~~~an academy of the another side of modern football~~~


2002年W杯でぜひとも観たい

サッカー必殺技ハンドブック

現実編

〜当学会選定・世界八大テクニック〜

ウルトラマンに必殺のスペシウム光線があるように、一流フットボーラーには必殺のキックがある。技がある。W杯で遭遇した際の感動をより深いものとするため、当学会は数あるテクニックから無理して驚異の八大必殺技を選定した。来年の本番でお目にかかれるのは、果たして?



イラスト●小宮徹
主宰●大岡まさひ 副宰●高井ジロル


Killer technique 0001 【一人スルーパス】

出し手=受け手の

自己完結型テク

前方の無人スペースへ送ったパスを自分で走って受けることで敵をかわすプレー。パスの受け手が見つからない際に仕方なく繰り出すことが多く、失敗も多いが、焦ったDFがファールを犯すことも多い。アレックス(清水)の得意技。

Killer technique 0002バイシクル

自転車とサッカーの

素敵な出会い

空中にジャンプし、まるで自転車をこぐように、背面姿勢から頭越しにボールを蹴るキック。オーバーヘッド、シザーズともいう。1938年のW杯第3回大会でブラジルのレオニダスが決めて広く認知されたが、発明者はチリ人だった。

Killer technique 0003【回転スローイン】

前方回転投げの
勢いで飛距離増大

ボールをつかんだまま倒立して前方に回転し、その反動で遠くまで投げるスローイン。別名ハンドスプリングスロー。80年代後半に筑波大サッカー部の小野剛コーチ(現U-20日本代表コーチ)が発明し、高校選手権などで大流行した。

Killer technique 0004【地団駄フリーキック】

小刻みなビートで
パワーをためろ

大地を震わせるような激しい小刻みビートで地団駄を踏むロング助走から繰り出される、ロベルト・カルロス(ブラジル)の破壊的FK。常人のキックとは逆方向に鋭く曲がる。97年の対フランス戦で決めた35m弾は語り草となっている。

Killer technique 0005【ラボーナ】

足が絡んでもんどり
打つ危険あり

軸足の後ろに蹴り足を通し、軸足の外側にあるボールを体とは逆方向に蹴るトリッキーな技。リバウド(ブラジル)は「夢はラボーナでゴールすること」と語るほどのラボーナ好きで有名。日本の使い手としては名波(磐田)がいる。

Killer technique 0006【シャポー】

リフティング術が
重要な空中抜き

リフティングの要領でボールを浮かせ、相手の頭の上を通してかわすプレー。頭上抜き(シャポーは帽子の意)。日本が招待された99年南米選手権の対ベネズエラ戦でロナウジーニョ(ブラジル)が披露し、鮮烈なデビューを飾った。

Killer technique 0007【カエル跳びドリブル】

見た目は子供騙し
だが効果は抜群

両足でボールを挟んだままジャンプして相手をかわす曲芸。98年W杯の対韓国戦でブランコ(メキシコ)がDF2人を置き去りにし、世界を驚かせた。が、そのインチキくささゆえかメキシコ国民は恥さらしと罵倒。別名カニ挟みドリブル。

Killer technique 0008【スコーピオン】

サソリ系アクロバチック技の奇跡

両手を地面に接地させ、上体をエビぞりにして両足でボールを蹴るという必殺技。名前はサソリのようなフォルムから。試合ではコロンビアの異色GKイギータが披露した記録あり。TVではエムボマ(カメルーン)が披露した記録あり。

■その他の必殺技

【ブレ球】空気穴を強打して無回転で飛ばし、GK手前で揺れながら落とす三浦淳(ヴェルディ)のFK。シュート回転で大きな弧を描く第2魔球もあるという。【ジジフェイント】カカトにボールを載せ上げ、背中から頭上、前へと移動させる技。ヒールリフト。【ババフェイント】股間抜き。【FKトスボレー】間接FKで一度ボールを真上にトスし、別の選手がボレーする。98W杯でノルウェー代表が見せた。【ボールまたぎフェイント】カズの必殺ドリブル。【ボヨヨン】相手の壁を越えるロブに味方が走り込む、日本代表のFKサインプレー。

主宰と副宰の雑談コーナー

高●では、2002年W杯でどの技が一番観たいか、吟味してみよう。まずは「一人スルーパス」。ボールと選手の軌跡が半月状に見えることから「半月抜きドリブル」と呼ばれることもあるようだ。
大■いずれにせよ、地味だな。Jリーグでも結構目にするからありがたみも少ない。わざわざ必殺技としなくてもよかったのではないか、とすら思うほどに。
高●では「バイシクル」はどうだ。我々ジャポネーゼにとっては、中田がセリエAデビュー年のウディネーゼ戦で見せたあれがやはり忘れられないが。
大■昔、砂場で練習していたという成果が出たんだろうな。ただ、これも貴重度はあまり高くない。欧州でも南米でもバイシクルシュートはバシバシ決まってるし、DFのバイシクルクリアも多いよ。
高●正直言って、あれが自転車をこいでいるようにはどうしても見えないのさ。
大■じゃ、次、「回転スローイン」。確かに昔流行ったが、今じゃ見かけないな。もしや、ルール的にまずいのではないか。
高●というか、選手のパワーがあがって、わざわざあんなことせずとも遠くまで投げられる選手が増えたんだろうよ。ヴィッセルの和多田なんて「スーパーサッカー」(TBS)で47mも投げたし。まあ、淘汰された過去技とは言えるかも。
大■同感だ。そして「地団駄フリーキック」は、ロベカルそのものがスゴいだけで、地団駄自体には意味がない感じだ。
高●同感だ。そして「ラボーナ」は、あまりに小手先というか小足先というか、技巧的に過ぎるきらいがある感じだ。
大■ふむ。そこで考えてみると、「シャポー」と「カエル跳びドリブル」は少しテイストが似ているようだ。
高■どちらも相手の隙をつくというか、あざむくというか、こすいというか、マリーシアというか、そういった指向性があるな。それは確かにサッカーの重要な魅力の一つではあるが、第一の魅力と言うには少々荷が重い気がする。
大■その点、「スコーピオン」はどうかというと、ここには狡猾なニュアンスがまるで見あたらない。正々堂々、真正面から勝負を挑む益荒男感。見るからにパワフルで、躍動感があり、とても常人には真似しがたい崇高感さえある。
高●それこそは、世界の超人たちが集う夢の祭典にはうってつけの逸技か。うむ。我々のイチオシはどうやら「スコーピオン」でキマリのようだ。
大■この蹴り方にどういう効果があるのか、実はさっぱりわからないけどもな。



**「現代サッカー様式学会」はフロム・エーで発表したものです(初出〜2001年9月)**

 | 戻る |


[PR]子育てママさんへ:3年毎に15万円うけとれる保険?