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三剣「今回はディジタルホームズだ」 秘書「ARC SYSTEMから発売されたタクティカル・トーク・アドベンチャーというジャンルに分類されるゲームですね」 三剣「といっても、それはシステムの名前で、基本的にはテキストアドベンチャーだ」 秘書「ディジタルホームズというのは元々ネット版や文庫版というジャンルで活躍していたのをそれを他の分野に伸ばすためにPS2版が発売されたらしいです」 三剣「あまりメジャーではない分野でゲームの発売以前に人気を誇っていたというのは珍しいな。ネット版での人間関係とゲーム版の人間関係はほとんど一緒。サイドのキャラに違いがあるがそこはご愛敬といこう」 秘書「しかしディジタルホームズというタイトルは結構変わっていますね」 三剣「これは主人公のイブがコンピューターを駆使することからそうなったらしい、ま、細かいことは項目毎に述べておこう」 秘書「そうですね、それではレビューに入りましょう」 <キャラ> 三剣「一番最初に語るキャラは本作の主人公であるヒュー・イブカ・ホームズ。通称Ib(イブ)だ」 秘書「タイトルから分かるとおり、ホームズの名を冠しています。ホームズの子孫です」 三剣「なら「どうして女嫌いのホームズに子孫が?」という疑問がわくだろう」 秘書「へ?」 三剣「ホームズの女嫌いは有名だぞ。といってもアイリーンへの思いは特別なモノがあったみたいだが」 秘書「アイリーン?今作のキャラのことではないですよね?」 三剣「あー、詳しく解説しよう。えっとまず女嫌いからだ」 三剣「シャーロックにとって基本的に女というのは自分の仕事を自分たちの気晴らしの対象にしていると感じていた。というのが主な理由らしい」 秘書「?どういうことでしょう?」 三剣「俺は何となく分かる。自分のしている仕事で騒がれる、つまりミーハーの対象となっていることに彼のプライドが傷ついたんだろう」 秘書「んー、ミーハーですか?」 三剣「そこで女達を利用したり恋人にしたりという器用さを持ち合わせていなかったんだな。非常に生真面目な人間だったんだろう」 秘書「・・・よく分かりません」 三剣「じゃあはっきり言うぞ。自分が誇りを持って仕事しているのにそれをろくに理解もせず、上辺で騒ぐ連中が嫌だったんだ」 秘書「ちょ、ちょっと!それはボスの推測でしょう?」 三剣「お前がそういう反応するのは承知の上だ。それを知った上であえていっている、話は最後まで聞け、得てしてそういう男はある一定の女に惹かれる傾向がある」 秘書「傾向・・?」 三剣「こういうタイプは敬意と尊敬が愛情に変わるタイプだ」 秘書「敬意と尊敬・・・それがアイリーンだと・・」 三剣「イエス、その証拠にアイリーン・・・本名アイリーン・アドラーに興味を持ち、彼女のことを常に“あの女性(the woman)”と言っていたんだ。そしてアイリーンは『ボヘミアの醜聞』ではホームズを出しぬいた女でもある」 三剣「なかなかの容姿を持った人で知性を兼ね備えていたらしい。ある意味不器用でストイックなホームズが惚れる対象としては凄く納得がいった。つまり自分が尊敬できる相手と付き合いたいのだろうな」 秘書「・・・ボス」 三剣「なに?」 秘書「なんでそこまで断言できるんですか?」 三剣「男だからだ」 秘書「そんな無茶苦茶な・・・」 三剣「100%当たっているとはまでは言わないが、コレに同調する男性は少なくないと思う。頭に入れておいて損はない知識だと思うが・・・」 秘書「わかりました。そういうことにしときましょう」 三剣「そうしてくれると助かる・・・って、いつのまにかレビューじゃなくなってるから軌道修正だ。イブカはそのホームズが大空白時代に日本に訪れて、日本人女性と子供を作っていたというオリジナル設定なんだ。その子孫がイブカ・・日本名は井深飛由、ヒュー・イブカの日本語読みだ。で、何故か性別不詳となっている」 秘書「ファンのHPを見ているとどこかJUNEを感じますね。コレの想像をかき立てるための材料でしょうか?」 三剣「おそらくな、絵柄と話の展開からしておそらくそうだと思っていた。無論そういう描写は非常にライトに作られているから安心していい」 秘書「イブカは幼い頃から複雑な家庭環境を抱え、しかも母親が典型的なダメ親でかなり苦労もしているようです」 三剣「イブカの母親はゲームで登場しない。詳しくはネットや小説を参照だ」 秘書「非常に生意気で人を喰った態度をとりますが、「シン」というとてつもない能力を持ったコンピューターのおかげで国際指名手配犯となるんですよね」 三剣「シンのとてつもない能力とは簡単に言うとコレさえあればあらゆる所にデータベースに侵入できる事だ。無論同時にこの技術を得れば多大な国益を生む。こういう背景からイブには非常に感情移入が出来る」 秘書「勝ち気な性格なので、ワトソンを引っ張り回しているんですよね」 三剣「この落差も結構気に入った。対照的な二人というのはやはり見ていて面白い」 秘書「で、次はそのアル・ワトソンにうつりましょう」 三剣「ロンドンのスコットランドヤードに勤めているキャリア警部補だ」 秘書「イギリスにもキャリア官僚があるんですか?」 三剣「あるよ、資格任用制を導入しているからな」 秘書「資格任用制?」 三剣「ん?日本と同じ試験を通じて公務員を採用する制度の事だよ」 秘書「試験で採用しない公務員なんてあるんですか?」 三剣「あるよ、情実採用。これをスポイルズシステムというんだ。アメリカに根強く残っている制度だな。ホワイトハウスの職員は政治的任命職なんだぜ」 秘書「政治的任命職?」 三剣「えーっと・・これも簡単に解説するか。猟官制(スポイルズシステム)は情実採用。簡単に言うと与党の好みで任用できる、これにより政権獲得政党により官職が独占され、腐敗が進んだ。そして政権交代毎に職が失うのが特徴。こういう公務員を政治的任命職という」 三剣「そこで導入されたのが資格任用制。公開試験による採用を実施する制度だ。そのおかげで、いわゆる政権に左右されない職業行政官の実現と、点数主義なので誰にでもチャンスが与えられるという平等主義が両方確立されたわけだ」 三剣「ちなみに日本はその政治的任命職の公務員が非常に少ない部類に入る。省で主要なのが大臣、副大臣、政務官の三種類だ」 三剣「そしてイギリス公務員制度も高級公務員の採用試験がある。というわけで長くなったがそれに合格したエリートなのがアル・ワトソンだ」 秘書「メモメモ」 三剣「ただ、おそらく彼はいいところのお坊ちゃんだと思われる」 秘書「どうしてそう思うのですか?」 三剣「今現代といえど明確な階級制度を残す国だからな。これは庶民の生活にも現れている。労働階級の酒場と生産階級の酒場が分けられているのは知っているかい?」 秘書「そうなんですか!日本では考えられませんね」 三剣「そういうのが向こうの「公」のようなんだがな。故にそういうことも十分に考えられる」 秘書「ワトソンの性格は警官なのに押しが弱くて優柔不断な感じです」 三剣「うん、ウルフがゲーム中で述べていたがラグビー部に入部したモノのそのあまりのきつさに値を上げそうになったが先輩が怖くて退部するとは言い出せずそのままやり通したというのは笑ったよ」 秘書「とはいっても彼には警官を続けたいという使命感があります」 三剣「そう、爆破テロで大切な友人を失っている。それが今も尾を引いているんだ」 秘書「でも「何で俺が生き残ったんだ!」というのをずっと持っているんですよね。あのウジウジはちょっと頂けません」 三剣「建設的な意見ではないよな。ショックなのは分かるが、せっかく友人が守ってくれた命なんだからそいつの分まで生きるという気持ちを持った方がいいと思うぞ。きつい言い方だが自己満足な懺悔は先に進まないから」 秘書「ボスはその「自己満足な懺悔」という言葉をよく使いますね」 三剣「他人への思いの筈がいつの間にか自分への思いに転化する場合は結構あるんだ。しかもそういう場合は本人が気付かないケースが多い」 秘書「でもそれは彼の優しさからも来ている部分もあるんです。エミリアを自分の妹のように面倒を見て慈しんでいます」 三剣「この部分には素直に男気を感じている。甲斐性がある男だなと思ったよ。責任を伴う決断をしたのだから」 秘書「続いてはアイリーン・ハドソンです。まさに恋する乙女を地でいっている女の子ですね」 三剣「うむ、アルに惚れていて事ある毎にアプローチしているが鈍いアルはそれにはいっこうに気付いていない・・・・というのが定番だがどうやら気付いているみたいだぞ」 秘書「私もそう思います。でもそういう正確な描写はありましたっけ?」 三剣「というよりアル自体積極的にアプローチをかけられるのが苦手みたいだな。アイリーンエンドで強くそう思った」 秘書「彼女のためにももうちょっとはっきりしてあげた方がいいと思うんですが」 三剣「しかし、健気だと思うぞ。あそこまで熱烈に思われるのは男として光栄なのでは?」 秘書「・・・・」 三剣「結構ほのぼのとしているシーンでもあったな。自分の家をイブカに半ば強制的に乗っ取られたアルを見かねて自分の所に来るようにいったり、ほほえましく思ったぞ」 秘書「・・・・」 三剣「どした?」 秘書「ボス、アイリーンが自分の所に来ていいよといったのは何故だと思います?」 三剣「何故って・・そりゃアルのことが心配になったからだろ?」 秘書「そこがズレているんですよ。アルを自分に取り込むために決まっているじゃないですか」 三剣「・・・・へ?」 秘書「自分の家に呼ぶじゃないですか。もちろんアイリーンの家族は歓迎するわけですよ。んで男は「いい人達ばかり」って思うでしょ。家族に好感を持ちます。そしてこの時点で女の思惑にはまっています。こうして周りから地盤を固めて抜き差しならない状態にして攻めるのは女の常套手段です」 三剣「・・・・マジ?」 秘書「はいな、ボスも気をつけて下さいね。いつの間にか周りが固まっていないように、ま、その相手と結婚するつもりだったら問題ないですけど、わかりました?」 三剣「・・・・はい」 秘書「でも私はこういうところも含めて一番女のスタイルを貫いているところが好感が持てますね。お嬢様なんですが実はオリンピック候補に名が上がっていて、火器担当とあっていざというときには拳銃ぶっ放して、そのパワフルさもいいです」 三剣「・・・・そうだね」 秘書「続いてはブライアンウルフです。アルと大学の同級生で対照的に体育会系の筋肉マンです」 三剣「ゴホン!あまりメインで登場することはなかったが、存在感は出ていた。アイリーンとよく喧嘩していて、イブカともケンカしていたな」 秘書「ケンカといってもそんな重たいモノではなくあくまでも、ライトな言い合いになっていますね」 三剣「この掛け合いも面白かったな、何処かほのぼのとしていて好感が持てた」 秘書「つづいてはトム・シンプソンです。アルに対して上司以上の感情を持っていて、慕っています」 三剣「まぁこうかくとやおいの匂いがするが、俺はトムのその感情の背景事情を聞いたときには舌を巻いたよ、なるほど!っと凄い納得した」 秘書「確かに・・・最初見たときにはそれ用のネタかと思いましたが実は違いましたからね」 三剣「コレはプレイしてからのお楽しみにということで、それじゃ次はサブキャラについて簡単にまとめていこう」 秘書「はい、次はジョン・レストレード、スコットランドヤードの副総監で巡査からのたたき上げの人です。であると同時に凄い親日家です。執務室には将棋や書道が飾られています」 三剣「将棋の腕はロンドン大会で優勝クラスの腕らしいぞ。向こうのレベルはどれぐらいなのか知らないけど」 秘書「続いてサラ・スタンフォードです。医務室に勤めていて職員達の健康管理などに当たっているそうです」 三剣「紅茶が好きで、アルともよく話しているみたいだ、落ち着いた感じの人だな」 秘書「次はクリストファー・マスグレイヴです」 三剣「エ〜レガント!という独特の口癖を持っている。貴族の末裔らしく誰に対しても尊大な態度をとる。薬物課の人間で日がな一日中研究に没頭している。裏設定ではどうやらアイリーンに惚れているらしい」 秘書「続いて、エミリアです。アルのことをお兄ちゃんと呼ぶ女の子」 三剣「ある事情から心に傷を負ってしまい、カウンセリングを受けている。今は立ち直っているみたいだが、時折フラッシュバックするみたいだ」 秘書「次はマオ・リーです。アメリカ人。中国系のFBI捜査官です。イブカを執念で追っています」 三剣「この人もチャイニーズタウンで生まれ青年時代はスラムで過ごし、ケンカも強く周りからは恐れられていたらしい」 秘書「あるきっかけで、更正し、今では世界を股に掛けています、ユーファ・リーと行動を共にしています」 三剣「最後はジャック・ホームズだ。名前から察するとおりイブカの叔父だ」 秘書「犯罪研究家でスコットランドヤードの捜査に関して助言を行っています」 三剣「と、サブキャラを簡単にまとめてみた」 秘書「全体的にどうでした?」 三剣「全員非常に魅力的なキャラクターばかりだ。サブキャラもきちんと個性を持っている。完成度としては見事な部類にはいると思うぞ」 秘書「それでは評価をどうぞ」 三剣「Aだ。これぐらいの評価だと思う」 <シナリオ> 秘書「それではシナリオの評価に移りましょう」 三剣「コレは見事な出来だと思う。基本的にキャラを移動させて人に話しかけるのみになるのだが、起承転結がしっかりしている。推理モノの要素はないが先が読めないシナリオを見事に展開している」 秘書「べた褒めですね。そんなに良かったですか?」 三剣「ああ、かなりの部分でどんでん返しがあって予想がつかなかった。推理モノの要素が入っている以上、深くつっこめないでレビューできないのが残念だ」 秘書「物語はジャックホームズ氏が何者かに狙撃され、意識不明の重体になり、物語はそこから始まります」 三剣「そこで操作を担当したスコットランドヤード特捜部。そして捜査線上にある一人の容疑者があがる」 秘書「それがMという男性か女性かも分からない謎の犯罪者。しっぽを出さず未だに逮捕されていません」 三剣「基本的にMの操作を軸に話が進んでいく、コレが序章だな」 秘書「しかしこのシナリオは登場人物の相関図がしっかりしていますね。細部まで作り込まれていますよ」 三剣「これが俺の高評価の要因だと思っている。キャラの紹介したマオ・リーの生い立ちなどだが、ゲーム中での紹介は非常に少ないが何故かボリュームを感じてな。んでよくよく調べてみると世界観などの人物相関図はほぼ固まっていたみたいなんだ」 秘書「シナリオの起承転結がしっかりしているとありましたがプレイ時間はどれぐらいでした?」 三剣「大体10時間強じゃないだろうか。こう書くとプレイ時間が余り少ないように聞こえるが、これはボリュームがないということにはならない。それを感じさせない作りになっている」 秘書「それでは点数の方をどうぞ」 三剣「「こうなるんだろう」ではなく「どうなるんだろう」と思わせるシナリオ。自分も一緒に色々考えてとても楽しめた。というわけでAだ」 <音楽> 秘書「続いては音楽です。これはどうでした?」 三剣「悪くない、少しチャチな感じがするが、ちゃんと作られている。結構俺好みだった」 秘書「ボスのお気に入りの曲は何かありました?」 三剣「スコットランドヤードを出て外に出たときのフィールドの音楽が良かった。これが唯一気に入って、MDに録音して聞いている」 秘書「なんか曲名が具体的なようなそうでないような・・・(^^;)」 三剣「ほっとけ、タイトルは分からないからそういったの!」 秘書「それでは音楽は何点ですか?」 三剣「B、聞いてソンはしないと思うぞ」 <システム> 三剣「これが唯一の減点項目なんだ」 秘書「確かにバックログも、セーブ数もそれに伴うどの辺まで進んでいるのかとか、音楽鑑賞、CG観賞、そういうのが一切ありませんでしたね。設定資料集が多少合った程度でしょうか」 三剣「設定資料集も中途半端だった。特にセーブ数が少ないし、目印になる項目もないから、プレイ時間で判断するしかなかった。セーブできるタイミングも限られてくるし、好きなシーンで止めたりとかが自分の記憶が頼りなので全く出来なかったんだ」 秘書「キャラもシナリオも音楽もいいのにコレは残念ですね」 三剣「ああ、システムがよければ言うこと無かったんだが」 秘書「それではシステムの点数は?」 三剣「可。こんなとこかな」 <まとめ> 秘書「というわけでディジタルホームズもまとめです」 三剣「隠れた名作という評価がふさわしいのではないかと思う。シナリオはプレイ時間を越えたボリュームを持っている。キャラクターもいい、ただ唯一システムの不備が目立ったな、コレが唯一残念なところだ」 秘書「他に何かありますか?」 三剣「語るべき所は全て語った。このゲームは個人的にオススメしたい。ただ繰り返しになるが基本的にマップ移動で話しかけて原則となる。それが単調に感じられるかも知れない」 秘書「ふむ、移動がやや面倒なので寄り道を楽しみたい人には時間が長くなるかも知れないですね」 三剣「俺も寄り道好きなのでそこら辺が少し作業になったかな」 秘書「というわけで総合ランクをどうぞ」 三剣「総合ランクか・・・・Aマイナス・・・かな」 秘書「Aマイナスって・・・せっかく綺麗に締めようとしているんですから、はっきりして下さいよ」 三剣「結構難しいんだよ、Bランクよりかは上だし、Aを与えていいかというと少し迷う」 三剣「それにこの評価は俺個人のこだわりや好みが凄く入っていてさ、だからこれが妥当かなと」 秘書「ま、いいでしょ、了解です分かりました、ディジタルホームズのランクはAマイナスと言うことで決定しましょう」 三剣「ありがと、ではこれでレビューは終了だ」
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