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奈良県橿原市

updated 2004/07/16


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性同一性障害特例法、きょう施行 橿原が性別記載など配慮 (毎日・奈良版 2004/07/16)

 ◇県内、協議中の自治体も

 性同一性障害を持つ人々が、戸籍上の性別を変更することを可能にする「性同一性障害者の性別取り扱い特例法」が16日に施行される。県内では、橿原市が昨年の知事選から性別記載を別の記号を使って行うなどの配慮も始まっている。法施行を前に、県内自治体の動きを取材した。

 性同一性障害は、心と体の性が一致しない状態。原因は、ホルモンバランスの不具合などさまざまな説がある。同法は昨年7月に国会で可決。家庭裁判所で戸籍上の性別を変更ができるようになったが、20歳以上▽結婚していない▽子どもがいない▽生殖が不能、などの条件があり変更ができる人々は限られる。このため支援団体では、自治体発行の公文書などから性別欄の削除を求める運動を行っている。

 橿原市は、昨年の知事選から、投票所入場券の性別表記を「男」「女」から数字に変更。その理由を同市では「男女の区別は統計上必要だが、内部で分かればよい。性同一性障害の人にも配慮して、数字に変えた」と話す。

 また、今年1月の印鑑証明書の性別削除をはじめ、3月までに53書類で性別欄を削除した。また、同市は性別欄の削除をさらに発展させ「不必要な個人情報は収集しない」との立場から17書類についても生年月日、年齢、職業などの記載を見直した。

 一方、他の県内自治体は「庁内書類で記載欄の削除ができるものがあるかどうかを人権同和施策課を中心に整理し、検討している最中」(奈良市)、「各課で協議して、文書課が取りまとめ中。今後どうするかは、協議の段階」(生駒市)など。改善に前向きな姿勢は見せているものの、実行には至っていないのが現状のようだ。【曽根田和久】(毎日新聞)

橿原市議会 印鑑登録原票の性別記載欄を削除する改正案を可決 来年1月から (毎日・奈良版 2003/12/09)

 橿原市議会は8日、12月定例会を開会し、印鑑登録原票から性別記載欄を削除する市印鑑条例の一部改正案を可決した。心と体の性が一致しない性同一性障害の当事者に配慮したもので、県内では初。また開会に先立ち、先月29日にイラクで銃撃され亡くなった2人の日本人外交官の冥福を祈り黙とうした。
 【中本泰代】

◇性同一性障害に配慮

◇条例改正案市議会可決 市、ほか250件でも検討

 同市議会は9月定例会で、性同一性障害の人の戸籍上の性別変更を可能にする特例法の、改正を求める意見書を全会一致で採択。意見書では合わせて、公文書からできる限り性別記載欄を削除するよう求めていた。

 市で調べた結果、個人情報の記載がある市の事務事業678件のうち、法的根拠があり、さらに市独自の判断で同欄を削除できるものは印鑑登録原票だけと分かった。

 このため市議会は同日、市印鑑条例の一部改正案を議員提案。委員会付託を省略し、即決で可決した。条例は来年1月1日から施行される。

 全国ではすでに、東京都小金井市、鳥取市などで、印鑑登録原票や証明書から性別記載欄を削除している。

 また市は、性別記載欄がある事務事業約250件について、削除が可能かどうか調べており、来年4月以降、できるものから削除していく方針。

◇「井ノ上書記官が友好の懸け橋に」 市議会で黙とう

 イラクで亡くなった井ノ上正盛1等書記官(30)は、昨年のサッカーW杯でチュニジア代表チームのキャンプ地となった橿原市の訪問団が同国を訪れた際、現地での受け入れに奔走した。

 井上龍将議長は「井ノ上書記官のご苦労により、市とチュニジアの友好親善に多大な成果があった。今後、このような事件が起こらないよう祈りたい」と述べ、議場の全員で黙とうをささげた。(毎日新聞)

印鑑登録から性別欄削除へ 橿原市、性同一性障害に配慮 (共同 2003/12/08)

 性同一性障害者に配慮して、印鑑登録原票から性別欄を削除する奈良県橿原市の改正印鑑条例が8日、市議会で可決、成立した。

 来年1月1日から施行され、印鑑証明や登録申請書から性別の記載がなくなる。改正後の記載は登録番号、登録年月日、氏名、住所、生年月日の5項目。

 橿原市議会は9月、性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書を全会一致で採択し、首相や法相らに提出。

 市は11月の衆院選や知事選の投票入場券から性別欄を削除したほか、性別記載欄がある約250種類の公文書について、それぞれ性別の記載が必要かどうかの調査を進めている。

 公文書から不必要な性別記載を廃止する動きは全国に広がっており、東京都小金井市や鳥取市なども印鑑証明からの性別記載削除などの対策を取っている。

City in Nara Pref. to remove gender column from official form (Kyodo 2003/12/08)

The municipal government of Kashihara, Nara Prefecture, said Monday it will stop requiring residents to list their gender when they register their seals as part of efforts to take into consideration people with gender identity disorders.

The city assembly passed a bill during the day's session to revise the current ordinance on seals to remove the column for marking one's gender on the seal registration form as well as its related application. The change will take effect Jan. 1.

The move is in line with the city's efforts to establish a society where those with gender identity disorders can live at ease. It comes after the city assembly in September unanimously approved a written opinion on this and submitted it to the prime minister's office and the Justice Ministry.

The city is now looking at whether about 250 other kinds of official documents need to have gender listed.

Other municipalities, including Tokyo's western suburb of Koganei and the city of Tottori in Tottori Prefecture, have already deleted the gender column for their seal registration forms.

投票整理券から性別記載を削除 橿原市選管 (朝日・奈良版 2003/11/02)

 橿原市選管は、9日に投票される総選挙と知事選の投票所入場整理券から、男女の性別記載を初めて削除した。9月の同市議会で「性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書」を採択したことを受けた措置という。

 同市選管は「事務のシステム処理で、本人と確認できる方法が確保できたため」としている。10月19日に投票された同市長選と市議補選には準備が間に合わず、総選挙と知事選から実施することになった。

 同市は市議会の意見書採択を受け、市条例や規則など性別表記がある117件のうち、市独自に対処できる「市印鑑条例」の性別を撤廃する改正案を12月議会に上程する見通し。また、市職員採用試験申込書の性別削除と、300前後に及ぶ各種申請書などの性別記載の削除を検討する方針を明らかにしている。

 県選管は「投票所入場整理券の様式についての規定はなく、各市町村選管が整理しやすい方法を独自に採用しているため、詳細は把握していない」としている。

性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書 (2003/09/24)

「性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書」

 心の性(性自認:自分の性をどう認識するか)と身体の性に違和感があり、それが診断基準を満たした場合を「性同一性障害」といい、その数は「男性から女性」で1〜3万人に一人、「女性から男性」では3〜10万人に一人と言われており、本市民の中にもこの問題に直面している人がいる。1997年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められ、外科的治療の性別適合手術が合法的に可能になり、翌年には、初めての正当な医療行為として、手術が埼玉医科大学で行われた。しかし、専門医は限られ、保険適用もなく、経済的にも大きな負担となっている。

 幼少時、性別を意識する頃から違和感を感じる当事者もおり、成長過程の中で、学校・家庭・社会等においてさまざまな苦痛を強いられている。戸籍と異なる性で生活している当事者の場合には、性別が記載されている住民票を提出できず、就労・入居が難しい、本人確認が重要となる選挙や各種申請が行いにくい、健康保険証等が使用できず受診すらためらわれる、男女別のトイレを利用できない、制服が苦痛、性同一性障害であることが知られたため解雇されたなど、日常的に身体的・精神的・経済的な困難に直面している。

 本年7月国会において「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が成立したが、その条件は厳しいものであった。もとより立法によってすべてが解決されるものではないと考えているが、戸籍上の性別変更の可否にかかわらず、できる限り日常生活や社会参加が可能となるよう一日も早い社会環境整備が必要である。

 よって、国及び関係行政機関においては、以下のことを早急に検討実施されるよう求めるものである。
 
1.当事者の視点にたった法の見直し

 イ.「現に子がいないこと」の削除

 ロ.生物学的には、性別が明らかでない人に対する適切な対応

 ハ.性別は、途中で変わる「変更」ではなく、もともと違っていたものを改める「訂正」とし、新戸籍を編製しないものとする。また性の訂正の痕跡を戸籍に残さないこと

 ニ.性同一性障害を理由とした名前の変更を速やかに認め、また名前の変更の痕跡を戸籍に残さないこと

2.公文書及び公的文書の性別記載の再考と可能な限りの削除

3.就職差別、不当解雇、職場差別などの禁止

4.治療の保険適用・医療機関の拡充など医療面での国の支援

5.教育、医療関係従事者など、性同一性障害に関わる専門職の人々への研修

6.セクシュアル・マイノリティ、多様な性を含む性教育の充実及び教育現場での理解

7.当事者を含む社会に対する啓発・情報提供・相談機関の確保

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 
  平成15年9月24日
                            橿 原 市 議 会

決議状況・全会一致

市議会2003年9月定例会会議録 (2003/09/24)

2003.09.24 : 平成15年9月定例会(第4号) 本文

(前略)

◯議長(井上龍将君) はい、ありがとうございます。全員でございます。

 よって本件は原案のとおり可決されました。

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 日程第24 決第8号 性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書

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◯議長(井上龍将君) 日程第24、決第8号、性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書を議題といたします。

 提案の朗読を省略いたします。

 提出者から提案理由の説明を求めます。福井君。

            (6番 福井達雄君 登壇)

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◯6番(福井達雄君) 本件につきまして提案理由及び主な内容を説明をさせていただきます。

 性同一性障害は生物学的な性と自己意識の性とが一致しない疾患であり、性同一性障害を有する者は諸外国の統計等から推測し、およそ男性3万人に1人、女性10万人に1人の割合で存在すると言われており、この障害を持つ方々は戸籍の性別と逆の性別で社会生活を送っておられます。性同一性障害につきましては、我が国では日本精神神経学会がまとめたガイドラインに基づき診断と治療が行われており、性別適合手術も医学的かつ法的に適正な治療として実施されるようになってきております。また、本年7月10日には性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律が国会で成立し、性同一性障害の人たちの抱える問題が国においても認識、立法化されるに至りました。しかし、この法律によって性別の変更が可能となる人は性同一性障害と診断された人たちのうちごく少数であり、ほとんどの性同一性障害の人たちにとってこれまでと何ら変わりのない生活を送っておられます。

 次のような生き難しさを感じ、また日常生活においても疎外感を感じている者さえおられます。まず、戸籍の性別が記載された住民票や印鑑証明書などを提出されるのがためらわれるため、就労、入居、商取引ができない、ハローワークの求職票が男女別になっており就職相談に行けない、選挙の際入場券や永久選挙人名簿に戸籍の性が記載されており、本人であることを疑われ、他の投票者、入場者に戸籍の性が知られることが懸念されるため選挙に行けない、健康保険証の性別表記も大きく表示され、提出が苦痛となり使用できず、受診すらためらわれ、受診が遅れて手遅れになったケースさえもあります。橿原市は人間らしく輝いて生きられること、そして人間らしく生きていくために人権を尊重した明るい都市づくりを基本計画の1つにとらえ、実現に取り組んでおります。そこで性同一性障害の人たちの抱える問題を重要で緊急な人権問題としてとらえ、市として可能な対応を実施するとともに、国及び関係行政機関に向けてさまざまな法律等の改善を求めるものでございます。

 つきましては、議員各位全員のご賛同をよろしくお願いし、意見書の提案理由の説明とさせていただきます。

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◯議長(井上龍将君) これより質疑に入ります。質疑ありませんか。

              (「なし」と呼ぶ者あり)

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◯議長(井上龍将君) これをもって質疑を終わります。

 これより討論に入ります。討論ありませんか。はい、平沼議員。

             (7番 平沼 諭君 登壇)

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◯7番(平沼 諭君) 本案件を賛成の立場で皆さんにご意見を訴えたいと思います。

 この問題の一番の根本は我々がすべて属しております憲法の24条に「結婚は両性の合意をもってのみ成立する」、この憲法でいう「両性」とは「男」と「女」であることは明らかであります。そして私たちの日常生活ではお父さんからお母さんから、また学校の先生から、またいろんな場所でこの世の中には男と女の2つしかない、こういうふうに私たちはもっとも尊敬すべき、また信頼すべき学校や親から小さいときから教えられ、そしてみんなが憲法のもとで平等だと、こういうことに今回の一番大きな問題があったわけでございます。しかし、ことしの7月に先ほど提案者が述べられましたように5つの理由をクリアできれば裁判所で指示をしていただいて、そして戸籍上の男から女へ、女から男へという性別の変更をできる道が開けたわけであります。

 しかし、今回のこの問題の中で奈良県下35の自治体に1人で歩いて、そして残りの13の自治体には郵送して今回の問題の不備について訴えた方が当橿原市におられました。彼女が訴えるには、本当に感動的な訴えがありました。それは「今の法律で私はすべてクリアできております。精神科医の診断ももらいました。それから外国で手術もしました。独身であります。子どももおりません。私はこの法律で救われます。しかし、この法律で救われない方がたくさんいるんです。そしてその人たちが言われたことは、『日本の法律では当事者の中で賛否両論に分かれた法律は決して法律として成功しません。そういうぎりぎりのところで、まず救われる人から救われてください。そして救われた方が残された私たちのためにまた頑張ってください。』」こういうことで最終的には今回の、ある意味では過酷とも言える条件のもとで法律ができたわけです。そこで、今回の法律ですべて適用されてる方々が今中心になって全国の自治体にこの意見書や陳情書、要望書を回ってるわけであります。

 ぜひとも皆さんのご賛同、ご理解をいただきまして全会一致で国に対するこの法律の不備について、そしてまた各自治体においては自治体でできる心と体の性の違う方が普通の人間として生きていける環境整備のためにぜひ私たちも力添えをしたいと、このように思っております。皆さん方のご賛同を得ますようにお願い申し上げまして賛成の討論にかえさせていただきます。

 ありがとうございました。

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◯議長(井上龍将君) これより決第8号について起立により採決いたします。本件は原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。

                (起立する者あり)

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◯議長(井上龍将君) ありがとうございます。起立総数であります。

 よって本件は原案のとおり可決されました。

 お諮りいたします。ただいま可決されました意見書の送付先については、議長にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ございませんか。

             (「異議なし」と呼ぶ者あり)

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◯議長(井上龍将君) ご異議なしと認めます。

 よってただいま可決されました意見書の送付先については、議長に一任することに決しました。

 ただいま可決されました意見書の当事者から謝辞の申し出があり、これをお受けすることにいたします。橿原市内の当事者もおられますが、ただいまから申し上げる当事者に限りまして傍聴席から議場に入場し、演壇で発言することを許可いたします。

 日本で初めて性同一性障害を公表し、東京都区議会議員に当選された上川あやさん、ドラマ『3年B組金八先生』の主人公、「鶴本 直さん」のモデルである虎井まさ衛さん、大阪市で女性の制服を支給され、日常生活及び職場でも心の性で生きておられる大熊ひかりさん、以上3名の入場を許可いたします。

               (上川あや氏 登壇)

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◯上川あや氏 ただいまご紹介いただきました、私、東京からまいりました世田谷区議会議員の上川と申します。この4月の統一地方議会選挙で性同一性障害であることを公表しまして、多くの投票をいただいて選ばれました。性同一性障害は数万人に1人と言われている医療疾患を抱える当事者です。社会の中では大変少数のために、社会の制度のすき間にうまく入ることができずに生活の根幹から苦しんでまいりましたけれども、皆様方がこのように小さな声を真摯に受け止めて対応くださってるということにとても心強く思っております。今後ともそれぞれいろいろな個性を持った人たち、障害を持った人たちが自分らしく生きていける、そういった社会づくりに向けて私も努力します。皆様方とともに歩んでいければと思っております。今日は本当にありがとうございました。

(拍手)

              (虎井まさ衛氏 登壇)

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◯虎井まさ衛氏 私は、あやさんと同じように東京からまいりました虎井まさ衛と申します。『3年B組金八先生』の性同一性障害を抱えた「鶴本 直」という生徒のモデルをやりました。あのドラマそのもののモデルが東京都足立区なんですけれども、実は22日に足立区議会でも初めて、下町で初めてということではなくて足立区議会で初めて党の一般質問ということをやりました。で、非常に23区の中でも遅れてる区だなということは実感していたんですけれども、だけど今日のことをその日にお話しましたら、ぜひ詳しいことを足立区のほうにもお伝えくださいと、それは非常にこの区でも励みになりますからということで、今日メモを存分にとっていきたいと思っております。そして、先ほど言われました保険証を見せるのが嫌で死んでしまった例もありますというのは私の友達です。がんだったんですけれども医者に行くのをためらってるうちに末期になって、それで去年の春に亡くなりました。そういった者を二度と出さないためにも、ぜひ皆様にもお力添えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。(拍手)

              (大熊ひかり氏 登壇)

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◯大熊ひかり氏 私は大阪市役所の職員であります大熊ひかりです。この4月に性同一性障害であることをカミングアウトいたしまして、職場におきましても女性職員扱いと、この辺の部分につきましては皆さんご存じのとおり地方公務員法等の関係がありまして、女性職員という形にはできません。ということですが、女性職員扱いという形で勤務させていただいております。

 先ほど紹介の部分でありましたように、私は現在女性としての制服、作業服等を与えられまして、更衣室につきましてもそういった形で利用させていただき、勤務させていただいております。また、本市におきましてもそういった形の部分の取り組みが今後なされていくものと信じております。また、性別記載の部分で資料のほうを見させていただきましたけども、その辺の分も性別記載の削除という部分につきましては新規採用試験におきましても性別の記載の撤廃を行っていくというような形で載ってたのを見させていただきました。これはひいては新規採用者におきましては心の性という形で受験ができる、これは就労に対する大きな門戸が開かれるのではないかなというふうに思っております。非常にありがとうございます。また、本来でしたらこういった場に当市の市民の当事者の方がお礼のあいさつに立つのが本筋かとは思いますが、何分まだまだ当事者であるということを明かして生活するというには社会のほうの受け皿がまだまだできておりません。そういった部分で我々3人が社会に対しても明かしてるということで代表しましてお礼を述べさせていただきたいというふうに思います。

 私は先ほど来ありました法案につきまして該当しない人間に当たります。というのは、私は配偶者がおり、子どもがいてます。そういった部分におきまして、配偶者に関しましては婚姻していないことという部分での条件に関しましては配偶者と双方協議の上戸籍上だけの離婚という形も、おのおのの努力によって成し遂げることができます。がしかし、「子がいない」という条件につきましては本人の努力でどうすることもできません。極端な話、本人の努力で子どもを殺してしまったという現状に置かれたとしても、戸籍上の子どもというのは「死亡」という形で記載されますので、これも、例え子どもを殺したというような状況におきましてもこれを網羅することはできません。そういった非常に重要な問題が残っているわけです。そういった部分につきまして本橿原市といたしまして、こういった意見書を採択していただけるという部分につきましてはまことにありがたいことだというふうに感謝しております。

 また、先ほど述べましたように性別記載撤廃という部分につきましても、今全国各地で取り組みが進められております。そういったような中で先ほど述べましたような採用試験における部分まで性別記載削除という部分で考慮に入れられているということにつきましては非常に先進的かなというふうに考えております。また、そういった部分につきましても橿原市は橿原市として独自のオリジナリティのある部分で取り組み、努力していただけたらより一層ありがたいというふうに思います。

 今回の意見書につきましては日本初という形で存じ上げております。そういった部分、この関西の地、またいにしえの古都奈良という地におきまして日本初という新しい取り組みをされたということで非常に心うれしく、関西に住んでいる者として非常にうれしく存じております。また今後とも橿原市を中心としながら全国に先駆けて、全国一体となってこういった取り組みをしていただけたら、こういった小さな思いの一つ一つを取り組んでいただけまして全国に橋渡しをしていただけましたら、非常にありがたいと思います。本日はどうもありがとうございました。(拍手)

(後略)
(引用者注)いわゆる「GID特例法」に言及した「意見書」は、鳥取県米子市(03年7月16日)同県倉吉市(同年9月18日)が橿原市(同月26日))に先行しているため、日本初という表現は誤り。

市議会2003年9月定例会会議録 (2003/09/08)

2003.09.08 : 平成15年9月定例会(第1号) 本文

(前略)

────────────────────────────────────────
               日程第3 議長報告

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◯議長(井上龍将君) 日程第3、議長報告を行います。

 議会事務報告、平成15年5月・6月・7月分の例月出納検査結果報告、橿原リサイクル館における、「金属類、缶・ビン類、新聞・雑誌類等処理契約」において、現行の随意契約から入札制度への改正についての要望、橿原市内建設業者の育成と倒産防止に係る、平成16年度建設関連予算に関する要望について、性同一性障害を抱える人たちに対する人権保護施策について橿原市としての対応及び国に対して意見書の提出を求める要望書、戦闘状態の続くイラクへの自衛隊派遣の中止を求める意見書に関する陳情、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の「現に子がいないこと」要件の削除などに関する意見書提出に係る陳情書、法律などで性別の記載を義務付けている文書の性別記載の必要性の見直しと削除を求める意見書提出に係る陳情書、市の公文書中の不要な性別の記載の削除などを求める陳情書、以上9件につきましては、議席に配付申し上げましたとおりでございますので、よろしくご清覧おき願います。

 これをもって議長報告を終わります。

(後略)

性同一性障害に関する新聞記事について

「性同一性障害を抱える人たちが普通に暮せる社会環境の整備を求める意見書」を可決し、当事者を含め記者会見を行いました。

 この意見書は、国に特例法の法律改正を具体的に求め、また半陰陽の方々にも配慮をしており、内容的にも踏み込んだ意見書としており、公文書・公的文書の性別記載の再考等を含めて、国だけではなく関係行政機関にも意見書の提出をすることになっています。

 ご指摘の読売新聞社の「市議会によると同法に関する意見書採択は全国初という。」は、橿原市議会としては発言しておらず、他の自治体の動向を察知して行うべき行為でもないものと考えております。

 なお、参考のため本市議会が可決しました意見書を送付させていただきますので、ご覧いただきまして、当事者の社会参加についてご支援願います。

橿原市議会事務局


奈良・橿原市

参考記事:
性同一性障害特例法改正 橿原市議会で意見書採択 (読売・奈良版 2003/09/25)

 心で感じる性別と身体の性別の違いに苦しむ「性同一性障害者」が戸籍を変えられる国の特例法について、一部要件の削除など法改正を求める意見書が二十四日、橿原市議会で採択された。市議会によると同法に関する意見書採択は全国初という。
(以下略)


地方自治法第99条

普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。

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