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ミステリート 〜不可逆世界の探偵紳士〜 前編



三剣「今回は不可逆世界の探偵紳士、ミステリートのレビューに行こう」

 

秘書「ミステリートはバーストの作品を送り出した菅野氏が制作した探偵モノです」

 

三剣「そして前作不確定世界の探偵紳士の続編となっている。つまり前作に登場した人物が出たり、世界観は全く一緒だ」

 

三剣「今回のレビューは長編になるから前編と後編に分けよう」

 

 

<キャラ>

 

 

秘書「キャラクターです。最初は主人公の八十神かおるです」

 

三剣「日系イギリス人。アイドラーのお膝元から日本にやってきた史上最年少のクラスAディテクティブだ」

 

秘書「シニカルな口調で周りをヒヤっとさせる事もあるそうなのです」

 

三剣「かおるは菅野作品の中では結構珍しいタイプだと思う」

 

秘書「珍しい?」

 

三剣「菅野作品の主人公は今まで例外なくモテて女性経験も豊富だった」

 

秘書「モテるという部分はかおるもモテてますよ」

 

三剣「だがHシーンの時に「俺はあまり経験がないから分からない」という発言をするんだ。菅野作品の主人公でこういう台詞って初めて聞いた」

 

秘書「ふ〜む、でもユーノのたくやも少ないですよ」

 

三剣「でもなんだかんだで小次郎と双麻の雰囲気は出ていたよ。というよりかおるはコンプレックスが一番強いのかも知れない

 

秘書「あ、それなら分かります。年相応の危うさというのは持っていましたね

 

三剣「最年少でクラスAに昇格しておきながら、大人の世界の色々な事情に振り回されて、それでも突っ張っている姿は結構感情移入できた。結構リアルな部分があると思うぞ」

 

三剣「推理も時折外したり、クラスAの水陰と双麻にコンプレックスに似た対抗心を持っていたりな

 

秘書「そして彼には必殺の得意技があるんですよね」

 

三剣「女装だ

 

秘書「というと彼に「変装だよ」とたしなめられてしまいます」

 

三剣「しかしこの設定を見たときはたまげた。というより全体を通してこのミステリートの登場人物は「萌えブランド」がかなり意識されている」

 

秘書「女装の設定においてのターゲットは女性ですね」

 

三剣「うむ、中性的な顔立ち、女装姿は沢田が思わず交際を申し込んでしまうほどの美人、そして年上に受けそうな性格、見事に三拍子そろっているぞ。小次郎のキャラは他の女性声優さんからは結構酷評されていたからな(^^;)」

 

秘書「ですね、男性向け女性向けに明確に定められていました」

 

三剣「だからといってそれに依存した作りにはなっていないぞ。高いレベルに仕上げられるのはさすが菅野さんだ」

 

秘書「続いてメインヒロインの南条みゆきです」

 

三剣「クラスCの称号を持っている。元しあわせ探偵事務所所員、悪行双麻の元部下だな」

 

秘書「今は独立して南条探偵事務所を開いています」

 

三剣「クラスBに昇進できる実力があったみたいだが空きが一つしかなく、それを巡って争いがあったんだ、これが独立するきっかけとなってしまったらしい」

 

三剣「ちなみに彼女は悪行双麻に惚れている。無論このとき双麻は妻帯者だがそれにめげずに積極的にアピールしている」

 

秘書「みゆきみたいな女性はどうです?」

 

三剣「う〜ん、・・・・・実はあまり好きになれないキャラだった

 

秘書「何故です?」

 

三剣「すぐ人に依存するところがね。後かおるを弄んだ所が同じ男してちょっと同情した」

 

秘書「弄ぶって、確かに一人で何でも出来るように見えて実は男がいないと何もできないタイプだとは思いますが」

 

三剣「男がいないと何もできないタイプは現実にもいるがな、そういう意味でリアリティはあったんだろうが。みゆきのかおるに対しての感情はクラスBなんだよ

 

秘書「クラスB?」

 

三剣「ABの一つ上という概念ではなく、遥か彼方の上という事を指す」という文句通り、クラスAは悪行双麻なのさ」

 

秘書「でも遠くの男より近くの男ですよ

 

三剣「お前はそういうかも知れないが、自分のこと明らかに好きじゃないヤツに「好き」とかいわれるのは微妙だぞ」

 

秘書「ボスこそそういいますけど、結局かおるは自分の欲望に負けているじゃないですか。かおるだって悪いですよ」

 

三剣「う〜ん、ま、最後の部分は割り切っていた部分はあったみたいだし。お互い寂しいという利害の一致はあったからね」

 

秘書「そういえばみゆきみたいなタイプも菅野作品ではよく見られますね」

 

三剣「うん、こういうタイプで一番完成したのは弥生だったと思う

 

秘書「人気投票ランキングでは男女の比率がかなり近いというジャンルにしては特異な結果が出ましたからね

 

三剣「とはいえみゆきもキャラとしての完成度は高かったぞ」

 

秘書「続いては東西(あずま・にし)です。みゆきと同じクラスCの称号を持っていて、しあわせ探偵事務所所員です」

 

三剣「イヴファンには二階堂ポジションといえばおおかた分かると思う

 

秘書「女好き、結構もてる、レベルはそこそこ、性格はダメ。のキーワードですね」

 

三剣「みゆきの元彼だ。二人の仲がうまくいっていた時は一緒に独立を考えていたらしい

 

秘書「結局西の浮気がばれて破局を迎えました

 

三剣「ま、それがお互いにいいことだとは思った。で東西の名の通りかおるからは麻雀牌扱いされる

 

秘書「ここの掛け合いは面白かったですね、二階堂と小次郎の掛け合いを思い出しました」

 

三剣「で、性格も当初は嫌なヤツとして活躍するが、二階堂と決定的に違うのは自分に対して客観的な姿勢を持つところだ

 

秘書「頂点に君臨するクラスAに対して僻んだり、コンプレックスを持ったり。自分の能力の無さに落ち込んだり」

 

三剣「二階堂は野心の強さ故に己の丈を超えた事をやろうとして結局足をすくわれたからね」

 

秘書「でもコンプレックスからくる自虐的になっていたかおるに一喝したり。今度は自分が能力の無さに落ち込んでいたときにかおるに元気付けられたり。仲は良くないですけど奇妙な関係ですよね

 

三剣「ここら辺のさじ加減はさすがだと思う。「奇妙な関係」というのはなかなか体現しづらい」

 

秘書「続いては氷川マイです」

 

三剣「一流の殺し屋、寡黙、無愛想、感情を表に出すことは滅多にない。でも時折見せる人間らしい表情がチャームポイントの彼女だ」

 

秘書「これもまた王道なキャラですね

 

三剣「うん、機械として生きてきた美少女の心を自分のモノにして独占欲を満たすというパターンもまた王道だ

 

秘書「人気投票では一位かおると僅差で競りつつ、三位以下に圧倒的な差を付けての二位でした」

 

三剣「発売前から彼女の人気は凄かったみたいだからな。そういう意味で裏切らず王道を通して完成させた手腕は凄いと思う」

 

秘書「続いては七尾芹菜です。かおるの元パートナー、クラスCのライセンスを持っています」

 

三剣「おしとやかで清楚で控えめで料理もうまいという世の男性の結婚したい女性像を全部兼ね備えている希有な子だ」

 

秘書「・・・やれやれ」

 

三剣「だけど怒らせると微笑んでいながらブチギレオーラを出す感じがして非常に怖いとも思ったな。

 

秘書「・・・・」

 

秘書「なんですそれ?(^^;)」

 

三剣「アレ、いない?こういうタイプ?」

 

秘書「まぁ言いたいことは分かりますが・・微笑んでいながらブチギレオーラを出されると嫌なんですか?」

 

三剣「そりゃそうだろ。罵倒されたりモノ投げられたほうがどんなに楽かと思う。どうしたらいいか分からないからね。こう考えると案外押しつけるより寛容に構えられたほうが人は逆に恐ろしく感じるのかも知れない」

 

秘書「ふ〜ん」

 

秘書「ということで続いていきます。続いてはかおるの直属の上司、コナー局長です」

 

三剣「バーストの本部長的存在。役職も高地位でアイドラー顧問。そして本部長と同じく愛人もいるのだ」

 

秘書「仕事も優秀で出世頭、でも周りから妬まれたり僻まれたりする事が多く、敵も多いです。そういう意味でも本部長と一緒ですね」

 

三剣「かおるとの関係もそうだな。上司と部下を越えた関係にあるモノのギヴアンドテイクも多分に含んでいる

 

秘書「かおるのおかげで出世する変わりに、彼の望む「事件が報酬」という案件を廻したり、便宜を図ったり」

 

三剣「ただ今回は舞台が日本だったため、コナー局長との絡みがほとんどない。コレは残念だったな、次回作ではイギリスに移るようなのでこのときの活躍を期待しよう」

 

秘書「続いては舞ノ小路水陰です。日本最後のクラスAです。外見は凄く幼い少女に見えます」

 

三剣「このキャラは結構面白いタイプだと思う。深く語れないのが残念だ。中盤からの登場だがその後はかおると水陰の推理議論なども見所の一つだ」

 

秘書「それではどんどんいきましょう、続いては沢田軽太郎です」

 

三剣「エクソダスのワッツと外見が似ているがそういうキャラではないということが本編内で書かれていた。よっぽど指摘が多かったみたいだな」

 

秘書「気弱でお人好しで仕事はあまり出来なくて・・オアシス的な存在ですね」

 

三剣「結構ボケもかましてくれて好感度は高かったぞ。みゆきにはかなりぞんざいに扱われていたがな

 

秘書「報われませんね〜

 

三剣「相変わらずハッキリいうな(^^;)」

 

三剣「よし、次はフィーナだ。犯罪に手を染める謎の少女、マイのボスだ

 

秘書「このキャラについては何も語れないですね

 

三剣「そうなんだよな、ネタバレを制限している以上辛いところだが仕方がない」

 

秘書「続いては怪盗サファイアです」

 

三剣「ま、序盤から正体はバレバレだったんだがな。どん欲で何処かつかみ所がないのは良かった」

 

秘書「続いてはマルタ・アルゲリーチです。エクソダスからの登場ですね」

 

三剣「菅野さんはエクソダスで現代編は気に入っていて。それだけで切り離した続編を作ってみたいといっていた。コレが探偵紳士でも現れたんだろう」

 

秘書「登場の仕方を見ると次回作でまた活躍がありそうですよね」

 

三剣「うん、というわけで主要なキャラクター達を語ってみた」

 

秘書「全体的に見てどうでしたか?」

 

三剣「やはり全体的にレベルが高い。そして萌えブランドをかなり意識して作られている。しかしそこはさすが実力者でブランドには依存していないから十分に楽しめると思う」

 

秘書「それではキャラの評価をどうぞ」

 

三剣「評価はだ」

 

 

<シナリオ>

 

 

秘書「シナリオです」

 

三剣「ちょっと今更だけど、ミステリートは菅野さんがシナリオライターとして執筆されていることを前提に話を進める」

 

秘書「というのはミステリートはシナリオライターの欄が非公開になっています。尚アーベルの公式HPでは「企画担当」という登場の仕方になっています」

 

三剣「これは次回作のサイファーでもそう。シナリオは「ミステリートの脚本家」とだけ記されている」

 

秘書「業界からもユーザーからも批判が来ているそうです」

 

三剣「正直なんでここまで秘密主義に徹底したのは不明なんだよな。菅野ブランドということで無条件に評価されたくなかったんだろうか」

 

秘書「企画担当ということからディレクターとしても活躍されているようですが」

 

三剣「あの癖のある文章はおそらく菅野さんだと思うけどね」

 

秘書「ではまず第零話から第四話までを振り返ってみましょう」

 

三剣「第零話はマリアテレジア号で起きた殺人事件だ

 

秘書「マリア・・・テレジア・・・・何処かで聞いた名前ですね」

 

三剣「マリーアントワネットの母親だよ

 

秘書「マリーアントワネット・・・パンが食べられなければお菓子を食べればよいと言うセリフをいった人でしたっけ?」

 

三剣「違うよ、あれはデマなんだ

 

秘書「え?そうなんですか?」

 

三剣「アントワネットの引きずり降ろすために使われたでっち上げなんだよね。ま、時の権力者にこうやって無責任の誹謗中傷するのは何処の国も同じという訳だ」

 

三剣「ただ確かに国民にとっては愚主だったみたいだ。息子の死の悲しみを忘れるためにパーティに多額の税金を使ったり、育ちが良すぎて政治には向いてなかったんだな

 

秘書「へぇ〜」

 

三剣「ちなみに補足トリビアとして、時計業界のレオナルド・ダ・ヴィンチといわれたブルゲ「予算も時間も制限しない。この世で最も美しく複雑な時計を」といって注文した事とがあった。そして幾多の中断を挟みアントワネットが処刑された後も製作され続け44年の歳月を費やして完成し、世界一高い時計といわれているのが彼女の名前を冠する「マリー・アントワネット」だ

 

三剣「今現在盗難に遭い行方知れずとなっているがオークション出かけられたら数十億は確実といわれている

 

秘書「はぁ〜、マリアテレジアはどうなんです?」

 

三剣「政治家として優秀、母親としてはダメ、女としては貞操を守っていたらしい」

 

秘書「政治家として?」

 

三剣「貴族と兵民の垣根を無くした陸軍兵学校を設立。軍の上官から部下への一方的な暴力を徹底的に排除、破ったモノには解雇もされていた。そのおかげで軍隊内の人間関係が良好になり士気も高まったんだ。当時としては珍しく軍にインフォーマルな関係を重視したのはさすがだと思う

 

三剣「女としては夫とは当時としては珍しく恋愛結婚で夫の死後十年は喪服を脱がなかったといわている

 

秘書「へぇ〜、夫を愛していたんですね、ステキじゃないですか」

 

三剣「でもその夫はたった一度だけだが浮気していたみたいなんだけどな

 

秘書「・・・・」

 

三剣「まぁ夫のフランツはかなり美男子で色目を使ってくる女官はビシビシ罷免していたらしい。そしてそれは政策にも現れ、浮気は重罪として坊主にされさらし者にされた。そういう曰く付きの名前の船で浮気に励むコナー局長はある意味挑戦的な態度といえよう

 

秘書「・・・・」

 

三剣「んでそのたった一度の浮気で子供まで作ってしまいDas ist nur einmal.(たった一度だけなのに)」なんていう流行語を面白おかしく作られて、世間に恥をさらすこととなったんだな」

 

秘書「ふむ、で、テレジアは夫の浮気を許したんですね

 

三剣「え?ああ、ほとんど咎めなかったということだけど・・・しってんの?」

 

秘書「いいえ、でもボスの話から容易に検討付きますよ」

 

三剣「・・・なんで?」

 

秘書「ベッカムの浮気は知っていますか?

 

三剣「え?お、おう、そういやアレもヴィクトリア夫人はあっさり許したみたいだけど」

 

秘書「あっさり?相変わらずそこら辺の考察は雑ですね」

 

三剣「な、なんでだよ」

 

秘書「御しやすい美男子なんて結婚相手としては理想じゃないですか。たとえ浮気という裏切りをしても逆にそれは一生付きまとう弱みを握れたことになりますからね

 

三剣「・・・・」

 

秘書「現にベッカムは数億のダイヤと数十億の別荘を買う羽目になります。浮気を許してあげたら自分に尽くしてくれる安全な男だと彼女は分かっているんですよ。タダより高いモノは無いというのを覚えておいて下さい」

 

三剣「・・・・はい」

 

秘書「で、おそらくそのフランツという男は浮気を控えたんじゃないですか?」

 

三剣「な、なんでわかるの?」

 

秘書「だからそういう男なんですよ。寛容な心で許せばもう彼に主導権はありませんから。浮気はしても真面目な男なんです

 

三剣「・・・・」

 

秘書「ではいつの間にか全然違う話になっていたので話を元に戻しましょう、後半からは各話毎のレビューにいきます」

 

三剣「・・・りょーかい」


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