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三剣「今回はモノクロームのレビューにいこう」 秘書「KIDが制作したアドベンチャーですね。ジャンルは恋愛・・・ではないですよね?」 三剣「うーん、各所では恋愛アドベンチャーではないと書いてあるけど、俺自身はやっぱりそっちの方のゲームだったと思う。そういう意味では残念だったかもね」 秘書「今回の購入動機って何です?」 三剣「キリスト教をモチーフとした独特な世界観、そして退廃的なイメージに惹かれてね、なかなか歯ごたえがありそうな作品だったからさ」 秘書「それではレビューに行きましょう」 <キャラ> 秘書「まずはキャラのレビューです。まずは本作の主人公、桐丘大輝です。眉目秀麗な男の子ですよね」 三剣「まぁギャルゲーの主人公は不自然にモテるというのが通説だが、大抵はその部分は省略されている。だが大輝の場合は作中で「凄い女の子に人気がある」という描写がされていて、その通りに大輝の周りには気がついたら女がそばにいるという状況となっている。しかも登場人物全員主人公のことが好きというおまけ付きだ」 秘書「女がほっとかないタイプということですね。イメージとしては少女漫画に出てきそうなキャラです。ボスはどう見ます?」 三剣「不自然にモテるよりかは違和感が無くてその部分はスッキリした。とはいうものの美青年で女にもてまくる男は需要観点からいって大丈夫かなとは思った」 秘書「彼自身はついてはどうでした?」 三剣「うーん、クールな印象を受けるけど、基本的に大輝は臆病なんだなと感じる」 秘書「具体的には?」 三剣「状況判断能力の欠如」 秘書「状況判断能力の欠如?」 三剣「しかも大輝の場合は自分でその状況判断能力を抑えている点だ。二枚目気質に見られる典型的な例だな」 秘書「んー、確かに煮え切らない態度を取るときはありましたけど・・・」 三剣「煮え切らないというより逃避行動なのだよ。例えば「私はどうしたらいいのか?」という問いに対して「それはお前が決めるんだ。それに対して俺は全力で応援する」って返し方があるけど、これってどう思った?」 秘書「大輝が言っていた台詞ですね。でも立場からしてみれば特に問題があるようには思えないですけど」 三剣「この言葉って自分は傷つかない相手も傷つかないとても大人な対応だと思うね」 秘書「結構辛辣に語りますね」 三剣「「どうしたらいいか?」という深刻な場面を作り出したのは大輝もその一端を担っているんだぞ。この期に及んで「お前が決めろ」なんてのは責任回避以外何ものでもない」 秘書「うーん、って偉そうに言ってますけどボスが大輝だったらどうするんですか?」 三剣「「俺はお前にこうして欲しい」と意思表示することだ」 秘書「それは傲慢にもつながりかねませんが」 三剣「お前が男に欲しい言葉はどちらだ?」 秘書「・・・・ボスの言葉です」 三剣「ならその言葉を言うべきだ。人を気遣うというのは実に因果なモノ。相手を尊重する言葉に見えて実は責任回避の言葉であるなんてのはザラだ」 秘書「しかし実際相手に決めさせて方がいい場面というのはありますよ」 三剣「ならもう一度いうぞ。あの状況でお前が欲しい言葉は何だ?」 秘書「・・・・」 三剣「気遣うというのでであれば、相手が自分の判断を望んでいるのならばあえてその正しい言葉を破ることも必要なのだ。状況判断能力というのはその事を俺は言っている」 三剣「相手は自分の判断を望んでいる。当然それには大きなリスクと責任が伴う。だからこそ俺は「自分が彼女を導いてやる」という「本気の言葉」が聞きたかったな」 秘書「続いては遊羽です。これで「ゆん」と読みます。天使見習いで天使の昇格試験に合格するために大輝の前に光臨してきます」 三剣「天使というイメージから想像される神秘的なイメージではなくひたすらノリが軽いどこにでもいる女の子だ」 秘書「とりあえず合格しようとがんばるのですが、その方向性が今ひとつですね」 三剣「努力というより結局何もしなかったという印象が強いからな。ただ基本的に登場人物が根暗が多かったからムードメーカーとしての役割は果たしていたと思う」 秘書「続いては桐丘千歳です。主人公の義姉であり、大輝がかつて通っていた学院の学院長を勤めています。23歳という年齢ですが容姿は小学生のそれと全く変わり有りません」 三剣「まぁ倫理規定を守るために「18歳の幼稚園児」とかがデフォになっているからな。とはいうものの過去の事故で成長が止まっているという理由が一応つけられている」 秘書「しかし事故によって成長が止まってしまうというのは本当にあるのでしょうか?」 三剣「ある、ピーターパンの創作者であるJMバリンが「愛情遮断小人症」という病に犯されていたという記録がある」 秘書「愛情遮断小人症?」 三剣「定義としては母性的養育が剥奪されたことによって心身両面の発育障害で発症するというモノらしい、もちろん千歳は愛情が遮断されていたわけではないが、それに準じたモノがあるのでおそらくはそうなのではないか」 秘書「でも23歳にしては行動が幼すぎだと思うんですけど」 三剣「まぁそれは突っ込んではいけない所だ(^^;)」 秘書「彼女自身に関してはどうです?」 三剣「良かったと思うぞ。面倒見のいい姉貴という感じで」 秘書「アレは面倒見のいいというよりブラコンだと思うのですが」 三剣「まぁいいじゃないか、キャラとしての一貫性はあったし、精神的支柱としての役割はきちんと果たせていたぞ」 秘書「続いては雛水です。ひなみなと読みます。遊羽と同僚の天使、彼女の場合は既に天使として昇格し活躍しています。まさに神の尖兵として相応しいですね」 三剣「一見融通が利かなくて冷酷そうに見えるが情に厚く、いざというときには自分の身を盾にして動ける子だ。このゲームの中では一番好きなキャラだな」 秘書「綺麗な女の子ですね。意志が強いというのはいい感じです」 三剣「眼鏡をかけるイベントCGがあるけど、眼鏡をかけただけでガラっと変わるモンなんだな。この手のゲームで眼鏡をかけたシーンとかけないシーンが分けられていたのって初めて見たかも」 秘書「あー確かに、眼鏡って萌えブランドですけど、そこら辺に絞って描かれていたのは余りないような気がします」 三剣「本来そのギャップも十分に萌えブランドとなって然るべきだとは思うんだがな」 秘書「続いては崇です。正体不明の男です、意味ありげな台詞を大輝の前で喋り、いわゆる狂言回し的な役割ですね」 三剣「大輝と双璧をなす美形だ。男性造形は女性需要を見込んで作られているな、だから二人ともナルシストっぽいんだろう」 秘書「二人の絡みもありますからね、文字通りのが(^^;)。私は腐女子ですがBLはノーセンキューです」 三剣「次は松澤紗耶香にいこう。園芸部員。物静かな正確な女の子だ」 秘書「でもそう一枚岩なキャラだとは思わなかったですね」 三剣「意外と躍動感のあるキャラだったからな。完成度は意外性という意味ではかなり高いと思う」 秘書「次に紹介するのが深海花織です。高校生でありながらアイドル芸能人、最初は注目されていたものの、今は落ち目ですね。芸名は光樹恋乃花(みつきこのは)と名乗っています」 三剣「アイドルで長い間活躍するというのは難しいからな、とはいっても芸能人のオーラは出ていないと思うけど」 秘書「見も蓋もないことを(^^;)ただ事実、特に特徴といえるモノもないですからね」 三剣「それに光樹恋乃花って名前・・・・なんかAV女優の源氏名みたいだなと思ってしまった」 秘書「(^^;)では最後に紹介するのは椿梨沙です。中等部の女子生徒です」 三剣「初対面のはずなのに何故か大輝のことを知っている素振りを見せる。意味深行動が多いな」 秘書「この子はトゥルールートを飾るヒロインなのでこれ以上語るとネタバレになってしまうのが残念ですが」 秘書「というわけでキャラ全体をみてきたのですが如何でしたか?」 三剣「うーん、基本的に感情移入と呼べるものはあまりなかったような気がする。造形レベルは決して低くないんだけど、なんか全体的に淡泊なんだよな」 秘書「それではキャラの評価をお願いします」 三剣「キャラの評価はCだ。このキャラの評価はシナリオに付随するものだとは思うけどね」 <シナリオ> 秘書「シナリオレビューです。主人公大輝は幼い頃の記憶が無く、養父母姉の元で育てられています」 秘書「しかし大輝は感謝こそすれ潜在的な寂しさを抱えており、姉の計らいで卒業した高校の寮に寝泊まりしています。そのとき見習い天使である遊羽が舞い降りてきます」 秘書「その目的は天使の昇任試験に合格すること。そしてそのために人を幸せにしなければならないこと、それに選ばれたのが大輝であると。以上がプロローグですね」 三剣「この時点で俺はすでに設定に失敗してしまったと思っている」 秘書「どの部分に?」 三剣「「幸せ」という部分。幸福を与えることが出来れば晴れて見習いから正天使へと昇格できる。しかし遊羽が考えた幸福って地位や名誉や財産と女だぞ?天使が考える幸福ってそのレベルのモノなのか?」 秘書「とはいえ人によっては大体この三つが幸せという現実はあるように思えますが。例えば好きな人がいてその人と結ばれるというのは確実に幸せですし」 三剣「女という部分はキリスト教として解釈すれば確かにその一面はあるかもしれない。だが定義としては非常に貧弱だ」 三剣「昔、アウターゾーンという漫画に何でも願い事が叶う腕輪を装備した女の子が好きな男を自分のモノにしたいと思った所、付き合っていた女を捨てて自分に乗り換え、捨てたれた女が自殺未遂するという展開があってな」 三剣「だが「願い事が叶う」というのはそういう事なんだと最後に締めていた。示唆に富んだ言葉だと当時思ったね」 秘書「んー、幸せというのは綺麗事では済まされない場合もありますし、人を押しのけて幸せになるという事も往々にしてあるじゃないですか」 三剣「ふざけろ、相手の気持ちを力でねじ曲げて何が幸せだ。ソレが通用するのはロボットだけだっつーの」 秘書「・・・確かに・・・・」 三剣「だから幸せの定義が貧弱なのだ。それに何かを達成できる力は持っていないみたいだが、じゃあ一体どうやって幸せを手に入れようとさせるのだろうかと、金と名声にしても一週間じゃ焼け石に水だと思うが」 秘書「ならこうは考えられませんか?幸せにするのではなく幸せを見つけることが試練だとしたら」 三剣「まだそっちの方が説得力があるな。ただ雛水のシナリオを読む限り本人以外の幸せはどうでもよくても合格出来るみたいだし、今ひとつそこが見えてこない」 秘書「その本作では天使が重要な存在ですけど、どういったものなんです?」 三剣「天使というのは人でも人間でもない。んで肉体すら持っていない。「霊」としての存在なのだ。だから当然拝んではダメだぞ」 秘書「霊ですか、仏教のようですね」 三剣「いや日本は死者は神になるという概念だから根底から違うといっていい。この場合の霊というのは人でも神でもない中間的な存在としての「霊」という言葉が正しいと俺は思う」 秘書「ふーむ、天使は羽を持っていますがそれに関して何か曰くがあるのでしょうか?」 三剣「いや元々の天使像というのは羽は生えていない上に成人男性の姿が本来の姿なのだよ」 秘書「男性・・・しかし天使に性別ってあるんですか?」 三剣「人間と近い格好をしていることから自ずと似せて作ったのだと思われる。それにキリスト教はイヴはアダムをサポートする存在だから、基本的に男性が主に構成されていてもさほど不思議ではない」 三剣「中世ヨーロッパの絵画を見る限りでは、聖歌隊は美少年、天使は美青年の姿で描かれているからな。女性天使の誕生は近世だと判断していいだろう」 三剣「天使の役割は作中通り。天使は神の命令によって人間を守ったり、神からのメッセージを伝える役割を果たしているんだそうだ」 秘書「天使にも階級があるのですよね」 三剣「大天使から幟天使までな、天使を考える上で絶対的階級を取り入れるというのがまた興味深い。神が絶対的階級で神の世界を統治しているからこそ人間の統治も絶対的階級で統治するからね」 秘書「翼を持ち始めたのは何がきっかけだったんです?」 三剣「オリエント・ペルシアの天子と精霊のイメージなどが混合されてきたからだとされている。詳しく語り始めるとそれこそ膨大な量になるのでこれ以上の知識は割愛する」 秘書「ってレビューから横道にそれてしまいましたね。シナリオに関しては?」 三剣「今回のシナリオの展開方法は冒頭にも語ったがクロスチャンネルに乗っ取っているな」 秘書「クロスチャンネル?」 三剣「紹介担当、伏線担当、真実担当にそれぞれキャラが振り分けられている方式の事だよ」 三剣「この展開の仕方の長所はそれぞれがストーリー上の役割が明確にされているため、全てを一本の道とした場合に結への経路が非常に立てやすいという部分にある」 三剣「ぶつ切りでそれぞれに重要な位置を占めるようにしてしまうと、淡泊な印象を受けたり、伏線がネタバレを起こしてしまう場合が存在するがそれが解消されるのだ」 秘書「その方式でいくと、紹介担当は深海花織と松澤紗耶香の二人ですね。このキャラのルートからレビューに行きますか。最初は深海花織ルートですが」 三剣「うーん、紹介担当と入ったモノのシナリオが平凡すぎて特にコメントはないんだよな」 秘書「基本的に努力家というのは解るのですが、キャラもシナリオも淡泊ですよね。一応グッドエンドとバッドエンドの二つがありますが」 三剣「やっぱり平凡。コメントするだけでネタバレになりそうだからな、アイドルと恋愛するという時点でどっちかというのは想像できるからな」 秘書「世界紹介担当といっても本当に紹介だけじゃダメですからね。このキャラの存在意義が疑問でした」 秘書「続いて紗耶香シナリオですがこれはいかがですか?」 三剣「キャラの躍動感というのは高いと判断する。大人しそうに見えて感情の起伏が激しかったりするなど、本筋には余り絡んでこないが印象は強い。シナリオの起承転結も上手だったし」 秘書「私はバッドエンドも注目だと思ったんですけどね」 三剣「確かに、バッドエンドというと急転直下で終わってしまうパターンがあるが、コレは良質のバッドエンドだったと思うぞ」 秘書「ここで注目なのが結末は一緒なんです。グッドもバッドも。でも紗耶香の心情が全く違います。この部分に関してはプレイして確認してみてください」 秘書「続いては伏線担当の千歳ルートですね」 三剣「正直この部分に関しても特に注目する部分はなかったような気がする。っていうかシナリオライターちゃんと配分と構図考えたのか?明らかに文字通り伏線だけで終わってしまったぞ。エンディングもアレ以降続かないし」 秘書「それぞれに役割を持たせようとしたのは解るのですが、失敗してしまったパターンの典型ですね」 秘書「続いてが遊羽ルートなんですが、これに関しては?」 三剣「ようやく本筋に絡んでくるわけだが、大輝がな、ヘタレではなかったんだがシナリオの足を引っ張っている印象を受けた。だからテンポが悪くて、キャラの時に述べた欠点がやっぱりシナリオでも出てしまったんだ。コレは残念だった」 秘書「この頃から徐々に真相があかされていきますが」 三剣「この部分に関しても特に、というより大風呂敷を広げすぎてエンディングの展開の仕方がかなり雑になってくる」 秘書「続いてが雛水ルートですね。ここで天界の陰謀が明らかになるのですが」 三剣「陰謀といっても何時誰が何処で何のためにというのが完全に抜け落ちているからエンディングまで強引にまとめたという感想以外何もない。天界がどういう所なのかも解らないし、それが人間界にどう影響を及ぼすのかも解らないし」 秘書「しかも他のキャラシナリオとの整合性も重要視しなければならないですからね。しかしこの構図では描きようがないですよ。設計の段階で失敗したんだと思います」 三剣「ここら辺が何処に責任があるのか解らないからな」 秘書「続いてはラストを飾る梨沙ですが・・」 三剣「当然陰謀なんちゃらはほとんど触れられない。あくまで一つの視点しか展開していないし、大輝の記憶と彼女の正体について語られるだけだ」 秘書「結構ドス黒い展開もあったんですが、一言でいえばシナリオ入力期間がなかったんだなと」 三剣「まぁな、序盤が良かっただけに余計にそう感じる。となれば最初から最後まで一貫した展開が出来るというのはそれだけでライター、もしくはディレクターの才覚なんだなというのは十分に解った」 秘書「でもボス、梨沙って本来は真実担当ですけど、実際そうでした?」 三剣「そう、ここがモノクロームのシナリオの最大の欠点なんだよ。俺のいいたいこと分かる?」 秘書「ふむ、遊羽と雛水が起承転結の「転」の部分の役割を果たしていないということですね」 三剣「そうだ。この頃からシナリオの終局に向かおうとするときに余分な展開を含ませてしまった。しかも結構でかいモノをね。そして一番痛いのは遊羽と雛水とのシナリオに差がないんだよ。同じ展開を見せつけられていて、雛水のシナリオが終わった時点で「承」の部分しか終わっていないんだ、それがあればな」 秘書「名作になる要素はあったと?」 三剣「んー、そういうゲームはここのところ増えてきたように感じる。面白そうというのと実際面白いというのは1万光年ぐらい隔たりがあるからね」 秘書「各要素に対しても彫り込み不足ですし」 三剣「そううなんだよな、結局この世界にとっての神って何だ?」 秘書「きちんと明示してありませんからね」 三剣「そこら辺の描写も絶対にあると思ったんだが結局無かったし、確かに神の形というのはキリスト教では明確にされていないけど、でもなんだかなぁ」 秘書「輪廻転生なんていう仏教用語を交えていたのですからそこら辺をもう少し掘り下げる予定だったのかもしれないですね。結局設定として提示してあるだけですし」 三剣「かもな。しかし、日本人がキリスト教のテーマをモチーフにした作品というのはこういった退廃的なモノが多い。これはなかなか興味深い」 秘書「やっぱりこれは日本が多神教という宗教概念を持っていることに由来しているのでしょうか?」 三剣「多神教といっても多神教の国は日本だけではないから、ここではあくまでも「日本型多神教」というようにとらえた方がいいね」 秘書「日本型多神教は「絶対的正義」という観点を持たないですよね」 三剣「そうだ。キリスト教の根幹である「神は正義」という観点を持たない。善悪二分論で物事を考えないのだよ。無論「神は正義」という捉え方もするがそれと同時に「神は悪」というとらえ方もする」 秘書「日本人が捉えるキリスト教の神の慈悲とはどういう風なのでしょうね」 三剣「神の慈悲とは一方通行でありそれが我々にとって善か悪かを問わない。あくまで神にとっての善。俺はそう捉えているのではないかと思っている」 秘書「禁断の果実を食したアダムとイヴですか・・」 三剣「基本的にアレは神がし向けたのではないかと思っているけどね」 秘書「というと?」 三剣「わざわざ禁断の果実を提示した神の意図が不明だからな。というより禁断の果実を与えたのはまず絶対に食べると思って提示してあったと解釈するのが自然だ」 秘書「なるほど、神が自らの力を誇示するため、おそれを与えるため、逆らう気力を無くすため、バベルの塔の逸話の例もありますがそういう意味ではオーソドックスな手段ですね」 三剣「ライターのそこら辺の解釈が全く見えてこなかったというのが痛いな」 秘書「そこら辺の宗教概念は確かにおざなりになっていましたね」 三剣「一神教に多神教の概念を混ぜて展開させるというのは凄く面白いとは思ったんだけど。でもそれに関しての記述が全くなくスケールが大きいのにスケールが小さい話で進行するのはちょっとね」 秘書「他に何かあります?」 三剣「特にない、語りたいことは全部語った」 秘書「それでは評価をお願いします」 三剣「評価はC。文章能力ということではなく、物語の展開そのものに問題があった」 <まとめ> 秘書「まとめです。今回の作品を振り返っていかがでしたか?」 三剣「世界観とキャラは決して悪くはないんだが、いかんせんシナリオの展開能力に問題あり、伏線が全く回収されなかったり、悪い言い方をすればかなりのやっつけ仕事だった印象があり」 秘書「一つの作品として完成していたかどうか疑問ですからね。何処まで見通しを付けて書いていたのか疑問ですし」 三剣「構想当初はちゃんと考えていたんだと思う。でもいざ書き始めると収拾がつかなくなったんだと思う。これって物語を書く上で意外とよくある失敗例なんだよ」 秘書「モチーフは面白かったんですけどね。ボスもいっていたように天使がもたらす幸せとは何なのか?神とは何なのか?天界と人間界とは?伏線が張りながらもおざなりになっていましたし」 三剣「キャラによっては必然性が感じられないしね」 秘書「それでは評価をお願いします」 三剣「評価はC。もう少し全体的に底上げできなかったかなと思った」
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