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千葉県

updated 2004/06/09


平成16年2月定例会(第7日目) 本文 (2004/03/19)

(前略)

◯大野博美君 市民ネット・無所属市民の会の大野博美です。討論に先立ちまして、故井手口魁議員の御逝去を痛み、心より御冥福をお祈り申し上げます。

 さて、議案1号に賛成、議案66号に反対、請願60号に賛成、請願64号に反対の立場で討論をいたします。

(中略)

 最後に、請願第64号、ジェンダーフリー教育を行わないことを求める請願について、採択に反対の立場から討論いたします。

 この請願は請願者の誤解と偏見、事実誤認が随所に見受けられます。まず、ジェンダーフリーという言葉は、政府や自治体が使用する際には、後天的、社会的につくられる性差に気づき、それにとらわれることなく個人として尊重され、可能性が伸ばせる社会をつくろうという文脈で使用されてきており、請願者のように危険な思想と決めつけることに賛同する社会学や女性学の学会はありません。

 また、日本青少年研究所の調査を一部のみ取り上げて結論づけていることは問題です。同調査には、もう1度生まれ変わるとしたらどの性を選ぶかという設問があり、アメリカでは男女とも、同じ性に生まれたいと答えた人が60%を超え、自己肯定的と言える結果となっていますが、日本では、男性に生まれたいとする男子生徒が5割を超える一方、女性に生まれたいとする女子は34%しかおらず、日本社会においては、女性である自己を肯定しにくい女子高生の意識をあらわしています。

 また、一夫一婦制以外の家族のあり方を家族崩壊ととらえる視点は、現実社会の家族のあり方に目をつぶったものであり、それこそ常軌を逸したものと言わざるを得ません。シングルマザーや同性愛が個人のライフスタイルとして認められるようになってきたことは世界の風潮であり、日本でも性同一性障害への理解が広がっています。

 また、学校での性教育が性道徳や羞恥心を失わせ、性の退廃、風紀の紊乱を招くという主張には首をかしげざるを得ません。ポルノまがいの写真の載った週刊誌がコンビニなど子供たちが簡単に手にとって見られる場所に無神経に置かれていたり、少女の性を商品化して、それを買う大人が後を絶たない現状にあっては、むしろしっかりとした性教育が子供たちを守るのだと言えます。

 最後に、日本の倫理、道徳が武士道に結集されているとのことですが、男性が男性を性的行為の相手とすることは、戦国時代から江戸時代初期の武士にしばしば見られた日本のいわば伝統です。したがって、武士道を称賛する人が同性愛を批判するのは大変矛盾した解釈であることを指摘したいと思います。

 このように曲解と誤謬に満ちた請願を……。

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◯議長(篠田哲彦君) 申し合わせの時間が経過いたしましたので簡明に願います。

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◯大野博美君(続) 千葉県議会が採択すれば、その見識を県民から疑われる事例として議事録に後々まで残ることも指摘し……。

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◯議長(篠田哲彦君) 時間が経過いたしました。

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◯大野博美君(続) 反対討論を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

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(後略)

平成16年2月定例会(第6日目) 本文 (2004/03/10)


県民の人権保護 県が「施策基本指針」 権利擁護機関 全国初の設置 (千葉日報 2004/03/07)

相談一元化や救済方法検討

 高齢者や障害者など県民が差別・偏見を受けずに生き生きと暮らせる社会の実現へ、県は六日までに、県人権施策基本指針を策定した。多様・複雑化する人権問題に迅速に対処するため、相談窓口を一元化することや、人権侵害があった場合に救済方法などを検討したり、擁護すべき人権基準を設定したりする全国初の「権利擁護機関」の設置などを盛り込んだ。指針は、策定段階から差別や偏見などに悩む団体・個人も参画。意見を反映させ、現状に即した指針に作り上げた。犯罪被害者が自立した社会生活を取り戻すため、「支援条例」を制定することも明記した。

 指針は、児童虐待やDV(配偶者への暴力)、被差別部落出身者への差別・偏見などを排除し、人権を尊重した社会を目指して策定。

 人権施策を進める視点として(1)自尊感情の尊重(2)自己決定の尊重(3)自立精神の尊重(4)共同参画の保障(5)共生社会の実現―を示した。

 施策の実効性を担保するには「相談・支援体制」「救護・保護体制」が不可欠とし、相談窓口を一元化しワンストップ・サービスを行う。また、人権擁護施設は「児童相談所」「女性サポートセンター」など既存のものがあるが、さまざまな要素が複合する人権問題に対応するため、「権利擁護機関」を新設する。

 個別の施策では、策定段階から当事者の意見を聴取したこともあり、詳細に設定。「女性」「子ども」「高齢者」「障害者」の項目から、「性同一性障害」「同性愛者」「犯罪被害者とその家族」まで多岐にわたる。

 子どもの項目では、「不登校、引きこもりの子どもの、新しい居場所づくりや相談支援の充実」、「児童虐待の防止」や「里親など民間の人材資源を開拓し、地域で子を生み育てる体制整備」などを盛り込んだ。

 女性の人権を守る施策として、「就業しながら育児、介護できるよう雇用環境整備と就業支援」を行う。DVなど暴力の根絶にも言及した。

 性同一性障害には「公文書などからの不必要な『性別』欄の削除」「医療環境の整備」などを推進。犯罪被害者とその家族には、出所した加害者から再度危害を加えられないよう「再被害の防止措置」を講ずる。市町村などに支援条例の制定も促している。

 これら施策の進ちょく状況をチェックするため、第三者機関の「人権施策推進委員会(仮称)」を新年度に設置。点検・評価を行い、見直していく。

 さらに、県民が一体となって人権尊重の社会づくりに取り組むことを決意表明するため「(仮称)県人権宣言」を制定する方針も掲げた。

千葉県人権施策基本指針

目次

本文
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(以下は本文からの抜粋)

第3部 分野別施策の推進

第9節 性同一性障害のある人の人権

1 現状と課題
 
 性同一性障害(*)は,世界保健機関(WHO)の国際疾病分類で位置付けられており,「自分の身体的な性に不快感や不適当という意識をもち,ホルモン療法や外科的治療を受けて,自分の身体を自分の好む性と可能な限り一致させようとする願望を持っている」ととらえられています。生物学的な性(身体的な性)と心理的な性(性自認)とが一致していない,性の同一性を欠いた状態を言います。

 この障害を抱えた人々が,性別を越境した生き方,つまり,男性として生まれた者が心の性(女性)に基づいて女性として,女性として生まれた者が心の性(男性)に基づいて男性として生きたいと思っても,まだ,十分実現できる社会ではありません。

 性同一性障害(*)があり,特に性別適合手術を受けた人々が,直面してきた最大の問題が,「戸籍」の問題でした。名前に関しては,家庭裁判所に申し立てることで,自認の性に見合った名前への変更が認められてきましたが,「性別」の訂正が認められなかったのです。「戸籍」には「続柄」欄に,「長男」「長女」などと記載されることで,「男/女」の性別が定められています。そして,それに基づいて,住民票でも,健康保険証でも,パスポートでも,性別欄に男女の別が記載されます。しかし,平成15(2003)年7月10日,「性同一性障害(*)者の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立し,いくつかの条件付きですが,性別適合手術を受けた人々の戸籍の性別記載の変更が認められるようになりました。

 性同一性障害(*)のある人が地域社会の中で生活していく上で,様々なバリアにより生きやすい社会とは言えない現状があります。

 外見や名前と「性別」欄の記載とが食い違った保険証を持って医療機関で受診するのには,非常に勇気が必要です。

 賃貸住宅等の契約の際には,住民票の提出が求められます。また,正社員として就職するときには,住民票記載事項証明書や年金手帳の提出を求められます。こうして,外見・名前と「性別」記載が食い違っていることで,契約が不成立に終わったり,雇用されないこともあります。

 また,選挙の際の投票所の入場券にも「性別」欄がある場合が多く,そのことにより投票所でトラブルになれば,地元の人々に知られることになります。それを恐れて,選挙権の行使を諦めている人もいます。

 民間においても,男性として働いている人が「女装」を理由に解雇された事件がありました。あるいは,性同一性障害(*)のある人が,会社に勤めたまま,治療によって望む性別へ移行していくのを,受け入れる環境はまだ整っていない現実があります。

 また,あらゆる公文書から不必要な性別欄の削除も求められています。

 性(セクシュアリティ)にかかわる問題には,性自認にかかわる「性同一性障害(*)のある人」の人権問題もあれば,半陰陽者といわれる「インターセックス」にかかわる人権問題もあれば,性的指向にかかわる「同性愛者」の人権問題もあります。残念ながら,一般に,いずれの問題も社会の理解が不十分な状態にありますが,大切なことは,これらの問題は等しく解決されなければならない人権問題であるという認識のもとに問題解決にあたる必要があります。

 県民一人ひとり,自分の生きたい人生を選択できる,自分らしく生きることができる社会を実現していくことが大切です。性の有り様を自分の意思で選択できる社会,多様な性が共存しそれによって差別されることのない社会,つまり,多様な性の存在と生き方を尊重し,共生できる社会が求められています。
 
2 施策の基本的方向
 
 性同一性障害(*)に対する理解不足に基づく偏見や差別意識を解消し,自分の生きたい人生を選択でき,多様な性の存在と生き方を尊重し,共生できる地域社会の実現に取り組みます。

 このため,性同一性障害(*)に関する正しい理解を深め,性同一性障害(*)のある人が自己肯定感を持てるような教育・啓発を推進します。

 また,安心して医療を受けられる体制の整備や公文書上の不必要な「性別」欄の解消など,地域で安心して暮らしていくための環境の整備を推進します。

(1)偏見・差別意識解消のための教育・啓発の推進

・ 性同一性障害(*)に対する理解を深め,性同一性障害(*)のある人の存在に配慮し,当事者が自己肯定感を持てるような教育・啓発を推進します。

・ 採用等において差別が行われることのないよう,行政・企業などで,性同一性障害(*)のある人の人権に対する理解を深めるための啓発を推進します。
 
(2)公文書等からの不必要な「性別」欄の削除

・ 各種申請書等の公文書の「性別」欄が必要不可欠なものかどうか見直し,不必要な「性別」欄の削除を推進します。

・ 申請書等の「性別」欄で苦しむ性同一性障害(*)のある人の存在の周知に努め,企業,民間団体等に理解を求めていきます。
 
(3)医療環境の整備

・ 性同一性障害(*)のある人が安心して受診できるよう医療関係者の理解を深めるための啓発を推進します。

・ 精神療法などを必要としている性同一性障害(*)のある人のための医療について,関係機関と対応を検討していきます。
 
(4)相談や権利擁護体制の充実

・ 性同一性障害(*)のある人が抱える日常生活における様々な問題について相談体制の充実を図ります。

・ 性同一性障害(*)のある人に対する差別などあらゆる人権問題の解決を目指した権利擁護体制の充実を図ります。

第10節 同性愛者の人権 (略―上記URLを参照)

用語解説(五十音順) (抄)

性同一性障害

 性染色体によって規定される生物学的・身体的性と,自身の性自認とが食い違っている状態。つまり,自分は女である,または,男であるという意識と,身体とが一致しない状態。現在では,性自認の方を尊重するかたちでの治療が進められています。精神科領域での治療やホルモン療法などでも患者の苦痛を除去できない場合,外科的手術として性別適合手術が行われます。

 性別適合手術を受けても,生活上の性と戸籍上の性が違うため,就職や結婚,医療を受ける際などに不都合が生じていましたが,平成15(2003)年7月「性同一性障害者の性別取り扱い特例法」が制定され,性別適合手術を受けた者については,独身の成人であること,子どもがいないことという条件付きではあるが,戸籍上の性を変更することが可能になりました。

平成15年12月定例会(第3日目) 本文 (2003/12/05)

2003.12.05 : 平成15年12月定例会(第3日目) 本文

       午前10時3分開議

◯議長(篠田哲彦君) これより本日の会議を開きます。

       ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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       質疑並びに一般質問

◯議長(篠田哲彦君) 日程第1、議案第1号ないし議案第3号、議案第5号、議案第7号、議案第8号及び議案第10号ないし議案第21号並びに報告第1号ないし報告第3号を一括議題とし、これより質疑並びに一般質問を行います。

 順次発言を許します。通告順により山崎とよ子君。

    (山崎とよ子君登壇、拍手)

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◯山崎とよ子君 皆様、おはようございます。公明党の山崎でございます。ただいまより公明党を代表いたしまして、代表質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(中略)

 次に、人権問題についてお伺いいたします。

(中略)

 次に、性同一性障害問題についてお伺いいたします。

 性同一性障害問題については、国における戸籍の変更に関する法律が定められまして大きく前進をいたしました。本県においても公文書における性別記載の削除等の検討が進められていると思います。

 そこでお伺いいたします。9月議会で我が党の代表質問の答弁で、公文書における性別欄の撤廃を検討するとのことでありましたが、その進捗状況はどうなっているのかお伺いいたします。

 また、当事者にとって最も深刻なことは選挙であります。今回の選挙においても、市川市が投票所入場券に性別記載を削除いたしました。しかし、他の市町村においては、性別項目の削除がなされていないことに加え、投票所での窓口の本人確認の際に対応がまずく、数カ所で人権侵害に等しいケースが見られました。これについては公文書の問題のみではなく、この障害に対する職員、関係者の認識を深める必要があると考えます。

 そこでお伺いいたします。投票所入場券の性別記載を削除し、さらにこの障害に対する理解を深めるべきと思うが、県選管といたしましては、どう対処されるのかお伺いいたします。

 次に、医療面の支援についてお伺いいたします。

 性別適合手術後、一生ホルモン治療が必要ということであります。県内の病院で治療が受けられれば、当事者にとって大変喜ばしいことであります。まずは、女性専用外来で大変有名な東金病院で第一歩を踏み出していただきたいと思います。この治療は、専門病院で治療を受けた後のアフターケア的な治療でありまして、かつ当事者にとっては、この治療は一生続けていかなければならないわけであります。前回の議会質問で知事は、女性専用外来は性同一性障害に関する専門性を有していないため、ホルモン療法などの専門的治療を希望する方については非常に高い専門性が必要であることから、専門病院を紹介することが必要であるとの認識を示されました。しかし、ホルモン療法を行っている病院であれば治療可能とも伺っておりますので、御検討いただきたいと思います。

 そこでお伺いいたします。まず、モデルケースとして、東金病院で性同一性障害に対するホルモン治療を始めていただきたいが、どうか、お伺いいたします。

(中略)

 以上で1回目の質問を終わらせていただきました。ありがとうございます。(拍手)

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◯議長(篠田哲彦君) 山崎とよ子君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事堂本暁子君。

    (知事堂本暁子君登壇)

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◯知事(堂本暁子君) 公明党の山崎とよ子議員の代表質問にお答え申し上げます。

(中略)

 9月議会に御提示なさいました性同一性障害の方たちの公文書における進捗状況でございますが、行政文書における性別欄については、その必要性及び見直しの視点から収集した関連情報等の整理、分析を行うとともに、現在、性同一性障害者問題を含む千葉県人権施策基本指針を策定中であり、人権施策等との整合性を図りながら検討してまいります。

 性同一性障害問題の続きでございますけれども、東金病院でこうした方たちのホルモン治療をやってはどうかと、前回の公明党からの御質問に続けての関連の御質問でございました。きょうの御質問で認識を改めさせていただきましたが、確かに性同一性障害の手術療法──最近では性別適合手術、あるいは性別再適合手術と言われているそうですけれども、その手術を行った後のホルモン療法、これは大変専門性が必要だと認識しております。きょうは、専門的な方に治療を既に受けて、その上でまた、東金で継続的にやるというようなことの御提示だったように思います。私はそうではなくて、最初の手術後のホルモン療法そのものをどうやって東金でできるのかというふうな考え方をいたしましたので、もう1回、このことは東金の先生方、特に女性医療を担当している先生方と御相談してみたいと思います。

 私からは以上でございますので、あとは副知事並びに担当部局長からお答えを申し上げます。

(中略)

◯議長(篠田哲彦君) 選挙管理委員会委員土屋英夫君。

    (説明者土屋英夫君登壇)

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◯説明者(土屋英夫君) 御質問は、投票所入場券の性別欄を削除し、さらに性同一性障害に対する理解を深めるべきと思うが、県選管委員会として、どう対応するのかという御質問でございます。

 投票所入場券は、投票の際、選挙人名簿との対照など、選挙の適正な執行を的確かつ円滑に行うため、投票業務を所管する市区町村の選挙管理委員会が作成、交付を行っております。現在、市川市を除いた市区町村で投票所入場券に性別の記載がなされておりますけれども、性同一性障害など新たな問題について、投票所入場券に性別の記載をせずに適正な管理執行を確保する検討を、市区町村の選挙管理委員会に会議等を通じて助言してまいります。また、投票所内における問題につきましては、市区町村選挙管理委員会に、この障害に対する情報の提供などにより周知を図り、投票の際、配慮されるよう努めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

(後略)

投票所入場券の男女欄なくせ 千葉県議会 山崎とよ子議員 (公明デイリーニュース 2003/12/08)

 5日開かれた千葉県議会本会議で公明党の山崎とよ子議員が代表質問に立ち、性同一性障害を抱える人への人権問題などについて県の見解をただした。

 山崎議員は、先の衆院選の際、投票所入場券に男女欄があることから、投票所で性同一性障害を抱える人に対する人権侵害に近いトラブルがあった例を挙げ、「投票所入場券から男女欄を削除すべきだ」と迫った。また、性別適合手術を受けた人は、引き続きホルモン治療が必要になるが、県内で治療できる病院がないことから、専門知識を持つ医師がいる県立東金病院で治療できる体制を整えるよう訴えた。

 これに対し県選挙管理委員会側は「入場券を発行している市町村の選挙管理委員会に助言していく」と約束。ホルモン治療についても堂本暁子知事は、「ホルモン治療に加え、さらに高度な治療が行えるよう検討していく」と積極的な姿勢を示した。

(後略)

千葉県議会インターネット議会中継 録画放送 (2003/12/05)

平成15年12月定例県議会

平成15年12月5日(金)
【代表質問】
山崎 とよ子議員 公明党 2時間7分43秒収録
http://www.pref.chiba.jp/gikai/chukei/meta/200312/1205_1.html (Windows Media)

千葉県知事堂本暁子氏――人の話を聞く姿勢、一貫(キャリアの軌跡)(日本経済 2003/11/17夕刊)

 「県民との対話にできるだけ多くの時間を費やしている」。最近、農業や福祉のタウンミーティングに参加して話を聞く機会が増えたという。声を挙げるチャンスのなかった人たちと会い、その声を聞く姿勢はジャーナリスト、参議院議員、千葉県知事と、立場は変わっても一貫する。

 大学時代は文化人類学者になりたかったという。と、同時に卒業後は結婚して子どもをつくりたいとも友人とよく話していた。

 一転してジャーナリストを目指したきっかけは、友人たちの勧め。目標を語り合ううちに、一人が「暁子はジャーナリストに向いているんじゃない」と言い出した。

 大学卒業後、米国大使館でラジオ番組制作に携わる。それがきっかけになり、ラジオ東京(現TBS)から誘われたことで、ジャーナリストへの道は具体化した。入社試験中も迷っていたというが、採用担当者の「あなたに決めた」の一言が響いた。

 当時テレビ放送の世界に女性の数は少なく、現場では「女性として扱われなかった」。「本当に何でもやった」との言葉通り、キャスターだけではなく照明やカメラマンも経験した。

 報道記者になってからは、教育・福祉問題を積極的に取材した。中でも長期取材を元に、子どもを預かる無認可施設の現状をリポートした番組「ベビーホテル」を制作した時は、「現状を何とかしなければ」と燃えた。一九八一年に新聞協会賞を受賞した同番組がきっかけで、行政がベビーホテルを調査するようになった。児童福祉法も改正された。確かに「現状」は動いたことになる。

 参議院議員への立候補を決意したのも、やはり人の誘いがあったから。その人物は何度も「私はあきらめません」と誘ってきた。

 議員になったとたん、やはり仕事に夢中になった。環境基本法や男女共同参画社会基本法などの制定にかかわったが、仕事の仕方を教わったのはむしろ外国の議員。地球環境国際議員連盟(GLOBE)に参加していたとき、外国議員の徹底した仕事ぶりにふれ「民主主義とはこういうものだ」と感じた。

 「女性の知事を誕生させよう」という誘いにのり千葉県知事選に立候補。「向いていると思って誘ってくれているのだ」とあくまでプラスに考えた。情報公開条例などを制定。「県議会は全野党のはずだが、条例は通してもらっている」とほほえむ。

 最近あった県の福祉計画に関する説明会には八百人が参加し関心の高さがうかがわれた。「今は県として何ができるかを見定めて実行する時期」と気を引き締める。

ほっと一息

 学生時代から山登りが趣味。山岳部に所属して世界の険しい山々を踏破してきた本格派だ。TBS入社後もチベットなどに行き、多くの山に登った。登山をすると「気持ちを切り替えられる」。だが最近は、三年ほど前に長野県の浅間山の中腹まで登ったきり、知事になってからは一度も登っていない。「忙しくて、機会が少ない」と嘆く。

 山登りのほか、体を動かすことが好きで休みの日はプールに行ったり、筋力トレーニングをしたりしてすごす。頭のリフレッシュも忘れてはいない。読書や、知事公舎に人を招いての食事会も楽しみのひとつ。音楽会に出向き旋律に身をゆだねたり、芝居も見たりと趣味も多い。

(どうもと あきこ) 東京都出身。東京女子大卒。米国大使館でラジオ番組制作にかかわった後、1959年ラジオ東京(現TBS)入社。89年参議院議員。2001年から現職。71歳。

2003年9月定例会会議録 (2003/10/02)

2003.10.02 : 平成15年9月定例会(第2日目) 本文


       午後1時2分開議

◯副議長(堀江秀夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により赤間正明君。

    (赤間正明君登壇、拍手)

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◯赤間正明君 市川市選出、赤間正明でございます。我が国は今、経済の長期低迷や凶悪犯罪の増加、少子・高齢化の進行など深刻な諸課題に直面し、解決のための処方せんを見出せない状況であります。日本を覆うこの不安を取り払い、活力みなぎる国を、そして千葉県をつくるには、今こそ庶民感覚であらゆる事業を見直し、政治が信頼をかち取ることが大切であると考えます。

(中略) 

 次に、性同一性障害対策についてお伺いいたします。

 性同一性障害とは、性の自己意識と生物学的な性別が一致しないために、その食い違いに苦しむ状態を言います。当事者は医学的、心理的、社会的、家族的、また経済的な諸問題を抱えている状態にあり、そのような種々の問題の中で、特に戸籍上の性別と実生活上の性別が異なることにより、就職の際、アパートの賃貸時、医療を受けるときなどの際、困難さを伴います。性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が第156国会にて可決・成立いたしましたが、本法案の成立のみでは当事者を取り巻く問題は解決するわけではありません。理由は、本法律によって、すべての当事者の性別訂正が可能になるわけではないため、また、当事者に対する偏見が本法律をもって解消するわけではないためです。

 そこでお伺いいたします。

 現在、運転免許証には性別記載がなく、十分身分証明書として活用されております。県が管轄している性別欄の存在する行政文書などからの不必要な性別欄の撤廃をすべきと考えますが、どうか。

 また、千葉県の女性専用外来の取り組みは全国をリードし、大変な評価を得ております。その動向は全国が注目をしております。性同一性障害についての対策としては、カウンセリングや医療体制の整備が不可欠です。また、性同一性障害を抱える人々が、本人が望む性を得るためには、一生ホルモンによる治療を受けなければなりません。そのような方々に対し、最も治療がふさわしい場所が女性専用外来であると考えます。

 そこでお伺いいたします。性同一性障害者の治療について、女性専用外来の機能を積極的に活用すべきと考えるが、どうか。

(中略)

 以上で第1回目の質問とさせていただきます。(拍手)

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◯副議長(堀江秀夫君) 赤間正明君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事堂本暁子君。

    (知事堂本暁子君登壇)

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◯知事(堂本暁子君) 公明党の赤間正明議員の代表質問にお答えいたします。

(中略)

 次に、性同一性障害対策についての御質問です。

 県が管轄している性別欄の存在する行政文書などから不必要な性別欄を撤廃すべきではないかという御質問ですが、行政文書などの記載事項については、それぞれの行政事務の目的等を勘案して内容を定めているところですが、できる限り不必要な項目をなくすことが望ましいと考えております。性別欄については、性同一性障害者の問題などの新たな視点で社会状況の変化を考えながら、その必要性等について庁内で十分検討してまいります。先日、議員も御同行くださって陳情に見えた方たちにお会いしたときも、いかに苦労しておられるかということがよくわかりました。性同一性障害は、自認している、自分が持っている性と違った性、逆の性ですね。つまり男性という戸籍を持っていても、女性というふうに自分を認識している。それから、逆のケースももちろんあるわけですが、男性では3万人に1人、女性では10万人に1人ということで、その数は少なくありません。ましてや汎用陰陽──生まれながらにして男性の性器と女性の性器の両方があるか、あるいは性が未分化で出生するというような状況の場合ですと、1,000人に1人の割合で生まれています。半陰陽の方ですが。この間いらした方の中にも1人おられました。そういった、本人としてはどうすることもできない苦しさの中でこういう問題を抱えておられるわけでございまして、例えば病院に行ったときとか、いろいろなところで男性の名前が呼ばれて、それで全く違った服装で出てくるというようなことで、差別や、それから、そこで大変不愉快な思いをされているということなので、県としても今後十分に対策を検討していきたいと考えております。

 こうした性同一性障害者の治療について、女性専用外来の機能を積極的に活用すべきと考えるが、どうかという御質問です。性同一性障害の診断と治療に関しては、日本精神神経学会がガイドラインを公表しております。また、精神療法、ホルモン療法、手術療法と段階を踏んだ治療が必要とされているところです。診断や治療に当たっては、精神科医、それから形成外科医など専門医だけではなくて、カウンセラーなどの心理関係の専門家から成る医療チームを形成する必要があるということです。大変残念ながら、我が国ではこのような性同一性障害医療チームがある病院は本当に数カ所しかないというのが現状です。女性外来は性同一性障害に関する専門性を有してはおりません。ホルモン療法とか手術療法など、専門的な治療を希望する方が見えた場合には──非常に高い専門性なんです。私も、そういったことを専門にしているドクターにお会いしたことがございますけれども、大変専門性を必要とするので、そういった専門病院に御紹介をするということが必要かと思っております。

(中略)

◯副議長(堀江秀夫君) 赤間正明君。

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◯赤間正明君 御答弁ありがとうございます。それでは、2回目の再質問をさせていただきます。

(中略)

 それから、性同一性障害対策でございますけれども、先ほどの御答弁の中で、性別欄についてできる限り不必要な項目をなくすように十分検討すると、私の予想以上に前向きな御答弁をいただきまして、大変にありがとうございました。その中で、ぜひ何よりも急いでいただきたいのが投票用紙でございます。実は性同一性障害の方々が大変につらい思いをしているのが投票の際なんですけれども、ある方は選挙の際、投票所に行って疑われて、他の部屋に呼ばれて身元調査をされたそうです。こういった話も多分知事室でさせていただいたと思いますけれども、開票所には自治会や地元の方々が大勢おられますので、そのことが話題となります。そこで、その方は子供が学校でいじめられ、不登校になったということで、今、大変につらい思いをされております。投票は当たり前の権利でございます。自分の一生をこの1票に託すわけですから、まず、こういったことが二度とあってはいけないと思います。ぜひ投票所に再びこの方が足を運べるような、こういった環境づくりをしていただきたいと思います。投票用紙に男女の記載をなくして、一々投票所の受付で性別をチェックしなくてもいいのではないか、このように思います。性同一性障害者対策のために、早期に投票用紙の性別記載欄をなくして、投票しやすい環境づくりをすべきと考えますけれども、この問題について具体的に知事の御決意と御意見をお伺いしたいと思います。

(中略)

 以上で第2回の質問を終わります。

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◯副議長(堀江秀夫君) 知事堂本暁子君。

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◯知事(堂本暁子君) 

(中略)

 それから、性同一性障害については、選挙の際の投票についての問題は所管が選挙管理委員会だそうなので、こちらで決めることはできないということです。

 以上でございます。

(中略)

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◯副議長(堀江秀夫君) 選挙管理委員会委員土屋英夫君。

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◯説明者(土屋英夫君) 投票所の入場券の性別欄の記載についての御質問でございます。

 投票所の入場券につきましては、市区町村の選挙管理委員会が調整するものであります。したがって、市区町村の選挙管理委員会が記載をどうするかということを判断すべき事柄であると思います。

 以上でございます。

(後略)

医療体制の整備など求め要望書 性同一性障害者ら (東京新聞・千葉版 2003/09/12)

 心と体の性が一致しない「性同一性障害」を抱える人たちの団体「gid.jp」のメンバーが11日、県庁を訪れ、医療体制の整備などを求める要望書を提出した。

 要望書で「戸籍の性と実生活の性が異なることで、就職や医療で困難を伴う。本人確認で身分詐称を疑われ、投票すら難しいことがある。治療も保険の適用外で経済的に負担が重い」と生活の中での苦労を訴えている。

 その上で▽行政文書からの不必要な性別欄の削除▽障害への理解を促す教育施策▽県立病院などでの医療体制の整備- など6項目の対策を求めている。

 この日は、同会千葉支部長(32)ら性同一性障害の4人が堂本暁子知事に要望書を手渡した。会では全国の自治体に対策を求める活動をしており、10日には大阪府の太田房江知事にも要望書を出したという。

写真:堂本暁子知事(右)に要望書を手渡す性同一性障害の人たち=県庁で

性同一性障害で知事に要望書 市民団体 (産経・千葉版 2003/09/12)

 生物学的性と社会学的性が一致しない性同一性障害の人々や支援者で構成する市民団体「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」は11日、県庁に堂本暁子知事を訪ね、@行政文書からの性別欄の撤廃A選挙の投票の際に性別で本人確認しないB医療体制の整備 - など6項目を掲げた要望書を手渡した。

 堂本知事は「千葉はここ2,30年、人権配慮の対策が少なかった」と述べ、一定の理解を示した。

 112人の会員がいる同会の代表代行、松村比奈子さんは「投票の際、別人と疑われて別室に連れていかれることもある」と例を挙げ、性同一性障害者への理解を訴えた。

公文書の性別欄削除求め要望書 性同一性障害者団体 (朝日・千葉版 2003/09/12)

 「普通にくらせる社会を」- 心と体の性が一致しない性同一性障害を抱える人たちでつくる会「gid.jp」が11日、県庁を訪れ、堂本暁子知事に「公文書から性別欄を削除してほしい」などの要望書を手渡した。

 県を訪れた6人のうちの代表代行、松村比奈子・拓殖大学非常勤講師は「声をあげることができなかった人たちの声を聞いてほしい」と訴えた。

 同会会員は現在105人で、県内からは数人が参加している。

 要望書では、公文書での性別欄の撤廃のほか障害に対する医療体制の整備、教育機関での理解の促進などを求めている。

 記者会見で、同会のメンバーが体験談を語った。「健康保険証に書かれた性と見た目が違うため、不審がられ医者に行けなくなった」

 県内のメンバー(32)は「一人ひとりが声をあげる環境をつくりたい」と話した。

ヒアリング:性同一性障害者の人権問題
2003(平成15)年2月20日
千葉県人権問題懇話会第5回小委員会


千葉県議会


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