模型情報1984年8月号より MJ SPECIAL INTERVIEW 【MS-Xガンダム】富野由悠季監督に聞く 『去る五月の静岡プラモ見本市で、MS-Xガンダムの試作見本と、  小説【逆襲のシャア・ガンダム】の展示発表会が行われた。  詳細については何も説明がなかったこの二つのガンダム情報。  MJ編集部では、富野由悠季氏に、今後の成り行きを含めて、  その辺りのお話をうかがって見た。 』 MJ: 先週の見本市で、小説のタイトル発表と MS-Xの試作見本の展示が同じコーナーで行われたので、 見た人達は困惑していたようです。 富野: そうでしょうね。 営業展開と創作するバランスが合っていませんから。 MJ: 小説に登場するメカ=MS-Xに受けとれる配置でしたので特に・・・ 富野: ごもっともですが、このふたつは、全く別の物です。 MSV(モビルスーツバリエーション)と言う形の兵器開発史の延長線上に、 MS-Xという一枠があるのだから、小説とはフィールドが違います。 やはりMSVの最終パート、大戦末期に集中しているのがMS-Xという枠ではないのですか? MSVでは、戦史をモビルスーツごとに区切って紹介しているのですから、 同次元の時間枠で、MS-Xのメカ全てを掌握できる分、外伝的要素は濃いでしょう。 MJ: つまりメカオンリーではなく、サイドストーリーとしてドラマの比重が高いと。 富野: そう考えて欲しいですね。 MJ: ところで、新作小説【逆襲のシャア・ガンダム】は、 どういった経緯から執筆なさる事になったのでしょうか? 富野: 無論、ガンダムという作品は、映画版の三本で終了した作品なのだけれど、 先日たまたま僕の娘と話をすることがあって、 娘がガンダムってまだ終わってないじゃないと言うんですよね。 確かに映画のラストシーンで、シャアは戦艦に乗って戦域から離れていっている。 この余韻のケリは、どうするのかと問われたわけです。 MJ: ガンダムファンにとって、大変気になるニュアンスの御言葉ですね。 となると続編の小説と考えてよいわけですか? 富野: その様な予定をたてました。 MJ: 出版は、いつ頃になるのでしょうか? 富野: 8月いっぱいで執筆終了の予定ですけど、ちょっと遅れそうです。 文庫で今までのように朝日ソノラマ、 講談社からハードカバーバージョンで出る予定です。 MJ: ガンダムのプラモファンは圧倒的にメカ中心なので、 アムロのガンダムが破壊されてしまった後の話で、 タイトルにあるガンダムと言う名前には 興味が深い所と思いますがいかがでしょうか? 富野: その辺の話は企業秘密ですね(笑)。 推測されるのはいいのですが、 自分としては今までと違う型にしたいと思っています。 これはMSVを見ていて感じた事だけど、 MS-○○っていう形式番号の、軍の技術者レベルで使う言葉の繁雑さ? これに関しては違う表現を使います。 それはパートII物のイメージを続けるのは厭だということもありますし、 モビルスーツの名称が作品名になってしまう面倒さを クリアーしたいからでもあります。 MJ: もう一方で気になるのは、新作の小説の映像化の可能性ですが、その辺りは・・・ 富野: 現状では何とも言えませんが、僕一人でやれることは決まっていますので、 小説をベースにしたシリーズ化という事になるのではないでしょうか? 最終決定は僕にはできませんが。 MJ: ファンの間では、エルガイムの後番組に新作のガンダムが放映されるのでは? のような噂さえ聞かれます。 富野:いつの世でも噂はまことしやかに流れますからね。 でも新作を作るとして、もう最初から登場するメカ、モビルスーツの プラモ化が前提にあるのでしょうが、どうできるかは僕には分かりません。 模型の専門的な事は良く知らないけど、仮に現状の様なメカプラモ?本来とは 少し違った方向じゃないのかなと思いたいですね。 プラモのアクションと、デザインの上から想像できるアクションが、 最初からプラモに合わせられてきてるでしょう。 仮に新作として進行した場合には、 その辺りの改善は第一に要求されるだろうことは推測できる気がします。 となると業務スケジュールとしてどうなるか 僕は分からないし、どうなるのでしょう? MJ: 大変参考になりました。小説の完成が待ち遠しいですね。 本日はありがとうございました。 ・バストライナーD  モビルスーツの使う対艦砲。 ・アクトザク  生産性を重視して作られた機動ザク。  大量兵器投入戦を前提としている。ジオン版GM? ・ガルバルディ  MS-14、MS-15の後継機として制作された機体。  ビーム兵器は標準兵装である。 ・ギガン  要塞防衛用モビルスーツ。  と言うよりも、むしろ移動砲座である。 ・ガッシャ  重戦用モビルスーツ。言い換えるなら生産型モビルアーマーである。  通常はパイロット2名で操縦される。ロケット等内装火器を持つ。 ・スキウレ  艦隊戦規模を想定して制作された簡易ビーム砲座。  ジオンMS用のジョイントがあるため、GM等では使用できない。  ビーム砲はビグロ用と同型。