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釣行日:平成18年3月4日(土)/中潮/天候:晴れ

<釣り物> クロメバル
<釣 果> クロメバル5尾、カサゴ3尾、アナハゼ2穴
<船 宿> 葉山柴崎 五エム丸
<釣り場> 相模湾 佐島沖
<タックル> 竿/サクラ めばる竿2.4m、リール/Daiwa ミリオネアベイキャスティングスペシャル103(道糸:PE0.8号)、仕掛け/【A】がまかつ サンスイオリジナルイワシメバル仕掛(ピチピチメバル9号2本針・ハリス0.8号・幹糸1号・枝50cm・全長230cm)【B】ヤマシタ 船胴突メバル道(ヤマメ針8号2本針・ハリス0.8号・幹糸1.5号・枝50cm・全長2.7m)、オモリ/15号(黒)
<エ サ> シコイワシ
<釣り座> 右舷ミヨシ
<同行者> やまや氏、西澤氏
<どう食ったか> 刺身、唐揚げ

<日 記> クロメバルというのは私にとって年に1、2回はお相手したい魚であります。
 黒目がちでつぶらな瞳、全体的に色黒でややズングリした体型は、愛嬌があって憎めません。
 性格温厚・争いごとは苦手・陰に隠れて目立つことは嫌い、そんなタイプです(まあ、本人に確認していないのでアレですが…)。

 それにメバルの方から自主的にハリに掛かってくれ、釣り人の手を煩わせないという点などサービス精神に溢れ、献身的でなかなかマネの出来ることではありません、立派です。

 「いいのお願いそのままじっとしていて。アタシの方から掛かるから…」
 「んもぅ、イヤッ!動かさないで!」
 「こら、焦っちゃダメでしょ♪」


 そんな声が海の中から聞こえてきそうです。

 さらに、小柄なクセにハリ掛かりするとバタバタと暴れて、意外にも強く引く様は釣り人を喜ばせようと考え出されたメバル独自のパフォーマンスではないかとも思うのです。サービス業とは顧客を満足させ、喜ばせることだという基本をしっかりと守り、実践しているメバルはやはりエライとしか言いようがありません。

 「お客さん、初めて?そう。それじゃ特別にたくさん引いちゃおうかしら。えへっ」
 「どう?アタシの動きを感じる!?」
 「キモチいい?楽しい?ねぇ、どうなの?ウッフン ♥ 」


 存在自体はやや地味ですが、以上の特徴から考えて非常にプロ意識が高く、好感の持てる魚であることは間違いないのです。嗚呼、魚にしておくにはもったいない…。

 さて、そんなクロメバルを前回は東京湾でモエビを使って釣り上げましたが(たった4尾ですけど…)、今回は相模湾でイワシをエサにして狙うことになった次第です。

 この魅力的な釣行を企画してくれたのは、
「わはは爆釣隊の貴公子」「アルティメットな自虐系アングラー」「千の餌木を持つ男」の異名を取る、やまやさん。
 そしてもうお一人は、
「新横浜の真鯛ハンター」「聖職系釣り師」「船上の金八先生」と名高い、西澤さん
 釣り物・釣り仲間ともに楽しくないはずがありません。
 私はこの日が来るのをず〜っと心待ちにしていたのです。わはは。



横浜西口方面の煙まみれの熱い夜

 釣行前夜の横浜駅西口周辺。

 「わはは爆釣隊の四バカ」がサンスイ(海釣り館)で待ち合わせをして、そのはす向かいにある「あけぼの食堂」で定例会(というかただの飲み会)が開催された。
 七輪で焼いた熱々のホルモンやカルビ・ハラミなどを頬張り、レバ刺しやセンマイをつまみながら呑む生ビールやホッピーに舌鼓を打っていた私たち。
 さんざん呑んで食べて満足すると、二軒目は海鮮居酒屋へとなだれ込み、魚料理をつつきながら焼酎をしたたか呷った。

 TAKEさん・KOBUさん・まっちゃんとの会話は、酔うほどに盛り上がり呑むほどに笑いが絶えなかった…。

 酒飲みはおおむね刹那的である。
 酔ってくると「今が楽しければそれでいいんだもんね」といったおおらかな気持ちになる。その夜の私がそうだった。

 「本当は、明日釣りだから早く帰って道具を揃えたり、心の準備したり、潮時表確認したり、本日の釣果をチェックしたり、午後9時には寝たりしないとイケナイんだけどもうどーでもいいんだもんね。今がとっても楽しくてとっても酔っ払っているから釣りなんかカンケーないんだかんね。つうかなんで釣りの前日に飲み会の約束入れちゃったんだろ俺!?」そんなキモチだった…。

 二軒目を出たのは深夜11時過ぎ(ではないかと思う…)。
 店を出て夜風にあたると、私の中にわずかに残された理性的な部分がようやく目を覚ました。

 「俺、明日釣りだから帰る…」
 「僕らもう一軒寄ってくから!!」
と、まっちゃん。
 「そんじゃ、お疲れ〜ッス!!」TAKEさん。

 泥酔・酩酊化した2人は横浜の雑踏に消え、唯一シラフのKOBUさんは車に乗り込み帰宅の途についた。

 私は、それ以降の記憶があまりなかった。
 家に着くと、仕掛けやリールなどの準備を整え、目覚まし時計をセットして、寝ている家内の脚を踏んづけて布団に入ったような気がする……。


 「ねえ、起きなくていいの!?」


 目を開けると、夫婦関係13年目に入りすっかり見飽きた家内の顔が間近にあった。
 「なろっ、顔が近すぎんだよ!」私はまずそう思った。
 「ったく、ふざけやがって…」何故か憮然としていた。

 「目覚まし何度も鳴ってたよ。今日は釣りでしょ!?」

 その一言で私はようやく自分の置かれた立場を理解した。
 午前3時に目覚まし時計がセットされていたのだが、無意識のうちに何度も止めていたらしい。
 時間はすでに3時15分。やまやさん到着の時間まであと45分…。

 ビックリして飛び起き、焼肉臭い身体をシャワーで流して歯を磨き、道具の確認を済ませ、着替えていたらケータイが鳴った。やまやさんからだった。

 「おはようございます」やまやさんの爽やかな挨拶が耳に届いた。
 「も、もう着きました?」昨夜のバカ騒ぎが影響してかすれ声の私。
 「はい、下にいます」相反してあくまでも爽やかなやまやさん。
 「すいません、数分お待ち下さい…」うへっ、いつの間にか約束の時間になっていたのだ。

 私の場合、二日酔いの症状として表れるのは「全身の虚脱感」「無気力感」「頭痛」「吐き気」などであるが、その朝はどちらかといえば妙な高揚感があるのみだった。

 「やべっ、絶対俺ってまだ酔ってるな…

 睡眠時間3時間では到底、血中アルコール濃度は下がるはずもなかった…。



葉山のモーニングセット

 十分に酔いの残った状態の私。

 西澤さんをお迎えに新横浜を目指す車中で交わしたやまやさんとの会話の内容も、実はあまり覚えていない
 酔っ払い特有のダラダラとした取り止めのない話をずっとしていた記憶はなんとなくある
 わざわざ鶴見まで拾いに行ったのに待ち合わせ時間には遅刻され、挙句の果てに酒臭い息を吐きながら訳の分からないことを口走っている怪しい男を隣りに乗せたやまやさん。その心中を察すると心が痛んだ

 西澤さんはすでに自宅マンションの前で待機していた。私が原因で待ち惚けさせてしまった(ゴメンなさい…)。
 私たちは、再会の喜びに打ち震えながら熱い抱擁をして(ウソです…)本日の宿、五エム丸のある葉山を目指す。
 西澤さんはいつもニコニコしていて温和な人である。車内での酔っ払いの馬鹿なタワゴトにお付き合い頂き笑ってくれる。

 港近くのコンビニで停車してもらい、買い物をする。
 数時間前、あれほど肉を摂取したのに小腹が空いていた。取り敢えずおにぎりやおつまみをカゴに放り込んでみる。
 そして、昨夜あれほどアルコールを摂取して今でもホロ酔いなのにビールと缶チューハイも手に取っていた。

 「でも、さすがにワンカップ大関だけはヤメとくか…」

 準酩酊者なりに自制心を働かせた。
 こんな状態で日本酒など飲んだら前回の二の舞、船上爆睡間違いなしと判断したのだ。もう同じ轍は踏みたくない(そんならアルコール買うなっての…)。

 宿に到着すると、店の前にはクーラーやバッグがたくさん置かれ、結構な人が出船までの時間を店内で待っていた。だが、クーラーの大きさからしてメバル狙いではないと判断。メダイ狙いの人たちに違いない。

 受付けの座席表を見ると、メバル船の乗客はいまだゼロ。私たちが一番乗りなのだ。
 宿の人のアドバイスもあり、ミヨシを陣取ることにした我々。席順はジャンケンで決定。イチ抜けは二日酔いの人(私のことね)で右舷のミヨシをゲット。やまやさんは酔っ払いに背を向けた格好となる左舷のミヨシ、西澤さんはアルコール臭を浴びること必至の私の隣りへと座ることに。

 五エム丸のサービスは素晴らしかった。
 受付けを済ませるとコーヒーかお茶が出され、しばらくするとお味噌汁まで運ばれてきた。
 この調子でいくと次は目玉焼きとご飯のセットが供されるのではとワクワクしていたが、さすがにそこまではなかった(当たり前だっての…)。

 「いやぁ…、やっぱり二日酔いの朝には味噌汁ですねぇ…」

 私は思わずつぶやいた。
 暴飲暴食後の胃袋に味噌汁はじんわりと沁み、次第に意識もハッキリとしてきた。
 外は次第に明るくなり、私のモチベーションも徐々に高まっていくのを感じた。

 さあ、酔ってなんかいられない。これから楽しみにしていた相模湾のメバルとの闘いが始まるのだ。わはは。



船長からのダメ出し

 定刻の午前7時、船は6名の釣り人+1名の二日酔い者を乗せ出発。

こんな素晴らしい朝は、素敵な女性と迎えたい…。
<相模湾の釣りは本当にキモチがいいです!>

 今日の空はキッチリと晴れ渡り、海はキッチリと穏やかで、江ノ島も裕次郎灯台も名島の赤い鳥居も全部がキッチリと見えた。

 こんなキモチの良い朝に乾杯をしたくてクーラーからギネスを取り出した私。この不真面目さはギネスブック級なのかも知れない…。

 
「プシュッ…」

 アイルランドのダブリンで生まれた、スタウトの深いコクと香ばしさに溢れるこの黒ビールは、迎え酒としては最適だった。芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、思わずウットリするほどの美味さだった(ダメな人間でゴメンなさい…)。

 航程20分で佐島沖に到着。
 船長からの指示でタナは底から1メートル。
 西澤さんが生簀からイワシをすくい、私のバケツに投入してくれた。

 「すまん、下アゴから上アゴにかけてハリを貫通させてもらうぞ…」
 「今後、キミには逃げたくても逃げられないイバラの道が待っているけど悪く思うな…」
 「無事に食われてこい!」


 もしも自分が生まれ変われるとしても、絶対シコイワシにだけはなりたくないと思った。

 水深10メートル程の浅場からのスタート。
 タナに仕掛けを持っていき本命からの魚信に備える。
 第一投目というのは心浮き立ち、夢や希望に輝く最高の一瞬なのだ。

 だが、現実は甘くなかった。
 メバルからの音信はなく、あるのはエサのシコイワシが健在であることを知らせる感触だけ。
 しばらくすると、やまやさんの隣りにいる人の竿が大きく曲がった。上がってきたのは船中初となる本命のメバル。まずまずの良型なのだ。

「タカギーよ、ユキさんは僕のものだぞ!」
<本日の第一尾目とやまやさん>

 そしてその後、今度はやまやさんの竿が弧を描いた。
 ところが残念ながら食っていたのはカサゴ。
 まあ、出船前にやまやさんが表明した
「メバル×3尾、カサゴ×3尾(ただし良型)」という謙虚なんだか図々しいんだか分からない目標に一歩近づいたことは間違いない。

 その頃から私にもアタリが出始めてきた。
 脆弱なシコイワシがナニモノかに弄ばれている感触が竿を通じてヒシヒシと伝わる。

 「食え、メバル!食われろ、イワシ!」私は心の中から声援を送った。
 「おっ、タカギーさん食ってますね!」西澤さんからも励ましの言葉をもらう。
 「そ、そうなんですけどなかなか掛からないんですよね…」もどかしさに身悶える私。

 ハタから見ると…、

 A、竿を握りながら身をよじって煩悶する酔っ払い
 B、竿先が海面に刺さるも、すぐにエサを離され懊悩する酔っ払い
 C、魚信が結果に繋がらず地団駄を踏む酔っ払い

 上記のいずれかに映ったに違いない。

 「前のひと〜!合わせるの早過ぎるよぉ〜!それじゃ魚が掛からないよぉ〜!」

 ついに船長から教育的指導が出された。

 今日のメバルは思わせぶりだった。
 口先でハグハグするもなかなか咥えようとはしなかった。
 私はイラつき、思わずクーラーからキリンチューハイ氷結白桃を取り出していた…。

隣りの人から吐き出されるアルコール臭にも負けず、本命をゲット! 是非、陸でも一杯やりましょう!!
<置き竿仲間の西澤さんですぅ> <相模湾のカサゴはデッカイど!>


心理合戦(メンタルファイト)

 「タカギーさん、どうですこれ…」

 やまやさんはそう言って、持参してきたデジカメを私に差し出した。
 そのディスプレーに映し出されていたのは、
「爆釣隊の白雪姫」「古都が生んだプリンセス」「京都の妖精」と名高いユキさんの画像。しかも、隣りにはチャッカリとやまやさんも写っていた…。

 「これ、ユキさんが京都に戻る最後の日に撮ったんですよ」

 ユキさんと言えば心のオアシス
 自分が独身だったら魚よりもユキさんを釣り上げることに躍起になっていたに違いない。
 私にとってユキさんの存在は船上に咲く一輪の花なのだ。

 今、目の前に立つこのオトコは、神聖なる船上でユキさんとのニヤけたツーショット写真を自慢げに見せ付けているのだ。

 だがその瞬間、これはやまやさんの戦略だと気付いた。
 我がわはは爆釣隊では定番の心理戦を展開しているのだ。
 相手を動揺させて心理的に追い詰め、釣りへの集中力を鈍らせることによって自分の釣果を有利に運ぼうとする常套手段なのである。

 「ふん、やまやま。そんな姑息な手には乗らんぜよ…」

 私は胸のうちでつぶやいた。
 彼は百戦錬磨の猛者かも知れないが、私だって船上のラフプレイには慣れっこなのだ。
 「殺(や)るか殺(や)られるか」思わずそんな言葉が脳裏をよぎった。

 「今、3キロのヒラメが食ったんですけど、ハリスが切れちゃいました…」

 またしても私の背後からつまらぬデマを流すやまやさん。
 彼は確かヒラメバージン。ヒラメとカレイのアタリの違いも分からないはずである。
 あからさまな情報操作、見え透いた粉飾報告。ホリエモンもびっくりなのだ。

 お昼を過ぎた頃になると吹いていた風も次第に弱まり、相模湾はベタ凪となった。
 すでに我々3人とも、無事本命を釣り上げ、ボウズの心配はなくなっていた。
 そんな昼下がり、何故かやまやさんの仕掛けに1キロ近いアオリイカが乗った。

実に嬉しそうですぅ。
<高級外道に思わず頬を緩めるやまやさん>

 玉網に収まったアオリイカをよく見ると、そいつの脚は15号オモリをしっかりと抱いていた。
 食えもしないオモリなどさっさと離してしまえば捕らわれることもなかったろうに。
 所詮、イカの王様などと言われてもこの程度のモノなのだ、ガッカリである。

 「ふん、バカなイカ!

 私は、悔し紛れにアオリイカに向かって言い放ってやった。

 そしてその直後、私は本命のメバルを釣り上げ、やまやさんに対してこう口撃した。

 「本当に釣りがうまい人ってのはね、外道じゃなくて本命を掛けるもんですよ…」


 確かにやまやさんは偶然にもアオリイカを釣り、片や私の上げた外道といえば、キモいアナハゼくらいだが、メバルの数でいえば私の方がダントツなのだ。
 「二日酔い」「寝不足」というハンディキャップがあるのにも関わらずのこの釣果。もしも体調が完璧だったら一体どれほど釣っていたのだろうか。自分の実力が少し怖くなった。わはは。


相模湾への誓い

 午後2時、船長より納竿のお知らせ。
 楽しい一日は、不思議と終わるのが早い。

 最終釣果。やまやさんメバル2尾・カサゴ5尾。西澤さんメバル2尾・カサゴ2尾。
 そして、非常に書きづらいのだが、本日の竿頭はこの私…。
 さらに、今後のこともあるので誠に不本意ながらトドメの一言をやまやさんに言って息の根をしっかりと止めておいた…

「クソっ、酔っ払いに負けたぜ…」
<一応、本命を持っている写真も載せとこ…>

 「やっぱさ、小物釣りって腕の差が出るよね…」

 私は、宿に戻ってお茶を頂きながら、サービスの葉山コロッケを頬張りつつ今日一日を振り返ってみた。

 あいにく、魚の食いは良かったとは言い難いが、やまやさん・西澤さんと久し振りに一緒に釣りが出来て、最高に楽しかった。
 お互いに冗談を飛ばしながら釣り糸を垂れ、穏やかな相模湾に抱かれて非常にリラックスした一日を過ごせた。考えてみたらどんなに贅沢なことか…。
 私は、今回の釣行に誘ってくれたやまやさんへ心から感謝をした。

 帰りの車の中で、次回の相模湾対決はシロギスにしようと決まった。
 そして、戦いの舞台は私の憧れの船宿、萬司郎丸さんに決定。
 ベテラン小物アングラーのやまやさん、もしもシロギスでも私に負けたらユキさんに会わせる顔がありませんよ。わはは。

 ※ちなみに、私だけの一方的なレポートではフェアじゃないので「釣り馬鹿亭主天国」さんに載っているやまやさんのレポートも併せてお読み頂けると幸いです。管理人の相模庵さん、近いうちにお相手よろしくお願い致しますm(__)m わはは。


一夜にして胃袋に消えました…。
<竿頭にしてはサビシイ写真です…>



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