釣行日:平成18年3月19日(日)/中潮/天候:雨のち曇り

<釣り物> シーバス
<釣 果> フッコ17本
<船 宿> 横浜山下橋 渡辺釣船店
<釣り場> 東京湾 扇島沖〜川崎沖〜木更津沖
<タックル> 竿/Daiwa ソルティストベイジギングSTX-BJ621HB、リール/Daiwa ミリオネアベイキャスティングスペシャル103(道糸:PE0.8号)、ルアー/【A】メタルジグ(イワシ)60g【B】シゲオ船長から貸与のメタルジグ(赤金)重さ不明【C】メタルジグ自前(赤金)60g、フック/OWNER 段差フック(DH-38)size1/0、ショックリーダー/25lb1.5m
<エ サ> ―
<釣り座> 左舷ミヨシ
<同行者> ミスター高橋氏
<どう食ったか> 刺身、ムニエル、フライ、しゃぶしゃぶ

<日 記> 私が子供の頃にたった一回だけある貴重な釣り体験は、小学生時代に友だちに誘われイヤイヤやった旧江戸川の中州でジェットテンビンをブン投げる川釣り(興味がなかったのでそのときの対象魚さえ覚えておりません…)。

 そして今から約5年半前、仕事上の付き合いでこれまたイヤイヤ参加することになった船釣り
 ところがなんの運命のいたずらかサバの入れ食いという好釣(なのか?)に遭遇。以来、魚釣りの面白さを知ることになりました。
 今から思うとまさにその日は、禁断の果実を頬張った瞬間だったというわけです。

 それまで、私の釣りに対するイメージは、海とか川とか池に向かって釣り糸を垂らして「ボ〜っ」っとしながら一日を無為に過ごすための趣味、またはその人々というものでした。
 正直、私の中では
「ダメな趣味ベスト5」に入ること間違いなしの世界だったのです。
 当然、そのダメな趣味に自分がハマろうとは夢にも思っていなかったわけです(まあ、「ダメな釣り人」の素質はあったみたいですが…)。

 以来、沖釣りの世界だけに没頭し、渓流や管理釣り場や磯などに浮気もせず、初志貫徹・一意専心・徹頭徹尾、船上からの釣りに励んでおります。

 ところで、一般の人たちの釣りに対するイメージはどんなものでしょうか?
 個人的には、釣りに興味を持つ前の自分と同様に、好印象とは言い難いような気がしてなりません。
 「キタナイ」とか「クサイ」とか「オヤジっぽい」などと不当な評価を受けているのではないでしょうか…。

 しかし、そんなダサクサイ趣味の中でひときわ異彩を放つ存在がルアーマンなのです。
 イワシのミンチやウロコがこびり付き、海水を浴びて粉を噴いた防寒服を着た薄汚れた釣り人然とした私がルアーマンの存在を初めて知ったのは、シーバス船の上。
 それ以来、服装のお洒落さやタックルの格好良さ、キャッチ&リリースのスポーツマンシップに自分には無いモノを感じ、羨望と同時に反感を抱いたのは自然なことでした。

 「ふん、船の上でなにチャラチャラしてんだよ!」
 「ルアーみたいなニセモノを使いやがって、恥ずかしくないのか…」
 「逃がすんなら釣るんじゃないよ、バカっ!!」


 彼らに対し、胸の内では常にドス黒い感情が渦巻いていました(口には出さなかったけどね)。

 ところが、スズキ(またはフッコ・セイゴ)をエビ餌で狙っても思うように釣れないのにも関わらず、
イワシもどきのメタルジグとか自然界にはあり得ない組み合わせのカラーのバイブレーションにガシガシと魚が食い付いてくる釣況を目の当たりにして、私は徐々にルアーフィッシングの世界に魅了されていったのです。それと同時に、上記のようなルアーマンに対する敵愾心も少しずつ薄れ、一方的で逆上的な偏見も無くなりました。

 そして現在、ルアーロッド4本に各種ルアーを数10個も有するまでに変節したのです
 極細の道糸とショックリーダーの先に結んだ小さなルアー。そのルアーに命を吹き込み、いかに本物らしく見せるかを試行錯誤しながら魚と対峙するシンプルな釣法に、大いに魅せられたのでした。
 仕掛けが単純なほど釣りは面白いといいますが、ルアーフィッシングの世界に足を踏み入れたら抜け出せなくなる可能性は大です。

 ですから、私の友人であるミスター高橋氏がこの釣りにドップリとハマったことも十分に理解できるのですね。

 さて、本日はそのミスターに誘われてのルアーシーバス。
 お邪魔する宿はもちろん新山下にある渡辺釣船店さん。
 そしてルアー船の舵を握るのが、私にとってルアーフィッシングの師である
「船上の生活指導官」「シーバース際の魔術師」「新山下の熱い男」シゲオ船長。

 さてさて、久し振りに釣戦するシーバスのご機嫌はいかがでしょうか。
 そして、いつものようにシゲオ船長からはどんな教育的指導が出されるのでしょうか。
 釣果ともども非常に楽しみであります。わはは。



爆釣へのカウントダウン

 本日の午前4時45分、マンション前に到着したミスター高橋氏の車に乗り込み新山下に向けて出発。
 私がそのハマのベイエリアを訪れるのは、昨年の12月30日に釣り納めでカワハギ釣りに行って以来。あのとき、初めて宮地船長にお世話になり、小物釣りの楽しさを心から満喫した。

 さて、新山下で渡辺さん以外に私やミスターが懇意にしている宿はもう一軒ある。
 渡辺釣船店のヒトツ手前に位置する広島屋さんである。

 この宿は、やたらとアットホームな雰囲気に満ちている。
 お店で新聞を読みながら釣り人たちを迎えてくれるおじいさんが、晃船長のお父さん(元大船長)。そして、受付けを担当するのがお母さん。このお二人と会話をしながら淹れたてのお茶をすすっているとなんとなく田舎のお祖父さんの家に来たような気分になる。
 そして、船長の晃さんは常連さんを大切にする、釣り人思いの頼れるオトコ。

 私にとってはこの宿は、「ホテル華の湯」「強羅環翠楼」などよりも癒し系宿なのだ。
 ああ、たまには広島屋さんで一日のんびりとシロギス釣りをしてみたい…。

 さてさて、渡辺さんの店先に着くと駐車場はガラガラ。どうやら私たちが一番乗りの様子。
 そこで早速、我々はロッドを持って席をキープしに乗船。
 釣り座はいつもと同じ左舷のオモテ。ミスターが私にミヨシ1番を譲ってくれる。

今日は奮発してワンカップではありません。わはは。
<祝杯用のお酒です>

 私はその後、今日一日をさらに楽しくするために不可欠なアルコール類の買出しにコンビニへ。
 缶ビール1本・缶チューハイ3本・白鶴ミニグラス大吟醸1個の買い物は半日船であることを考慮すると常識的な量である(ような気がする…)。

 早速、船に戻って出船前のモーニングビールをゴクリ…。
 おつまみはミスターから頂いたファミリーマート謹製のメンチカツ。メンチとビールの相性が最高で思わずウットリ…。

 今日は、明後日が春分の日となる日曜日。肌寒さはまったく感じなかったが、我々が到着する前からポツポツと小雨が降り始め、すでに上半身はシットリと濡れていた。
 しかし、駅弁は列車の中で食べてこそ本当の味を発揮するように、出船前のビールも船上で飲んでこそ美味さと醍醐味を味わえるのだ
 私は意地になって明け方の閑散とした船上で飲み続けた(ナニもそこまでしなくても…)。

 一息ついてからお金を払いにお店に向かうとシゲオ船長を発見。
 ご無沙汰のお詫びをしつつ本日の釣行に関する雑談をする。

 「昨日も朝からずっと釣れていたから今日もイケるでしょ!」と船長。
 「でも、まさかの食い渋りになったらボクのせいにされるんですよね…」と私。
 「まあ、そういうことになるかな!」

 こんな冗談を言い合っていたが、私は微塵も今日の好釣果を疑っていなかった。今、目の前にいるこの船長なら必ずや釣らせてくれると信じているからだ。もしも仮に私だけが不調であれば、マンツーマンの個別指導もしてくれるハズだ。
 それに私は過去、ルアー・エサ釣りを問わず、フッコ系を狙ってボウズだった経験はゼロという輝かしい実績がある。何気に相性のいい魚なのだ。
 さあ、家で腹を空かせて待っている家族たちよ、今夜は胸焼けするほどシーバスを食わせてやるかんな!!わはは。



殺戮の船上 〜ボート・オブ・ザ・リビングデッド〜

 小雨の降り続く天気だというのに、船上はたくさんのルアーマンで溢れていた。
 最近の好釣果をアテにしているのは、どうやら私たちだけではないらしい。
 そして定刻の6時30分、シゲオ船長が舵を握る船は早春の海に向けて出発した。

 最初のポイントは扇島沖のシーバース周り。
 ミスターに訊くと最近はもっぱらジギングがメインらしい。
 そこでまず、本日最初のルアーは
イワシカラー(60g)をセレクト。

 スタートの合図とともにジグを船下に落とし、ボトムから10mほどの間をタダ巻きで様子を見る。
 しばらくするといきなり底近くでバイト。
 重量からしてフッコサイズであることは間違いないが、それでも早々にヒットして思わず笑顔がこぼれる。ああ、期待を裏切らないシーバスって素敵…。

途中から雨もあがり、絶好の釣り日和になりました。
<心を結ぶ愛の架け橋(意味不明)>

 その後、船中の食いも収まってきたため、ポイント移動。
 川崎沖を経由しておなじみの木更津沖に進路を取る。
 目の前にアクアラインの風の塔が迫るポイントに着き、開始のお知らせと同時にジグを軽くキャスト。こういう建造物のキワキワを前にすると不思議と釣れそうな気がするのは私だけだろうか…。

 しかし、それは気のせいではなかった。信頼と実績のポイント、木更津沖は期待に応えてくれた。
 船中のアチラコチラで銀鱗を輝かせてシーバスが甲板を叩いた。
 ミスターと私にも本命がダブルヒットしてシーバスロッドが見事な満月を描く。

 フォール中にフッキングすることもあれば、ショートピッチジャークでヒットする場合もあった。
 やはり前日のトップ58本は伊達じゃない、今日はなにをやっても釣れる日なのだ。
 ドラグをやや緩めにしてのシーバスとのやり取りは最高に面白い。思わず笑いがこみ上げる。

 私は、釣れたシーバスのほとんどをリリースせずにその場で〆た。

 シーバスのノドもとに小出刃を入れると
鮮血がほとばしった。
 出血が止まったところで、アタマを落として海に放る。
 さらには肛門から胸にかけて体を切り裂き、内臓を引きずり出してこれも船外へポチャリ。

 ハタからは明らかに異質な釣り人に見えたであろう。
 虚ろな目をして、口元にはわずかに微笑みを宿し、出刃包丁を持った私。ここが船上でよかった。これがもしもアメリカ大使館周辺だったら射殺されてもおかしくない…
 このルアー船でそんなことをしているのは私ぐらいだが、これは培われたエサ釣り&沖釣りオヤジの習性であり、いくらルアーマンと迎合しようがこれだけは譲れない慣わしなのだ。

 私は本日、期待と希望を込めてクーラーは最大級の大きさの35リットルを持参していた。
 その中に処理をしたシーバスを次々と放り込んでいく。
 ところが、10本を越えたあたりで冷静な自分が目を覚まし、リミッターのスイッチが入ろうとしていた。

 「あれ、こんなに釣ってもしょうがないかな…」と。

 そのキモチの変化を生活指導官のシゲオ船長が見逃すはずもなかった…。



自己最高記録樹立

 「タカギさん、ちょっと…」

 スピーカーからシゲオ船長の呼び出しが流れた。
 操舵室にお邪魔をすると、

 「いくついった?」と訊かれた。もちろん年齢のことではない、釣果を尋ねているのだ。
 「10ちょっとですね」と、私。
 「えっ、まだそれだけなの!?タカギさんシーバスを20釣ったことないでしょ!?」さすがは指導官、私の最高釣果までご存知であった。
 「これ使ってみなよ…」そういって、のメタルジグを私に手渡した。
 「もしも20釣らなかったら死刑だからね!」とハッパをかける我が師匠。今日は釣れる日なんだから自分の最高記録を目指せと伝えたかったのだろう。

 席に戻った私は早速、船長から借りたジグにルアーチェンジ。
 そして船下に落として2、3回リトリーブを繰り返したところ、突然のフッキング。
 やはり船長お勧めのルアーだけのことはある!

 本日のミスター高橋氏は私以上に絶好調。
 次から次へとシーバスを抜き上げ、20リットルのクーラーはすでに満杯状態。
 二人一緒で、これだけ好調に釣れる日はそうはない。

 シゲオ船長の期待を裏切りたくない私も、ミスターに負けじとショートピッチジャークを繰り返した。
 すると、今日一番のビッグヒットを思わせるズシンとした手ごたえをキャッチ。
 これは70〜80cm級のスズキだと判断し(って、釣ったことないけどね…)、ドラグを少し緩めて慎重に巻上げを開始。

 ズルズルと送り出されるライン。
 50cm出ては1m巻き上げ、1m巻いたかと思えばそれ以上に滑り出す。
 これぞ一進一退の攻防、人と魚の真剣勝負。

 ところが、張り詰めていたラインのテンションが突然消えた…。
 同時に、船長から貸与されていたルアーの重みも消えていた…。
 ラインの先端を見ると、この日のために巻き直したPEが途中から切れていたのだった…。

 沖揚がり間際、各自の釣果を訊きに来たシゲオ船長にルアーをロストしたことを伝えた。

相変わらず格好いいぜ、ミスター!
<久し振りに登場、ミスター高橋氏!>

 「船長、借りていたルアーが…」
 「見ていたから知ってるよ」
と、気にした様子もなく応えた。
 「ところでいくついった?」
 「16、7ぐらい…」

 「そんだけ!?」
と師匠はニヤリと笑った。

 残念ながら20本の大台に手は届かなかったが自己最高の二桁釣果に大満足。
 片や、一日中好調だったミスターは、惜しいことに19本。

 シゲオ船長は、私のホームページの再開を信じ、待っていてくれた。
 顔を合わせるたびに
「早くHP更新しなよ!」と催促した。
 だから今日は思う存分に釣ってその釣果をこうしてレポートすることで、シゲオ船長への恩返しになるような気がした。
 でも、そんなことを書くと
「だったら20本以上釣りな!」と言うに違いない。

 本当の意味の恩返しはまだまだ先のような気がした。わはは。

3本でいいって言ってるのにムリムリ1本追加された可哀想なまっちゃん…。
<私に呼び出されて強引に魚を貰うハメになったまっちゃん>

頭と内臓がないだけありがたいと思え!!
<これを見て家内は腰を抜かしそうになってました…>