コアラ先生の肥満体験記 へもどる

「肥満のヴァーチャル体験をしてみました」

大阪府済生会中津病院糖尿病内分泌内科 部長 西村治男

 「医者は自分が患者さんと同じ病気をした時に、初めて患者の苦しみを知る」いいます。
 私は糖尿病外来の他に、肥満外来を特設して肥満の方の減量指導も専門的に行っています。

 1999年にベルギーで開催された、ヨーロッパ糖尿病学会の時でした。「10kgスーツ」というのがあって、体重を10kg増やして生活体験をするというコーナーがありました。肥満のヴァーチャル体験ができるのです。

       

(1)当時75kgあった私は一挙に85kgになりました(写真=左)
 まず後ろにあるベッドに寝るときには、腰をゆっくり下ろしてばたんと寝ます。起きるときが大変で、いつもの様には起きれません。見かねた指導員が、まず体を横にして、足をベッドからおろし、ベッド枠で支えながら起きるよう教えてくれました。

(2)大きなお腹のために靴のひもを結べないし、テレビのチャンネル変えるのも一苦労です。お腹がじゃまをして、下が見えないのです(写真=中央)

(3)今まで糖尿病、高脂血症、高インスリン血症、高血圧と「病気」だけを診ていた私には、初めて肥満の「患者さん自信の苦しみ」の片鱗にふれたような気がします。現在は、外来で減量指導しながら、自ら模範になるよう減量し68kg, 173cm, BMI=22.7なりました写真=右)

 現代医学はとかく理論だけが先行しがちです。たまには、患者さんの疑似体験をして違った角度から見てみると、臨床に役立つだけでなく、自分の健康に役立つわけです。


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