<第21回アニメ現行学「情けない神の国の片隅で」>(文 富野 由悠 季/『炎』1998年6月号) ・・・「ブレンパワード」も同じ状況で、今月にも放映に穴があくかもしれ ないのだが、ぼく自身、この制作に突入したおかげで、ある出版社の原 稿が書けなくなり、その担当編集者から「信義の不履行」という強烈な 言葉で責められている。  が、そのような表現ができる30歳の彼女に心酔しているので、右往左 往しながらも、なんとかしたいと思う。  しかし、詩人である高橋睦郎氏が、「ありもしない個性にこだわるよ、 作者名をはずしても自立する作品が作品」というような古典的な作品論 に出くわすと、ヒェーと感動して言葉がなくなる。  が、アニメ屋でも、このような頁をいただいて、文化人と錯覚できる状 況があり、「もののけ姫」が大ホームランを飛ばし、「エヴァ」が内的言葉 えを発露したと騒がれ、「ポケモン」という物理的な事件が起き、サンラ イズのロボット物が20年目にして消えたという今日、これはあらゆる意 味で区切りである。  意外な場所で発見した富野監督、今回は「30歳の彼女に 心酔している」などといういささか不用意っぽい発言をサラ リとしている。まぁこのあたりも氏の計算したスキャンダリズ ムなんだろうけど、それにしてもあいかわらず、何が言いた いんだかわかんない文章だよな。 (編集長)