僕が、ちょうど小学校2年生の時だったと思います。半そでを着ていたから、夏頃だと記憶しています。
近所の友達と、そうですね、4人くらいなんですけど、近くの公園で遊んでいました。
ちょうど土曜日だったので、学校も午前中で終り。明日は日曜日ということもあって、皆、かなりはしゃいでいました。
2時くらいから、ドロケー、カンケリ、カラーボールでの挟みッコなどをしているうちに時間は6時。夕焼け小焼けの音楽が鳴り、
「やべ、母ちゃんに怒られる。そろそろ帰ろうぜ」
とリーダー格の宏君が言い出しました。皆もちょうどお腹がすいた頃なので、家路につくことに…。
ところが、その公園はちょっと辺鄙な場所にあって、線路沿いを3分ほど歩いていかないと、道路がないのです。僕たちは、親に、
「線路を横切るのだけはダメよ」
とキツク言われていたので、いつもは遠回りして帰っていました。
ところが、その日は違ったのです。仲間のひとり、悠君が、
「やべ、今日、お婆ちゃんがウチ来るんだ。早く帰らなきゃ!」
と言い出しのです。やむなく、皆で、線路を渡る事にしました。
ガタゴト…と1台列車をやり過ごし、思い切って渡り出しました。
すると、対面から、別の同じような年頃の少年グループが渡ってきます。この子たちも、家に急いでるんだなあ、などと考えて、ちょっと小走りに歩いていました。
すると、悠君が相手の一番後ろを歩いている子を見て、ハッとしだしたのです。そして…
「あいつ、人間じゃないぜ」
と僕に小声で囁くのです。悠君は、よく、あそこにおじいちゃんが座ってるよ、とかおかしな事を言う子で、今から思えば、きっと彼は霊感が強かったのでしょう。
僕は、
「えっ、何言ってんだよ」
と小声で答え、そのまま歩き続けました。そして、その彼とすれ違う刹那…
「なんでわかったんだ!」
と僕の耳元に囁くのです。
「!!!」
何? 今、何て言った? じゃあ、君は何者なんだ? という疑問が頭に浮かび、鳥肌が立ち、混乱に極みに!
しかし、宏君の
「危ないぞ、止まってると電車が来るぞ!」
という声で我に返り、家に帰りました。
後日、その事を、悠君に言っても、
「その話はもうするな」
と言われ、いつのまにか、僕の頭から消えてしまいました。そうして大人になった僕ですが、つい先日、酔っ払って帰る時、気付くと何故かその場所に…。そして、まるで何かに操られているように体が自然と線路を横切っていく…。前から、コツ、コツ、と靴音が…。誰かがこっちに来る! そうして、まるであの時のように、その人間らしき者は僕に近づくと、
「また会ったな!」
…
しばらく僕はその場で気を失っていたようです。終電が終り、電車が走っていなかったからよかったものの、今でも、その出来事が信じられません。
一体"アレ"は何だったのでしょうか?
おわり