第2次世界大戦ブックスK
メッサーシュミット ドイツ空軍のエース
著者:マーチン・ケイディン 訳:加藤俊平 発行:サンケイ新聞出版局
1971年5月31日 初版発行 更新 3月31日
30年程前、サンケイ新聞出版局から、あるミネタリー書籍のシリーズが開始されました。
第2次世界大戦ブックス――俗に言う「赤本」と呼ばれるものです。
系譜的には、朝日ソノラマのシリーズや、光人社のNF文庫と同様に、あるテーマに絞ってその戦いを描く本でした。
よって、内容は濃く、そして外人の研究者が執筆したのを翻訳した物が多い為、資料が豊富な現在の目から見ても、目を引く記事が多いシリーズです。
今回紹介するのは、その「赤本」シリーズの(おそらく)中期に位置する時期に出版された、「メッサーシュミット ドイツ空軍のエース」です。
題名でメッサーシュミットの機体群とエースについて解説した本のような気がしますが、実質的はMe109シリーズのみを扱った本といって差し支えないでしょう。
なお、Me109はBf109ともよばて、僕もBf109という呼び方をいつもしているのですが、この本の中ではわざわざ「Bf109という呼び名は間違っている!」と指摘しているので、今回はMe109で統一させていただきます(笑)。
本書は、第2次世界大戦中のドイツの主力戦闘機であったMe109シリーズの開発と変遷をたどっています。
個々の戦場でのMe109の活躍はあまり乗っていませんが、Me109がどのようにして進化していったかを知るには、この1冊で充分なほどの情報量を持っていますね。
また、本書は試作機にもスポットライトを当てています。
比較的有名な艦上戦闘機型Me109Tはもとより、偵察型のH型、エンジンをユモ213に変えたS型、高高度迎撃型のP1091、相胴双発のツインMe109であるZ型、艦上戦闘機から高高度邀撃用に変更されたMe115、そしてそれをさらにジェット化したTL型……などなど。
こうした点を見るだけでも、Me109という機体がいかに進化のキャパシティを備え、そして汎用性に効く(?)機体だったがわかります。
零戦の相胴双発やジェット化なんて、想像したくもありませんし(笑)。
あと、改めて驚くのが、欧州におけるMe109の普及率。
第2次世界大戦中は、欧州は事実上ドイツの支配化であったとはいえ、多種多様の国家がMe109を使用しています。
極めつけは戦後で、チェコやスペインは、独自にMe109を生産し、実戦配備しています。
さらにはイスラエルまでもが、チェコからMe109を輸入し、スピットファイアで空戦を行っていまし。
まさに、ユーロファイターの元祖です(笑)。
まぁ、その原因は、開戦直後に外貨が足らなくなったドイツが、欧州各国(スイス含む)にMe109を売りまくったことなのですが(笑)。
特にスイスは、売ってもらったり不時着したりしたMe109を再製して、領空侵犯したすべての陣営の機体と、Me109で戦っています(笑)。
てなわけで、この「メッサーシュミット」は、Me109の概略を知るには、最適の資料だと思います。
最近、再版されているので、入手は困難ではないでしょうし。