
| Fableの衝撃! |
「長い夢を見ていた気がする・・・。私は、その夢の中では英雄だった。山賊と戦い、姉の行方を捜して世界を旅し、闘技場の大観衆の中で決闘した。そして最後には・・・」
Fable概要:
Fableはマイクロソフトから発売されているコンピュータRPGです。2005年3月にXBox版が先行して発売され、同年の11月にWindows版が発売されました。例によって後発のWindows版には、シナリオ、アイテム、および怪物が追加されています。
タイトルに「Fableの衝撃!」と書きましたが、Fableのどこが「衝撃!」なのかを一言で表現するのは難しいものがあります。「ここが凄い!」と分かりやすく説明できる部分が少ないのですよ。「自由度が高くてプレイヤーは世界で何をやっても良くて・・・」なんて書くと、「ありきたりなコンピュータRPGだなあ」「アンタのページで前から持ち上げてるMorrowindと何が違うの??」と思われそうです。
Fableの凄いところは、言葉を並べて説明しても全然伝わらないでしょうから、以下の解説から雰囲気を感じて頂くのが一番かなあ・・・と思います。
・少年時代
Fableではプレイヤーは一人の英雄を演じることになります。しかし、まずは少年時代から始まります。少年時代はチュートリアルを兼ねていることはもちろん、物語の中でも重要な位置を占めます。
村での平和な日々を、少年時代のうちに堪能しておきましょう。
父親の言うとおりに良い子を演じても良いのですが、数々のいたずらで村中に迷惑をかけることもできます。さすがはFable、少年時代から抜かりはありません。家族を殴ってもよし、通行人を殴ってもよし、自分より小さい子をいじめてもよし、他人の荷物を壊してもよし・・・。まあしかし、少年時代にいくら悪いことをしても、衛兵に捕まることはなく、大目に見てもらえます。
少年法の理念は、Fableの世界においても健在のようです。
ちなみに少年時代の英雄は、下の絵(左)のような姿をしています。こんなに可愛い良い子が、後の人生で悪行を積み重ねることにより、下の絵(右)のような凶悪な姿になってしまいます。人生とは不思議なものです。
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さて、少年時代の平和な日々は、山賊の襲撃により、突然終わりを迎えます。村は焼き払われ、家族は殺害・誘拐されてしまいます。プレイヤーキャラクタは隠れていたために難を逃れ、英雄ギルドのヘッド”メイズ”に拾われて英雄になるための訓練を受けることになります。
・修行時代
英雄ギルドへやって来たプレイヤーキャラクタは、英雄見習いの”ウィスパー”と共に、日々修行を重ねます。ウィスパーは、家族をなくしたプレイヤーキャラクタにとっては姉のような存在であり、ライバルでもあります。プレイヤーキャラクタが修行を終えて一人前の英雄となった後も、ウィスパーは良きライバルであり、親友であり続けます。
プレイヤーは修行時代を通じて、ゲームの戦闘方法や魔法の使い方を覚えてゆくのです。では、戦闘と魔法について、詳しく見てみましょう。
・戦闘
Fableの戦闘は、リアルタイムで進行します。マウスの左ボタンで武器を振るい、スクロールボタン押下で防御です。武器が何度か敵に命中すると、マウスの右ボタンの「フラッシュムーブ」が有効になります。「フラッシュムーブ」は、相手が防御していても関係なくダメージを与えられる強力な攻撃です。
基本は、たったこれだけです。
しかし攻撃・防御・フラッシュムーブの駆け引きが面白く、奥の深い戦闘を楽しめます。相手が弱い場合は適当に武器を振るっているだけで倒せますが、英雄クラスの敵には力押しの攻撃は通用しません。攻撃、防御、そしてフラッシュムーブのタイミングが重要になってくるのです。
戦闘の状況も、実に様々です。一対一の息詰まる決闘はもちろん、一人で十体以上の敵をバッタバッタとなぎ倒したり(時代劇のヒーローになった気分です!)、味方のNPCと共に敵の大軍団と戦ったり、巨大な敵に挑んだり・・・。当然ながら、弓や魔法を使っての戦闘も可能です。
このように、Fableの戦闘は単純ながらも面白く、かつスピーディーに行われるため、ストレスを感じることもありません。経験値稼ぎのために延々と戦闘を繰り返さなくてもゲームの展開に支障がないことにも注目すべきでしょう。
戦闘という行為を、タダの作業や障害とせずに、遊んで楽しいモノに昇華させたFable。侮れません!
・魔法
ファンタジー世界を舞台としたFableですから、魔法だって使えます。
魔法は戦闘に関係するものがほとんどですが、面白い効果が多く、実に強力な上、某ゲームと違って失敗することがないため使い放題です。・・・それにしても、魔法の使用に成否判定のある作品は多いのですが、そんな判定にいったい何の意味があるのでしょうか??少なくとも私は、魔法を失敗して楽しかったことなんて、一度もありません。イライラするだけです(あ、Ultima
Onlineは別ですよ)。
話を戻して、Fableの魔法です。雰囲気を感じ取って頂くため、私のお気に入りの魔法をいくつか挙げてみます。
ファイアーボール
毎度おなじみ火炎球です。Fableでは、ファイアーボールのレベルが上がると、長く詠唱を続けられて、その分破壊力と影響範囲が拡大します。最高レベルにまで達すると、敵の大群を一撃で吹き飛ばすほどの威力が得られます。
ライトニング
シスの暗黒卿が好んで使う、あのビリビリ攻撃です。見た目が派手でワルモノっぽく、レベルが上がると一度に複数の敵をビリビリできるのですが、肝心の威力が大したことありません。敵の反撃を受けずに一方的に攻撃できるのですが、魔力の消費が激しく、実用的とは言えないような気がします。しかし死なない程度に相手をいたぶるには最適かもしれません。
地獄
正式名称忘れました。プレイヤーキャラクタの周囲一帯を地獄に変えて、範囲内の敵全てに大打撃を与えます。まさに一網打尽と呼ぶに相応しい最強魔法です。敵英雄との決闘に、大群との戦いに、護衛に、あらゆる場面でこれほど役に立つ攻撃魔法はないことでしょう。大悪人を演じているのならば、大群衆の真っ只中で使用してみるのも面白いものです。貴方の目の前に広がるのは、文字通りの地獄絵図・・・。
フィジカルシールド
私が大好きな魔法の盾です。魔力が続く限り、プレイヤーキャラクタの受けるダメージを全て吸収してくれます。悪役を演じているのならば、是非とも習得したい魔法です。雑魚の攻撃など受けてもビクともしませんから、「ふははは、キサマらの攻撃など全く効かぬわ!」な気分が味わえます。
スロータイム
最近流行りの「クロックアップ」を体験できる素晴らしい魔法です。これを使うと、プレイヤーキャラクタ以外の時間の流れが遅くなります。敵の動き、発射された弾、飛び散る血しぶき、それら全てがスローモーションになるのです。しかも、必ず効果があらわれるため、如何なる状況でも役に立ちます。例えば、敵の大群を前に「クロックアップ」して、敵がノロノロ動いている間に背後に回り、片っ端から斬って捨てて、「クロックオーバー」する頃には敵は全滅・・・といった楽しみ方ができます。巨大な敵を相手にする場合も、「クロックアップ」すれば一方的に殴り続けることができます。もう楽勝です。ラスボスとの対決も、これがあるのとないのでは、難易度が全く違います。実用的な上、楽しく、カッコイイ魔法です。もう、これ無しでは生きてゆけません。どうせならば、「クロックオーバー」した後に、「今の流れを通常の速度で見てみよう」とかいってリプレイしてくれたら、もっと面白かったのになあ。
・そして英雄へ
英雄ギルドの訓練を終えると、プレイヤーキャラクタは晴れて英雄として認められます。
英雄ギルドには、世界中の人々が英雄に望むクエストが届けられますから、プレイヤーの英雄はそれらを選択して遂行することになります。物語を進める上で必須となるクエストもあります。一連の必須クエストは基本的に固定であるため、Fableの物語は、如何なるキャラクタで遊んでも同じになります。ここが少し残念に思うところでもありますが・・・。
しかし必須クエスト以外は、どのように選ぶもプレイヤーの自由です。NPCの護衛から襲撃まで、幅広いクエストが用意されています。が、総数は多くはありません。ランダム的な要素も皆無です。
ちなみにクエストのバランスは、驚くほど見事に調整されています。プレイヤーは「簡単すぎる」と感じることもないでしょうし、難しくて行き詰まることもないでしょう。
付け加えると、Fableの全てのクエストを完了するまでに必要な時間は、20時間にも達しません。早い方なら、10時間ちょっとで解いてしまうことでしょう。しかし、これは、決して、他の多くの作品と比べて薄っぺらいからではありません。経験値稼ぎやゴールド稼ぎといったくだらない作業に時間を無駄遣いする必要がないことも原因の一つだと思います。
・街
街にはNPC達が住み、活発に活動しています。NPC達は、仕事、住居、タイムスケジュールを持っています。朝になると、目を覚まし、自分の家を出かけて、仕事に行き、夕方になると仕事を終えて酒場でビールを楽しみ、深夜になると家に帰って床につきます。子ども達も、朝になると学校に出かけて、授業を受け、終わると外に出て遊びまわり、夕方になると家に帰ります。これら一連の流れのリアルな事と言ったら、もう・・・。例えるならば、「The
SIMS」のような雰囲気です。しかも、NPC達は、プレイヤーキャラクタの外見や評判を細かく観察していて、様々な反応を見せます。プレイヤーキャラクタが粗末な格好をしていれば「もっときちんとした格好をしてくれればねえ・・・」と愚痴?をこぼし、目の前で悪人をやっつければ「なんてパワーだ!万歳!」と褒め称え、プレイヤーキャラクタが大悪人であれば、恐れおののき、我先にと逃げ出します。
NPCに対しては、プレイヤー側からも、様々な行動を起こすことができます。クエストで得たトロフィーを自慢したり、口説いたり、贈り物をしたり、ゲップやおならでバカにしたり、挑発したり、一緒に行動するように命令したり・・・。ここも普通のコンピュータRPGと異なる部分です。
お店についても、簡単な経済システムのようなものが構築されています。在庫と入荷の概念があり、在庫の豊富な店ほど安く買えます。これを利用して転売を繰り返し、利ざやを稼ぐこともできるようです。
プレイヤーキャラクタは、自分の家や店を所有することもできます。どこの町にも一件は空き家があり、プレイヤーキャラクタはそれらを購入して自分の家にしたり、賃貸に出したりできます。また、他人の家や店に押し入って住人を皆殺しにすると、その建物は主を失い売りに出されます。プレイヤーキャラクタが空き物件を購入して賃貸に出すと、新たな住人がやってきて住み始めます。お店ならば、店主がやってきて、再び商売を始めます。プレイヤーキャラクタは、それらの建物から賃貸料を得られるのです。プレイヤーがその気になれば、街を丸ごと乗っ取ることだって出来そうです。・・・街の人々に嫌われることは間違いありませんが。
・善か悪か
プレイヤーキャラクタを正義と平和のために戦う真の英雄にするのも、暴力と恐怖で周囲を支配する大悪人にするのも、プレイヤーの自由です。プレイヤーキャラクタのとる行動は、NPCの反応だけでなく、プレイヤーキャラクタの外見にまで影響を及ぼします。
Fableではプレイヤーは、徹底した悪人を演じられます。道行く人々を襲ったり、他人の敷地に押し入って物を盗んだり、他人の家や持ち物を壊したり、村を山賊と共に襲撃して女性に至るまで皆殺しにしたり、命乞いする親友を惨殺したり、力を得るために肉親を殺したり・・・。ここまで悪い事を続けていると、プレイヤーの気分が悪くなってきます。
プレイヤーキャラクタが善い行いを続けていると、最終的には下の図の左のような姿になります。オビ・ワンみたいです。
悪い行いを続けていると、下の図の右のような姿になります。まるでダース・ベイダーです。
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プレイヤーキャラクタに息子がいるのならば、是非とも口にしたい、この台詞・・・

「私はお前の父だ!」
というか、もう、人間じゃないだろ、ここまでくると。
プレイヤーがここまで悪に徹することのできる作品というのも珍しいですなあ・・・。
というわけで、Fableの衝撃と魅力について、下手くそながらも精一杯伝えようと努力したわけですが、如何でしたでしょうか?作品の雰囲気だけでも感じ取って頂ければ幸いです。
Fable、それは「本当に英雄になった気分に浸れる作品」です。