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 驚きました。

 あちらこちらで、私が経験したのと同じトラブル、不具合に遭った方が、未だに現れていらっしゃるようです。
 「私の周りだけでも1人、2人ではない」ということはこれまでもご紹介してきた通りですが、インターネット上に公開されているユーザーの意見や情報にも目をやると、やはりキヤノン側の話に反して相当数発生しているように思えます。もちろん、インターネット上ではとかく様々な情報が飛び交い、必ずしも鵜呑みに出来るものばかりではありませんが(このサイトについても、そんな風に思われる方もいらっしゃるかも知れませんね)、それにしても私が変に思ったのは、「最近買った1Vで、同様の症状が出た」という話があちこちで見つかったことです。

 私がこのシャッター問題について対応を求めた時、キヤノン(キヤノン販売)の説明では、「確かにシャッターの部品が変形し、ジャンプするようになってしまうトラブルはあった。しかし、現在(2002年秋)では対策済みなので、最近の生産ロットのものでは同様のトラブルは発生しなくなっている」ということでした。それなのに、何故こうしたトラブルについて、「最近買った1Vでも出た」という人がいるのでしょう?

 非常に興味深く、また腹立たしい問題でもあるので、私はこうした話を公開している方々の中で、連絡が取れそうだった数人の方にコンタクトをしてみました。そして、そのうちの何人かからお返事をいただくことが出来ました。差障りのなさそうな範囲で、一部お話をご紹介します。

事例1:2003年末に購入。フィルム40本も消化しないうちにシャッターのバウンドが出るようになった。症状の出た撮影フィルムと一緒にサービスセンターに持ち込んだところ、「珍しい症状だ。こんなのは見た事がない」と言われ、有償修理と言われた。

事例2:2004年初頭に購入。なんとフィルム1本目から発症。購入直後だったので、症状の出た撮影フィルムと一緒に販売店に持ち込んだところ、販売店の対応が良く、即返品。「これはキヤノンも把握しているはずの不良なんですよね」というお店の話だった。


 これらの証言を、どう読んだら良いのでしょう?どちらも、私が聞いたキヤノンの説明が本当なら、とっくに対策済みのはずの購入時期です。にも関わらず、全く同じ症状が出るというのは、一体どういうことでしょう?

 2つの理由が考えられると思います。

A.結局、この1Vに採用されているシャッターユニットには、「ある部品の強度がどうこう」というレベルではない、構造上、設計上の欠陥があるのだが、キヤノンは未だに設計変更などの根本的な解決策をとっていない。

B.1Vには、シャッター以外の部分でも初期トラブルを起こし、それが理由で返品されることがある。返品された個体は、トラブルを起こした部分だけ修理され、多少のキズなどは“化粧直し”されて、“新品”として“再発売”される。その場合、“爆弾”を抱えたシャッターユニットはそのままなので、やがて「最近買った」というユーザーの元でも、購入直後でもトラブルを起こす。


 恐らく、このような理由なのではないでしょうか。つまり、1機種のカメラとしては異例に頻発しているトラブルに対して、結局何も対策されていないということです。このカメラを使う限り、ユーザーは撮影結果が台無しになってから、「自分の1Vもだったか!」と気付く以外にないというわけです。

 私がこの1Vでの問題について、「希望としては返品」ではなく、「あくまで返品」と強硬な態度をとるに至ったのは、キヤノン(のサービス、カスタマーサポート)の度重なるウソ、ゴマカシの態度に怒り心頭に達したからですが(何も最初からケンカ腰だったわけでは決してありません)、「やっと本当の事情を説明したか」と思った内容も、これまた「(返品ではなく交換でお茶を濁すための)その場しのぎのウソだった」ということになります。全く、良心を疑います。

 こうなってくると、直接1Vについてだけではなく、キヤノンの最高級デジタルカメラ、EOS−1D、1Dsについても“疑惑”が浮上してきます。何故なら、これらのカタログには、「EOS-1vでプロの信頼を得ている、高速・高精度・高耐久メカニカルシャッターユニットを採用。」という一文が記されているからです。
 1Vで「低耐久性」が取り沙汰されているにも関わらず、しかも「部品が変形する」という不具合を認めてしまっているにも関わらず、こうした宣伝文を使用する厚顔さも理解し難いですが、実際、デジタル機での障害はないのでしょうか?お詳しい方なら想像に堅くないと思いますが、もしかすると1D、1Dsの場合は、多少シャッターのバウンドが出ていても、35mmのフィルムサイズよりも受光素子の面積が小さいために、気付き難いのかも知れません。
 しかし、事が「部品の変形」であるならば、どんどん症状が重くなっていく可能性はあるでしょうし、気がついたときにはかなり酷くなっているということもあるでしょう。また、報道カメラマンなどが社用で使っているものならまだしも(それはそれで困りますが)、個人購入だったりした場合、「気がついた時、致命的な症状になった時には、すんでのところで保証期間切れ」で高額修理ということもありうるでしょう。大体、「トラブルを抱えている部品を未対策のまま、より高価な製品に載せて販売する」、「原因は放置しておいて、トラブルが出たら出たとこ修理」というのはいかがなものでしょう?

 というようなことを書いているうちに、キヤノンサイト内でこの点についての同社のいい加減さを端的に表す記述を見つけました。

 EOS−1Dsの製品紹介(http://cweb.canon.jp/camera/eosd/1ds/catalog/index08.html)には以下のような記述があります。(2004年5月現在))

「EOS-1vでプロの信頼を得ている、高速・高精度・高耐久メカニカルシャッターユニットを採用。制御範囲は1/8000〜30秒、シンクロ速度は1/250秒です。」

 店頭等で頒布されているカタログ上でも同様です。2004年4月から後継モデル「EOS−1D Mark2」切り替わっている「1D」の方にも、同様の記述がありました。つまり、普通に解釈すれば、「例の評判の悪いシャッターユニットをこちらにも流用しています」ということですね。
 しかし、「EOS−1D Mark2」の方の商品紹介(http://cweb.canon.jp/camera/eosd/1dmk2/catalog/index09.html)には、次のように書かれています。

「「EOS-1Ds」に搭載されている、最高1/8000秒・ストロボ同調1/250秒・バルブ対応の高性能シャッターユニットを採用しています。1/8000秒から30秒まで全速メカニカルで露光制御できるとともに、耐久性においても作動テスト20万回をクリアしており、プロの要求に応える高信頼性を備えています。」

 矛盾がお分かりになりますか?
 度々ご紹介していますが、1Vの製品紹介(http://cweb.canon.jp/camera/eos/1v/catalog/index01.html)にはこうあります。

「長い歳月にわたりプロフェッショナルの愛機であり続けるためには、初めてレリーズした時と変わらないシャッター精度を維持することが不可欠となります。EOS-1Vは、作動トラブルの原因を排除したロータリーマグネット制御式電子シャッターを搭載。塵や埃が原因で作動不良を発生させる「マグネット吸着面」を持たないロータリーマグネットにより先幕・後幕を制御することで、高耐久性・高信頼性を確保しています。また後幕保持電流が不要なため、バルブ撮影時間の消費電力を最小限に抑え、常温で約1000時間(2CR5使用時)作動可能です。さらに、シャッター羽根の素材には、カーボンファイバーと超ジュラルミンを採用。最高シャッタースピード1/8000秒、最高ストロボ同調速度1/250秒を高精度で実現。15万回を超える耐久テストをクリアしています。」

 つまり、1Vの宣伝では、「15万回を超える耐久性」(実態は別として)としていたものを、1D、1Dsに「引き継いだ」と言った時点ではそのままだったのに、その1Dsから更に1DMark2に引き継いだら、何故か「耐久性は20万回」に上がってしまっているのです。1Vに搭載されているシャッターで未だに耐久性についてのトラブルが報告されているのに、そのシャッターを引き継いだという機種で、何で宣伝の数字ばかりが上がって行ってしまうのでしょう?どういう根拠なのでしょう?どういう神経なのでしょうか?結局、「いい加減だ」という一言に尽きるのではないでしょうか。
 大体、そんな数字を出したからといって、それを保証するわけでもないのですから、食品などなら立派に薬事法違反でしょう。「シャッターが壊れたからといって、即命に関わるわけではないから、クルマのようにリコールなどしなくて良い」「法律で制限されているわけではないから、保証できない数字を宣伝に使っても良い」という論理なのでしょうか???

 そんな感覚で製造されている製品を宣伝にのせられて買ってしまって、不具合に対する対応も悪いのでは、ユーザーはたまりません。



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