安定的なキャッシュ流入の仕組み作り

(1)安定的にキャッシュが流入するシステムを作り上げる  いま1億円を定期預金で運用した場合、5年定期で運用しても年間の利息は税引前で15万円程度、税金を引かれたら12万円ほどにしかなりません。つまり定期預金の運用ではとても生活していくことはできないということは前の章でもお話ししました。  また年間360万円あれば夫婦二人で生活することは可能です。その金額を基礎として、家族が一人増えるごとに60万円上乗せすればいいのではないかということも述べさせていただきました。その前提で資産をどのように運用して収入を得ていくのがいいのかを具体例をあげて検討していきたいと思っています。 安心して暮らしていくためには、毎月きちんと安定的な収入が入ってくるのが理想的です。私たちサラリーマン家庭は給料という安定収入で生活するクセがついているので、毎月の収入に変動がある自由業の方の収入パターンにはなれていません。家庭生活ばかりでなく、会社を設立し事業を開始する場合も、安定的なキャッシュ・インのフローを作り上げることができるかどうかが、企業を存続させる決め手となります。「安定的な収入」というのがキーポイントとなるのです。資産運用の手段というと、いろいろ有るように思うかもしれませんが、素人が安心して投資できるものというと預貯金、債券、株とその応用商品、金、不動産くらいのものではないでしょうか。そのなかで最も安定的で高利回りの資産運用手段は何かというと、中古ワンルームマンションに投資して、賃貸収入を得るのが一番いい投資手段だと、私は考えています。そして実際に投資を行なっています。日本の不動産投資は非常に難しい状態になっており、投資できる不動産や投資できる地区は限られてきています。これからその内容を具体的に説明して行きたいと思います。  (2)収入は計算できるようにするのが一番大切です  中古ワンルームマンション投資については後ほど検討をします。しかし、ここでは安定的なキャッシュフローについて考えているので特に強調しておきたいことがあります。サラリーマンを続けながら、不動産賃貸事業を始めるなら、家賃をキチンと回収してくれるシステムを持っているワンルームマンション専業業者の物件を買うことが必要だということです。家主代行システムや家賃保証(業者が借り上げて転貸する)システムの完備していない物件を購入すると、後の管理にものすごく時間を取られる可能性があります。定年退職して自由になる時間がある人なら、そのようなシステムが完備していなくても、何とかやって行く事ができるでしょう。しかしサラリーマンを続けながら、賃貸収入を得ていくとなると、システムが完備している物件をまず購入することを考えるべきだと思います。とにかく安定的なキャッシュ・インを作ることが成功するかどうかの分岐点になります。


中古ワンルームマンション市場の現状について

まず、投資用の中古ワンルームマンションの市場で、今何が起こっているかを説明しましょう。不動産がどんどん下落するという恐怖に駆られて、採算を度外視して売却を急いでいる人がかなりいるのために、中古ワンルームマンションの市場は買い手市場になっています。  昨今のような低金利の世の中にあると、庶民の貯蓄手段のチャンピオンである預貯金の金利は0.03%にもみたない程度に落ち込んでいます。仮に1000万円を銀行に預けても1年間で3千円の利息しかつかないのです。しかも20%税金を取られるので3千円にもなりません。  ところが、今、中古の投資用ワンルームマンションを買うと、最低でも7%、9%や10%に回る物件も数多く売り出されています。たとえば9%で回るワンルームマンションを手に入れることが出来たら、90万円の賃料収入となります。総合課税になるので、その人の合計の所得額によって税金が違ってきますが、たとえば税金を30%取られたとしても63万円の手取りとなります。銀行や郵便局にお金を預けっぱなしにしているよりも飛びぬけて有利です。 それなのに、定期収入のある不動産を敬遠して銀行や郵便局にお金を預けっぱなしにしている人が多いのはどうしたことでしょうか。それは、不動産はもっと下がると考えて心配しているからです。今、収入の有るワンルームマンションなどの不動産を安値で叩き売っているのは、借金で首が回らなくなっている人も多いのですが、無借金で買っている人もかなりいるように思えます。実際、私は2001年に福岡のワンルームマンションを4室購入しましたが、うち3室には抵当権の設定がありませんでした。  バブルの時代に不動産は上がるぞと、採算を度外視して不動産に飛びつき痛い目に会った人達が、今度はそれに懲りて採算を度外視して不動産を怖がり、叩き売っている姿が見えてきます。  みんなが不動産は駄目だというときは、その風潮に付和雷同するのではなく、不動産投資の研究をする価値があります。そうすると大変なチャンスがそこに眠っているのに気づかされます。みんなが駄目というときは人気が離散しているので不動産の値段は下がります。下がると、もっと下がると思う人が増えて売る人より買うために近づく人が少なくなるのです。  誰も振り向いてくれなくなるので、需給によりますます値段が安くなり、年利回り8%どころか、それ以上になることも珍しくなくなってきます。特に中古のマンションはあれこれ難癖をつけられるので、売り急ぐ人は値段かまわず売ってきます。だから10%以上というとんでもない利回りになることもあるのです。  ときまさに日本版不動産投資信託(J−リート)が上場されました。日本の不動産も収益還元法で時価評価される時代がやってくる可能性も期待できます。不動産市場は投資対象として研究する価値の有る市場であると私は注目し、投資の実践も行っています。


なぜ私が福岡の中古ワンルームマンションを投資対象として選んだか

私が2001年の中古マンション投資を福岡で集中的に行った理由をご紹介します。あくまでも2001年5月から10月頃にかけて考えていたことです。  今新築の投資用ワンルームマンションの供給は東京にほぼ集中しています。第二の大都市である大阪は経済の地盤沈下が激しいこと、第三の大都市名古屋は、もともと県外者には人気が低く、投資家を集めにくいという欠点があることを考えると東京の魅力は大きいです。やはり全国から投資家を集めることが出来ることが東京の魅力なのです。「お金の集まるところに人が集まり、人が集まるところにお金が集まる」という真理が不況のときほど鮮明化します。しかし新築ワンルームマンションを供給して商売が成り立つということは、新築ワンルームマンションを売って儲かるということであり、価格が割高の可能性も高いのも事実です。また東京の一等地は変動していく可能性が高いとともに、新たなワンルームマンションの供給が今後も続くとすると、新築マンションのほうが面積も20u以上であり、トイレとバスが分離されていたり競争力が高い点も考慮しておく必要があります。そのような競争力の高いワンルームマンションが供給されつづけると、中古ワンルームマンションの価格競争力が落ちて賃料が下落するリスクがあるかもしれないと考えたので福岡を選びました。大阪はまだ中古ワンルームマンションの値下がりが不十分だと考えました。中古ワンルームマンションへの投資利回りがまだまだ低かったのです。名古屋の中古ワンルームマンションも価格の値下がりがまだ不十分であると判断しました。県外者に人気がないので、もし将来、ワンルームマンションの売却が必要になったときにすぐ処分できない可能性のあることも考慮に入れました。札幌は景気悪化も激しいし、物件価格は充分値下がりしたように感じられますが、あまりにも景気が悪すぎて私には札幌の将来への展望が描けませんでした。また固定資産税(ランニングコスト)が高いのも欠点です。その点、博多は九州の中心として、今後の更なる発展が約束されている点を高く評価しました。まず人口が100万人以上あること。九州のもうひとつの100万人都市である北九州市の地盤沈下が続く中、博多に有利な形で両市の結びつきが強まることも予想されます。「福岡バブル北九州デフレ」という言葉にも表れています。広島や四国の各都市(高松等)は通信網や交通網の発展により、地方中核都市としての機能を低下させられています。すなわち大阪からコントロール可能と大企業が支店を廃止することが予想され需要の低下の危険があるのです。実際に支店を廃止した企業も多いようです。福岡の場合は、流石に九州全部を大阪からコントロールすることは、現状では不可能で有るとの判断のもと、博多には九州全域をカバーするための全国展開企業の支店も多いのです。また博多の不動産慣行として、賃借人が退出するときに、賃借人の負担で老朽化した室内を修繕していくという点も評価しました。ランニングコストが安いということに注目したのです。


投資収益は表面利回りではなく、実質利回りで

 ワンルームマンションの販売業者が提示する利回りには注意してください。ワンルームマンション投資を勧める本を読むときにも、その利回りがどんな収入や経費を前提としているか、また購入代金としてはマンションの価格のほかに取得時にかかる登記費用などを勘案しているかまで、きちんと調べて、利回りを検討してください。  新築のワンルームマンションを販売する業者の示す利回りは、表面利回りすなわち単純に一年間の賃貸収入をマンションの購入代金(販売価格)だけで割って計算したにすぎない場合もあります。  私の投資したワンルームマンションを表面利回りで計算すると、とんでもない高利回りになります。 (事例 1)の表面利回り=11.29%、実質利回り=7.434 (事例 2)の表面利回り=10.92%、実質利回り=6.978 (事例 3)の表面利回り=12.66%、実質利回り=8.162  でも、表面利回りなど意味がありません。あくまでも手取りの利回りで考えるべきだと思います。そう考えると、新築ワンルームマンションの利回りが5%台だというのも怪しくなってきますね。手取りの利回りは3%台になってしまうものも多いのではないでしょうか。  私の購入したワンルームマンションの実質利回りをみてあまり高くないなと思われた方もいると思います。業者から紹介されたワンルームマンションの中には、もっと利回りの高いものもあったのです。しかし私が拘ったのは、面積がある程度広いもの。将来、福岡でも投資用ワンルームマンションの新規販売が増加したとき広いほうが競争力があるのではないかと考えたのです。また16u程度の広さでも立地が飛びぬけて良いものは購入しました。  売主の方の都合で、いい物件が相場を下回った価格で売りに出ることも有ります。まさに(事例 1)の物件などは、売り急ぎの典型でした。利回りをとるか、立地や部屋の広さも勘案するかは、投資家個人の判断・好みの世界だと思います。


ワンルームマンションの築年数を考える

 私はワンルームマンション投資に関する本を見つけると、必ず購入するようにしています。そのような多くの本を見ていて、いつも不思議に思うことがあります。どの本も基本的にはワンルームマンション投資をすることにより個人年金を作るとか資産の形成ができることを説明しているのですが、中古ワンルームマンション投資についてはなぜか冷淡は事が多いのです。ワンルームマンション投資を行なうことによって、個人年金を作るということは、30年も40年も買ったマンションがきちんと家賃収入を上げてくれることが前提であり、実際そのように説明しているのです。ところが中古のワンルームマンションについては築10年以内のものが良いなどということを平気で書いているのです。みなさんはこのことに矛盾を感じませんか。第一、築10年以内にはほとんどワンルームマンションなど供給されていません。バブルが崩壊して投資用ワンルームマンションなどは売れなかったので供給がものすごく少なくなってしまったのです。  新築マンションにも利点はあります。新しいことが最大の利点ですが、設備面がより充実していることも確かです。土地が安くなれば、部屋の面積が広い物件も供給されます。しかし中古マンションにもそれに負けない利点、魅力があることを認識していただきたいのです。  私が言いたいのは築5年でも20年でも、管理がしっかりされていてきちんとした修繕計画に基づき補修が行なわれている質の高い中古マンションなら購入して問題はないということです。  そもそもコンクリートの耐用年数はその現場現場の情況によって、また設計の内容によって大幅に変わります。使った砂や水の量、鉄筋のかぶり厚、施工の状況などです。ひどいものだと10年でクラックが多く入ってくるものもあります。良質なものでメンテナンスがきちんとされているものは50年以上もつものも多いのです。新築のマンションや築年数の浅いマンションでは欠陥が見えないのです。自宅用のファミリーマンションを購入して欠陥問題に泣いている人は多いのではないでしょうか。実際に自分の目で見ることのできる中古マンションの方が、管理の状況や建物の状態を自分で確認できる点では絶対に有利です。  ところが中古マンションは築10年以内が良いなどと、平気で書いているのはどうしたことでしょうか。どんなものでも新しいほうがいいという、安易な錯覚があるのです。築年数に不安のある方は、ぜひ自分の目で築30年くらいのマンションの状況を見てください。住宅情報や賃貸住宅情報を見れば築年数の古いマンションを探すことは簡単なはずです。労を惜しんではいけません。そして物件を購入するときは自分の目でしっかり確かめること。自分の目で確かめて、自分の責任で投資をすることが重要です。何事も人任せ、人に頼りっぱなしはいけません。  バブルのころ、本を読んでマンション投資をして地価の暴落にあい、本の著者を逆恨みしたという話しを聞いたことがあります。こういう人は、自分のない人です。きちんと情勢を見て、自分で判断できなければ投資などする資格はありません。株などは同じ株を売り買いしても、タイミング次第で大儲けする人も大損をする人もいるのです。ITバブルを思い出してください。光通信を高値で売り抜けた人は億万長者です。不動産バブルのときでも、高値で売りぬいて大儲けした人もいるのです。多少損をしても自分で考えて手を打てた人は生き残っています。  人頼みの人は、詐欺にも遭いやすい人です。くれぐれも自分でよく考えて実行することが重要です。  むしろ中古マンションのほうが管理の状況や物件の状況、賃貸物件としての強さ(マンション全体の空き室状況)が確認できます。新築のプレミアムのついた家賃ではなく、実勢相場から設定された、実力相応の家賃が設定されていることから、利回り計算もしっかりできます。  また借りる立場で考えると、新築であろうと中古であろうと、あまり関係有りません。新築などといっても一度人が入ればもう中古です。その点を錯覚しないようにしなければいけません。立地のよい、管理がきちんとされているマンションなら築15年であろうと20年であろうと、問題なく入居者はつくものです。 私も過去16年間ワンルームマンションの賃貸をしていますが、入居者が出てから、次の入居者がはいらずに困った経験は一度もありません。  ただ私の名古屋の物件について2001年の6月に入居者が退室しました。大学の近くで過去ずっと3月頃入居者が入れ替わり、まったく空き室になったことがなかったのですが、6月だと入学シーズンをはずれます。いままで入居時の礼金欲しさに家主代行だけをお願いしていたのですが、急遽家賃保証(業者借上げ方式)に切り替えました。たった5%の手数料の差で、安心を買えるならそのほうがいいと判断したのです。これはもう投資家の判断だけの問題です。


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