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★どう「比較テスト」したのか?



 テスト方法の一部をご紹介します。

 まず、問題の1Vの他、同型の1V、前の型の機種である1N、下位機種のKiss3を用意し、全て新しい電池を入れました。同型の電池の場合は、製造ロットまで揃えました。

 次に、オートフォーカスが「苦手でなさそうな」被写体、シチュエーション、あるいは私がEOSシリーズを10年以上使ってきて、少なくとも今までトラブルを感じたことがないような撮影場所を選びました。

 そして、比較するカメラとの条件の差をできる限り無くすために、三脚を立て、ファインダー上で同位置の測距ポイントが、被写体のできる限り同じ位置に重なるように順次セットし、シャッターボタンを押してどうなるかを見てみました。
 例えば、下の建物の例で言うと、建物のカドの下端に、真ん中の測距ポイントの左下カドを合わせる、というような感じです。





 もちろん、1つの被写体、1つのシチュエーションでは断定は出来ないので、いくつもの状況でテストをしたわけですが…。

 そうしたところが、ご紹介したようなおかしな動きをしたわけです。
 そういう症状が出た時に、「フォーカスのセンサー自体がおかしいのか?」と確認するために、マニュアルでピントを合わせてからオートにしてみると、そのままの状態で、ピントが合っていることを示す合焦マークが点灯するのです(つまり、合っている状態なら「合っている」と判断することはできる)。

 そして、それらの撮影の結果や、妙な動き方をしている時の状況を撮影したビデオを渡して、全て見てもらった上でのはずのキヤノン販売M氏の説明が、前のページでもご紹介したようなものだったのです。

M氏:「結論から申しますと、この1Vはおかしくありません。おっしゃる症状は、オートフォーカスの苦手な被写体を撮影しようとした時に現れたものです。この写っている建物は、タイル張りなので、こういう連続した、繰り返しパターンのようなものを撮ろうとすると、位相が検知しきれず誤作動を起こします。ある時はピントリングが前後に連続して動きつづけ、ある時には動かないというような事が起こります」
私:「オートフォーカスの理屈も知っているし、苦手な被写体があることも理解している。しかし、他の被写体でも、他の1Vでは合うのにこの1Vは明らかに動きがおかしかったが?」
M氏:「それは個体差です。1Vの45点の測距センサーは、非常に狭いところに詰め込まれているので、全ての個体で全く同じ位置に収めることは不可能です。工場で作った時点で多少のずれ、誤差があります。だから、おっしゃるように三脚に据えて、ファインダー上で同じ測距点に同じ被写体の同じポイントが来るようにセットしたと言っても、必ずズレがあるので、他の個体ではピントが合ったのに、こちらでは合わなかったという事があってもおかしくはないのです。また、他機種(つまりは下位機種)でピントが合う場合でも1Vでは合わないということもあります」


 実際のところ、私はこの代替機のテストに、フィルム6本を費やした上で「おかしい」と言っているのです。それを見た新宿のキヤノンサービスセンターの人も、それらの資料と本体を見た上で「おかしい」と言ってしまっているのです。それをこの1カットについてだけ特に強調して、「タイルがどうこう」という問題ではないでしょう。

 今回の例は、「個体差」というような説明で、ユーザーが納得できる症状の範囲から逸脱してしまっていると思います。大体、「ファインダー上で同じ測距点に同じ被写体の同じポイントが来るようにセットしたと言っても、必ずズレがある」というような話が、胸を張ってするような説明でしょうか?プロ用機といいながら、プロがこのカメラを数台併用して、同じ構図を撮ったつもりの時でも、結果にはズレがあるのだと開き直っているようなものです。言い換えれば、このカメラでは、ファインダー上で余計なものが写り込まないように構図を考えたとしても、写ってしまっていても当たり前、ということになってしまいます。それでは、このカメラが「ファインダー視野率100%」とうたっていることとも矛盾します。ファインダー上で見える映像、そこにある測距点の見え方と実際に測っている位置、そして実際にフィルムに写る画像には「ズレがあって当たり前」ということになります。それがない、ないしは極力なくした「プロ用機」として販売しているモデルではないのでしょうか?そうした誤差を詰めて詰めていっているということで、下位機種の何倍もの値段で販売しているのではないのでしょうか?少なくとも、広告、カタログからはそう言っているように読み取れます。

 百歩譲って、多少の誤差があるというのは、ある程度は仕方がないとしたとしても、何も、次のような極端な例を取り上げて、「同じ測距点で狙っているのに、働く個体と働かない個体がある」などと言っているのではないのです。ごく普通に動いて当たり前のシチュエーションでおかしな動きをしたから、「おかしい」と言っているのです。





 あくまで、普通の風景や人物の撮影において、おかしかったからおかしいと指摘したのでありますし、正常な動きの範囲と思えなかったから、新宿サービスセンターでも「おかしい」と認めてしまったのではないのでしょうか?

 別の例を挙げます。





 例えば、上のような風景を撮ろうとした場合、私の感覚では、1Vは問題なく次のような動作をすると思います。また、今回比較に使用した別の1Vもそう動きました。





 あるいは、もしこの建物が、M氏の言うような「連続パターン」だからということで、オートフォーカスが合いにくかったとしても(他の個体では問題ないので、今回の場合その説明は当らないと思いますが)、通常1Vは、全ての測距ポイントの中から、他のピントが合わせられるところに、とりあえず合わせに行くものだと思います。





 また、シャッターボタンを押し直す度に、他にもピントが合いやすいところがあればそちらに、やはりそこがあわせるべきところだとカメラが思い込めば再度そこ、ないしその近辺に、ピントを合わせに行くのが通常の動きだと思います。例えば、上の状態から、もう1度シャッターボタンを押し直すと、次のような感じになるということです。





 ところが、問題の1Vは、何度かシャッターボタンを押し直しても、ピントリングが行ったり来たりを繰り返したり、そのままアウトフォーカスになってしまったり、更にそのままシャッターだけ切れてしまったりするのです。
 もし、1Vをお持ちの方で、この辺りを歩くことがある方がいらっしゃったら、同じような構図で試してみて下さい。

 また、そもそもこういう指摘に、「個体差です」という答え方もどうでしょう?それでは、「あなたのは、確かに幅広い検品基準の下の方のものかも知れないが、まあ我慢してくれ」ということでしょうか?それで「はい、そうですか」という人がいるでしょうか?大体、既に散々迷惑をかけている上に、どういう態度でしょう?

 「下位機種と比べて、場合によっては精度が落ちる場合もあります」などという説明も、本当にそれならそれときちんとカタログ等で購入前の検討材料としてユーザーに告知しておいてくれ、というのがユーザーの気持ちではないでしょうか?カタログのどこを見ても、そういうケースについては一切解説されていません。「おかしい」と言われてから、「それはしょうがない」と言うのでは、単なる居直りでしょう。

 それに、せっかくこうした資料、撮影例、症例をわざわざ用意して渡しているものを、「見ないで返してしまったから答えません」という神経がもはや許しがたいものです。預かる時に、こちらが「一通り説明しましょうか?」と言っているものを、「結構です。見れば分かりますから」と言っておいて、「見ないで返しました」とは、どういう神経なのでしょうか?
 私が「電話で聞ききれなかった部分の説明も含めて、文書で送ってくれ」と要望したのに対して、送られてきたのが次のようなペラ1枚です。







 ご覧のように、まるでこちらがきちんと質問しなかったから答えられないのだと責任転嫁しています。「お預かりしていたもの一式を返送した後」で追加の質問があったのではなくて、そもそも最初から質問のために一通りの資料を渡されているのだということが分かっていないようです。それをいい加減にしか見もしないで、この態度というのはどうでしょう?「申し訳ない」のは、「明確にお答えできない」以前に、「お預かりした資料を、きちんと検証しないで返送してしまった」こと自体だということが、どうして分からないのでしょう?「ご質問を受けた」のはあくまで、こちらから資料とともに現物を手渡された時点であって、向こうからダンボール箱に投げ込んだような状態で「返送した後」では決してないのです。

 そんな対応の仕方しか出来ないくらいなら、こちらが症状をすぐに確認し、「やはり返品を」と希望された時点で、素直に対応する方がよほど責任ある態度ではないでしょうか?この言いわけに言いわけを次ぐ姿勢は、企業としてどうなのでしょう?キヤノンは、業績の良い「勝ち組企業」だそうですが、ユーザーの利益を損なうことで、自社の利益を守っているとでも言うのでしょうか?。

 もし、「いや、そうではない。キヤノンとしては、きちんとユーザーの疑問に対して答える姿勢でいる」というのなら、社長に対してまで、「現在の担当者は話にならないので、責任ある別な人物から連絡をよこさせてくれ」とまで言われたら、自社の信用を守るためにも、それなりの対応をするべきではないでしょうか。しかし、そうした私の要望を送ってから、未だにキヤノン販売からも、キヤノンからも何のお詫びも連絡もないのです。



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