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三剣「今回は百鬼レビューだ」 秘書「18禁ソフトの老舗、エルフがリリースしたテキストアドベンチャーです」 三剣「といってもゲームの途中で選択肢を選ぶだけで後はテキストを楽しむゲームだ。いわゆるノベル形式だな」 秘書「私はタイトルからみて最初鬼畜ゲームだと思っていましたよ」 三剣「俺もだ。だがレビューを見てみると、結構評価が高いし、鬼畜ゲームではないみたいなんだ、だから購入に踏み切った」 三剣「確かに鬼畜シーンは入っていることは入っている。しかしメインではないのでそれが苦手な人はちゃっちゃと飛ばしたり見ないことも可能だ、大丈夫な作りになっている」 秘書「この百鬼の舞台となるのはうち捨てられた島、応化島。石炭を主体とした企業が経営する企業城下町みたいな所で、かつては多くの人でにぎわい、活気のあるところでした」 秘書「しかし、主力エネルギーが石炭から石油に変わり、結果応化島は廃墟だけの無人島となってしまいます。高度経済成長の夢の跡というところでしょうか」 三剣「応化島の廃墟のCGは軍艦島そのままだな。廃墟ながら雰囲気も良くていいと思うぞ」 秘書「え?ボス、今なに島といったんですか?」 三剣「ん?軍艦島といったんだけど」 秘書「軍艦島?なんですそれ?」 三剣「知らないのか?まさしく設定は応化島そのものだよ。正式名称は長崎県端島。ゲームの中も九州のようだからだから地理まで一緒だ。島の横の姿が軍艦土佐に似ていることから軍艦島と名付けられたんだ」 三剣「企業が持ち、石炭を主流とした企業城下町のような所、人口都市。石油に主力が変わるとうち捨てられ、高度経済成長の夢の跡となった歴史を持つんだ」 三剣「そして長い間海風にさらされているので、建物の崩壊の危険性から今現在では立入禁止区域となっている。百鬼の中に使われているCGは軍艦島の何もかもそのままだ」 秘書「へぇ〜、そんな島があったんですね。自然にない100%の人口都市ですか」 三剣「今でも軍艦島出身の人たちは存命している。まさに今回の物語のキャラ達がリアルに存在しているんだ。テレビでしか見たことないが完全な人口都市というのは見ていて何か感慨深いモノがあったぞ」 秘書「ふむ、実際どういう生活だったんでしょうか?」 三剣「軍艦島出身の人曰く、「他人との敷居が無く家族そのもの、贅沢三昧で本当に楽しかった」だそうだ」 秘書「「贅沢三昧」というのは面白い表現ですね」 三剣「ああ、家賃が当時でもべらぼうに安い上に光熱費は島を所持している企業が払っていたからな。十分に家族を養えたらしいぞ」 秘書「へぇ〜・・ってなんか話がそれちゃいましたけど」 三剣「でもないぜ、細部の設定も軍艦島に沿ったモノみたいだし。軍艦島の紹介がそのまま応化島の紹介にもなる」 秘書「そうですね、それではレビューに移りましょう!」 <シナリオ> 三剣「先に点数をいっておく。70点だ」 秘書「その含んだ言い方は気になりますね・・ボス的にはそれはいい評価なんですか?」 三剣「一応な、抑えるべき所は全て抑えている。このシナリオライター、腕はいい方にはいると思う。ただ・・・・」 秘書「なんですか?」 三剣「プレイとしてずーっと「何か物足りない」というのが頭から離れなかった」 秘書「抽象的な言い方ですね」 三剣「承知している。う〜ん、なんと表現したらいいか分からない、物語の完成度もなかなかと思うんだがな。買って後悔はしなかったし、なんだろう?」 秘書「なんだろう?って聞かれても困るんですが(^^;)」 三剣「とにかく、ネタバレはいつも通り最低限でいこう。最初主人公は友人と旅行しにいく。そしてうち捨てられた島、応化島へ到着する。そこからドラマが始まる」 秘書「とはいうものの、今回の旅行は元々は何処が主催しているのかも何処につれていかれるかも全く分からないのですが旅行代金はタダという怪しさ全開の案内が届いたからだということですが・・・・ボスはこういう案内が届いた行きますか?」 三剣「まず行かないな、どういう案内だったか知らないが、コレで行くという神経が凄い。何か信用できる要素があったのか」 秘書「とはいうもののその旅行自体にはほとんどトリックはありません」 三剣「確かにな、きっかけ程度だった」 秘書「このシナリオは言霊ルート、ミステリルート、応化ルートであり、ゲーム中に出てくる物語を15篇全部集めると百鬼ルートが出現します」 秘書「まずは言霊ルートからどうぞ」 三剣「これは基本的におまけルートとなっている。他のルートで少なめなHシーンを補完するだけに用意された、ただそれだけのルートだ。言霊ルートということで俺は言葉の概念でも深く語ってくれるのかと期待していたんだが」 秘書「Hシーンに関してはどうでした?」 三剣「さすが大手とあってきちんと仕上げていると思う、特に不満はなかった」 秘書「言霊ルートで他に語ることはありますか?」 三剣「特になし。以上」 秘書「ふむふむ、それでは次におそらく、一番最初に突入するであろうミステリールートです」 三剣「一応謎解きがメインになっているらしいルートだ。基本的に謎はあまり解けないな。コレをプレイし終わった後だとよく分からないと思う。ちなみに推理要素は入っているような入っていないような感じだ」 秘書「入っているような入っていないようなって(^^;)」 三剣「一応捜査するシーンがあるんだよ。コマンド入力式の、死体を調べて矛盾点を探すみたいな。オーソドックスなタイプだ」 秘書「犯人は分かりましたか?」 三剣「ああ、犯人は普通に分かったぞ。というよりトリックは誰でも分かると思うが、犯人を断定する決め手となる論理が今ひとつ不明瞭な感じがした。「この人なんだろうが決め手となる部分はなんかあったっけ?」みたいな」 秘書「基本的にメインは犯人が分かった後ですから」 三剣「確かに、ま、応化島という特殊な環境だからこそなしえた感じだな」 秘書「それでは次に応化ルートです」 三剣「このルートはうってかわって恋愛が主体のルートだ。ヒロインはオープニングで登場している広美と祥子の二人が攻略対象となる」 秘書「広美ルートはありがちな恋愛でオーソドックスな展開ですね」 三剣「広美のキャラもどっかみたかんじだし。だからといってそれはシナリオの評価を下げることにはならないぞ。物語としては起承転結しっかりしていると思う」 秘書「でも序盤から広美は主人公に惚れていた感じがしましたけどね」 三剣「ゲーム中の描写では初対面でスリーサイズを聞いて明らかに距離が広がったと講釈してあったがあんまりそんなことは関係ない。結構ラブラブだな」 秘書「ラブラブって(^^;)祥子ルートに関しては?」 三剣「祥子に関しては序盤で分かることなのでばらすが竜一の友人のえーっと誰だっけ?」 秘書「高志です(^^;)忘れないで下さい。高志は主人公竜一の大学の友人で昼行灯の印象を受けます」 三剣「そうそう、その高志に惚れているのだよ。つまり祥子ルートはいかにして祥子と竜一がくっつくかというのがメインテーマとなるわけだ」 秘書「では実際どうでした?」 三剣「う〜ん、普段日常で行われている恋愛を見た気がして特筆すべき所は何もなかったな。祥子が竜一を好きになる過程が自己暗示でもかけているのではないかと」 秘書「じ、自己暗示?それはどうでしょう」 三剣「実際分からないがな。まぁ祥子ルートに関してはこんな所だ」 秘書「そういえばこの作品にはキーアイテムとして小説を集めますね。しかもこの小説は全て一つの作品として読むこともできます。とはいってもゲーム進行上は読まなくても作品自体に支障はありませんけど」 三剣「といってもあまり面白い物語はなかったな。まぁ普通というところ。でもこういう要素は個人的に好きだな」 秘書「そしてこの小説を全て集めると隠しルートの百鬼ルートが出現します」 三剣「これが全てのネタバレになるわけだ。そしてこれがこのゲームの評価の全てと言っていい、このシナリオの完成度は他を凌駕する」 秘書「基本的にこのルートは一本道で分岐はありません。ひたすら読み進めていくだけです」 三剣「このルートの主人公はこの小説を書いた人間で応化島がまだ現役で活動していた頃から始まる」 秘書「シーンは序盤から中盤は基本的に家族との生活描写が主です。多少展開がだらける印象がありますが、基本的に不快感は感じません。個人的にはかなりの完成度と思っています」 三剣「俺も良かったと思う。日常シーンというのは思いの外難しいんだ。お前がいったとおり多少展開がだらける印象があるが、よくぞあそこまで書き込めたと思う。小説の作者に対してはかなり感情移入できた。これはプラスポイントだ」 三剣「ただこの百鬼ルートをプレイすると他のルートがそれの引き立て役になってしまったという印象を持ったのは残念だったな」 秘書「う〜ん、でも他のルートが無ければこのルートは確立しませんし、一つ一つ取ってみると評価は高いと思います」 三剣「一つ一つ取ったらな。まぁコレは俺の個人的わがままなんだが一つ一つが全てに終息するというのが好みでな」 秘書「ふむ、何となく分かります」 三剣「ただ一つ注文つけるとすれば」 秘書「なんでしょう?」 三剣「ラストがな・・・奇跡が安っぽかった、それだけが残念だった」 秘書「確かに、奇跡が起きる細かい描写が何一つ無かったですね」 三剣「無論、みんなの願いが描写無く唐突な救済だからこそ奇跡というんだろうが。話の展開上もう少し奥まで入って欲しかった」 <キャラ> 秘書「次はキャラですね」 三剣「うむ、まずは本作の主人公竜一から語っていこうか」 秘書「印象らしい印象といえば・・・初対面の女性に対してスリーサイズ聞いたりしていましたね、広美と祥子に」 三剣「うん、とはいうもののこういう言葉は人によってセクハラになったり、結構様になったりするんだ。こういうのは生まれ持ったモノだと思うが、お前はどう思った?」 秘書「んー、とはいってもそんなに嫌な感じはないですね。それに本編中はそういった描写も余りないですし、特に問題はないと思います」 三剣「ふむふむ、でも基本的に特徴がないよな」 秘書「そうですね(^^;)まぁ男性キャラに個性があるというのは余りないですけど」 三剣「うむ、特徴付けてしまうと感情移入しづらくなってしまうからな。デフォルトで備わっている機能だと思っていい」 秘書「続いては主人公の友人の高志です」 三剣「これはお前がさっき言ったが昼行灯という描写が適切だと思う」 秘書「ですね、つかみ所のない印象を受けます」 三剣「ああ、印象はね、だが昼行灯というキャラは得てして内面に違う一面を持っているモノだと思う」 秘書「というと?」 三剣「かなりの頑固者だと見た」 秘書「頑固ですか・・・あんまりそういう印象は受けなかったんですけど」 三剣「就職にしても「なんとなく」というのではなくてきちんと自分の指標を定めているみたいだし、一方で好きな女に積極的に行動するなど行動派の一面も見られる。そして番外編の幽霊との対決シーンでは、かなり飄々としている。ハッキリ言って彼を舐めると痛い目に遭うな。そういう意味では主人公の竜一は極々普通の一般人だと思うぞ」 秘書「なるほど、確かに譲らない描写はあったような気がします」 三剣「俺は竜一よりも高志の方に感情移入が出来たからな」 秘書「ふむふむ、他の男性キャラについてはどうでした?」 三剣「う〜ん、サブキャラも特徴が無くて今ひとつだったんだよな。どっかで見たような感じでさ、だから特に語る所ってないんだよ」 三剣「鬼畜キャラも一人いたがアレもなにげに特徴無いと思うぞ。背景描写がキチンとされていないから、それだけの役割のために用意されたという感じだ」 秘書「ろくでもない人間という以外の印象は確かになかったですね」 三剣「ふむ、というわけで男性キャラは以上だ。じゃ次に女性キャラにいこう。まずはヒロインである若葉からいこうか」 秘書「・・・・」 三剣「ふむ、そのだまり具合から見ると」 秘書「ちょっとこの子、私ダメです、同性からは嫌われるタイプだと思います」 三剣「だろうな」 秘書「でも男の人には受けそうですね」 三剣「それは半分間違いだといっておこう。現実こういう女はあくまでも端から見るからいいのであって実際に彼女にはしたくないな」 秘書「そうなんですか?」 三剣「元々こういう女は嫌いだ、俺はな。まぁ好きな奴もいることも事実だろうが。だがそれでこのキャラで全ての決めてしまうというのはもったいないように思う」 三剣「実際ココも含めて複数のレビューサイトでいわれていることだが「若葉のキャラが許せるという人はオススメ」というのはピシャリだと思うぞ」 秘書「許せたんですか?」 三剣「(やけに絡むな・・)別に。最後のほうになったら納得がいったし。俺自身シナリオを重視するタイプだからな、シナリオで述べたとおり完成度はなかなかだ。故に若葉のキャラ自体でマイナスというのはもったいないな」 三剣「ともかく、繰り返しになるが、若葉のキャラにアレルギーがあるならこのゲームをプレイするのは無理だと思う。別に気にしないというのなら、今なら中古で安く売っているので買ってみてもいいと思う」 秘書「なるほど、そういえば彼女には重大なネタバレがありましたよね」 三剣「ま、物語の上ではキーパーソンとなる人物だ」 秘書「コレに関しては確かに言われるまで気付きませんでした」 三剣「俺は、祥子と広美ルートで何となく気付いた。といっても確信があったわけじゃないがな。「あれ?」と思った人は多分正解だと思う」 秘書「彼女に関してはこれ以上は語れないです。プレイしてからのお楽しみです」 秘書「それでは続いて、広美と祥子の二人です」 三剣「この二人に関しては、シナリオの部分で語ってしまったからな。省こう」 秘書「了解です、サブキャラについて何かありますか?」 三剣「う〜ん、さっきも語ったが可もなく不可もなくといったところ。特に興味を惹かれるというのはなかったな」 秘書「はい、キャラのレビューは以上でよろしいですか?」 三剣「おう、というわけでキャラの点数は63点だ」 <システム> 秘書「システムについてはどうでしたか?」 三剣「プレイしやすいと思うよ。シナリオのすすみ具合がチャート方式になっていて、今自分がどのルートのどの部分にいるか分かり易く表示される仕組みになっている。もちろんそのルートをクリックすればいつでもそこに飛べるようになっている」 秘書「複数のルートがある以上コレは便利ですね」 三剣「その分難易度が低下して、シナリオの位置が作業のように感じられてしまうが、攻略に関しては一役買っていると思う。小説の在処以外特に問題ないと思うぞ」 秘書「セーブ数はそれほど多くありませんね」 三剣「うむ、だがチャート式になっていて、かついつでもそこからスタートできるわけだから、数はあの程度で丁度いいと思う」 秘書「音声も全部入っていますし。基本的に不備はないのでは?」 三剣「それは俺も同意見だ。というわけで、点数は70点。この辺りが妥当だと思う」 <まとめ> 秘書「百鬼レビューもいよいよまとめです。この作品の全体について何かありますか?」 三剣「軍艦島がモデルになっていることは冒頭でも述べたが、だからといって稚拙な作りになっているわけじゃない。シナリオ自体のレベルも決して低くない、いや、むしろ高い方にはいるのではないかと思う」 秘書「メインヒロインである若葉のキャラが受け入れられるかどうかですね」 三剣「うん、でもそんなに構える必要もないと思う。若葉のキャラなんて昨今のギャルゲーじゃ一人は必ずいるだろ。実際プレイしてみて「こんなもんか、なら大丈夫だな」と思った」 三剣「基本的に悪くない。買ってもいいのでは?安売りしていて特に注目すべきゲームがないときに買うのなら俺はオススメするぞ」
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