
私が株式投資を続けながら損をせずにやってこれたのは、つぎに述べる三つの鉄則を守ってきたからだと思っています。相場の世界には、海千山千のモサが素人を鴨にしようと虎視眈々と狙っています。みなさんも鴨にされないためにも、ぜひ守ることをお勧めします。 第一鉄則 借金をして株を買わない 素人が信用取引をやるのは、鴨ネギです。絶対慎んでください。 第二鉄則 株式への投入資金は時間的制約のないものに限る 他に支払う目的があって、しかも期日があるお金を株式投資に使ってはいけません。 第三鉄則 高値を追いかけない チャートを見るとよく分かりますが、高値をつけたとき出来高が最高になっています。いかにちょんまげ掴みをしている人が多いかということがよく判りますね。高い買い物です。買う前に、その株の価格がどんな水準にあるのかくらいは調べてから、買いましょう。 以上三つの鉄則を守っていれば、株価の暴落時にあっても、株を投げたりしないでもすむので大損して株式市場から退場を余儀なくされることはないと思います。 B リスクはチャンスの同意語です 私が投資におけるリスクの客観的定義を知ったのは、スパークス投資顧問の阿部修平氏の著書「金融ビッグバン 資産運用を変えなさい」によってです。リスクとは「統計的な期待値に比べどのくらいの差異があったかということを指す」のです。モダンポートフォリオ理論を確立したノーベル賞受賞者である経済学者のマコービッツ博士も投資におけるリスクの概念を「価格変動の大きさ」と定義しています。 またソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社出身の末永徹氏は著書『「コーヒー一杯」から分かる「新しい経済の考え方」』においてリスクの本質は、不確定な未来、結果がわからないことであり、リスクとチャンスは語義がまったく同じに使われることがあることを教えてくれました。また末永氏は報酬がある危険をリスクと呼び、報酬のない危険であるデインジャーとはまったく異なることも教えてくれました。私はリスク(=チャンス)は積極的にとるけれどデインジャーだけは取らないようにしようと心に誓っています。みなさんも積極的にリスク(チャンス)をとって、株式投資にチャレンジしましょう。 もし皆さんがリスクについてもっと知りたかったら、PHP研究所刊行 吉本佳生著「投資リスクの真実」をお読みください。大変参考になります。しかしこの本を読んで一番強く感じたことは、何事も他人任せでは損する可能性が高いということです。グラフもチャートも使い方によって、都合よく使用すことができるということです。自分で確認することがとても重要だということです。
株式投資の場合、少しいろいろなことが分かってきた人は、この株はもうそろそろ上がりそうだけれど、もうちょっと下がるかもしれない。もうちょっと下がったところで買いましょうとよく言います。ところが下がってきたら恐くて買えないのです。そして買えないうちに元に戻って上がってしまう。だから、上がると思ったら、もうちょっと下がるかもしれないと思っても買うことが必要です。複雑にいろいろなことを考えずに「上がると思ったら買い、下がると思ったら売る。」これができるだけで、相場は八割り方成功します。このように、自分の思ったとおりに相場を張れる人(=株の売り買いができる人)は、もう成功したに近いわけです。 ほとんどの人は、結構正しいことを考えるので、予想させたら、皆わりといい予想をします。しかし予想が当たるからといって、その人に相場をやらせても儲かるわけではないのです。なぜなら、思ったとおり手が出ないのです。その理由は,もう上がる、だけれどもあと少し下がるかもしれない、そうしたらそこで買うと、こういうことです。そうするとあと少し下がった時、買うかというと、もっと下がるかと思って買えない。人間の心理がそういうようにできているわけです。だから変に複雑に考えないで、上がると思ったら買い、買ったのが明らかに間違っていれば、それが分かった時点でやめればいい。買ったのが明らかに間違ったというのは、どこかで分かるわけですから、その時損切りをすればよいだけの話なのです。 相場そのものは無機的ですが、相場をやる人間のサイコロジー、つまり一番いいところで買いたいという弱さが関わってくるのです。なぜ一番いいところで買いたいかというと、買って下がると、自分の逆に行くので恐くて耐えられない、恐い思いをしたくないという弱さが働くためなのです。 しかし、相場は恐い思いをしなければ儲からないようにできています。プロのディーラーというのは精神的な苦痛を対価として、カネを儲けているといわれています。私は株のバーチャルゲームなどというものには大反対です。あんなものをやっても何の役にも立ちません。なぜなら実際に自分が株を買って、その株が下がっていく恐怖を、損する恐怖を感じることがないからです。相場は人間の心理、自分の心理との戦いといっていいでしょう。株を買ったら予想に反して下がってしまった。しかし我慢に我慢を重ね買値まで戻ってきた。ところが弱い人は、その下がった時の苦しみ、損に耐えられず、苦しみに苦しんでようやく元までくると、そこでやれやれとやめてしまうのです。でも買い値まで戻ってくるような相場というものは、99%もっとどんどんいくものです。これからいい目をみるときにやめてしまうのは、なんのために苦しい目を見たのか分からないことになりますが、素人にはこのような人が多いようです。
相場というのは勢い(モメンタム)はどうかということが大事でモメンタムが尽きたら流れは変わります。逆に、モメンタムがあるうちはどんなに一方に行き過ぎていると思っても逆をやってはいけないのです。恐くて買えないならじっと我慢して何もしなければいいのです。ところが株式投資で信用取引をしている人の中には自分が買えないからといって、もうこのへんは天井だろうと判断して、逆に信用売りをしてしまう人がいます。そんなことをすると、もっと上がってやられてしまうのです。損するパターンの80%がこれではないでしょうか。これは、天井で売ろうと思ってはいけないということです。また大底で買おうなどとは思ってはいけないということです。 相場は恐怖と欲望のゲームで、恐怖を抑えれば欲望が満足させられず、欲望を肥大させれば恐怖も肥大化して耐えられないことになります。相場では恐怖をあまりコントロールしてはいけません。恐怖のない人が相場をやったら大変です。大きな損を出すことでしょう。しかしあまり神経過敏でもダメです。適度に怖がりで、適度に腹が据わっていないといけないのです。 もっと難しいのが欲望のコントロールです。欲望には際限がないから、そこのところが一番難しいのです。だから相場で本当に難しいのは、利食いだとよく言われています。人間の本性というのは、儲かったらポケットに入れたい。だけど早く入れすぎたら、せっかく儲かる相場がとれず、遅すぎるとせっかく儲かっていた相場が儲からなくなるという、このジレンマにどう対処していくのかということになります。いかに適当なところでポケットに入れるか、これが一番難しいのです。というのは、いかに自分が人間としての欲望をきちんとコントロールできるかということに尽きるのです。 私は株式投資をして自分がいかに欲が深いかを知りました。株式投資(相場はすべて)は自分の欲望との戦いです。相場に勝つためには、自分の欲望をコントロールしなければならないのです。私のポリシーのひとつとしてケチは美徳だと考えています。しかしあまりにも欲が深いのは、人間として好ましくないと考えていました。自分はケチだが、欲は深くないと思っていたのです。しかし、東芝の株をはじめて買って、いかに自分が欲張りだったかと気づいて愕然としました。いまでも「儲けたい」という欲に目がくらんで、何度判断を誤ったことでしょう。自分がいかに欲に振り回されるか、いやというほど体験できるのだから、株式投資は一度はやってみる価値があると思います。 株式投資は金銭に対する自分の欲望をはかるには、うってつけの測定器です。他人の手を煩わせず、つまり他人に内緒で(もちろん奥さんにも・・・)密かに自分を見つめ直せるのだから、多少損をしても安いものだと思うのですがいかがでしょうか。投資の成果はいかに自分の欲望をコントロールするかにかかってくるのですから、株式投資により自分の欲望をコントロールする訓練をしておけば、実社会において金銭的誘惑があったとき、外務省のお役人や、高検の検事さんのように、わずかなお金でやすやすと罠に落ち、醜態を演じるのを避けることができるのではないでしょうか。 しっかり自分の欲望をコントロールする技術を見につけて、利益を手中に収めましょう。 バブルのころ、親子三人で株式投資している会社経営者の知り合いがいました。会長は70歳代。糸相場で鍛えた相場上手。社長と専務は慶應義塾大学と早稲田大学卒業の理論派。それぞれ2000万円くらいの元手から初めて、会長は1年も程度で5000万円ぐらいまで、投資額を増やしました。一流大学を卒業した二人の息子は2500万円から3000万円がいいところです。まったく同じ情報、条件で株式投資していてこの差がどうしてできたのか会長に聞いてみました。会長はある程度儲かったら、必ず売って儲けをポケットに入れており、相場のコツは利食い売りだと教えてくれました。息子二人は分かっていても上手く利食いができないのです。その原因は、会長に言わせると欲のかき過ぎだということでした。そして利益を貯めていないので、ここ一番の勝負どころで恐怖に負けて踏ん張ることができないというのです。相場は本当に欲望と恐怖のコントロールが大切です。
(宝の山を掘り当てたアルプス物流) 『ハイテク株投資は、いつライバルがよりすぐれた製品を開発するか分からないので難しいといわれている。その点アルプス物流は、常に勝ち組みのセットメーカーと部品メーカーをパートナーに出来るのだから、常に勝ち組みになれる。物流ノウハウはハイテク商品のように、急に飛び出してくることはない。地道な物流拠点・倉庫の建設と、物流品質、効率よく安い単価、そして社内的には人件費の抑制、およびITの有効活用だ。まさにクリック・アンド・モルタルの世界である。 電子部品物流に関しては、全ての点においてアルプス物流は他の物流企業を圧倒している。決算内容を見ても、ヤマト運輸や日本通運以上の利益率を誇っている。海外展開を見ても、中国を中心にアジアに拠点をいくつも建設しており、さらに拠点構築を推進する勢いだ。 親会社のアルプス電気が業績を落とした反面、アルプス物流は業績の落ち込みが少なかった。今後部品物流が増加に転じれば同社の業績が飛躍的に増加することが予想される。積極的な投資により減価償却負担が増加しているにもかかわらず、業績は伸びてきているのだ。この会社の株価は安すぎると思う。機関投資家はどこを見ているのだろうか。』
木村剛さんは「投資戦略の発想法」でリスクの無い貯蓄手段で生活防衛資金を2年分貯めることが先決で、リスクのある投資手段はその後で考えると述べています。木村さん以前にも多くの方が資産形成の本の中で、まず年収の1年や2年分を貯めて、それから投資手段を考えるべきだということを述べられています。(「2つの財布で1億円をつくる52の黄金則」沢井智裕著ほか) 私も生活費の2年分は金または金関連資産(金鉱株や金鉱株ファンド)で蓄えるべきだと考え実行してきました。恐慌が日本を襲ったとして、大混乱が起こる期間はせいぜい1年くらいでしょうか。ロシアや韓国、東南アジア危機のときもほぼ1年程度で大混乱は収まったように思います。だから余裕を見て2年分の生活費を金で蓄えるわけです。 日本だけに危機が訪れても、世界恐慌になっても金だったら大丈夫だと考えたのです。だから家族一人あたり金2キロくらい持っていればいいというのが私の考えです。私は20年以上まえから金の定額購入をはじめて、7年前から3年前ほどにかけてスポット買いを実施したため、ずっと含み損を抱えてきました。でも金が下がっているということは世の中安泰ということだと、心は安らいでいました。いまのように金価格が上がるのはむしろ心配です。その心配を少しでも和らげるのが金投資だと思います。 ただ私の叔父の意見によると、金は信託銀行の本店でスイスの銀行の刻印がある1キロバーを目だたないように少しずつ買うのが良いということです。預金封鎖等非常時には銀行の貸し金庫も封鎖されるので、貸し金庫は保管場所としては避けるべきだということも叔父の持論です。この話を京橋の老舗の宝石店(宮内庁御用達)の親父さんにしたら、非常時に金を20キロも30キロも背負ってにげるのは無理がある。本当のお金持ちはすごくクオリティーの高いダイヤモンド(中国の大金持ちはヒスイだそうです)を蓄えておくそうです。どうせ貧乏サラリーマンだとひがみもしましたが、家族一人に2キロの金は、崖っぷちの日本で生活するすべての日本人に必要な生活防衛資産ではないかと考えています。