
FX目次へ
小説・魔女っ子大作戦2
外伝・キューティーハニー・
エフエックス・リローデッド
![]()
「小説版・魔女っ子大作戦2・外伝」
キューティーハニー特別編 「キューティーハニー・エフエックス・リローデッド」
パート1 「エンター・ザ・エフエックス」
魔界の宮殿の一室。いつもは大広間が舞台になることが多いのだが、この部屋はこじんまりとしていて、日の当たるテラスの一角に位置している。もっとも、調度がすべて青づくしなのはお約束通りなのだが。
小部屋にはパソコンが置かれてあり、モニターの前にはクセ毛の金髪の女が座っている。
ルンルン 「うわー、すごいわねえこのコレクション!!クリックしてもクリックしても、どんどん出てきてさ、もう圧倒的な数だわよ!よくこれだけ集められたものだわねえ!!!」
ノン 「ホントビックリよね!ハニー先輩ってこれだけ人気があるのかって改めて思い知らされたわよ。『魔女っ子メグちゃん』だって魔女っ子モノの決定打とは言われているけど、とても先輩のパワーにはかなわないわねえ〜、何しろ今度実写映画になるのよ」
ルンルンとノンは、パソコンで「如月ファンコレクション」のグッズの数々を見て、ため息をついているのであった。
ルンルン 「わわ!でもさ、『ダークネス』って人のコレクションもなかなかのものじゃないのよ」
ノン 「幸二って人も、コレクションの送付をして下さるそうよ。今後」
ルンルン 「うひゃー!すごい人気よねえ!!さすがキューティーハニーはビッグだわ!!どうしてハニーちゃん、こんなに人気があるのかしら?」
ノン 「そりゃもう、先輩は脱ぎ脱ぎするからじゃないのよ。だいたい世の男どもって本質的にはスケベだから、おヌードになったらメロメロじゃないのよ。ハダカになったら誰だって人気でますよ。メグが男性層に根強い人気があるのも先輩譲りの脱ぎ癖のせいだしさ、ま、要するにオツムには疑問符がついても、女の武器で勝負したら勝ちってことなのよ」
ルンルン 「うひゃー!お義姉さん過激ぃ〜!!でも、確かに一理あるわね。ハニーちゃんからハダカ取ったら何も残らないもんね。ハニーちゃんの人気ってAV女優のそれに近い」
ノン 「でしょ?でしょ?だいたい町中で平気でスッポンポンになる女がいたら、とーぜん男は群がりますよ。あれは邪道ってもんだわよ。だから先輩のミニサイトを本体に引き取るのはイヤだったのよねえ〜!うちのサイトがハダカであふれかえったら、あたしの気高い品位が損なわれるわよ」
ルンルン 「・・・・・」
ノン 「あらルンルンちゃん、どーしたのよ急に黙りこくって?あんたの番組だってそれほど視聴率稼いだわけじゃないしさ、『あたしだって脱ぎさえすりゃ視聴率取れたけど、ハニーちゃんみたいに一線越えはしないわよ、あんなのサイテー』なーんて、常日頃ボディ勝負の先輩の悪口言ってるじゃーん」
ルンルン 「あの、お義姉さん、あれ・・・」
ノン 「何よ青い顔して。ここは大広間と違って女王のプライベートルームなんだから、あんたみたいな義理の妹くらいしか入ってこれないし、気にする必要は・・・・」
ハニー 「邪道で悪かったわねっ!そんならアンタらも脱いでみなさいよ!3サイズじゃあたしは負けませんことよっ!!」
二人の背後に赤毛の女が仁王立ちになっている。
ノン 「わーーーーっ!せ、先輩じゃないっすか!!お、お元気そうで何よりでありますううう!!!」
ハニー 「やかましい!!」
冷や汗でぐっしょりのノンが椅子から飛び上がった。それと入れ替わりにハニーがどっかりと腰を下ろす。
ハニー 「まあいい。今日はこっちだって、おりいって頼みたいことがあるんだから」
ノン 「は!?はいっ!な、何でしょうかあ!?何でも気にせずに言ってくださいっ!!全面的にバックアップしますう!!」
ルンルン 「ははははは、そうよねえハニーちゃん!!ハニーちゃんのやることに文句なんかありませんことよ。おほほほほほ!!」
二人とも冷や汗をダラダラ流しながら、必死で作り笑いをしている。
ハニー 「あ?そう?悪いわねえ。ちょっと強烈なお願いだから遠慮してたのよ実は。そう言ってもらえると気が楽になったじゃん。じゃあ遠慮なくおねだりしちゃう〜」
ルンルン 「えっ!?な、何かものすごく嫌な予感が・・・・」
ノン 「せ、先輩っ!とんでもないこと考えておられる予感がするんですけどね!?お願いですからことを穏便に済ませてもらえませんですか?って、先輩が出てきて事が穏便に済んだ事なんて一度もないんですけど・・・」
ハニー 「あはははは、イヤだわね!そんな大仰なことじゃないのよ。超カンタン!あたしのサイト、圧倒的なグッズの寄付でもはやミニサイトじゃなくなったでしょ?」
ノン 「はあ。あまりにページ数や画像が多くなって、もはや12Mのジオシティじゃ限界になって、とうとう大容量のサーバに引っ越したくらいですからね。先輩のサイトだけで、普通のHPの容量をはるかに超してます。ファイル数なんか800もありますもん」
ハニー 「そうなのよ、お前の所の掲示板だって今やあたしの話題一色じゃんか。それもこれもグッズを提供していただいたお客さんのおかげだし、このたびサービスとして『読者参加型』の企画を思いついてね」
ルンルン 「『読者参加型』???何それ???」
ハニー 「だからー、あたしのサイトにグッズ提供してもらった如月ファンさんを、この世界に登場させるのよ。あれだけの大コレクション作るくらいのあたしのファンなんだから、それくらいさせてもらってもバチ当たらんでしょ」
ノン 「ちょ、ちょっと先輩っ!何考えてんですかっ!!如月ファンさんは生身の人間でしょ?それに対して先輩は所詮は紙の上に書かれた2D、二次元の存在、両者が出会うのって本質的に無理でしょうが!!」
ハニー 「バカっかね〜!現在終末も近い『小説・魔女っ子大作戦外伝2』にさ、『ハニー編』を作りゃいいだけじゃんか。それにファン代表として如月ファンさんを登場させる。これで決まり!」
「そう簡単には行きませんよ。あれは構想にも時間を食われるし、かなり手間がかかるんです。第一本編はもう終わりまで全部完成していて、CGも出来ているし、あとがきまで完全に完成してるんです」
青白く輝くドアを開けて、背の高い男が入ってきた。
ルンルン 「あれっ!セルジュ(弟)さん、やけにたくましくなったんじゃない?腕のあたりに力こぶが出来てるわよっ!!」
ノン 「おほほほほ!最近うちの人は合気道にはまりまくって、別人みたいにマッチョになっちゃったのよ、おほほほほ・・・って、そしてうちの人は青系の女には弱いけど、先輩みたいな代表的なムチムチギャルには意外に強いのよ!」
セルジュ(弟) 「そーです、だいたい旧作13話だって、私はブレード姉さんのほうを熱烈に声援してましたからね。だから世間の男はハニーさんにメロメロになっても、私は彼女に結構言いたいことが言えるんであります。ハニーさん!だいたいですね、ここは女王のプライベートルームなんです。それを何ですかズケズケと、女王の親族でもないのに平気で入ってきたりして。私は合気道が姿勢や礼儀作法に非常に厳しいのが気に入っているくらいなんです。かりにもうちのやつは女王で管理職なんですから、話をするにしても筋をちゃんと通して下さい」
いつになくきっぱりと言い切るセルジュ(弟)
ルンルン 「す、すごいっ!!筋肉ついてセルジュ(弟)さん、以前よりたくましくなってるわよっ!!見直しちゃうかも!」
ノン 「おほほほほ!!どうですかうちの人は?マッチョになると違うわね〜!!男の魅力もちょっとは出てきたかも!おほほほほ!!」
ところが、ハニーは涼しい顔で椅子の背後に手を回したかと思うと
ハニー 「セルジュ(弟)さーん、あなたの部屋の押入れにあったんですけどさー、これは何でしょうかあ?」
セルジュ(弟) 「うわーーーーーーーっ!!!」
ハニーの手には段ボールの箱が載せられている。彼女が手を突っ込むと、そこには
「あたし、如月ハニーよ。変わるわよ。勉強頑張ってね。おはよう。おやすみ」
リカちゃん人形のできそこないのような変てこな姿で、あたまが白菜のように爆発した状態の、ものすごい人形がハニーの手に握られていた。オメメはキューピーさんのようにつぶらで、ほっぺたはほとんどオタフク。ハニーが背中を押すと人形はギューギューきしみながら、次々に機会音声まる分かりのしょーもないセリフをしゃべりまくる。
ノン 「あなたああああーーーーっ!!こ、これは何なんですかああ!!あなたは青系女一筋じゃなかったんですかああ!!リカちゃんくずれのショボイ人形が笑い袋のようなクソショボい声たてて、この浮気者っ!ヘンタイ!チカン!!恥を知れ!!」
セルジュ(弟) 「ま、待ってくれ!誤解だ!これは罠だ!!よりによって私の部屋の『恐怖のパンドラの箱』を!!あまりに安かったのでついフラフラとネットで買ってしまった中古のガラクタなんだ!とーぜんお前にしか私は興味はないんだが、『荒木伸吾つながり』ってことで出来心で買っちゃったものの、家族の目が恐ろしくて撮影のために一度フタを開けただけなのだーーーっ!!」
ルンルン 「むむむ・・・さすがハニーちゃん、転んでもタダじゃ起きないわよ。大物は違う・・・」
ハニー 「おほほほほほ!これで何とかなりそうだわよ。あたしが出てくると必ず事態は思うように展開するのだ。ビッグネームのキャラは違うのう」
ズンドコの修羅場を招いておきながら、涼しい顔で高笑いをするハニーであった。
東京、幕張メッセの一角に、青色のパネルを張り巡らせた奇妙なブースがある。白地に青色のラインの入ったTシャツを着た男が、ハガキを手に中に入っていく。ブースの中にはさらに分厚いパネルがあり、その扉を開けると
ノンフリーク 「お待ちしてました。このたびは当サイトに大量のグッズの提供をしていただき、誠にありがとうございます。つきましては出血大サービスということで、当サイトのネット小説に登場していただくことになりました」
レシーバーをあてた背の高い男が出迎えた。ノッポなだけではなく、意外に筋肉質な男のようだ。アニメ・セキュリティ・ズバット・必殺うらごろしの各コンテンツで知られる怪しさ一杯のサイト、『郷ノンのファンページ』の管理人ノンフリークとはこの男らしい。
如月ファン 「お世話になります。でも、私がネット小説に登場して、あのキューティーハニーと一緒に競演なんて本当の話なんですか?ハガキでの案内いただいても、さっぱり信じられなかったんですが」
ノンフリーク 「大丈夫です。まかせて下さい。普通なら生身の人間と二次元のキャラとの競演というのは不可能ですけど、コンピューターによるバーチャルリアリティの世界を介せば可能です。ちょうどあっちの世界でもハニーと如月ファンさんの競演がぜひとも必要になったみたいですし、両者の思惑がちょうどシンクロしたので可能になったわけですよ。ゴーグルをはめてもらって催眠状態になってもらい、バーチャルな世界でキューティーハニーとの接点を作り出します」
如月ファン 「じゃ、じゃあ私が、キューティーハニーの世界に入って、ハニーと一緒に戦えるんですか!?」
ノンフリーク 「そうです。でもキューティーハニーという作品は旧作、OVA、キューティーハニーFとして映像作品が作られたのをはじめ、何度も漫画としてリメイクもされてますからね。今さらそう言う作品世界に食い込みようもありません。唯一可能性があるのは、95年に出たゲーム『キューティーハニーFX』くらいのものです。これはあまり知られてない作品で、内容についてはご存じない方も多いですから、創作の可能性がないでもない・・・まあ、ゲームの内容の紹介も兼ねたいのであまり大きく内容をいじるつもりはありませんけどね」
如月ファン 「えっ!『キューティーハニーFX』!?私はゲームだけは苦手なので、この作品だけは未見なんですよ!!その作品に自分が出られるなんて、メチャラッキーです!!」
顔を輝かせる如月ファンさんがふと目をやると、床に置かれたパイプ式のベッドの上に、ゴーグルをかけた二人の男の姿があるではないか。
如月ファン 「わっ!な、何なんですかこの人達は!!まさか私と同様に・・・」
ノンフリーク 「おお、察しがいい方ですねえ。その方達は幸二さんとダークネスさん、以前からハニーサイトには熱心にアクセスしていただいていて、ダークネスさんからはグッズの提供もいただいてます。幸二さんも相当なハニーファンで、如月ファンさんと同じようにプリクラや等身大写真も撮ってるんですよ」
如月ファン 「そ、それはかなりヤバイのでは。オタクワールドに首までずっぽりはまっているじゃないのっ?」
ノンフリーク 「でしょーね〜!でも、如月さん、あんた人のことは言えないと思いますがああ!!ま、いいっす。あたしゃ青系の女一筋だからして関係ないもんね〜。じゃあこのバイザーはめて特殊電磁波と点滅する光源でトリップしてもらって、ゲーム世界に行ってもらっちゃおう」
如月ファン 「特殊電磁波って、人畜に害はないんですかね?」
ノンフリーク 「ないない。この間の旅行で行ってきた奈良県天川村のフォッサマグナに起因する電磁波ね、あれに似せてあるから体にはむしろ影響いいっすよ。私なんかゴーグルなしでビンビン感じちまって困ってんのね」
如月ファン 「ノンフリークさんがパワースポットで有名な天川村に行ったらひっくり返りかけたっていう、あのエピソードでしょう?怪しすぎる人なんだよなあ・・・なんか私、猛烈に心配になってきましたよ。ホントにゲームの世界なんかに行って大丈夫なのかなあ」
ノンフリーク 「私に任せておきなさいって。万一のために格闘技のデジタルデータを脳ミソに直接ダウンロードさせたげるから。これなら万一パンサークローに襲われても大丈夫でしょうが。空手・柔道・剣道・マーシャルアーツ・カンフー・合気道・キックボクシング、どれがお望み?」
如月ファン 「実は昔合気道をかじったことがあるんですよ。だから合気道お願いします」
ノンフリーク 「おっ!いいっすね!!合気道とはシブイ!今度いっちょ手合わせしましょう。私も合気道の大ファンだからして。そうそう、そっちでひっくり返ってる幸二さんはマーシャルアーツ、ダークネスさんはカンフー選択したんですよ。これで皆さん、最低自分の身くらいは守れますな」
如月ファン氏がゴーグルをはめようとすると、その隙間からちらりとノンフリークの左の顔が見えた。
如月ファン 「あのー、つかぬ事を聞きますけどノンフリークさん、その顔のビンタのあとみたいなのは何なんですか?」
ノンフリーク 「あ?これっすか?セルジュ(弟)のやつが二次元世界でノン女王にひっぱたかれたせいで、私まで青あざ出来ちゃったのよ。何せ私とセルジュ(弟)ってほとんどカブってるからマジで影響受けるんですね〜。それに今は両方の世界同士がつながってるから余計なのね」
如月ファン 「げげっ!!じゃ、じゃあゲームの世界で私が、パンサークローに襲われて死んじゃったりしたら?」
ノンフリーク 「分かりきったこと聞くんじゃありませんよ。当然生身のアンタも死んじまいますよ。『マトリックス』だってマトリックスの世界で死んだら、現実の人間もおっ死んじまったでしょうが。『心と体は一つだ』って説明してたし〜」
如月ファン 「ちょ、ちょっと待った!そ、そんな物騒な話なら考えさせ・・・・あら!いかん意識が・・・」 ガクリ
あわてまくる如月ファン氏であったが、すでに電磁波の影響で体も動かず、脳裏にはゲーム「キューティーハニーFX」のロード画面が出現するのであった。
青色に輝く海の中に浮かぶ人口のレジャー島、アウストラル・アイランド。その島はペンタグランマ(星)の形をした独特のデザインである。
島の入り口の波止場。ごった返すレジャー客の中に、携帯電話を手にした男が立っている。唖然として立ち尽くしていた彼は、電話の呼び出し音にふとわれに返った。
如月ファン 「も、もしもし・・・」
ノンフリーク 「はい、こちらオペレーター!中の様子はどうですかあ?如月さん!」
如月ファン 「うわっ!の、ノンフリークさん!!じゃ、じゃあ、ホントに私、『キューティーハニーFX』のゲームの中にいるんですかあ!?」
ノンフリーク 「そうですよ。すごい技術でしょう?こんなことはWindowsじゃ逆立ちしてもできませんよ。とーぜんLinuxで構築した私の環境のなせる業であります。Linux
はさまざまな環境に移植できて融通が利きますからね。プレステのゲーム機で動く『PS2Linux』ってのもあってすごくいい性能で知られてるんですから。だいたいマイクソ・ソフトの天下がいつまでも続くと思っていたら大間違いっす。おごる平家も久しからず・・・」
如月ファン 「パソコンについての能書きはいいから、これからどうしたらいいか指示してくださいってば!」
ノンフリーク 「しゃあないなあ〜、システムをぼちぼちFreeBSDに切り替える予定で、BSDの優秀さも言いたかったのに・・・とりあえずはカウンターに行って自分の荷物を取りに行ってください」
如月ファン 「荷物がなけりゃどうしようもないじゃないの。そーゆー大事なことを先に言ってよ」
ブツクサ文句を言いながら如月氏がバッグを取ろうとすると、向かいからも誰かの手が伸びてきたではないか。
如月ファン 「???」
思わず顔を上げる如月氏。すると、
如月ファン 「あっ!・・・かわいい!!」
目が大きいきれいな子が、つぶらな瞳で如月氏の顔をのぞきこんでいる。
如月ファン 「あ、あの〜」
と、そのとき携帯電話からノンフリークの声が
ノンフリーク 「あーもしもしお嬢さん、おたくの荷物はあっちでしょう。似ているけど微妙に違うのよ」
はっとした女の子は、恥ずかしそうに自分のバッグをひったくるようにして走り去っていった。
如月ファン 「・・・・・」
呆然として立ち尽くす如月氏。ふとわれに返って携帯電話を握りしめ、
如月ファン 「の、ノンフリークさんっ!な、何するんですか余計なことを!!ひょっとしたらこれがきっかけで知り合いになれたかもしれないじゃないの!あんた絶好のナンパの機会つぶしちゃってさ、根性ババ色なんとちゃうのーーーっ!?」
怒り狂う如月氏を意にも介せず、マイペースのノンフリークの返答が響く。
ノンフリーク 「チャンスはいくらでもありますって。それに如月さん、あなたには奥さんがいるんじゃないっすか、確か?これはサイトに出てる連載だからアメリカからでもアクセスできるし、奥さんがこの連載読まないとも限りませんぞな」
如月ファン 「ギョギョッ!!」
ノンフリーク 「ま、とりあえずは森の中にあるコテージに行ってちょーだい。結構きれいなとこですよ。行方不明になった娘を探す間、ここで生活しなきゃならんのだし」
如月ファン 「行方不明の娘って、さっきの子?」
ノンフリーク 「ちゃうちゃう、あなたは探偵としてこの島に来てるんであります。ま、詳しい事情はコテージに行ってから説明しますよ。ここから2キロほどだから歩いても知れてます」
如月ファン 「に、2キロ!!30分はかかりますよ!プログラムをいじくってすぐコテージに行くようにはできないんですか!?」
ノンフリーク 「無茶言うんじゃないっすよ。私が作ったプログラムならともかく、今回は『キューティーハニーFX』をいわばハッキングして中に入ってるだけなんだから。私はこのゲームをきちんと全面クリアしてるからナビゲーターは完全に出来ますけど、プログラムの中身自体をいじくるのは不可能っす。だからヤバくなったら逃げるとか、最低でも自分の身は自分で守ってね〜。仮想現実空間(マトリックス)で死んだら、現実世界でも死んじゃうからして」
如月ファン 「とほほほ・・・それを最初に聞いていたら絶対このゲームの世界なんかに来なかったよ〜」
ノンフリーク 「でもマジでマトリックス空間に入ってるから、ハニーとホントにつきあえもしますよ。チューも出来るしハダカもホンモノよ。実は完全クリアするとハニーともっとイイこともできちゃう」
如月ファン 「ノンフリークさーーーん!!この世界に来てよかったよ〜!!!」
森林の中のコテージ。これがゲームのプレーヤーが滞在する所である。丸太作りの清潔感あふれる建物で、中も結構きれいに片付いている。
如月ファン 「はあはあ、いやー参ったなあ、ああ足が疲れた・・・あ、これがコテージか。意外にイカした建物じゃないの」
ノンフリーク 「じゃあそろそろ説明しますね。ゲームのプレーヤー、この場合は如月さんね、あなたは東京の私立探偵なんですよ。若い娘たちがこの『アウストラル・アイランド』に来たのを最後に失踪しちゃう事件が頻発してるのね。あなたは失踪した娘の両親に頼まれてここを調べにきたわけ」
如月ファン 「ふんふん、あ、これが失踪した娘ね。『鮎川みずえ』って言うのか、特技はスプーン曲げって、結構怪しい趣味の子だね」
ノンフリーク 「あり?あなた女の子見る目なんじゃないっすか?この子すごく美人でしょ?何も感じないの?アドレナリンもドーパミンも分泌されんのですか?少なくともさっきの目のでかい子よりは美人でしょうが」
如月ファン 「ぎゃははは!いかにもノンフリークさんが好きそうなタイプだな。でも私はさっきのこの方がかわいいと思う。あのつぶらな瞳は捨てがたい」
ノンフリーク 「そうっすかね?悪くはないと思うけどタレ目なのがいかんです。ポイント減です。やっぱり切れ長のつり目、梶芽依子タイプに限るじゃないですか」
如月ファン 「いや、やっぱりさっきの子のほうがかわいいと思う」
ノンフリーク 「頑張りますねあなたも!鮎川みずえのほうがいいに決まってるじゃないですか」
女の好みでカンカンガクガク、全くもってお気楽な二人組である。時間だけがどんどんたっていく。
ノンフリーク 「しゃーないな、これじゃいつまでたっても先に進めないわ。とりあえずですね、この『アウストラルアイランド』を調べて鮎川みずえの手がかりを探してちょーだい」
如月ファン 「探すってどうやって?また何キロも歩くんですか!?」
ノンフリーク 「まあ騙されたと思って、コテージの外に出てみなさいってば」
携帯電話を耳に当てたまま如月氏が外に出てみると、
如月ファン 「あれ?誰かが手を振ってるぞ・・・あっ、あの子は、さっきの女の子!!」
美紅 「さっきはごめんなさい。ボク、あわてていたんです」
如月ファン 「い、いや、いいんだよそんなこと!の、ノンフリークさん〜!!大変っす!!」
あわてて携帯に小声で話しかける如月氏。
ノンフリーク 「ね、だからチャンスはあるって言ったでしょうが。その子は藤原美紅(みく)って言って、ゲーム前半でプレーヤーと一緒にアウストラル・アイランドを回ってくれるんですよ。自分のことを『ボク』って言う変な子なんですよね〜、コイツ日本語ちゃんと習ってないんじゃないかとか、ララベルに出てきた『トコ』の親戚じゃないかとか、下手したらうちのサイトの『うらごろし外伝』みたいに『若』に変身しやしないかと思うくらい」
如月ファン 「ふわっ・・・無邪気にはしゃぐ彼女、ふがふが・・・彼女の香水の香りがする。甘い香り・・・」
ノンフリーク 「おいっ!如月さん、あんたちゃんと人の話聞いてるんですか?もしもーし!!」
美紅 「実は一緒に来る予定だった友達の都合が悪くなっちゃって、ボク、一人なんです。よかったら一緒にこの島を回ってもらえませんか?」
如月ファン 「えっ!!わわっ!何だこりゃ?画面下に選択問題みたいなものが出てきたぞ!ノンフリークさん!!」
ノンフリーク 「いちいちうるさい人ですねあなたも、ノンフリークノンフリークって二言目には・・・えっとこれはね、これはゲームだから3択問題なんかが出るんですよ。ま、どれを選んでも最終的にはこの子といっしょに島を回ることになるから、どれ選択してもいいんですけどね」
如月ファン 「そりゃもう、絶対選ぶのは1の・・・」
「じゃあ、一緒に行こう!」
そのとき、いきなり見知らぬ男の声がした。
美紅 「本当ですか、うれしい!」
如月ファン 「誰だコラ!やっと美紅ちゃんと一緒に行けると思ったのに!」
怒り狂った如月氏が後ろを振り向くと、やせたヒゲ面の男が突っ立っている。
如月ファン 「何じゃこりゃ!?ノンフリークさん〜!」
ノンフリーク 「はい、オペレーター。何なんですか今度は。それにしてもいちいち手間のかかる人ですなあ。オペレーター頼らないで行動できないんですかあなたは」
如月ファン 「だ、だってヒゲ面の変なヤツがいるんだもの!!」
ノンフリーク 「えーっと、モニターで確認して・・・あ、その人がダークネスさんなんですよ。如月さんより前にグッズの提供いただいてた人ね。あなたより先に早くゲームの世界にトリップしてたんです。何でも藤原美紅ちゃんのファンらしいっす」
ダークネス 「そーです、私がダークネスです!美紅ちゃんが出てくるのを待っていたのよね〜、美紅ちゃん、一緒に行きましょう」
如月ファン 「こら!ちょっと待て!グッズの数じゃ私のほうが圧倒的に上回ってるんだから、その子こっちに回しなさいってば!!」
ダークネス 「冗談ホイホイ!私はずっとこの世界に侵入して美紅ちゃんが出てくるのを待っていたんだもんね〜!早いもの勝ちがナンパの鉄則だよーーーん!」
美紅 「いいよ、一緒に行こう」
ノンフリーク 「うーん、オヤジ二人に美人女子大生一人で旅するなんて、考えてみたらものすごくヤバいシチエーションだなあ・・・ま、いっか、所詮はゲームの話なんだから」
大騒ぎしながらも3人はアウストラル・アイランドを回っていく。
このような結構詳細な地図もついているのだ。とりあえずは管理事務所を訪ねて、鮎川みずえに関する情報を聞き出そうとするのだが、
ダークネス 「ちょっとここに立ち寄っていいかなあ、美紅ちゃん」
美紅 「うん、いいよ」
如月ファン 「こらあ!勝手に仕切るんじゃないっ!コレクションじゃ私のほうが上・・・・」
男二人の醜い争いである。
管理人「鮎川みずえねえ・・・見たことがないですね。本当にこの島に来てるんですか?」
ダークネス 「だめだこりゃ。手がかりが見つからないよ。じゃあ暇だから美紅ちゃんと遊んでいよう〜っと」
如月ファン 「こら!やめんか中年オヤジ!!ノンフリークさん〜っ!!」
ノンフリーク 「もう、いい加減にして下さいよ、そろそろ自立して一人で何とかして下さいってば。私も連日のデータベースの再構築で疲れてんのよね。ちょっと昼寝してきますわ」
如月ファン 「えっ!ちょ、ちょっと!!そんな殺生な!!ノンフリークさんってば!!」
「・・・・・・」
携帯電話からの応答はすぐに途絶えてしまった。
ノンフリークは非常に睡眠に入るのが早いので知られている男で、日によっては1分以内で爆睡してしまう。しかも高速バスの中だろうが空港のロビーだろうが、その場ですぐ寝てしまえるというかなりすごい特技の持ち主なのである。あまりにもたくさんのことをやっていて、いつ寝ているのか不思議がられている怪人物であるが、その秘密はこのようにきわめて効率的に睡眠をとれる体質によるものらしく、当然時間が非常に効率的に使えることに原因があるようだ。この場合もノンフリークは多分すぐに寝てしまったのだろう。
如月ファン 「とほほほ・・・なんてこった、ナビゲーターなしでこの変なヒゲオヤジと一緒に、美紅ちゃんを張り合わなきゃならんのかいな・・・だいたい捜査はどうするんだっての・・・」
半泣きで空を仰ぐ如月ファン氏。本当に無事「キューティーハニー・エフエックス・リローデッド」の世界を乗り切っていけるのだろうか?
第2ステージに続く!続きをお楽しみにね!!
![]()