「オーガニックな物語を」 シリーズ物の作り方を本当に思い出すための仕事をしたというのが、 記憶を掘り起こしていったときの『ブレンパワード』である。 こんな思いを書いてしまうと、このDVDを買ってくれた方に申し訳ないと感じるが、 ガンダム・シリーズを見てきた者にとっては、 そんな思いでやった仕事が悪いことだはと思えない。 馴れで作ったものには、作品としての新発見がなく、 スタッフの慣性や怠慢まで生んでしまい、 さらには、そのスタッフの生活そのものまでも怠惰なものにしてしまうのだから、 暗中模索の中「なんだろうかなー」という感覚があるほうが、 創作する上では大切な感覚だと実感もする。 だから、それほど酷い仕事をしたと思わなくていいと思っている。 しかし、十分な反省もあって、本当の意味での『ブレン的』なものが 抽出できたのかといえば、それこそ馴れていなかったたために、 正確にその追求ができず、表現し切れなかったことで、 この課題は何とかしたいという思いにとりつかれている。 それはオーガニック的なものから始まって存在は強靱である、 と言うテーマであり、オーガニック的なものが永遠性を獲得できるのではないか、 と言うテーマでもある。 そのテーマを『なんか嬉しい』という感覚を喚起するような ドラマを描いてみたいという野心である。 サイコ的、DNA的な世界と隣接した物語は、 現在という時間軸のなかでは、あまりにも現実的に疾病を喚起し、 それこそ現実認識の物語ではないかという嫌悪感があるので、 健やかに楽しく、それでいて切れ味のある『ブレン的な物語』を、 本格的な意味でいうファンタジィという形で活写したいと画策しはじめている。