船宿はあくねのご主人が懇意にしている、剣崎の利一丸さんに決定。
釣り物は「剣崎といえば松輪サバ!」という意見に誰も異論を挟まず、満場一致で可決。
また、今期好調なワラサも一緒に狙い、この際だからマダイも釣っちゃおうという豪華絢爛なメニューでようやく煮詰まる。
マダイにワラサ、松輪サバ。「秋の代表選手」のような魚たちである。
若干、マダイ・ワラサに危険な香りがしなくもないが、サバも狙うのならお土産は確実なのだ(どこから来るんだその自信…)。
私は、酩酊しながらも不測の事態に備えて、35リットルクーラーの用意を決意した…。
港に吹く古都の風
当日、K宮さんだけ都合が悪く不参加となったものの、とくさんの呼びかけで「元プロ雀師」「次世代の酩酊アングラー」「ポルシェを追い抜く黄色いナンバー」のシドさん、そして「古都が生んだ白雪姫」「爆釣隊の京人形」「三馬鹿のアイドル」ユキさんも参加。
私の送迎役を買って出てくれたのがシドさん。
待ち合わせ時間の3時半前に合流し、一路、三浦半島の先端を目指す。
約1時間ほどで剣崎は間口港に到着。
まだ、私たち以外のメンバーの姿は見えず、車外に出てタバコに火を点けた私。
夜明け前の港は風が吹き、予想以上に肌寒い。
私は思わず自販機で温かい缶コーヒーを買って暖を取る。
ところがシドさんは自分のクーラーから缶ビールを取り出し…、
「歯磨き代わりに…」
と栓を開ける。
それを美味そうにグビッと飲んだ。
何故か私の「ライバル心」とか「対抗意識」が揺さぶられた(酒でかよ)。
しばらくすると見慣れた大きなランクルが到着。
運転席から、とくさんが颯爽と降り立ち、同乗していた築地さんやユキさんもそれに倣う。
「おはようございまぁ〜す♥」私の挨拶はもっぱらユキさんに向けられていた。
「あっ、タカギーさんおはようございますぅ」耳に心地よい京都風のイントネーションが私の大脳辺縁系を直撃する(昔、アイドル時代の三田寛子のファンでした。個人的に京女に滅法弱いのね)。
街灯に照らされる夜明け前の港。ユキさんは寒さで小刻みに震えていた。
見知らぬ街に迷い込んだ白ウサギのような姿に、思わず抱きすくめたくなる。
自分が着ていたトレーナーをその華奢な肩に掛けてあげようかと思ったが、貸しちゃうとTシャツ一枚になるからヤメておいた…。
それにしても私たちが立つこの駐車場には活気がない。
他の釣り人の姿があってもおかしくないのに、誰一人としていない。
不審に思ったとくさんとシドさんがその周辺の調査を開始。
しばらくして、戻ってきたシドさんが一言。
「ここじゃないです。もっと奥に本当の駐車場がありました!」
どうりで見掛けるのは漁業関係者風のオジサンばかりのハズなのだ。
早速、正式な駐車場へ移動すると、何台もの車が停まり、たくさんの釣り人が一日の準備を始めていた。
入江さんは既に到着しており、船上で待機中。
もう一組のグループ、I野さんたちは道に迷ってしまった様子。港に着くのはまだ時間が掛かりそう。
そこで今いるメンバーだけ先に乗船することになった。
釣り座は、
| <船首 |
タカギー/シドさん/とくさん/ユキさん/築地さん/入江さん
常連氏(A)/常連氏(B)/I野さん/I野さんの友人/常連氏(C)/あくね主人 |
船尾[] |
とくさんの気遣いもあり、私の席は右のミヨシ。
当初の予定では、ジギングでサバやワラサを狙うつもりであり、私が「オフショアの師匠」と敬愛している新山下は渡辺釣船店のシゲオ船長にその指南を仰いでいた。
ところが、エサに付いた魚をルアーで掛けるのは非常に難しいと各方面からの意見もあり、断念していたのだ(ここら辺がチキンの証拠)。
それでもオモテを与えられた私の豪華三点盛り的釣行に対する期待感は、益々高まっていくのであった。
とくさんの確変
乗船前にドバッと盛られた大量の氷。
その上に鎮座する缶チューハイの内の1本を取り出す。
とりあえずタックルの準備を済ませ、私はエネルギーを補給した。
隣りに座るシドさんも本日2本目となるアルコールに手を伸ばす。やはり私にライバル心を抱いているのだろうか。
そこでお互いのクーラーの中身のガサ入れを開始。
 |
 |
| ▲シドさんのクーラー |
▲私のクーラー |
数量的にはシドさんに軍配が上がるものの、その内訳を見ると、アルコール飲料の数ではほぼ互角。
朝方、シドさんは缶ビールを1本消化するハンデはあったが、私のクーラーにはとっておきの一品「ワンカップ大関」が待機している。しかも、バッグの中にはストーブ・リーグの必須アイテム「燗番娘」も控えているのだ。
私は心の中でつぶやいた。
「とりあえずこの勝負、引き分けとしておこう」(ショーブするところ間違えてますか、俺)。
出船までの時間をチューハイを飲んだり、シドさんと談笑したり、ユキさんのところに用もないのに近寄ったりして過ごす。
遅れていたI野さんたちも無事に到着し、定刻の午前6時30分、船は間口港を出発。
出船前に船長から、最初はマダイを狙うので、「ハリス4号6m」の仕掛けでやってみるよう指示が出ていた。
私が今回選んだロッドはたったの1本。
ダイワの名竿「リーディングXネライ」である。これならバットパワーもあってワラサクラスなら余裕で取り込めるはず。また、マダイ用の細い仕掛けにも柔軟に対応し、ハリス切れを防いでくれるに違いない。
航程約10分でポイントに到着。
約40mダチでタナはハリス分プラス1〜2m。
底ダチを取って段階的にコマセを撒き、縦型にコマセの層を作るイメージで待つ。
するといきなり「ククン…」とアタリ。アジかも知れないと期待を込めてリールを巻くと、とくさんの道糸とオマツリ。
とくさんのハリに付いていたのはイサキ。
開始早々に嬉しい外道を得て、とくさんは白い歯を輝かせてニッコリ(私のアタリはとくさんのイサキだったのね)。
その後はポツポツとサバが掛かるものの、私のハリに魚のアタリは皆無。
釣れるサバは良型が中心で、シドさんやとくさんの竿を大きく曲げた。
やることのない私は、タモを持ってサポート係。
そんな中、左舷に座るI野さんが本命をゲット。船中初のマダイである。
次にヒットさせたのは、着実に空缶を増やしていくシドさん。
ゆっくりと、そして丁寧にリールを巻き上げ、掴んだハリスの先にいたのは赤い魚。
「マダイだっ!!」 悔し紛れに私が叫ぶ。
取り込まれたのはまずまずのサイズの本命。
 |
| ▲ナニゲにうらやましいサイズですぅ |
そして本日、運気上昇真っ只中のとくさんにもそれらしい魚信が到来。
差し出した網に収まったのはやや小型ながらもこれまた赤い魚。
右舷に関しては、ミヨシ2、3番目にアタリが集中していた。
 |
| ▲いよっ、本日のチャンピオン! |
しかもとくさん、仕掛けを下ろして底ダチを取った瞬間にまた食わせる。
 |
| ▲マダイとのヤリトリを楽しむとくさん |
「今、底ダチとったらいきなり食ったよぉ!」
「なんだか調子イイなぁ!!」
「う〜っ、楽し〜い♥」
嬉しそうであった…。
たまたまミヨシの様子を見に来ていたあくねのご主人がタモ取りしたのは、先ほどよりもサイズアップした500gの本命マダイ。
とくさんは、連続ヒットをかっ飛ばし、我が世の春を謳歌していた。
さらに今度はこれまた恨めしいうらやましいヒラソウダまでヒットさせ、その勢いは留まるところを知らない。
「とくさん、絶好調ッスね!!」
スポーツマンシップにのっとりエールを送ったが、自分の目が明らかに笑っていないことを私は自覚していた…。
癒しのアジ
盛り返していたワラサの群れは残念ながらどこかに行ったらしく、船長はお土産作りのアジ狙いに軌道修正することを告げた。
わはは語録には「たかがビシアジ、されどビシアジ」という名文句が記されている。
また、「ビシアジは人生の教科書」という言葉もある。
私には、釣りの腕を上げたいのなら血のションベンが出るまでビシアジをやるべきとの自論があった。
それに、アジはほとんど裏切らない。
その点ではマダイよりもずっとエライ。
いたずらに世間を賑わし、唐突に去っていくワラサよりも礼儀をわきまえている。
サバほど脳天気な暴れ方をしないアジは育ちが良い。
私はアジが大好きだ。
90〜100mほどの深場を攻め、潮の流れも速く、釣りやすい状況ではなかったが、剣崎のアジは私たちの期待に応えてくれた。
船長からの指示ダナは底から5〜6mである。
そのタナに合わせるとすぐさまうれしいアタリが訪れた。
私は、水深があることを考慮し、多点掛けを狙った。
最初に抜き上げた仕掛けには30cm前後の良型アジがトリプルで掛かった。
次はダブル、その次はまたトリプル。メチャメチャ面白い。
釣れたアジに敬意を表し、キッチリと血抜きをしてクーラーに仕舞った。この35リットルの大容量を誇る入れ物も本来の機能を果たせて喜んでいるに違いない。
時間の経過は、釣れないときは遅く、釣れているときは早い。
あっという間に沖揚がりの午後1時半となった。
皆さん、それぞれアジを10尾前後手に入れ、今晩のおかずを得ることが出来た。
宿に寄ってサービスで供されるラーメンをすすり、今日一日を振り返ってみた。
優しい船長、気遣いの行き届いた船宿、楽しい仲間。
「来て良かった…」と思った。
そして、「次回の仕立てのときは手加減しないんだかんな!」と、とくさんに「負け犬光線」を照射しておいた。わはは。
|