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サイファー 〜蒼き月の水底〜 前編



三剣「今回はサイファーのレビューにいこう」

 

秘書「サイファーは菅野ひろゆき氏が立ち上げたアーベルソフトからリリースされたミステリーシリーズの一つですね」

 

三剣「世界観はエクソダス、探偵紳士シリーズと一緒だ。それに絡ませた設定もあるのでプレイした人にはニヤリとする場面もあるかも知れない」

 

秘書「とはいっても完全に独立した物語なので未プレイでも安心です」

 

三剣「いつもの通りネタバレは公式サイトに掲載されているレベルだ」

 

秘書「それではレビューにいきましょう」

 

 

<キャラ>

 

 

三剣「最初は本作の主人公不二城拓斗だ」

 

秘書「アイドラーの探偵を目指し、自身も非常に高い推理力を持っています」

 

三剣「頭がいい、度胸あり、スケベ、男らしい、女好き、モテる、寝た女に義理立てしない。菅野主人公の特徴、まさに真骨頂ともいえる主人公像だと思ったよ」

 

秘書「風貌も少女マンガチックですね、長髪美形って。でも男であれだけの長髪って実際いたら結構キモいと思うんですけど」

 

三剣「そういうことをいうんじゃない(^^;)」

 

秘書「んで周りを取り巻く女性像も菅野作品では典型的ですね。浮気してもいいみたいな。気持ちは分からなくもないですが」

 

三剣「え?浮気は許せるの?」

 

秘書「最終的に自分の所に戻ってきてくれればいいんですよ。浮気は浮気です。自分が一番ならばね」

 

三剣「ふ〜ん、俺には理解できない感情だな」

 

秘書「私もです

 

三剣「お、お前さっきといっていることが・・」

 

秘書「理解は出来ます。しかし私はイヤです」

 

三剣「はぁ」

 

秘書「とはいっても今は男が女の浮気をこういう形で許すパターンも最近増えてきたと思いますけど、こういう男はどう思うんです?」

 

三剣「俺は別に許したからといって責めはしない。裏切られても好きという感情が変わらないというのはいいことだと思う。とはいえ俺自身何の罪悪感もなく自分を裏切った人間に対しては情は注げない、ってゲームレビューで何いってんだ俺は(^^;)

 

秘書「彼自身はどうです?」

 

三剣「ふむ、さっき真骨頂といったけど、どうにも印象が薄いんだよ

 

秘書「薄い?」

 

三剣「何処から来ているのかは分からないんだけどさ、菅野作品の男主人公って凄いインパクトというかキャラの魅力がはっきりしているじゃない?」

 

秘書「ですね、悪行も八十神もとても魅力あふれるキャラでした」

 

三剣「だが不二城の場合は全体的な印象が薄い、特徴は全て備わっているのにね。コレはおそらくコンセプトが見あたらないのが原因だと思う

 

秘書「なるほど、設定自体に特に特徴というのはないですからそう思えるのかも知れません」

 

三剣「だから淡泊に感じてしまうのかもね」

 

秘書「ふむふむ、では続いて三上翔子にいきましょう」

 

三剣「彼女は今回の臨床試験の主催者だ。知的でちょっときつめの美女。菅野作品では必ず登場するキャラクターだな」

 

秘書「というよりこういう女性が好みという男性キャラが多いですね」

 

三剣「ま、多分菅野さんの趣味なんだろうけど(^^;)

 

秘書「彼女はどうでした?」

 

三剣「うーん、魅力はある、あるんだけどやっぱり彫り込みが今ひとつ」

 

秘書「でも結構真に迫る話もあったと思うのですが」

 

三剣「確かにあったけどなんといったらいいか・・・背景というのが結構ありきたりだったと思う、そこがもう少し欲しかった」

 

秘書「続いては大黒香奈ですね。飛び級で大学院に進学した才女。学生でありながらメテオ製薬の契約社員にまでなっています。今回の臨床試験では三上の助手ですね」

 

三剣「設定資料集でも記されていたが「美少女」を前面に押し出されたキャラデザになっていると思う」

 

秘書「独特のテンポを持っている子ですよね。今流行の不思議系というヤツでしょうか」

 

三剣「いや、俺的には彼女には作品一の「くせ者」の称号を送りたい」

 

秘書「くせ者ですか(^^;)」

 

三剣「登場キャラの中で唯一彼女の本心が読めなかったからな。外見や言動は守ってやりたくなるキャラだが彼女は一人で何でも出来るし、その才覚もちゃんと持っている」

 

秘書「いわれてみれば、女性キャラの中では「弱い部分」という描写が無かったですね」

 

三剣「無いというより必然性がなかったんだろう。元々そういうコンセプトだと見た」

 

秘書「というより彼女は自分が頭が良くて、なおかつ外見も男ウケするというのをちゃんと理解していますね。非常に器用で狡猾です」

 

三剣「このキャラは完成度が高いと思ったぞ。コンセプトが明確になっていると思ったし、こういうキャラを描くのは本当に上手いな」

 

秘書「菅野さんは「女の弱いところ」を出してファンを獲得するのが多いですがこのキャラは別物ですね」

 

三剣「とはいっても人気投票では第二位だからな。このキャラは気に入った」

 

秘書「では続いては牧田京子です。人気投票では体験版では圏外だったのに製品版の後では見事一位に輝きました」

 

三剣「最初の印象と後の印象ではガラリと変わるからな。典型的なツンデレだ

 

秘書「つんでれ?」

 

三剣「いや、俺も最近知った言葉なんだけど「最初はツンツン→後にデレデレ」というコンボをツンデレというらしい」

 

秘書「ほう、しかし「多重人格」という設定を萌えに上手く転化させるって凄いと思いましたよ

 

三剣「それは俺も思った。もっと重たい話になるとばかり思っていたから。しかし萌えをターゲットにすると凄いなやっぱり、ミステリートしかり」

 

秘書「では次はその京子のお兄さんである牧田政樹です」

 

三剣「最高学府の国立大学院の情報工学専攻。学生でありながら既に研究者として活躍しているという天才だな」

 

秘書「その設定通り高飛車で人を見下した態度をとります」

 

三剣「こういうジャンルでありながら男性キャラがきちっとかき分けられ個性が付けられているというのはそれだけで評価を上がる材料になると思う

 

秘書「ほとんどの場合主人公以外はちょい役ですから」

 

三剣「男性キャラが重要なポジションを担っているというのは少ないからな、政樹も一般に想像されるエリートならではの脆さというのがきちんと描かれていて、ちゃんと「嫌なヤツ」として成立している」

 

秘書「次は睦月左京です。月光館に取材に来たフリーのルポライターですね」

 

三剣「飄々とした風貌が特徴でもなかなか本心をつかめないキャラだ」

 

秘書「聞き上手で話し上手、まさにルポライターとしてのスキルは備わっていますね」

 

三剣「メインの場面というのは余りなかったが存在感というのがあったな。脇役なようで脇役じゃない。存在感を示す部分では存在感を示す。まさにコンセプトを上手く体現したキャラだと思う」

 

秘書「では続いては金谷阿佐美です。他人との交流を拒絶する女の子ですね」

 

三剣「このキャラのコンセプトは「弱さ」だろう。その「弱さ」というのは魅力を上げる要素である事と下げる要素も含まれていての「弱さ」だ

 

秘書「実際人気投票では選外になっていますね。確か体験版の人気投票では5位以内にランクインしていたはずです。やはり魅力を下げる要因となってしまった「弱さ」に原因がありそうですがどの部分が起因したと思いますか?」

 

三剣「ふむ、例を挙げるとだ。「ドメスティックバイオレンスの夫を一途なまでに庇う妻」というのは実際に存在する。阿佐美の弱さはその心理の反作用だ。ここのさじ加減は絶妙。こういうキャラは他の作品では見られない。まさにオリジナル」

 

秘書「男性ファンのツボをヒットさせなければならないというのは商業においての宿命でもありますからね。実際こういうキャラを作れるって凄いと思います」

 

三剣「その分はちゃんと京子の部分でフォローされている。選外から第一位までの躍進はプレイすれば分かると思うし、実際それを意図したモノだろう」

 

秘書「次は日向真琴です。感情が無く無表情で何を考えているか分からない女の子です」

 

三剣「だが社交性はあるというのがこのキャラのミソだ。本来とりつくシマもないキャラ設定に見えて交友を深めるのは一般人と同じスピードで展開する」

 

秘書「とはいっても結構影が薄かったですね」

 

三剣「脇役だと思う。結構メインの謎に絡んでいそうな感じだったのでそこら辺はちょっと拍子抜けした」

 

秘書「続いて琴風ゆみです。月光館の管理人です」

 

三剣「いわゆる「ホンワカ系のお姉さん」なんだが・・・影が薄いというか、作中では脇役だよな?」

 

秘書「ですね。一番の脇役かも知れないです」

 

三剣「うーん、このキャラももう少しメインに絡んできても良かったと思うのだが」

 

秘書「まぁその部分はシナリオで語りましょう、では最後は謎の少女です」

 

三剣「謎なので語れない・・・・という訳じゃないよな?」

 

秘書「ですよね。どうでした?」

 

三剣「謎を振りまいていた割には琴風と同じく脇役で終わってしまったキャラだと思う

 

秘書「ま、彼女についてはコレぐらいですね。全体から見てどうでしょう?」

 

三剣「うーん、全体から見ると結構あっさり目というか、薄味な感じは少しした

 

秘書「どういう原因でそうなったと思います?」

 

三剣「一つの作品で終わらせるために・・・というのが適切かな」

 

秘書「うーん今ひとつ抽象的ないい方ですね」

 

三剣「ふむ、具体的にどのキャラも「ストーリーのために用意されたキャラ」であるということ。ストーリーから派生したモノはストーリーの終わりによってその役目を終える。キャラ自体にストーリーを越えた枠組みでの設定がなかったって事だね」

 

秘書「なるほど、では全体の評価をお願いします」

 

三剣「評価はAだ。薄味といったけど全体的にレベルは高く楽しめると思う」

 

秘書「それでは後半からシナリオを語っていきましょう」




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