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神奈川県藤沢市 - TransNews

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神奈川県藤沢市


updated 2003/12/30


見直し書類リスト (Excel形式)

削除可 不可 性別記載欄の
ある文書計
即時 03年度中 04年度中
1 147 58 206 (38.5%) 329 (61.5%) 535 (100%)

自治体発行の証明書などで、広がる「性別欄」記載廃止 (毎日 2003/12/09)

性別欄が黒塗りで消された藤沢市の書類
性別欄が黒塗りで消された藤沢市の書類


 ◇性同一性障害者に朗報も

 ◇いまだ消えぬ「差別」と「偏見」

 ◇治療できる医療機関少ない/社会保険適用は場合による/戸籍変更には必要条件多く

 自治体で、発行する証明書などから「性別欄」の記載をなくす動きが広がっている。心と体の性の不一致に苦しむ性同一性障害者にとっては性別を記すことさえつらい行為であり、自治体のこうした動きを歓迎する。だが、職場などでの差別がなくなったわけでなく、治療を受けることができる医療機関も、まだまだ少ないのが現状だ。今年7月には「性同一性障害者の性別取り扱い特例法」も成立したとはいえ、性別欄の廃止は「偏見のない社会となるための第一歩」に過ぎない。

 ◇一部、医療サービスや介護は無理な場合も

 自治体が性別記載をなくすことが出来るのは、条例、規則などで定められている申請や証明の書類の一部や選挙の入場券など。すでに東京都小金井市、千葉県市川市、埼玉県草加市、
神奈川県藤沢市など数十の自治体が、性別欄をなくしたり、性別を番号化することを実施したり、検討したりしている。

 具体的には印鑑証明を登録する際の申請書類や発行される証明書から性別欄をなくす自治体が多い。だが、統計業務や入院、入浴などを伴う介護や医療サービスなどでは、サービスに支障が出る場合、性別欄をなくすことは困難だという。また、「住民票」など法律に定められている書類も無理だ。

 川崎市の場合は、95年から選挙の入場券で、性別欄を削除。さらに、今年11月の衆院選では、「言葉で表さないと、職員たちの意識は変わらない」(同市選挙管理委員会)として、投票所で選挙に携わる職員や市民に対し、性同一性障害などの悩みを抱えている市民がいることを伝え、人権に十分配慮することを明記した手引きも配った。

 ◇悩み抱える当事者、撤廃求めて陳情書

 性同一性障害に悩んでいた会社員の平辻幹(みき)さん(40)=
神奈川県藤沢市在住=は、今年6月、不必要な性別記載を撤廃することを求めた陳情書を市議会に提出した。

 平辻さんは「性別変更ができない人にとって、自治体が発行する書類から性別欄がなくなるのは、非常に歓迎すべきこと」という。

 だが、平辻さんによると、性別の記された保険証を使いたくないため、病院に行かないというケースもあるといい、まだまだ偏見を持たれることも多いと嘆く。陳情書では、性同一性障害に対する教育の充実や教育・医療関係者、公務員に対する研修の必要などを訴えた。

(後略)

藤沢市 公文書206件で廃止 性別記載欄 性同一性障害に配慮 (神奈川新聞 2003/11/20)

 性同一性障害に悩む市民に配慮し、公文書の性別記載欄の見直しを打ち出している藤沢市は十九日までに、性別記載欄のある公文書五百三十五件のうち、二百六件を廃止することを決めた。

 同市行政総務課によると、今年夏に全庁的な公文書の調査をした結果、性別記載欄のある公文書は五百三十五件に上った。このうち印鑑登録証明書や図書館利用者申込書など二百六件は、性別欄廃止が可能と判断。今年中に百四十五件、条例改正やコンピューターシステムの変更が必要なものは、来年四月以降に実施するという。

 残りの三百二十九件については、出生届や入籍届けなど国の法律や県条例などで性別記載が決まっており、廃止は不可能としている。

 同市は今年六月、市民からの陳情を受け県内で初めて戸籍法などで削除できない文書を除いて、できる限り性別欄を削除する方針を決めていた。すでに衆院選で投票所入場整理券などの性別欄の削除を始めている。 (鈴木 昌紹)

性別記載欄を廃止へ 検討の結果、205件が可能に−−藤沢市 (毎日・神奈川版 2003/11/20)

 各公文書の性別記載欄の必要性について検討していた藤沢市は19日、条例・規則の改正など市独自の取り組みで200件以上の文書で性別欄が廃止可能と発表した。予算措置の必要ない文書についは今年度中に性別欄を廃止する。他自治体でも性別欄見直しの動きが起きており、同市の取り組みが注目されそうだ。

 今年6月、性同一性障害を持つ市民からの陳情を市議会が採択し、国会に意見書が提出された。市もこれを受けて7月4日から8月末まで調査を行い、性別記載欄のある文書535件を調べ、1件は陳情採択後、直ちに性別記載欄を廃止した。

 同市によると、法令で様式が決められており、市として廃止できないものは329件。残る205件は廃止可能だった。順次廃止していくが、コンピューターの修正などに予算が必要となり、58件は来年度中に実施する方針。【高梨充】

2003年11月市長定例記者会見 (2003/11/19)

平成15年11月市長定例記者会見
2003年11月19日

◆公文書における性別記載の見直しについて

 平成15年6月議会におきまして、「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情」が提出されました。藤沢市議会において当該陳情が採択され、市議会から国に対し、平成15年6月25日に意見書が出されました。

 このことを受け、藤沢市としましても、可能な部分からの実施を検討し、公文書における性別記載の状況について全庁調査を行い、その見直し内容について決定しましたのでご報告します。

 調査につきましては、7月4日から8月末日の間で行いました。

 申請書・決定通知書等の公文書を全庁的に調査した結果、性別記載のある文書は535件あり、そのうち、陳情採択後すぐに見直しを行い記載を廃止したものが1件。

 法令で様式が定められているなど、藤沢市として性別記載の廃止ができない文書が329件。

 藤沢市内部の修正手続きで性別記載の廃止が可能な文書が205件となっています。

 藤沢市としましては、この205件につきまして、今後条例・規則の改正などの手続きを経て、予算計上が必要のない文書につきましては平成16年4月までに実施をしていきます。印鑑登録証明書につきましては、平成16年2月の市議会で条例改正手続きを行い、16年4月からの実施予定となっています。

 また、コンピュータシステムから出力されます文書で修正に費用がかかるものにつきましては、平成16年度に予算化し、16年度中に実施をしていきたいと考えています。

 なお、11月9日実施されました衆議院議員選挙におきまして、投票所入場整理券の性別記載を廃止してきました。

【衆院選】投票所入場整理券 性別欄撤廃 広がる (読売・神奈川版 2003/11/05)

性同一性障害の人に配慮

 今回の衆院選で県内四市の選管が、有権者に発送した「投票所入場整理券」から性別欄がなくなった。性同一性障害を持つ人が戸籍上の性別を変更できるようにする特例法が七月に成立したこともあり、当事者の悩みに配慮した動きが広がっている。

 今総選挙から性別の記載をやめたのは、相模原
、大和、藤沢、秦野の四市。逗子市はすでに市個人情報保護条例を制定した一九九二年から入場整理券の性別記載を廃止。川崎市も九五年の統一地方選から「投票所での事務作業上、必要ない」として性別欄をなくしている。

 公職選挙法は、選挙人名簿に氏名、住所、生年月日と、性別を記載するよう定めているが、入場整理券の様式には規定がなく、市町村選管の判断で変更できる。

 今回、四市が性別記載を撤廃したのは、一月に発足した全国組織「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」が今春以降、市長や市議会に出した、文書類の性別記入欄撤廃などを求める要請書や陳情がきっかけ。同会代表代行で私大非常勤講師の松村比奈子さん(大和市在住)は「声を上げれば社会が動くということが分かった。今後も働きかけを続けたい」と話す。

 同会メンバーで性同一性障害と診断されている
藤沢市の会社員平辻みき(幹)さん(39)も「選挙のたびに送られて来る入場整理券に『男』と表記されているのが苦痛だった」と言い、「これで安心して投票に行ける。本当にうれしい」と喜ぶ。

 ただ、投票所での本人確認や、投票者数の男女別集計は必要なため、投票所での性別確認は何らかの形で残りそう。

 横浜市の場合、一九八〇年から有権者に郵送している「案内はがき」に性別記載はないが、投票所で有権者に渡す「投票用紙引換券」には、縦二・三センチ×横二センチ大の文字で「男」「女」と記載していた。今選挙から文字の大きさを縦・横三ミリに縮小したが、「男女別の中間統計を出す際、引換券を数える方法が最適だ」として性別記載撤廃には至らなかった。

 これに対し、相模原市は、投票所の担当者の手元にあるコンピューターの画面上のデータで性別を確認し、男女別の集計もコンピューターで処理する。大和市は投票用紙交付機で投票用紙を入場者に手渡す際、担当者が性別のボタンを押し、集計を出すという。県選管は先月、性同一性障害も含め、投票所では人権に配慮して対応するよう各市町村選管に指示した。今後、当事者の苦痛を伴わない本人確認の方法が検討課題となりそうだ。

投票所の入場券、性別記載を廃止 藤沢市 (朝日・神奈川版 2003/10/15)

 藤沢市選挙管理委員会は14日、来月9日投開票の衆院選から、投票所入場整理券の男女の性別表示を廃止することを明らかにした。市は「性同一性障害」の会社員(当時39)の要請などを受けて、今年度中にも市関連の公文書から性別記載を撤廃する方針を決めており、要望の強かった入場整理券について実施することにした。

 今後、選管から送付される入場整理券には男女の性別は記載されない。ただ、投票所で係員が本人確認をするための名簿には性別記載は残る。公職選挙法上、名簿には男女の記載が義務づけられており、自治体が独自に運用できる範囲に限定した。

 市によれば、県内では逗子市などですでに実施されているという。

投票整理券から性別欄外す ◆藤沢市、性同一性障害に配慮 (神奈川新聞 2003/10/15)

 藤沢市選挙管理委員会は次期衆院選で有権者に発送する「投票所入場整理券」にあった性別欄の記載を削除する。

 同市では今年六月、肉体上の性と精神上の性が一致しない性同一性障害に悩む市民から、市で扱う文書類の性別の記入欄の撤廃を求める陳情があった。これを受け同市は県内で初めて、戸籍法などで削除できない文書を除いて、できる限り性別欄を削除する方針を決めていた。

 同委員会は「投票は本人確認が重要」として男女別を記載してきたが、こうした障害がある市民に配慮して今回から性別欄を外した。選挙人名簿には男女別が分かるようになっており、そこで本人確認ができるため、実質上はとくに問題はないという。他自治体では逗子市が以前から投票所入場整理券に性別を記載していないという。

投票整理券、性別欄を廃止 藤沢市選管 性同一性障害者に配慮 (東京新聞・神奈川版 2003/10/15)

 心と体の性に違いがある「性同一性障害」に悩む人に配慮して、市が発行する申請書や証明書の性別記載欄を可能な限り削除する方針を打ち出している藤沢市は、今回の衆院選から投票所入場整理券の性別欄を廃止する。同市選挙管理委員会によると、県内では逗子市が性別欄を廃止しているという。藤沢市ではこれまで、同整理券一枚に家族三人までの名と男女別などを記載していた。

 公選法では原簿に男女別を記載することが義務付けられており、「よりいっそう名簿での本人確認をし、間違いのないようにしたい」(同市選管)としている。同整理券は約十七万枚用意される。

偏見ない社会をつくりたい 性同一性障害者がふつうに暮らす社会求める 平辻 みきさん(東京新聞・神奈川版 2003/06/30朝刊・21世紀かながわ「顔」)

 性同一性障害者が普通に暮らせる社会環境の整備を、国に求める意見書が二十五日、藤沢市議会で可決された。障害者の治療のための保険適用、職場での不当解雇や差別の禁止、教育の充実などを求めている。

 きっかけとなった陳情書を出し、十七日の市議会で受け入れられた。藤沢市は、公文書の性別記載を徐々に撤廃することを県内で初めて決めた。努力が実を結びつつあるが、ここに至るまで、悩み苦しむ日々が続いた。

 「あれだけ苦しんだから今がある。やっと肩の力を抜いて自然体で生きられるようになった」

 小学生のころ、母親の化粧品をこっそり使った。中学生の時には、女性の下着や洋服を親に隠れて身に着けた。何となく、落ち着き、ほっとした。

 「おかしい、何度もやめようと思った」が、高校卒業後も、やめることはできなかった。

 1年間交際した女性と二一歳で結婚。「彼女の笑顔に癒やされた」。家事はできるだけ自分でやりたかった。しかしそういう自分を、妻は拒んだ。

 妻の目を盗んでホテルで女装した。性への違和感をはっきり自覚するようになったのは三十歳過ぎ。「自分は何者なのか」。胸のうちにわく疑問をうち消せなくなった。女装のため衣類を買いあさり、ニューハーフの店に通い続けた。八百万円もの借金を抱え込んだ。息詰まり、2年前には一時、会社を休職した。

 「女性として生きたい」。復職後通っていた精神科の医師に、悩みを打ち明けた。

 性同一性障害者の専門医の紹介を受け、妻や両親に告白した。「小さい時から苦しかったんだろう。ごめんね」母親は電話口で泣きながら謝った。

 今年三月には職場にも打ち明け、一年後を目指して徐々に自分を女性として受け入れてもらう計画を立てた。思っていた以上に悩みを聞き入れてくれた。

 「職場で告白した途端、解雇や無視、嫌がらせを受ける人が多い。自分は恵まれている」。

 覚悟を決めてから、何かがふっきれた。自分を飾らずにすむ。声に出すことで、他人が関心を示し、耳を傾けてくれることも知った。「当事者が黙っていたら世の中は何も変わらない」。出席したフォーラムで聞いた識者の言葉が忘れられない。

 一月から入った、「性同一性障害を抱える人々が普通にくらせる社会をめざす会(gid.jp)」で、国に戸籍の性別訂正の特例法を求める運動に携わるなかで、藤沢市議会に陳情書を出した。まず、自治体から変える必要性を感じたからだ。

 性同一性障害をかかえる人は、現在全国に一千人とも7千人とも言われる。。社会に向けて声を出す人はまだ少数で、多くの人が悩みを告白できず、苦しんでいる。今も町を歩いていると偏見に満ちた言葉をかけられるという。

 「自分たちの声を少しでも多くの人に聞いてもらうしかない。少しづつ偏見のない社会を作っていきたい」。迷いを吹っ切ったその表情は明るく、勇気と自信に満ちていた。

文・望月衣望子  
写真:斎藤 英夫

平辻 みきさん プロフィール

 1963年長崎市生まれ。高校卒業後、徳島県の専門学校で学び、無線通信士の資格を得て、現在は東京の会社に勤務。「環境は人から与えられるものではなく、自分でつくりだすもの」という、雑誌で見つけた言葉が生き方の信条。休日はウィンドウショッピングを楽しむ。藤沢市に妻と在住、39歳。

市議会平成15年6月定例会 (2003/06/25)

[ 平成15年 6月 定例会−06月25日-06号 ]

(前略)

○議長(国松誠 議員) 

△日程第6、議会議案第8号性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書についてを議題といたします。

 提出者に説明を求めます。14番、高橋議員。

              〔高橋八一議員登壇、拍手〕

◎14番(高橋八一 議員) ただいま議題となりました議会議案第8号性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書について、提出者を代表して説明をいたします。

 性同一性障害とは、自分が身体的、社会的にどちらの性別であるかを認識していながら、精神的には自分自身の身体的、社会的な性別に違和感を抱き、または反対の性別に属していると感じ、それにより強い精神的な葛藤を覚え、精神の性別と生まれ育てられてきた性別との間に生ずる適応の障害を言います。そのため、当事者は医学的、心理的、社会的、家庭的及び経済的なさまざまな問題を抱えております。

 性同一性障害の人々に対する人権については、平成12年に制定された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づき策定された、人権教育、啓発に関する基本計画や人権救済制度の在り方についての答申などにより、性同一性障害に関する理解を深める、また、それを理由とする差別的取り扱い等について積極的救済を図るべきとされていますが、依然として変わっていないのが現状であります。

 よって、政府に対し、性同一性障害の当事者に対し、治療への保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充を図ることなど、社会環境の整備について特段の配慮をされるよう要望するというのが、本議案の主な内容であります。

 文案につきましては、お手元に配付したとおりでありますので、同僚議員におかれましては御賛同くださいますようお願いをいたします。

 以上です。(拍手)

○議長(国松誠 議員) これで提出者の説明は終わりました。

 お諮りいたします。この議案は質疑、委員会付託及び討論を省略することに御異議ありませんか。

              (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(国松誠 議員) 御異議がありませんので、そのように決定いたしました。

 採決いたします。議会議案第8号は可決することに御異議ありませんか。

              (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○議長(国松誠 議員) 御異議がありませんので、この議案は可決されました。

(後略)

性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書 (2003/06/25)

○○ ○殿 
 平成15年6月26日
 藤沢市議会議長
 国松 誠   

陳情の結果について(通知)

1 件名 陳情15第9号 性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情

2 審査年月日 平成15年6月17日

3 審査委員会名 総務常務委員会

4 審査結果 趣旨了承

※なお、6月25日に開催した本会議において別紙意見書を可決し、地方自治法第99条の規定により関係行政庁に提出しました。

以上

-------------------

別紙意見書 

性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書 

 性同一性障害とは、自分が身体的、社会的にどちらの性別であるかを認識していながら、精神的には自分自身の身体的、社会的な性別に違和感を抱き、または反対の性別に属していると感じ、それにより強い精神的な葛藤を覚え、精神の性別と生まれ育てられてきた性別との間に生ずる適応の障害をいう。そのため当事者は、医学的、心理的、社会的、家庭的及び経済的なさまざまな問題を抱えている。

 とりわけ、戸籍の性別と社会生活上の性別が異なることにより、非正規雇用社員でしか就労できない、家を借りることが難しい、国民の権利である選挙権さえ行使しにくく、また、性同一性障害の治療はほとんどが保険の適用外であり、経済的にも大きな負担となっている。

 性同一性障害の人々に対する人権については、平成12年12月に制定された「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」に基づき策定された「人権教育・啓発に関する基本計画」には、性同一性障害に関する知識や理解を深め、その解決に施策の検討を行うこと、また平成13年5月の「人権救済制度の在り方について」の答申では、性同一性障害を理由とする差別的取扱い等について、積極的救済を図るべきとされているが、当事者の不自由さは依然として変わっていないのが現状である。
 
 よって、政府におかれては、戸籍と異なる性で生活する性同一性障害の当事者に対し、次の事項について特段の配慮をされるよう当市議会は強く要望する。

1 治療への保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充を図ること。

2 求職時の性別記載の撤廃と不当解雇、職場差別などの禁止とともに職場での支援を図ること。

3 公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除を図ること。

4 教育の充実と教育現場での理解、若年層患者に対する支援を図ること。
5 教育、医療関係従事者、公務員など、性同一性障害にかかわる人々への研修と育成を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成15年6月25日
藤沢市議会 

内閣総理大臣
法務大臣
厚生労働大臣
文部科学大臣

性同一性障害者へ配慮の意見書可決 (神奈川新聞・湘南版 2003/06/26)

 藤沢市議会6月定例会最終日は25日、本会議を開き、「性同一性障害者が普通に暮らせる社会環境整備を求める」意見書など議員提案の意見書議案6件を可決した。

 性同一性障害に関する意見書はこの障害がある市民からの陳情を同市議会が趣旨了承としたことを受けて議員提案された。意見書では、国へ治療の保険適用や、医療機関の拡充、公文書の性別記載の再考などを要望している。またすでに市は公文書の不必要な性別欄削除の方針を決めた。 

 このほか、国に北朝鮮に核放棄を求めるよう要望する意見書、三位一体改革の早期実現を求める意見書等の提出をを決めた。 (鈴木 昌紹)

ちょっと一言 湘南発記者NOTE (神奈川新聞・湘南版 2003/06/25)

 「性同一性障害」という言葉を知っているだろうか?体と心の性の間に違いがある状態をいう。例えば、肉体は「男」として生まれてきたと認識しながらも、精神や心は「女」として自覚していることだ。
 
 藤沢市はこのほど、性同一性障害を抱える市民からの要望を踏まえ、印鑑証明書などの公文書の性別記載欄を削除する方針を県内で初めて決めた。

 性別によらない本人確認や障害への理解を求めた陳情を市議会に提出した藤沢市内の男性会社員(39)に話を聞く機会があった。 

 会社員はまだ一般的に認知の低い障害の生活上や医療上などの悩みを暴露した。女性の格好で街を歩く際、周囲の「好奇の目」から受ける心の痛みも語った。

 「自分から動かないと何もかわらないと思った」と勇気を出して公に訴えた会社員の話を聞くと、その切実な思いが伝わってきた。

 一般的な性別に疑いを感じていない者にとって、なかなか理解しきれない部分があることは確かだ。

 しかし、そのことと差別意識をもつこととは別だ。その思いに迅速に答えた藤沢市の姿勢も評価するとともに、こうした障害で悩む少数の人々への理解が広がることを願わずにはいられない。

(藤沢市支局・鈴木昌紹) 

性同一性障害の人に配慮 性別記載欄を撤廃へ 可能な公文書で早い時期に 神奈川県藤沢市 (公明党デイリーニュース 2003/06/23)

 神奈川県藤沢市は17日、性同一性障害に悩む人に配慮し、公文書の性別記載欄を可能な限り削除する方針を示した。同日の市議会総務委員会の陳情審査で、市側が明らかにしたもの。

 陳情したのは、性同一性障害をもつ市在住の会社員・平辻幹さん。陳情では(1)印鑑証明書などからの不必要な性別欄の撤廃(2)性別によらない選挙の本人確認方式の再考(3)公務員や教育関係者などへの研修と理解の促進――などを市側に要望。併せて(1)戸籍の性別訂正を可能にする法律の制定(2)性同一性障害の治療に対する保険適用や医療機関の拡充(3)求職時の性別記載撤廃と不当解雇、職場差別の禁止――などを求める意見書を国に提出することを要請した。

 同市は、市の判断で対応できる文書についてはできるだけ早い時期に、性別記載欄をなくしていく考え。また、陳情内容に沿った意見書案を25日の最終本会議で可決し、国に提出する予定。

 同市議会公明党は平辻さんから話を聞き、陳情内容の実現に努めることを約束。また公明党の塚本昌紀議員が陳情趣旨了承の討論を行った。

性同一性障害者の陳情受け、不必要な性別記載撤廃−−藤沢市会常任委 /神奈川 (毎日・神奈川版 2003/06/18)

 ◇可能な文書から

 性同一性障害者に配慮し、不必要な性別記載を撤廃することを求めた陳情書が17日、藤沢市議会の総務常任委員会(山口幸雄委員長)で全員一致で趣旨了承された。県内で同様の陳情が議会で了承されたのは同市が初めて。市はこれを受けて、証明書や申請書など公文書1700件を調べ「不必要な性別記載の撤廃を出来る限り実施していきたい」と話している。【高梨充】

 「性同一性障害を抱える人々が、普通に暮らせる社会を実現することを求める陳情」を提出していたのは、同障害で悩んでいる藤沢市内の会社員、平辻幹さん(39)。平辻さんは、社会生活で出会うさまざまな困難を挙げ、「市役所など公的機関で本人であることを疑われ、不快な対応を受けることもしばしばあり、選挙権さえ行使しにくい状況」と訴える。

 陳情書では、地方自治体で改善可能なものとして、(1)証明書や申請書などから不必要な性別欄の撤廃(2)市職員や教育関係者、医療従事者らの研修や理解の促進(3)学校教育で取り上げ理解を深めることなどを求めた。さらに、政府への意見書提出を求め、治療の健康保険の適用や診断、治療可能な医療機関の充実、職場での差別禁止、公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除などを挙げている。

 平辻さんは陳情書が了承されたことに、「ありがたいと思っている。この障害を持つ人が普通の人と何も変わらないということを分かってほしい」と話した。藤沢市議会は20日の本会議で委員長報告を行い、意見書が採択されれば政府に送る。

 同障害に対しては東京都小金井市、埼玉県新座市、草加市、鳥取市などで印鑑証明の申請書から性別記載欄を撤廃するなどの取り組みが行われ、千葉県市川市でも8月から実施される。(毎日新聞)

藤沢市の公文書性別記載欄削除
苦しみ理解して 性同一性障害の平辻さん (神奈川新聞 2003/06/18朝刊・関連記事  23面)

 藤沢市が公的な申請書や証明書の性別記載欄の撤廃の検討を表明したことについて、同市議会に陳情した平辻幹さん(三九)は委員会終了後「うれしいし、大変ありがたい」と一歩前進を喜んだ。−本記一面にー

 藤沢市内に住む会社員の平辻さんは、幼い時には自分の性に違和感があまりなく、15年前に結婚して妻もいる。しかし30代になってから自分の「男」としての体の性と、「女」としての心の性との違いを感じ始めた。

 昨年7月から専門医にかかり、今年3月に性同一性障害の診断を受けたという。現在は、会社には男性の服装で通勤するが、普段は女性の服装だという。性別適合(性転換)手術も検討している。

「女性の姿でいると心が落ち着く。しかし休日に女性の姿で外へ出ると人から変に感じられているのではないかということが非常に怖く偏見が一番苦しい」と平辻さんは日々の悩みを語る。

 今回公の場に出て陳情した理由について、「同じ悩みを抱えた仲間が行動するのを見て、自分で動かなければ何も変らないと思った」と説明。

「性同一性障害だからといって、他の人と何も変らないことを広く理解してほしい」と訴えていた。
 
(写真:議会終了後、証明書などの性別記載欄の削除方針を説明する井上部長(左))藤沢市役所内記者室

Fujisawa to remove gender notations in documents (Kyodo News 2003/06/18)

The city of Fujisawa, Kanagawa Prefecture, decided Wednesday to remove gender notations in official documents when deemed unneeded considering calls from members of the public, the local government officials said.

The city now has some 1,700 official documents, of which some 400 have spaces in which to note gender. But it will follow moves by Koganei in Tokyo, Niiza in Saitama Prefecture and the city of Tottori to eliminate them as much as possible, they said.

A number of people, including those diagnosed as having gender identity disorder (GID), have sought that gender notations be eliminated from such documents.

People with GID feel uncomfortable with the sex they were born as and desire to live and be accepted as members of the opposite sex. They say documents that reveal their gender at birth cause them inconvenience and humiliation.

藤沢市 公文書から性別撤廃 (朝日・神奈川版 2003/06/18)

 藤沢市は17日、印鑑登録証明書など公文書の性別記載を今年度中にも撤廃する方針を明らかにした。心と体の性が異なる「性同一性障害」で治療を受けている会社員、平辻幹さん(39)が議会に提出した陳情書が同日、総務常任委員会で了承されたことを受け、市が発表した。自治体の判断で可能な範囲に限られるが、性別記載撤廃の方針を決めたのは県内では初めてで、全国でも5市にとどまるという。

 藤沢市では申請書、証明書など約1700件に性別の記載がある。市民自治部は「国の法律にもとづくものか、市の判断で対応できるかを調べたうえで、できるだけ早く作業をしたい」と可能なものは順次、なくす方針を示した。条例改正が必要なものも、来年の3月議会までには改正案を提出するという。

 印鑑登録証明書については東京都小金井市、埼玉県草加市、同新座市、鳥取市、千葉県市川市ですでに性別記載をなくしたり、実施が決まったりしており、藤沢市もなくす方針だ。また、投票所での身元確認方法の変更なども検討している。

 平辻さんは15年前に結婚した妻がいる。数年後、「女性」への性別適合手術を希望しており、手術の後「ふつうに暮らせる環境を整えるため」陳情をした。平辻さんは「たいへんありがたい結論だと思う」と語った。

 また、市議会は国に対して、性同一性障害の治療全体に健康保険の適用などを求める意見書を提出する。

 今国会には、性同一性障害の人を対象に「独身で子どもがいない。手術の実施」などを条件に、戸籍の性別変更が可能になる法案が提出されている。

公文書の性別欄削除へ 神奈川県藤沢市 (共同 2003/06/16)

 神奈川県藤沢市は18日までに、性同一性障害の当事者から要望を受け、市が発行する証明書や住民が提出する申請書から、可能な限り性別記載欄を削除する方針を決めた。

 市によると、所管する約1700件の申請書や証明書のうち、性別記載欄があるのは約400件。

 今後、印鑑登録原票など男女別が不必要な記載欄については原則廃止する。戸籍法などに抵触しない範囲で可能な限り記載欄をなくすとしている。

 性別記載欄の削除については、東京都小金井市や埼玉県新座市、鳥取市などが同様の措置を取っているほか、東京都世田谷区でも検討している。

 性同一性障害は身体的な性と心理的な性が食い違い、身体的な性別に強い違和感を感じる障害。

 今国会では、障害のある人の戸籍の性別変更を可能にする法案が議員立法で提出される見込みとなっている。

公文書の性別欄、藤沢市が撤廃へ 性同一性障害者の願い届く (東京新聞・神奈川版 2003/06/18)

 心の性と体の性が一致しない「性同一性障害」のある人に戸籍の性別訂正を認める特例法案が国政で論議されているなか、藤沢市は十七日の市議会総務常任委員会で、性同一性障害者に配慮して、印鑑証明など公文書の性別欄を、できるものから撤廃する方針を明らかにした。こうした措置は東京都、埼玉県の一部の市で実施しているが、県内の自治体としては初めて。 (長崎 磐雄)

 性同一性障害者とされる藤沢市の会社員平辻幹さん(39)が市議会に提出した陳情書を受けた。治療に健康保険が適用できるよう政府に意見書を出すことも求めており、この日の審議で陳情は全会一致で趣旨了承された。意見書は本会議の議決を経て、政府に提出する。

 陳情では(1)印鑑証明など証明書や申請書から不必要な性別欄を撤廃する(2)選挙における性別によらない本人確認(3)公務員や教育関係者、医療従事者への研修と理解の促進−などを求めている。

 また政府への意見書では(1)性同一性障害治療への健康保険適用と、治療可能な医療機関の充実(2)求職時の性別記載撤廃と不当解雇、職場差別禁止−などを求めるよう要望している。

 平辻さんは一九八八年に結婚し、子どもはいない。三十歳すぎに自分の性別に違和感を感じて通院治療を始めた。今年二月、職場の上司に治療していることを伝えている。

 市は、千七百件ほどある証明書や申請書など各種書類のうち、国の法律に基づくものを除き、できるものから撤廃していきたい考え。本年度中に議会の了承を経て実施に踏み切りたいという。

 平辻さんは「大変ありがたいこと。会社では男性の格好をしているが、休日に女性の格好をすると落ち着く。周りから変な格好をしているという目で見られるのが怖い」と話している。

 市によると、印鑑証明申請書の性別欄を撤廃しているのは東京都小金井市、埼玉県新座市と草加市、鳥取市、千葉県市川市も八月から実施する方針。

公文書の性別記載欄削除へ◆藤沢市、性同一性障害に配慮 (神奈川新聞 2003/06/18)

 心と体の性に違いがある「性同一性障害」に悩む人に配慮して、藤沢市は十七日、市が所管する公的な申請書や証明書の性別記載欄を可能な限り削除する方針を明らかにした。不必要な性別欄撤廃を表明した自治体は県内初。同日の市議会総務常任委員会の陳情審査で、市側が明らかにした。

 陳情を提出したのは、性同一性障害の当事者で同市在住の会社員、平辻幹さん(39)。

 平辻さんは、陳情の中で、【1】印鑑証明書などの文書の不必要な性別欄の撤廃【2】性別によらない選挙の本人確認の方法の再考【3】学校教育での理解の促進−などを市側に要望。併せて、【1】性同一性障害の治療への保険適用や医療機関の拡充【2】求職時の性別記載撤廃と不当解雇・職場差別の禁止【3】公文書の性別記載の再考と削除−などを国に求める意見書の提出を訴えた。

 同日の委員会で、井上晃一市民自治部長は「今後検討していきたい」と述べ、大筋で陳情の内容を受け入れる方針を表明。市によると、市が所管する約千七百件の申請書・証明書のうち約四百件に性別記載欄があるが、戸籍法など法に抵触しない文書を洗い出し、できるだけ早い時期に性別記載欄をなくすという。条例改正が必要な場合は本年度末の改正を目指す。

 委員側も全会一致で陳情を「趣旨了承」とし、本会議で陳情に沿った内容の意見書案を可決する予定。ただ、学校教育での取り組みは「性同一性障害を特別に取り上げるにはまだ課題がある。人権教育としてトータルな教育をしたい」(市教委)としている。

 性同一性障害に関しては、今国会中にも一定の条件の下で性別の変更を認める「性同一性障害者の性別取扱いの特例法」が議員提案され、成立する見通し。

 藤沢市によると、小金井市(東京)、新座市(埼玉)、鳥取市などで一部の申請書や証明書などから性別記載欄の削除を実施している。

藤沢市 印鑑証明書 性別欄撤廃へ (読売・神奈川版 2003/06/18)

性同一性障害者の陳情受け  施設使用申請書なども

 藤沢市は十七日、印鑑証明書など市が発行する証明書やその申請書などから可能な限り性別欄を撤廃する方針を決めた。心と体の性の不一致に悩む人にとって、証明書の申請や投票時の本人確認などで不快な思いをするケースも多く、改善を求める声が出ていた。

 市によると、性別欄の記載が必要な証明書や申請書などは、把握するだけで約四百あり、法律改正が必要なものを除くと約三百が対象。このうち印鑑証明書については、条例の改正で性別記載欄を削除できるため、市は今年度中に改正案を提出する方針だ。このほか、公民館やスポーツ施設など市の施設の使用申請書からも性別欄は削れるという。印鑑証明書については、東京都小金井市、埼玉県の草加、新座市、鳥取市の四市がすでに性別欄をなくし、千葉県市川市も八月から撤廃する見通し。

 この問題は、性同一性障害と診断されている藤沢市内の会社員平辻幹さん(39)が市議会に出した陳情が発端だった。陳情の中で平辻さんは、申請書などにある性別欄の撤廃のほか、国に対し、治療時の健康保険の適用、公文書からの性別記載の削除などを求めている。

 市の方針はこの日、平辻さんからの陳情を審議した市議会総務委員会(山口幸雄委員長)の席で、市幹部から明らかにされた。平辻さんは「横浜や千葉の仲間と話し、何かやれることはないかと思って陳情した。とてもありがたいこと」と話している。

藤沢市、公文書の性別欄撤廃を検討へ (産経・神奈川版 2003/06/18)

 藤沢市は十七日、体と心の性別が一致しない性同一性障害(GID)の人たちに配慮して各種申請・証明書など公文書からの性別欄撤廃を検討する方針を固めた。この日の市議会総務常任委員会で、性別欄撤廃や社会環境の整備などに関する陳情が了承されたのを受けた措置。公文書の性別欄撤廃の方針を示した自治体は県内で初めて。

 陳情を出していたのは、GIDを抱える藤沢市在住の会社員、平辻幹さん(39)。公文書からの性別欄撤廃や社会環境の整備などを求める意見書を国などに提出するよう求めていた。市議会では意見書を本会議の議決を経て国に提出する。

 市は委員会の決定を受け、「法的に難しいものもあるが、できるだけ性別欄を撤廃していきたい。今年度中に議会に条例改正案を提出したい」という見解を示した。公文書は約千七百種類あるというが、「印鑑証明書がとっかかりになると思う」としている。

 委員会終了後、記者会見した平辻さんは「たいへんありがたい。この動きが広がっていけばいい」と心境を述べた。

 平辻さんは三十歳を過ぎてから自分の性別に違和感を覚えるようになり、GIDの専門病院に通院。妻や実家、会社にも事情を説明したが、「妻が、かなり苦しんでいるのは感じる」と複雑な胸中を語っている。

 全国では東京都小金井市、埼玉県の新座市、草加市などで印鑑証明書など一部の公文書で性別欄を撤廃している例がある。

「公文書から性別撤廃を」性同一性障害の藤沢の39歳陳情 市議会委きょう審議 (朝日・湘南版 2003/06/17)

 藤沢市の会社員 平辻 みきさん(39歳)は、心と体の性が異なる「性同一性障害」で悩み病院で治療を受けていて、数年後には「女性」への性別適合手術を希望している。

 いま同障害の人を対象に国会で戸籍の性別変更が可能になる法案が審議されている なか、平辻さんは、藤沢市が公文書に性別記載をなくすことなどを求めて陳情書を議会に提出、17日の総務常任委員会で審議される。

 平辻さんは、15年前にいまの妻と結婚し、子供はいない。結婚前は、「女性の服装などに興味はあったが病的だという明確な意識はなかった」。30歳をすぎてから、性への違和感を強く感じるようになり、精神的に不安定な日々が続いたという。

 一年前に妻に苦悩を打ち明けた。「理解してもらい、いっしょに買い物に行ってい る」と語る。会社以外の生活では女性の格好をしているという。

 平辻さんは、日本精神神経学会が定めた「診断と治療のガイドライン」に沿って、 月一回治療を受けている。数年後、手術を受けたあと「ふつうに暮らせる環境を整えるため」、今回陳情した。

市議会平成15年6月総務常任委員会 (2003/06/17)

[ 平成15年 6月 総務常任委員会−06月17日-01号 ]

(前略)

△(4) 陳情15第 9号  性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情

○山口 委員長 日程第4、陳情15第9号性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情を議題といたします。

      ──────────────────────────────

  陳情15第 9号  性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情

藤沢市議会議員のみなさまにおかれましては、日頃より市民生活向上のためご尽力頂き、心より感謝申し上げます。

私は、性同一性障害の当事者です。性同一性障害とは、心の性と体の性が一致せず、その食い違いに苦しむ状態をいいます。そのため、医学的、心理的、社会的、家族的及び経済的な様々な問題を抱えています。
特に、戸籍の性別と社会生活上の性別が異なることにより、就職するとき、家を借りるとき、医療機関を利用するときなど様々な場合に非常に困難を伴います。

そのため、アルバイトでしか就労できなかったり、性別が記載された保険証を用いたくないために医師にかかれず、命を落とす人がいるようなケースもあります。さらにその保険も、性同一性障害の治療にはほとんどが適用外であり、当事者にますます重い負担を強いています。

市役所などの公的機関においても、本人であることを疑われて時間を要したり、不快な対応を受けることもしばしばです。こうしたことにより、国民の権利である選挙権さえ行使しにくい状況です。

「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が2000年の12月に制定され、関連の答申「人権救済の在り方について」及び「人権教育・啓発に関する基本計画」では、性同一性障害を有する者の差別を解消し、人権の擁護に資することをうたっているにもかかわらず、私達当事者の不自由さは何ら変わっていない現状です。このように、戸籍と異なる性で生活する性同一性障害の当事者に対し、早急に必要な法の制定と社会環境の整備を求めます。

地方自治体で実現可能なものとして、以下につき実現のため検討くださるようお願い申し上げます。

1.印鑑証明書など、性別欄の存在する証明書や申請書などからの不必要な性別欄の撤廃

2.性別によらない選挙における本人確認方式の再考

3.市職員などの公務員、教育関係者、医療従事者などへの研修と理解の促進

4.学校における教育の一環としてのとりあげと、理解の促進

次に下記に関する意見書を政府に提出いただきたく、お願い申し上げます。

1.性同一性障害の治療に対する健康保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充

2.求職時の性別記載の撤廃と不当解雇、職場差別などの禁止及び職場での支援

3.公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除

4.性同一性障害を含む教育の充実と教育現場での理解と若年層患者に対する支援

5.教育、医療関係従事者、公務員など、性同一性障害に関わる人々への研修と育成

以上陳情申し上げます。

                                2003年6月2日

                      神奈川県藤沢市○○○○○−○−○−○○○
                      ○○ ○
 藤沢市議会議長
  国 松  誠 殿

      ──────────────────────────────

○山口 委員長 提出者、陳情項目などについて、事務局に説明させます。

◎小野 議会事務局主幹 説明いたします。
 この陳情につきましては、平成15年6月13日及び16日に本人から一部訂正、削除の申し出がありましたので、あわせて訂正後の内容で説明をいたします。

 陳情15第9号。表題「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情」

 陳情項目。地方自治体で実現可能なものとして、以下につき実現のため検討くださるようお願い申し上げます。

1.印鑑証明書など、性別欄の存在する証明書や申請書などからの不必要な性別欄の撤廃。2.性別によらない選挙における本人確認方式の再考。3.市職員などの公務員、教育関係者、医療従事者などへの研修と理解の促進。4.学校における教育の一環としてのとりあげと、理解の促進。

 次に下記に関する意見書を政府に提出いただきたく、お願い申し上げます。

1.性同一性障害の治療に対する健康保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充。2.求職時の性別記載の撤廃と不当解雇、職場差別などの禁止及び職場での支援。3.公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除。4.性同一性障害を含む教育の充実と教育現場での理解と若年層患者に対する支援。5.教育、医療関係従事者、公務員など、性同一性障害に関わる人々への研修と育成。

 以上陳情申し上げます。

 陳情提出者、神奈川県藤沢市○○○○○−○−○−○○○、○○ ○。

 以上です。

○山口 委員長 次に、この陳情に対する市当局の考え方について説明を求めます。

◎井上 市民自治部長 陳情15第9号性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情について御説明申し上げます。

 当陳情にあります性同一性障害とは、自分が身体的、社会的にどちらの性別であるかを認識していながら、精神的には自分自身の身体的、社会的な性別に違和感を抱き、または反対の性別に属していると感じ、それにより強い精神的な葛藤を覚え、精神の性別と生まれ育てられてきた性別との間に生ずる適応の障害であります。そのため、医学的、心理的、社会的、家族的及び経済的なさまざまな問題を抱えております。当陳情は人権問題として性同一性障害を持つ方への必要な法整備と社会環境の整備を求めるものであります。地方自治体で実現可能なものとして検討を求められている印鑑証明書など性別欄の存在する証明書や申請書などからの不必要な性別欄の撤廃など4点、また国に対しての意見書として、性同一性障害の治療に対する健康保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充など5点を提出することを求めているものでございます。

 まず最初に、性同一性障害の人々に対しての人権問題につきましては、2000年12月に制定された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律に基づき策定された人権教育・啓発に関する基本計画に、性同一性障害に関する知識や理解を深め、さらには状況に応じてその解決に資する施策の検討を行うとされています。また、2001年5月、人権擁護推進審議会からの人権救済制度の在り方についての答申においては、性同一性障害を理由とする差別的取り扱い等についても積極的救済を図るべきとされております。

 本市におきましても、女性、子ども、高齢者、障害者、同和関係者などの人権問題についての幅広い啓発講演会を開催し、人間の尊厳や基本的人権思想の普及と高揚を図っております。また、これらの問題のほかにも人権に関する問題が多く存在し、時代の変化に伴い発生しております。今回の陳情での性同一性障害を持つ方々への人権問題などを含め、一人一人が人権意識を高めるよう、今後も人権啓発を進めていきたいと考えております。

 次に、地方自治体で実現可能なものとして、御要望の1点目、申請書、証明書などの性別欄設定の状況につきましては、現在、本市の申請書は1,700件を超えておりますので、印鑑登録証明書を例に挙げますと、本人に関する事項は住所、氏名、生年月日、性別となっており、総務省が全国自治体に対して示した印鑑登録証明事務処理要領により、本市の印鑑条例に規定しているものであり、印鑑証明書を含めまして、申請書、証明書の性別欄の撤廃について、今後検討をしてまいりたいと考えております。

 2点目の選挙における本人確認につきましては、選挙人名簿に基づき行っております。公職選挙法では、選挙人名簿に選挙人の氏名、住所、性別、生年月日の記載を義務づけておりますが、本人確認の方法を今後検討してまいりたいと考えております。

 3点目の職員に対する研修という点につきましては、性同一性障害への理解という視点を見ましても、社会的にはまだまだ認識や対応が行き届いていないという状況と思われますが、行政に携わる者は性同一性障害の方を含め、さまざまな障害者に対し認識を深め、行政からのサービスを向上させていく必要があることからも、一層理解を深めるよう努めてまいりたいと考えております。

 4点目の学校における取り組みといたしましては、まず保護者及び本人の意思や気持ちを酌み取る姿勢が一番大切であると考えております。児童生徒への対応といたしましては、単に性別で区別をしない、また性別でなく、一人ずつの個性を重視するという基本的な考え方に立って進めております。具体的には1点目として、名簿を男女順でなく混合の名簿にする、2点目として、ネームラベルなども男女の色分けをしないなどの対応をすることにより、常に性別のみで区別をしないよう心がけております。

 次に、教職員に対しては、専門家による研修を実施し、理解を深めるよう今後とも努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、国への意見書の提出でございますが、この問題につきましては、現在、与党の議員が中心となり、性同一性障害の方たちのための性別取り扱い特例法案を国会に提出しようとしております。一定の条件を満たせば、戸籍の性別を変更できるようにしようとするもので、今国会の成立を目指しているものでございます。

 1点目の性同一性障害の治療に対する健康保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充の健康保険の適用につきましては、保険診療は健康保険法等により失業や負傷に関しての診察、処置、手術、薬剤等の支給などの療養の給付を受けることができます。しかし、診療内容によっては制限があり、健康診断、美容整形等といった診察については保険外治療となることのことです。また、診断、治療が可能な医療機関の拡充ですが、性同一性障害の治療の拠点となるジェンダークリニックは、現在、埼玉医科大学と岡山大学の2カ所で、それ以外ではチームを組んで総合的に治療していないまでも、精神科で性同一性障害の外来をしている病院もあります。数的にはまだ少ない状況と言われており、医療体制の整備が問われているところでございます。

 2点目の求職時の性別記載の撤廃と不当解雇、職場差別などの禁止及び職場での支援につきましては、男女雇用機会均等法では労働者の募集、採用、配置、昇進、退職、解雇に当たっては、男性と女性の差別的取り扱いは禁止されております。公共職業安定所におきましては、この法律に従い、求人の手続や求職のあっせんに当たっては、男性、女性の区別をすることなく行っているところであります。また、現在、求職手続の際に男女別の申請用紙を使用しておりますが、これは統計を作成する上で必要なため実施していると伺っております。また、性同一性障害を起因とした不当解雇は職場における差別の実態の把握は困難でありますが、このような問題に対処するため、労働基準監督署では相談業務を実施し、解決のための指導あっせんを行い、本市におきましても労働法専門の弁護士による相談業務を月1回実施しているところでございます。

 3点目の公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除につきましては、対応可能と考えております。

 4点目の性同一性障害を含む教育の充実と教育現場での理解と若年層患者に対する支援、5点目の教育、医療関係従事者、公務員など、性同一性障害に関わる人々への研修と育成につきましては、性同一性障害の理解という視点から研修と啓発を行うことが必要であり、可能な事項であると考えるものでございます。

 以上で、陳情15第9号についての説明を終わらせていただきます。

○山口 委員長 説明が終わりました。

 これから質疑を行います。質疑はありませんか。

◆熊倉 委員 今、説明がありました件について、まず5点お伺いしたいと思います。この性同一性障害を持つ方々というのは、人権問題という意味においても、社会的に非常に苦労されているというふうに思いますけれども、まず最初に、説明の中にもありましたけれども、改めて確認をさせていただきたいんですが、基本的な事項として性同一性障害及び性同一性障害者、これはどのように定義されるものなのか。私の認識では、総合失調症のような非常に重度な心の病ではないかと私は認識しておるんですけれども、そういう意味で、この定義についてもう一度改めて確認をさせていただきたいと思います。

 2点目でございますけれども、この陳情の中に大きく二つの要望がございまして、本市に対する要望の中で、3番目、4番目の項目で、市職員などへの研修と理解の促進、それから4点目として学校における教育の一貫としての取り上げ、理解の促進というふうに書いてございますが、市職員などへの研修と理解の促進については、既に実施中であるというふうな御答弁があったかなと。また、加えて一層理解を深めると御答弁があったように認識しております。加えて、職員に対する研修を実施していくというふうに御回答があったように聞いておりますけれども、どのような研修をどういう時期からスタートする計画があるのかを確認させていただきたいと思います。

 同じような意味で、教育の現場においても、既にいろいろと実施している。例えば名簿の順だとかということでありましたけれども、この陳情者の方は、現状の今の取り組みでは不十分であるというふうに認識しているのではないかなと想像しますけれども、さらに一層の理解の促進をするためにどのようなことを考えているのかをお伺いしたいと思います。

 大きな3点目でございますけれども、先ほど現行の各種公文書、申請書等の書類が約1,700件に及ぶということでございました。また加えて、性別記載の再考と可能な限りの削除は可能であるというふうな御答弁もあったかと思いますけれども、法的に性別の記載は義務づけられている公文書類、これはどのようなものがあるのかを確認させてください。

 4点目でございますけれども、本市に対してのこの陳情のみならず、他市への陳情もしていると同時に、他市においてもこのような取り組みが既になされているように新聞報道等で聞いておりますけれども、他市の同様な件に関する対応状況はどういう状況になっているのかを確認させてください。

 最後、5点目でございますけれども、現在、国会でも特例法案ということで検討がなされているというふうな御説明もございましたけれども、検討されている内容としまして、家庭裁判所で性別変更の審判を求めることができる要件、これについても一定の考え方があるようにも聞いております。その要件とはどういうものなのか、わかる範囲でお教えいただければと思います。

◎船橋 市民自治部参事 1点目の性同一性障害の定義でございますが、現在の社会は、女性として生まれたならば女性として生き、男性として生まれたならば男性として生きることを強制されている社会と言えているのではないかなと思います。インターセックスの方もどちらかの性に振り分けられて与えられた性で生きることを現在求められているのではないかと思っております。しかし、こうした固定化された性別を越境して生きようとする、そういう方々もいらっしゃるわけで、このような方々をトランスジェンダーと呼んでいるようなございますが、その方たちには自分の肉体的な性別と性自認の間に違和感を感じていられる方が多々いられると聞いております。その方たちが医療的な側面からは、そうした人々の持つ違和感のあり方が診断基準を満たす場合を性同一性障害と呼んでいるということでございます。

 4点目、他市の状況でございますが、現在、平成15年4月1日から印鑑証明書に限って申し上げますと性別欄の削除をしているものが、東京小金井、埼玉県新座・草加市、鳥取県の鳥取市、それと千葉県の市川市がことしの8月から印鑑証明書の性別欄の削除を行うように聞いております。また、統一地方選挙で世田谷の区議になられた方も、男の方から女の方という形で、世田谷区の選管が戸籍と違う性別で認めたという事例も現在ございます。

 5点目、性同一性障害者性別特例法案の内容でございますが、最高裁の判決で、戸籍の性別形成は婚姻などの身分関係も含めた関係法令に重大な問題を引き起こすという形で指摘されまして、取り扱いには立法にゆだねられると考えるべきだと、国会にげたを預けられております。それを受けまして、与党のプロジェクトチームが策定した法案は、2人以上の専門医から性同一性障害と診断されている方で、1点目として20歳以上の方、2点目、現在、結婚していない方、3番目、子どもがいない方、4番目、手術などで生殖が不能になっている方、5番目、性別適合手術を受けたなどの条件を満たさなければならない、そういった形でございますが、その上で家裁の審判を経て、性別を変えることができるということになっております。ただ、3点目の子どもがいないという条件をめぐっては、当事者の方、あるいは支援者の間でいろいろ賛否が分かれていると聞いております。法案には、施行3年後をめどとして見直しが盛り込まれておりますし、また、公布の日から起算して1年を経過した日から救おうという形で案ができております。

◎沖山 職員課主幹 では、私の方から、職員への研修という項目の中での回答をさせていただきます。考え方の基本としましては、男か、女か、あるいは健常者か、障害者か、そういうような区別でなくて、まず人間である、あるいは個人であると、そういうような形で人間を見られる職員であるべきだと、そういう考え方で具体的には研修を進めております。職員としましても、多くの市民、あるいはさまざまな生き方をされている市民、あるいはいろんな境遇の方がおられます。障害を持っておられる方を初め、思いもよらぬ境遇にあるという方もいられると思います。そういった方と接する、人間として接せられる、そういったような考え方から意識啓発を進めておりまして、相手の悩みであるとか、苦しみとか、そういったものがわかる職員になってほしい。そういった位置づけの中から検証を進めておりまして、具体的には新採用時の職員から、人権、これは幅広く障害者全般を指すものですけれども、研修しております。それから、採用の6年目の職員、中堅の職員ですけれども、これらの職員については市の福祉行政全般についての内容を広く知らせる、あるいは実体験させるという意味で、市内にあります福祉施設での体験学習もさせております。また、専門的な研修の一環としましては、手話講習というものもしておりまして、全般的には障害者を広く考えられるような職員になってほしいという意味から研修を進めております。

◎新井 学校教育課長 学校教育での取り組みということについてお答えさせていただきます。

 学校教育の中では、一人一人すべての子どもたちを大事にする、お互いに大事にするという観点で教育活動が進められております。特に道徳の授業ではそういう観点で授業がなされていると、こういうふうに考えています。それから、教育委員会独自で子どもの権利リーフレットというものを作成しまして、一人一人大事にする、一人一人の人権を大切にするという観点でのリーフレットを作成して、全校に配布しております。そういった中で、子どもたちの人権感覚、人権意識を育てていきたい、このように考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

◎竹村 市民自治推進課課長補佐 それでは3点目の藤沢市が取り扱っております申請書等の中で、男女別の性別欄を削除するものがあるか、ないかということの中で、法的な根拠に基づいての申請書の種類ということがお尋ねだったと思いますけれども、1,700件の中で全部をお答えすることができませんけれども、手持ちの中で御説明をさせていただきますと、まず市民窓口センターの方で担当しております住民異動の関係、もしくは戸籍法に基づく関係の書類で御説明をさせていただきますと、戸籍の届け出の中では婚姻、出生、死亡、離婚等の届けの中に男女の性別を記入するようになってございまして、これは戸籍法に基づくものというふうに理解をしていただければと思います。それと、先ほど御説明をいたしましたけれども、印鑑証明書の登録の申請の中にも、男女の性別欄がございまして、こちらについては国の方からの指導の事務要領に基づいて記載するようになっているものでございます。

 それと、あとは国民年金、それと国民健康保険、それとあと老人の老人保健法とか、そういったものの申請書がございまして、そのほかには介護保険に基づく申請書類につきましても男女別の記載がございます。すべてを御説明することができませんけれども、一応法律に基づいて男女別の記載をする申請書といたしましては、おおむね以上のようなものでございますので、詳細につきましてはまた調査をしなければお答えができませんけれども、当面こちらで持っています資料に基づきましてお答えをさせていただきました。よろしくお願いいたします。

◆熊倉 委員 今の御説明感謝いたします。それに加えまして何点か追加でお聞きしたいと思うんですけれども、まず最初の研修、それから学校教育の件でございますけれども、どうも御説明を聞いていますと、障害者を中心として、この人権教育というのは既に実施していますというように私の耳にはちょっと聞こえてしまったんですが、陳情者の方はそれに対して不足感を感じておられるのではないのかなと。ここに書いておられるような性同一性障害を抱える人たちに対する理解をより深めていただきたいというのが、この陳情の趣旨であるのではないかと私は受け取っておるんですが、それに対して、今後どうしていこうとかというようなところがいま一つ見えなかったので、特出しをして、この性同一性障害を抱える方たちに対する理解を深める研修、また学校教育、これに対して、何かお考えがあればお聞かせいただければなと思います。

 2点目でございますが、さまざまの書類に法的に性別の記載が義務づけられていて、ここですべて挙げるにはちょっと多過ぎますよという御回答で、また全部挙げられても私、頭に入らないので結構でございますけれども、この性同一性障害と診断された方の性別変更となりますと、先ほどの説明にありました戸籍法を含めて、現行の法律の改正も必要となってくるのではないかなと想像しますけれども、現行法の改正の動向、これはどのような状況であるか、もしおわかりでしたらば教えていただきたいと思います。

 以上、2点お願いいたします。

◎沖山 職員課主幹 先ほどの答弁、ちょっと不足があったと思いますけれども、特に性同一性障害の方を対象とした啓発、研修というのは行っておりません。しかし、この方を障害者というふうに呼ぶかどうかも含めてなんですけれども、広く人権という形の中から、やはりとらえていく必要があるだろうという観点から研修を行っておりまして、今後さまざまな障害を持つ方も出てこられるかと思いますけれども、そういった方を含めての意識啓発というものを今後ともしていこう、そういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◎新井 学校教育課長 学校教育の中で人権教育を進めていることは事実でございます。ただ、性同一性障害者というのを一つの特出しした形で学校教育の中で進めていくということについては、さまざまな課題があろうかと、このように考えております。現在、学校では先ほど申し上げましたけれども、一人一人を大事にするという観点でトータル的な人権教育を進めていると、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

◎船橋 市民自治部参事 2点目の現行法改正動向でございますが、現在求められておりますものは、戸籍の性別訂正、これでございまして、戸籍の性別訂正からさまざまな問題が解決される、そのような形で今方向としては向いているところでございまして、1点だけでございます。

◆塚本 委員 ただいまるる質問がございまして、ダブっても申しわけありませんので、質問を絞って1点だけ御質問させていただきます。

 今、この性同一性障害の問題が全国的にも取り上げられてきまして、国民の意識も非常に高まっているのが現状だと思います。ところで、本市以外の他市の具体的な取り組みが現在どのようになされているのかということをもう少ししっかりと掌握をしながら研究を進めていくことが、本市においても具体的にこの問題を取り組んでいく大きな参考になるのではないかなと、このように考えます。そういう観点から、先ほど他市での状況も御説明がありましたけれども、神奈川県内でも非常に先進的にこの問題に取り組んでいる行政があると伺っておりますけれども、そういうところを本市としてどのように掌握をされているのか。また、掌握されているのであれば、その市が具体的にどのように取り組まれているのか、そういうことに関してお聞きをしたいというふうに思います。

◎船橋 市民自治部参事 ただいまの御質問でございますが、神奈川県内では大和市が今回の総務常任委員会にかかりまして、継続審議となったというふうには聞き及んでおりますが、県内の状況としては、今のところ正確な状況は把握しておりません。

◆塚本 委員 今後そこら辺をしっかりと掌握していただきたいんですけれども、あえてもう1点だけ。先ほどありました、世田谷の区議の模様が報道されましたけれども、今回、性同一性障害の当事者の方がいわゆる区議会議員となられて、初質問をされたわけなんですけれども、もし掌握されているならば、そのときの質問の内容、またそれに対する区の答弁がわかりましたらお答えいただきたいと思います。

◎船橋 市民自治部参事 ただいまの御質問にお答えいたします。インターネットで得た情報でございますと、上川あや議員の質問に答えてございますのは、印鑑登録の申請用紙や選挙の入場整理券などを例に挙げ、性別記載欄の取り扱いについて、区側の姿勢を質問しております。助役は、議会と相談しながらできる限りの対応をしたいなどと答弁しております。世田谷区は既にすべての行政書類について、慣例だけで記載欄が設けられているものはないかなどを調査しております。議員は、行政書式に当たり前のように性別を書く欄がある、そこで手がとまってしまう人がいることを理解してほしいと話していた、そのような状況であるようでございます。

○山口 委員長 お諮りいたします。委員外議員の発言を認めることについて、異議はございませんか。

              (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○山口 委員長 御異議がありませんので、発言を認めることといたします。

◆原田 議員 ありがとうございます。1点だけお聞かせください。この陳情が途中で訂正をされましたね。国に対する意見書の項目のところで、1番目に挙げられていた戸籍の性別訂正を可能にする法律の制定。先ほど法的に訂正が可能なものというか、訂正不可能なものを挙げていただいたんだと思うんです。逆に言うと、それらを聞きますと、当事者の人たちの事情、一番心証を害する、非常に不快な思いをされている一番具体的な部分が、戸籍法があるがゆえに、やはりなかなか対応が不可能な状態にあるということなんだろうと、先ほどの御答弁は。すると、やっぱり戸籍法を具体的に変えていくという当然国会の動きがあるわけですけれども、この1番の要求項目が削除された理由、理由がここにも明記されていないということも含めて、もし当委員会の皆さんにおかれまして、その辺のことを御了解されているのであれば、その事情をお聞かせいただきたいのと、この要求項目は、むしろ今こそ必要なのではないかなと思ったんですけれども、その点について、当局の方の御見解があればお聞かせをいただきたいと思います。

◎井上 市民自治部長 それでは、御質問にお答えしたいと思いますが、1点目の削除された部分につきまして、陳情者の方ともお話しさせていただきましたが、今国会で提案されるという状況の中で、新聞報道を含めて、きょうも部会長であります南野参議院議員の秘書の方とお話をさせていただきましたけれども、提出されるということが私の方も確認されておりますので、陳情者の方も、これが国会で審議されるという中での削除ということになったのかというようなことです。

◆原田 議員 つまり、これは市の方として、今の状況に沿っていないから削除をするべきではないかというサジェスチョンがあったということなんでしょうか。そういうことではないんですか。だから、その確認をしたいんです。

○山口 委員長 これで質疑を終わります。

 休憩いたします。

      ──────────────────────────────

                午後0時27分 休憩

                午後0時28分 再開

      ──────────────────────────────

○山口 委員長 再開いたします。

 これから討論を行います。討論はありませんか。

◆塚本 委員 それでは陳情15第9号性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情に対する藤沢市公明党の討論を行います。

 現在、政府・与党は、与党性同一性障害に関するプロジェクトチームを発足させております。心と体の性が一致せず苦しむ性同一性障害の戸籍上の性別変更を可能にする特例法案を議員立法で国会に提出しており、今国会における成立が待たれるところであります。また、この問題に関してヒューマニズムの政治を掲げる我が公明党においても、性同一性障害に関する問題を人権尊重の立場で取り上げ、昨年11月から党内で勉強会を開き、性同一性障害に悩む人々の支援策について小委員会を設置して活発に研究を進めてきたところであります。そして、本年2月には法務大臣、また総務大臣に対して、戸籍法改正を初め記載が不要な公文書から性別削除のための立法措置などを申し入れするなど、積極的にこの問題に取り組んできたところであります。

 そこで、藤沢市公明党といたしましても、陳情者及びその家族のお悩みは察するに余りがあることだと認識しており、現状が少しでも改善され、同障害を抱える方々が普通に暮らせる社会の実現を願い、本陳情を趣旨了承といたします。

○山口 委員長 これで討論を終わります。

 採決いたします。陳情15第9号は趣旨了承とすることに御異議ありませんか。

              (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○山口 委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。

 陳情が趣旨了承となりましたので、意見書の議案を提出することになりますが、文案については正副委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。

              (「異議なし」と呼ぶ者あり)

○山口 委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。

(後略)

性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情 (2003/06/17)

総務

証明書等の性別欄撤廃を検討

性同一性障害者が要望

 総務常任委員会は、6月17日に開催され、陳情七件を審査した。

 その結果、2件が趣旨了承、5件が趣旨不了承と決定した。

(中略)

〇性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会を実現することを求める陳情

 この陳情は、本市の住民から提出されたもので、市に対して、印鑑証明など、性別欄の存在する証明書や申請書などからの不必要な性別欄の撤廃等4項目の実現を要望し、また、国に対して、性同一性障害の治療に健康保険の適用及び診断、治療が可能な医療機関の拡充等5項目に関する意見書を提出してほしいというもの。

〈市の説明〉

 性同一性障害とは、自分が身体的、社会的にどちらの性別であるかを認識していながら、精神的には自分自身の身体的、社会的な性別に違和感を抱き、または反対の性別に属していると感じ、それにより強い精神的な藤を覚え、精神の性別と生まれ育てられてきた性別との間に生ずる適応の障害である。そのため、医学的、心理的、社会的、家族的及び経済的なさまざまな問題を抱えている。 本陳情は、人権問題として、性同一性障害を持つ方への必要な法整備と社会環境の整備を
求めるものである。

 まず、性同一性障害の人々に対しての人権問題については、一人ひとりが人権意識を高めるよう今後も人権啓発を進めていきたい。

 次に、地方自治体で実現可能なものとして、次の4項目を検討することにした。(1)申請書・証明書などの性別欄設定の状況については、現在本市の申請書は、1700件を超えており、印鑑証明書を含めて、申請書・証明書の性別欄の撤廃を検討していきたい。(2)選挙における本人確認については、選挙人名簿に基づき行っており、公職選挙法により性別の記載が義務づけられているが、本人確認の方法を検討していきたい。(3)市職員に対する研修については、行政に携わる者は性同一性障害の方を含め、さまざまな障害者に対し認識を深め、行政からのサービスを向上させていく必要があることからも、一層理解を深めるよう務めていきたい。(4)学校における取り組みとしては、児童生徒への対応としては、単に性別で区別をしない、また、性別でなく、一人づつの個性を重視するという基本的な考え方に立っている。 また、教職員に対しては、専門家による研修を実施し、理解を深めるよう努力したい。 国への意見書提出の各項目については、今後の検討が可能な事項であると考えられる。

 (趣旨了承と決定した)


(写真)誰もが普通に暮らせるよう制度の充実を

神奈川・藤沢市


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