先日親戚がしばらくぶりにいわきを訪れた際の事です。冷凍して置いた茹でたてのタコを食べたおじさんは「おいしー!タコの味がする!」と感動。釣ったタコは確かに売っているタコより味が濃いですね。はじめて食べたおじさんが「家でも食べたい!」というので冷凍のタコを持って帰ることになりました。
丁度いい大きさの発泡スチロールが見つからず、氷を入れるスペースが少ないため「家まで遠いから大丈夫かなぁ。」と心配するおじさん。季節も季節なので問題はなかったのですが、塩水を凍らせて箱に詰め、持ち帰り後無事おいしく食べられたとの電話がありました。
そこで今回は遠い昔(高校時代)に習った凝固点降下についてのコラムです。ちなみにわたしはアンコが足りておらず、何かとんでもない間違いを書くかも知れません。その際はどうぞご勘弁、そしてご指摘していただけると有り難いです。
「溶かす物質に関わらず、溶かした物質のモル数が同じならば凝固する温度の下がる割合も同じ。」モルとは分子や原子のようなものを表す時に使われる単位で、1モル=6X10の23乗です。分子の大きさの違いにより、水分子1モル分(水分子6X10の23乗個分)の重さは18g、砂糖は342g、そして食塩つまり塩化ナトリウムは58.5gということになります。溶媒1kgに1モルの溶質を溶かした時の凝固点降下をモル凝固点降下といい、このモル凝固点降下は溶媒について一定で、水では1.86℃です。よって水になんでも1モル溶けていると-1.86℃で凍るわけです。水が凍る際、他の分子があるとその分子が邪魔になって氷となって結晶するのを妨げます。そのせいで0℃よりも冷えないと凍らないわけですが、これは解けている分子の重さによるのではなくて、分子の数が問題なんです。つまり砂糖と塩それぞれ100gを同じ量の水に溶かしても凍る温度は違ってくるわけです。なんでもいいからたくさん溶かした方が凍りにくくなりそうですが、実は溶かした物質によって凍る温度が違うなんてなんか不思議ですね。
さて、おさかなさんが住んでいる海には食塩が約3%溶けています。食塩1モルは58.5gですから30gは約0.5モル。水1kgにこの30gの食塩を溶かしてみます。(細かく計算すると30gではないのですが、だいたいと言うことで)1モルで1.86℃下がるので0.5モルなら0.93℃下がることになります。ということは海水は約-0.93℃で凍るんですね。「なんだー、1℃も下がらないんだー。」とアンコの足りないわたしは思ったのですが、実はもっと低い温度で凍るんです。海水には食塩以外のものも溶けているせいもあるのですが、純粋な3%の食塩水でもやはり-0.93℃よりも更に低い温度で凍ります。
みなさんは中学生の頃に乾電池と豆電球、ビーカーその他を使った「食塩水は電気を通すか」実験覚えていますか?そうです、あの電解質だとか非電解質がどうこうという実験です。水に溶けた食塩はNaClという形ではなく、Na+とCl-という形で存在するんでしたよね。そこで凝固点降下において大事なのは分子の重さではなく数であるという事を思い出して下さい。水に溶けた食塩がNaClの形で存在していたなら計算通りですが、Na+とCl-という形になればNaClの倍。つまり溶けている分子の数は倍になり、-1.86℃X2
で-3.72℃で凍るという計算になります。しかしこれは100%電離したとしての値ですので、実際は約-3.4℃程度で凍るそうです。
ということで海水は-3.4℃程度で凍るんですね。冒頭のタコを冷やすのに使ったのは500mlの水に30gの食塩を入れたものだったので、その温度は約-3.4℃ということになります。冷凍庫から取り出したその自家製保冷材は、だたの氷よりもひんやりとしていました・・・ような気がしました。
ところで魚屋さんや市場で使っているのは全てただの水氷なのでしょうか?いや、製氷工場は海水を汲み上げて凍りを作っているのかなぁ。そうすれば水道代もただだし。どうなんでしょう?
以上、ところどころ間違っているかもしれない無責任なコラムでした。
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