~~~an academy of the another side of modern football~~~


おぼろげなイメージでなくリアルな現実として大会を捉え直すための

[W杯抽象物具体化実験]

記号化された関連ビジュアルを写真に還元

何だかんだあったワールドカップも今じゃもう夢を見てたように感じるなあ…などとぼんやりしてはいないだろうか? 喝ーっ! そんなこっちゃイカン。もっとアグレッシブに、ポジティブに、リアルに、今大会を心に刻み込め。この実験で。もう、思い出は色あせない!



主宰●大岡まさひ 副宰●高井ジロル


■■実験.1 W杯のトロフィー
ヒト科の生物がらせん状によじれて地球を支えている。これがW杯トロフィーだ。本物は純金。右は純肉+α。よじれがやや足りない。

■■実験.2 FIFA フェアプレーフラッグのマーク
選手入場の際、先頭切ってピッチに入ってくる黄色い旗。そこにも奇妙な踊る人影が。日本代表のキャプテンマークにもこいつはいた。

■■実験.3 2002W杯のマーク
見慣れすぎた大会エンブレム。記号化されているが、トロフィーと似た構成。要はヒト科生物と球。ヒトは吊り下げられているっぽい。

■■実験.4 JFAのマーク
日本サッカー協会のエンブレム。本物は3本足のヤタガラス。具体化するとダークな不気味さが増して案外、よい。ユニも黒にする?

■■実験.5 日本代表ユニフォーム
今回のユニは胸付近に「富士山」が浮かび上がるデザインだった。が、リアルな富士山を描いておけば、日本はさらなる高みに到達できただろう。

■■実験.6 カッパのマーク
カッパといえばイタリア代表。アズーリのセクシーユニの胸にもついていた体育座りの背中合わせ2人組。今となってはメランコリック…。

■■実験.7 プーマのマーク
一次リーグの頃に話題をさらっていたカメルーン代表ご用達のプーマ。アニメのCMもかっこよかったなあ。具体化しても違和感なし。

■■実験.8 ルコックスポルティフのマーク
つーか、本物のニワトリを会場に持ち込んだフランスサポーターのおじさんもいたし。具体化を応援にも活用できるのだ!負けたけど。ちなみに、ルコックを着用したセネガル代表は初出場とは思えないほどの大活躍でした。

//雑談//
大■今大会、各スタジアムでは必ず試合中の会場の大型スクリーンにリアルタイムでテレビでやっている国際映像を映し出していた。
高●そうそう。あれは少々不思議な感覚だったね。現場の遠い客席から試合を見ていると、同時に選手たちのアップやスローリプレイを見ることができる。たしかに、ありがたいと言えば
ありがたかったのだが…。
大■でも、どこかバーチャルな印象もあった。家で寝転んでスカパーを見てるのと変わらない映像が、現地でも拝めてしまうのだから。リプレイなんて、選手もけっこう見て確認してたし。
高●客席も応援してる自分たちの姿が映し出されると手を振ったりとか。まあ、それは前からあったか。あとは国立競技場などでやってたパブリックビューイング。あれもいささか奇妙だ
った。いっそ街頭のテレビ放送を解禁した方がよほどリアルにワールドカップを体感できたに違いない。
大■という、何となくちょっとだけなんだけど、「今まさに行なわれているワールドカップ」を完全にリアルには感じられなくて、なんかモヤモヤしていた人たちのための救済企画、それ
が今回のこのW杯抽象物具体化実験なのだ。
高●この企画にそんな深遠な意図があったとは。というか、もしそうだとしたらオレたちハズしたのでは…。
大■喝! W杯抽象物は象徴なのだよ。これから先、どんどんバーチャルな方向へと進化していきかねないW杯を再び我らの手中に取り戻すには、まずはこれらの抽象物を具体化し、リア
ル歓迎の機運を喚起せねば。
高●むしろ、新たな脱力感を喚起しちまったかも。
大■オー、アナタ、ケッコウ、リアリストネ!


**「現代サッカー様式学会」はフロム・エーで発表したものです(初出〜2002年7月)**

 | 戻る |