★何だよ、ダメじゃん!3台目!
さて、3台目の受け渡しは先の、「川崎のサービス」の方であるというM氏と、10月18日に都内のキヤノンサービス窓口で会って行いました。
「この度はご迷惑をおかけしました」と言いながら話された、このM氏の言葉にはまた、いくつかの気になるポイントがありました。
会話の中で、「何故、こうした症状が起こりうる部品不良について、未だ公式にメーカーからアナウンスがないのか」と尋ねると、「部品不良については、ほんの数例だから」「今回こうして交換させていただきますが、このカメラについても本当に部品不良なのかどうかは開けてみないと分からない」と言います。
「もしそうならまた、安易に部品不良を認める発言があったのは何故かという疑問が湧いてくる。窓口でも向こうとこっちで言うことが違ったりと、一体どうなっているのか」と更に聞いてみましたが、あまり明確な回答は得られませんでした。
更に、気になったのは、「機械ですから、全て故障しないということはないんです」「今日交換でお渡しするものも、全く100%大丈夫かといわれれば、そうとは言い切れない(!)」などと言われたことです。これが正に、その後の出来事を暗示していたのでした。
さて、ここまで色々あれば、当然こちらも慎重になります。3台目のテスト撮影には、およそ全ての機能を試す気持ちで臨みました。しかし、その必要はなかったのであります。
何故ならば、新たな症状は、わずか2本目の撮影で現れたからです。「段階露光」をして、きちんと露出のムラを検証しようとしていたところ、オートフォーカスに任せていたピントが定まらないまま、ピントリングが行ったり来たりを繰り返してしまうという現象が起きたのです。ONE SHOTモードでの撮影中だったので、当然シャッターも切れません。普通の街の風景の撮影で、これまでオートフォーカスのトラブルなどなかった構図での事です。構図を安定させるため、三脚を使用していたので、突然そのような現象が起きた時は何事かと思いました。この時には、同じ構図で7枚撮影した中の5枚目を撮影中にこの現象が起こり、それから何度かシャッターボタンを押し直しましたが直らず、1度電源をオフにして入れ直したところ、何事もなかったかのようにその後の撮影が出来ました。
これまで、1Vという機種を使ってきて、あるいはEOSの他の機種でもこんなことは起きたことがなかったので、「何だったのだろう?」と思いつつ、他の機能のテストを続けていると、やはりオートフォーカスの調子が良くありません。具体的には、
1.オートフォーカスで普通に合うはずの被写体にピントが合わず、ピントリングが行ったり来たりを繰り返してしまう。(ONE
SHOTモード時)
2.オートフォーカス自体が駆動しない。(ONE SHOTモード時)
3.オートフォーカスでピントが合わず、合焦マークも点灯していないのに、シャッターだけは切れてしまう。(ONE
SHOTモード時)
4.オートフォーカスでピントが合っていないのに、合焦マークが点灯し、シャッターだけは切れてしまう。(ONE SHOTモード時)
これらの症状が、足掛け2日にわたる、場所を変えながらの撮影で度々出現したので、更に日を改めてテストすることにしました。
この3日目は、それまでのテストで不調が出た場所、被写体を中心に、いくつかのケースについて撮影してみました。また、別なEOS-1Vを借りてきて一緒に試しながら、特に顕著に症状が出たところでは、ビデオで出来る限り現象を記録しました。
結果、他のカメラでは問題なく機能するのに、この3台目では正常に動かないというケースがやはり認められました。
私はこれまで、今回の1Vに限らず、キヤノンのEOSシリーズを10年以上も使ってきましたし、オートフォーカスに得意な被写体、不得意な被写体があるなどの理屈についても一応理解しているつもりです。しかし、一応クレームをつけてしまう前に確認をと思い、現象を記録したビデオと現物、症状があらわれたときに撮影したフィルムを、都内のサービス窓口に持ち込みました。
すると、この本体とビデオを見た窓口のN氏は、「申し訳ありません。やはりこれはシステムの不良だと思います。2週間ほど預からせて欲しいのですが」と言いました。
しかし、「今度初期不良が出るようなら、やはり返品すべきだろう」と思っていた私は、これを断り、再度M氏の方にFAXで、、「2週間預かりと言われたが、仕事でも使うカメラを、これ以上使えない期間が生じるのは困るので、やはり返金してくれ」連絡をしました。
M氏から電話があり、「窓口のNは、よく見ないで故障だと説明してしまったらしい。とにかく1度預からせてくれ」の一点張りです。預けるということは、また使えないまま時間だけが過ぎていくということです。また、W氏の「見た目は新品にできる」発言などからも、1度預けてしまえば、黙って修理されても分からない可能性もあります。そう思ったのですが、何しろ埒があかないので、仕方なくまた手渡す約束をし、後日また都内のサービスで会うことにしました。
結局、会って預けたのが11月の13日。今回の一連の問題が発覚してから既に1ヵ月半です。この間、私は本体だけで30万もする道具を使えないままでいるわけです。実は、仕事でも使うという関係で、もう1台同じカメラを用意しようか、などとも考えていたのですが、こんな状態ではとてもそんな気にはなりません。つまり、他の機材も含めて全く不自由な状態に陥ってしまっている、その状態が丸々1ヵ月半も続いているのです。専業のカメラマンさんだったら、とっくに怒髪天を突いていることでしょう。使えない機材ならさっさと見切りをつけて、新たに用意し直さなければなりません。
それでもこのM氏はあまり緊張感がないようです。曰く、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。早速この明日明後日くらいに見させていただいて、来週にでもお電話差し上げられるかと思います」と言います。
ちょっと妙な雰囲気を感じていた私は、「あまり時間はないのだが、せっかく症状が出たときに撮影したフィルムも、その時の状況を撮影したビデオもあるので、今ここで見ながら一通りご説明しましょう」と言ったのですが、不可解なことにM氏は、「いえ、結構です。どうせ本体を見ないと何とも言えませんから」と答えました。窓口のN氏がこれを故障と判断したのは、私がその時も撮影フィルム、ビデオを持参していたのにきちんと状況説明を聞かないで答えたからだと言いながら、自分も詳しい説明を断るというのは不思議な行動です。この事も後々の不信感につながる結果となりました。
そして連絡がついたのが20日のこと。この時の電話での説明がこうです。
「結論から申しますと、この1Vはおかしくありません。おっしゃる症状は、オートフォーカスの苦手な被写体を撮影しようとした時に現れたものです。この写っている建物は、タイル張りなので、こういう連続した、繰り返しパターンのようなものを撮ろうとすると、位相が検知しきれず誤作動を起こします。ある時はピントリングが前後に連続して動きつづけ、ある時には動かないというような事が起こります」と言います。「オートフォーカスの理屈も知っているし、苦手な被写体があることも理解している。しかし、他の被写体でも、他の1Vでは合うのにこの1Vは明らかに動きがおかしかったが?」と言うと、なんと「それは個体差です(!)。1Vの45点の測距センサーは、非常に狭いところに詰め込まれているので、全ての個体で全く同じ位置に収めることは不可能です(!!)。工場で作った時点で多少のずれ、誤差があります。だから、おっしゃるように三脚に据えて、ファインダー上で同じ測距点に同じ被写体の同じポイントが来るようにセットしたと言っても、必ずズレがあるので、他の個体ではピントが合ったのに、こちらでは合わなかったという事があってもおかしくはないのです(!!!)。また、他機種(つまりは下位機種)でピントが合う場合でも1Vでは合わないということもあります」と言うのです。
「はぁ…?」という感じでした。何も針の先にピントを合わせようというのではなく、大きなものにピントを合わせようというのですから、その画像を受けるセンサーが細かくても、逆に被写体が十分に大きければ、仮にこの説明のような誤差が多少あっても被写体の大きさに吸収され、ピントは合って当たり前なのではないかと思うのです。もっともらしく聞こえますが、矛盾した説明ではないでしょうか?あるいは、どうしてもそういう「個体差」があるというのなら、買う前に「このカメラはこれこれこういう個体差があります」とカタログにでも書いておいて欲しいものです。
また、そうした理由では説明のつかないはずの撮影例(ピンぼけのまま写ってしまっているコマ)があったにもかかわらず、それらについての説明はされなかったのです。
それに、手渡したカメラに添付したフィルム、データ、ビデオは、サービス窓口に持ち込んだのと同じものです。どうしてまた、簡単に言うことを変えてしまうのでしょうか?あるいは、窓口ではいつでもきちんと確認もせずに預かりにしているのでしょうか?修理に預けるということは、その期間、自分の所有物が「使用不可能」になるということです。普通の人がサービスに持ち込むよりも、明らかに多いはずの確認資料を同時に持ち込んでさえこの矛盾というのは、どうしたものでしょう。
それでも、それ以上その場で突っ込んでも仕方がないな、と思ってしまったのは、また出先で電話を受けていたこともありますが、当たり前のように「個体差」を言い訳にされたことによります。この1Vは、メーカーとしてのフラッグシップ機です。それについて、「ある被写体に対して、ピントが合う個体と合わない個体があります」という説明をする相手と、それ以上議論の余地があるでしょうか?怒ると言うより、些か呆れてしまいました。30万円もするカメラ、プロ用をうたうカメラで、こんな理由付けをされるとは…。例えばプロが、仕事で同じ1Vをメイン、サブ、あるいはもう1台サブと持って行ったとします。途中でメインからサブに持ち替えた時、メインではアテになったいたオートフォーカスが、同じ条件下の撮影でもサブでは使えないということがあるのだと言われてしまったわけです。「プロなんだったら、マニュアルで撮れ!」とかいう問題ではありません。キヤノンのハイクラスレンズは、オートフォーカスを使った後にピントリングをマニュアルでも微調整できるようになっています。両者を併用することで撮影効率を上げられるようになっているのです。しかし、その機能はアテにはなりませんと言われてしまったわけです。話になりません。
で、「では、自分でももう1度検証しますから、返してくださって結構です。またサービス窓口の方に取りに行きます」と言いました。「23日には受け取れるようにしておきます」と言うので、その後のことはもう1度現物を見てからにするか、とこの時点では思いました。
すると、その日のまた夕方に、電話があり、「23日は休日なので、サービス窓口が空いていない。宅配便で良いか」と言うので、ややムッとしましたが、それを外すと結局また週明けになってしまいそうなので、承諾しました。ところがところが、これがまた怒りの火種となったのです。
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最初に症状が出た構図。段階露出のテストをしていた。EF28-70mmを使っていて、ピントリングが3mから無限遠の間で行ったり来たりを繰り返す、前述の1の現象が出た。 「ビルの模様が細かいので、これを検知できなかった。ピントが検知できないと、システムはピントを一番遠くまで送る。しかし、向こうが空でコントラストがないためやはりピントが検知できず、また戻ってくる。これを繰り返した」というのだが、他の個体では全く症状出ず。 問題の個体でも、電源を入れ直したところ、問題なく手前のビルの、しかも画面中央部の一番細かいところに合焦するようになった。(?) |
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上の説明では、あるいは手前の建物にピントが合わなかったことは説明ができるかも知れないが(しかし、これも他の個体では症状出ず)、この場合は向こうにはっきりしたものがあるのだから、そこにはピントが合ってくれるはずではないのか? これは前述の4の例。 |
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これもタイル張りの建物ではあるが、結構な遠近差がある構図である。こういう場合、これまでの私の1Vを使ってきた経験で言うと、自分の撮影意図に100%即したポイントではないにせよ、画面上のどこかしらにはピントを合わせてくれ、シャッターボタンを押し直すと、少しづつ違う測距点に移って合焦してくれるという動きだったはずなのだが、問題の個体は80%くらい外す。しばらく間を置くと突然合いだしたるするが、概ね成績が悪い。逆に、他の個体はやはり概ねどこかしらには合わせに行く。 ここでは、2、3、4の症状が出た。 |
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ほぼ平行にタイル壁に向けた場合も上の場合と同様。他のものは100%合うのにこの個体は半分以上外す。縦横それぞれ用のセンサーのどちらかによって合焦してよさそうな所だが…。 因みに、上とこの構図は、三脚を使用して、順番に10回くらいづつ、2順させてテストした。症状としては1、3。 |
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まあ、繰り返しパターンといえば言えないこともないかも知れないが、普通のビルの写真。しかも、ご覧のように測距点にかかる部分には、隣のビルとの境目も、看板もある。しかし、前述の1、3の症状が頻繁に出た。これも他の個体は繰り返しパターン部分を含めて、難なく合焦マークが出る。 |
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症状が現れた例。ピントは合っていないのに、ONE SHOTモードにもかかわらずシャッターが切れてしまった。 |
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いくらなんでも、これも「繰り返しパターンだから」と説明するのは苦しいのではないかと思うのは私だけだろうか?やはりどこかしらにはピントを合わせてくれるのが、今まで親しんだ1Vの動きなのだが? ここでも、頻度はやや低いものの、1の症状が出た。 |
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この構図でも、少し悩んで行ったり来たりをしてからやっとピントが合うという現象が出た。 この個体には、真ん中のビルが幾何学模様に見えたから?もしそうなら、街中で撮影する時には、「ほとんど全滅に近い性能」ということにならないか? 今回比較した1V他のEOSでは全く問題なく、その「繰り返しパターン」に見えないこともない中央のビルにピントが合った。これまで使ってきた1Vでも、ほぼ同様の構図でストレスを感じた記憶はない。むしろ、「繰り返しパターン」である、中央のビルにピントが合うのが常であった。 |
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変な構図になっているのは、ピントが合わなかったためシャッターが切れず、「またか!」とファインダーから目を離した瞬間に急にシャッターが切れたため。 後ろの階段がタイル模様だったから?これが影響するようなら、街中での撮影は絶望的である。 |
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WEBでは分かりにくいかも知れないが、この写真も、どこにもピントが来ていない。赤ん坊の肌は、コントラストが低くてオートフォーカスの苦手な被写体なのか? 「ママのKiss」がキャッチフレーズの、EOS Kiss以下の性能ということか? ちなみに、この乳母車は停止中に撮影している。 |
その後、夜になってから、「やはりあの説明は不十分だ」と思い、FAXで「電話では十分に説明してもらえなかった、ビデオには記録できなかったが、一緒に預けたフィルムの中にあったはずの、結果としてピントが合っていなかったコマについての説明も含めての所見を、電話での説明の内容と合わせて、文書で欲しい」と依頼しておきました。
宅配便が届いたのは22日。パッと見て、「随分大きな箱に入れてくれたな」と、さぞ回りに梱包材でも入れて、丁寧に包んでくれたものかと思ったのですが、開けてみてまたムッとしました。ご覧のように、確かに梱包材は入っているのですが、肝心の品物は完全に梱包材から外れてしまっており、上下からサンドイッチ状態になってはいるものの、ダンボール箱の壁に直に当ってしまっていました。これではこれまで、何のために手渡しをしてきたか分かりません。ここまで散々迷惑をかけてきたユーザーに、高額商品を返送するのに、この気配りのなさはどうでしょう?こういう仕事の仕方に、全てが物語られているような気がします。
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紙袋の中に本体が…。この紙袋の中には、エアキャップ等は入っていない。 |
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つまり、左の図のような状態。箱(黒線)の中で、上下にはエアキャップ(青線)が敷いてあったが、中身(赤線)は横にはみ出しており、矢印方向からは全然保護されていない。 |
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緩衝材を入れて梱包するというのは、普通こういう感じをいうのではないだろうか? |
また、頼んでおいた「文書」は、ペラ1枚の「修理票」とある用紙に、「お電話にてご説明させて頂きました様に、今回にご指摘につきましては、苦手な被写体により発生したものです」とあり、こちらの依頼に全く応えていませんでした。
ここまでくれば、もはや何も信用することは出来ません。「おかしくなかった」と言われても、何しろ連絡が来るまでに丸々4営業日以上もかかっているわけですし、その間に本当の検証だけしたのか(話の内容はベンチマークテスト的な事だけでしたが、それにしてはちょっとかかり過ぎ?)、本当は修理だったのかさえ分りません。
更に日にちが経過した26日、やはりペラ1枚の追加の文書が届きましたが、内容的にはやはり繰り返しに過ぎず、追加説明を求めていた、「電話での説明では不十分と思われる例」については、「もう撮影見本を返送してしまったので分からない」とだけ書かれていたのでした。呆れ果てました。
再度申し上げますが、このページはキヤノンというブランドに対する、誹謗、中傷を目的としたものではありません。このページをお読みになった方が、どういう感想をお持ちになるのかは、その方によって違うと思いますし、そのご意志をどうこう言うつもりはありません。
しかし、不良部品による不具合も告知せず、ユーザーにしてみれば理解しがたいレベルの「個体差」があるにもかかわらず、説明書にさえ書いていないのは、明らかに不当であると考えます。こうしたメーカーにとって都合の悪い事実は、カメラ雑誌などを見ても書いていないので、ユーザー同士で情報交換して行くしかありません。このページを公開したのは、あくまでこのユーザーレベルの情報交換のためであります。
少なくとも、私自身は、これまで多額の投資をキヤノン製品にしてきましたが、今後はする気がなくなりました。今、手元に戻ってきた1Vについても、信頼できないと思いながら使い続ける気も起きず、大損害と思いつつも交換レンズ共々、二束三文で処分するしかないのかと悩んでいます。
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