The Elder Scrolls DAGGERFALL

発売時期 : 1996年

機種 : IBM-PC互換機


パッケージ表(輸出版?):


パッケージ裏(輸出版?):

 


パッケージ裏(Interactive Preview):


「ARENA」は発売後、RPG(Role Playing Game)として世界から大きな評価を得て、The Elder ScrollsはコンピュータRPGの主流シリーズのひとつとして数えられるまでになりました。
その続編の製作も早くから決まっていたようで(当初から「ARENA」はChapter1と書かれていましたし)、95年のゲームショウでは動いている画面が公開されました。
「ARENA」の発売から1年後には、既に遊べるものが出来あがっていたらしいのです。というよりも、当初の予定では95年には発売されているはずでした。

しかし発売日は延期されるためにあるものです。
DAGGERFALL」は96年に入っても発売されず、結局はその年の末まで待たなければなりませんでした。
こうして「DAGGERFALL」は発売され、「ARENA」と同様に素晴らしい評価を得ました。
日本では残念ながら雑誌などで取り上げられることはなく(私の知っている限りは)、その存在すら知られていなかったのが現実です。

 

―完全な三次元世界へ―

「ARENA」の世界は三次元ではなく、画面の描画方法もポリゴンを使った三次元方式ではありませんでした。
DAGGERFALL」の大きな改良点のひとつは、世界が三次元となり、画面の描画プログラムが完全に書き換えられたことです。
解像度は320*240画素のままですが、上下に広がりのある空間は「ARENA」にはない開放感を与えてくれました。

私は建物の屋根に登られる事が嬉しくて、意味もなく高いところに登っては景色を楽しんでいました。
ダンジョンも上下移動を頻繁に行う複雑なものとなり、前作には見られない風景が数多く見られます。
三次元空間という特徴を生かし、空を飛ぶ魔法も使えるようになりました。
さらに解像度が低いだけあり、動作も速く滑らかで、少々古いパソコンでも問題なく遊べます。

ただし三次元になったとは言っても、NPCは「ARENA」と同じ二次元スプライトが使われています。
DAGGERFALL」と同じグラフィックエンジンを使用している同社の「SkyNET(*1)」は、ポリゴンとテクスチャーマッピングで構築されたキャラクターを採用していたので、技術的には可能だったと思われますが、「DAGGERFALL」では大量のNPCを1度に登場させる必要があることや、ファンタジー世界の独特なキャラクターの画像を作成しやすくなること、時間的な問題などから前作と同じ二次元スプライトが使われたのではないかと思います。

三次元化と同時にグラフィックの様々な面も強化されました。テクスチャはより細かく、スプライトのアニメーションも滑らかになりました。
前作ではメモリ量の問題からか、同時に1種類の敵NPCしか出てきませんでしたが、「DAGGERFALL」では複数の敵NPCが同時に襲ってきます。
敵が出現するたびにCDを読みに行くことも無く、前作のようにCDの読みこみで敵の出現を予測できたりはしません。確実に技術は進歩したのです。

しかし前作の特徴だった、霧や暗闇の効果は「DAGGERFALL」のグラフィックエンジンでは上手く表現することができなかったようです。
「ARENA」のダンジョンや夜間に感じた暗闇の恐怖は、「DAGGERFALL」では体験することができません。これは少し残念な部分です。

*1 SkyNET

The Elder Scrollsと同じBethesda社から発売されたアクションゲーム。
その名の通り、映画「ターミネーター」を題材にしている。
DAGGERFALL」と同じグラフィックエンジンを使用、見た目はアクションゲーム版「DAGGERFALL」といった感じ。
DAGGERFALL」よりも高い解像度を選べるなどグラフィック面では上回る部分も多い。

しかし、Skynetの登場はQuakeの後。両者を比べると、改めてid softwareの技術力の高さを思い知らされる。ゲーム内容は別として。

 

―強化されたプレイヤーキャラクタの作成システム―

DAGGERFALL」の最も優れている点は、「ARENA」以上に「役割を演じる」楽しみが増している事です。

プレイヤーキャラクタの作成の制限はほとんど無くなりました。
プレイヤーキャラクタはスキル(技能)により特徴付けられ、役割を演じる上で必要な能力を追求することができ、キャラクタを育成する楽しみも増しました。
また、プレイヤーキャラクタは戦闘によって成長するのではなく、自分の特異分野のスキルを磨くことで成長します。

戦士は武器を使うことで成長し、魔術師は魔法を使うことで成長します。盗賊は盗み忍びこむことで成長するのです。
この画期的なシステムにより、従来のRPGのような「盗賊を育てるのに戦闘をしなければならない」といった明らかに変な点が改善されました。
用意されているスキルは、各武器と6種別の魔術を始めとして、スリ、開錠、潜伏、走行、跳躍、不意打ち、回避、致命的打撃、治療、クライミング(登る事。訳わからん)、格闘、商売、水泳、礼儀作法、庶民的作法(Streetwise。庶民の世情に通じているかどうかを表す?これも訳不明)、言語間系となっています。
中には全く役に立たないようなスキルもありますが、自分の作りたいキャラクターに必要なものもあるはずです。

このシステムにより、戦闘は必然ではなくなり、戦闘能力が皆無に等しいキャラクターでもゲーム中で遊ぶ事が可能になりました。これは例を挙げてご紹介するのがわかりやすいと思います。

詐欺師 Swindle

詐欺師の彼の最も得意とする技能は、礼儀作法、庶民的作法、商売です。
2種類の作法は、相手を欺くことに役立つ、彼のような職業に就く者にとっては必須の技能です。スパイや詐欺師は、貴族と庶民の両方の文化に通じていなければなりません。
そして商売の技能は商人を騙して利益をあげるためのものです。

彼の次に得意とする技能は、相手を惑わし騙す魔術です。
魔術とは言っても、不可思議な力で相手を攻撃するというわけではありません。相手の精神を惑わす手品のようなものだと思ってください。

この通り、彼は戦闘に関する技能は全く持ち合わせていませんでした。
まずは魔術師ギルドに入会して任務をこなしていましたが、戦闘能力の無い彼にとっては簡単なことではありません。
魔術で敵を騙し、ごまかし、なんとか戦闘を避けて目的を達成し、どうしても戦わなければならない時には宝刀のEbonyDagger(黒炭のように黒く、硬い材質でできた短刀)で対抗しました。

そうするうちに魔術師ギルドでも努力が認められ、地位も上がりました。下手な商人を相手にお金を稼ぎ、魔術の勉強をするという日々が続いたのです。
しかしある日、盗賊ギルドからの誘いがありました。彼は誘いに乗り、盗賊ギルドにも所属することを決めました。
味をしめたSwindleは暗殺者ギルド、寺院などの組織にも幅広く入会します。

暗殺者ギルドや盗賊ギルドに入会したと言う事は、少なからず犯罪行為をはたらいているということです。しかし彼は表向きは善良な市民を装っています。
また、魔術師ギルドに攻めてくる盗賊ギルドのメンバーを平気へ葬るという裏切り行為も軽くやってのけました。

コソコソと行動する彼に、突然に転機が訪れました。
魔術師ギルドの任務で遭遇した狼男との戦闘で、彼は狼男になる病気をうつされてしまったのです。
最初は原因不明の体調不良に悩まされていたものの、事実を理解した後は狼男の能力を最大限に利用し、大胆な行動を取り始めました。

狼男になった彼は、いつでも狼に変身することができます。変身後は通常の武器による攻撃によっては全く傷つかず、更には筋力・体力・速度の面で大幅な能力強化がされるのです。
もともと知力と器用さで秀でていた彼は、身体面での大幅な能力強化によって完全無欠の力を手に入れました。

もう衛兵も恐れるに足りません。店という店を襲って大金を稼いだ彼は、その資金で魔術の研究を進め、自らの能力を更に高めることに成功しました。
敵の攻撃を防ぐ魔法の盾、魔術による攻撃を弾き返す魔法の鏡、相手を一瞬で砕く爆発魔法・・・数々の強力魔術により、彼は無敵の力を手に入れるまでに至ったのです。

狼男になった彼には、以前と比べて不便なこともあります。満月になると人間の姿でいることが難しくなり、どうしても狼に変身してしまうのです。
また、定期的に善良な市民の肉体を食しなければ健康でいることができません。
このことは、正義を愛する勇士にとっては死ぬほど辛い事でしょう(一般人を食べずとも生きることはできますが、非常に苦しく、耐えられる者は少ないに違いありません)。
しかしSwindleは元々から悪党で、狼男となった今は、より邪悪な精神に支配されてしまっています。
自分の生命を維持するために善良な市民を殺めることにも何のためらいも感じません。

今や彼の破壊行動を阻めるものはおらず、彼に匹敵する戦士は存在しません。彼の脅威は未だ健在で、人々は怯える毎日を送っているのです。
しかしSwindleは今でも普段は善良な市民を装って生活をしています。

・・・というように、戦闘能力の無いキャラクターでも、その将来が如何なるものになるのかは全く予想できません。私自身、彼が無敵の狼男になってしまうなどとは思ってもみませんでした。これが「DAGGERFALL」の面白い部分です。


狼男の前では、渾身の一撃も意味を持たない。

戦闘能力を追及する必要が無い事は既に記しました。
これはキャラクターの装備にも当てはまります。通常のRPGであれば、キャラクターは戦闘に有利になるように装備を決定します。
手持ちの資金で、またはより良い装備を買うために資金を稼ぎ、戦闘能力を高めて行ったのです。

しかし「DAGGERFALL」では、機能よりも見た目で装備を選ぶ事ができます。
戦闘が重視され過ぎていないシステムだからこそ、可能になったと言っても良いでしょう。これは当時としては画期的なことでした。
私もキャラクターの装備は、機能よりも見た目で選んでいます。これも例を紹介しながら説明する方が楽しくて分かりやすいと思います。

軽業師 Nighthawk

やはり着せ替え遊びは女性のキャラクターで行った方が楽しいものです。以下、ちょっとした紹介の後に着せ替え遊びを。

彼女は非常に素早く、運動能力に優れた盗賊です。
町や村を旅して回っては宝石店や本屋を始めとして様々な店を狙い、高価な品々を盗み取っては売りさばき、莫大な利益を得ました。
利益はぜんぶ自分のもの。結果、彼女は”金貨百万枚”の女となりました。この世界で500年以上暮らして行ける資産の持ち主となったのです。

彼女の最大の強みは馬並の足の速さです。
警備兵に追われようとも、彼女の足をもってすれば逃げることなど容易いものでした。
また、彼女の武器は足の速さだけではありません。目にも止まらぬ速度で繰り出される鉄拳と蹴りは驚くべき破壊力を発揮し、Vampireさえも殴り倒してしまうほどです。

さらには人並みはずれた跳躍力も誇り、彼女は意味もなく高い建物にのぼっては屋根から屋根へと飛び移って移動しました。
「地面を歩くなんて時代遅れ」・・・これが彼女の口癖です。あっとうまに高層建築の屋上まで登ってしまう体力も素晴らしいものです。

まさに驚異的運動能力。悪漢が襲ってこようとも、簡単に返り討ちにしてしまいました。
「わるものは金を背負ってやってくる」・・・これも彼女の口癖です。相手の持っている高価な武具を奪っては売り飛ばし、彼女の資産は更に増えました。

彼女自身も自分勝手な犯罪者なのですが、一般市民を襲ったことはありません。警備兵にしても同じです。「殺しはしない」ことも彼女のやり方なのです(悪者は除く)。
カモのはずのお店の主人に頼み事をされれば、「なんで私が」と言いながらも解決のために尽力します。

主にNighthawkの活躍の場は都市です。彼女は賑やかな都会を好みます。暗くて汚いダンジョンや田舎は嫌いです。
服装や格好にもこだわっていて、鎧を着ることはありません。カッコ悪いからです。
鎧なんかに頼らずとも、彼女の能力をもってすれば敵の攻撃を避けることも難しくはないのです。

以下、着せ替え遊びの一部分をご紹介します。Nighthawkの最も好きなお店は服屋。1度服屋さんに入ると、数十分間出てこないことも珍しくありません。
ちなみに、ここに掲載した服装は、Daggerfallに用意されているものの1割以下です。下着系の超セクシーものも多数用意されていますが、彼女の趣味ではないので省略します。
(追記 : このあたりの楽しみは、続編の「Morrowind」や「Oblivion」で明らかに減ってしまいました。)

割と普通な服装です。町で一般市民として生活するには、ちょうど良い格好です。 まさに盗賊っぽい、彼女にぴったりな黒のスーツ。 左のにマントを背負わせました。怪盗っぽい。 こっちも、わりと普通。露出度の多いのはプレイヤーの私が好みではないし。 パーティードレスのようなものも多くあります。しかし動きにくそうです。パーティーイベントに着ていくと良いかも。

Nighthawkは、プレイヤーの私が遊んでいて最も楽しいキャラクターの一人でした。走りまわるだけでも爽快な気分です。

しかし時が進むにつれ、敵NPCの能力も増し、特に魔法の使えない彼女にとっては魔術師は恐るべき相手となりました。
そこで彼女は寺院で修行をつみ、魔法の品物で魔術師に対抗する力を手に入れようとしたのですが、不純な動機での修行が上手くいくはずも無く、すぐに飽きてしまって、今は町で駆け回り相変わらずの気ままな生活をしています。

そんな彼女の住居は資金の一部を使って手に入れた船です。中は盗み取った品々であふれかえっています。
しかし、船が家では物足りません。彼女は自分に相応しい豪邸を探し、都市を巡っています。

 

RPGは、自分とは全く違う人格を演じられるところにも楽しさがあります。
私は「ゲームの中ならば許されるだろう」ということで、完全に無慈悲な殺人鬼を演じた事もあります。
以下に紹介するのがそのキャラクターです。

殺人鬼は何を考え、何故人を殺めるのでしょうか!?その答えが見つかる・・・はずもありませんか。
以下の紹介文は、不快な言葉と内容が含まれていますので、見たくない方は飛ばしてください。

(追記 : 続編の「Morrowind」や「Oblivion」では、プレイヤーキャラクタと良く似たNPCが町で生活しているためか、無慈悲な殺人者を演じるのが難しくなりました。良心がチクチク痛みます。)

暗殺者 Marder

左のいかにも人相の悪いのが、私の演じたキャラクターの中でも1、2を争う極悪人です。
意味もなく罪の無い人々の命を奪い、駆けつけた警備兵との戦いを楽しみます。
ひどい時には、警備兵の死体で町が埋め尽くされたことさえありました。お店からの略奪も当然のように行い、銀行から借りたお金も返したことはありません。
まさにやりたい放題。力無き正義の無力さを、人々は嘆いたことでしょう。

心の闇などといった言葉は彼には当てはまりません。たとえ牢獄に放りこまれても、彼の行動が変わる事はないのです。

殺人を重ねる彼は、暗殺者ギルド”暗黒の兄弟愛”からの勧誘を受けました。
「面白い・・・」彼はすぐにギルドに入会し、任務をこなすことで更なる力を得て、地位も上がっていきました。
ギルドの面々が自分の前でヘコヘコすることが楽しくてしょうがないMarderは、ギルドの最高位にまでのぼりつめることを目的にします。

彼は当然のように市民からは忌み嫌われていました。話しかけても誰も返事をしてくれません。
しかしある日、突然に人々の反応が好意的になり、彼自身が戸惑ったことがありました。
「無視をしていてば逆に襲われる」・・・人々がそう思ったのか、または恐怖のあまりのふるまいなのか、
Marderには全く分かりませんが、気持ちの良いことは確かです。しばらくの間は、今までのように簡単に犯罪を行うこともできなくなりました。
”しばらくの間”ではありますが・・・。

ただ馬鹿なだけではなく、Marderは有能な暗殺者でもありました。
相手に気づかれる事なく背後に忍びより、強烈な一撃を見舞います。任務は必ず達成することでも有名でした。

しかし、ただの詐欺師に過ぎなかったSwindleが狼男となり無敵の力を発揮するようになると、彼は「あんな男に俺が負けるか!!」と機嫌を悪くし、Swindle以上の力を手に入れるための方法を探し始めました。

「あいつが狼男なら、俺は吸血鬼だ・・・」

彼はギルドの任務でバンパイア暗殺の指令を受けた際に、わざと相手の攻撃を受けつづけることでバンパイアとなることを試みました。
バンパイアの攻撃を受ける事でバンパイアと化すことがある・・・これは有名な話です。
幸運なことに、彼は無事にバンパイアへとなることができたのです。

バンパイア・・・不死身の肉体と超人的な運動能力を誇る怪物です。い
くつかの魔法も使えます。これで彼は最強になった・・・はずでした。
しかしギルドへと帰った彼を待ちうけていたのは、意外な仕打ちでした。
ギルドマスターは、バンパイアと化したMarderを追放してしまったのです。せっかくここまでの地位を得たのに、全ては無駄になってしまいました。
さらにはバンパイアは、太陽の下では体力を奪われてしまいます。彼は組織から追放された上、日の下では生きることができなくなりました・・・。

「こんなはずでは・・・」

彼は今では、誰も訪れないダンジョンの片隅で、孤独なバンパイアとして、かつて所属した組織の刺客を恐れながら暮らしていると言われています。

上のMarderのように、大きすぎる欲望のために自滅してしまうキャラクターもいます。
これも「DAGGERFALL」の楽しいところ。自然とキャラクターの結末が教訓めいたものになるゲームも珍しいと思います。

もちろん、この展開は予め用意されていたものではありません。
次に紹介するキャラクターは、上の彼に劣らない・・・というよりも、彼以上に惨めな最後を迎えてしまった最強の魔術師です(違法なデータ書き換えは一切行っていません)。

魔偶妃 Dorothea

「ARENA」で無敵の力を誇った彼女は、「DAGGERFALL」の世界でも威力を発揮しました。
それどころか、「ARENA」の頃と比べて、より一層強い力を得たといっても過言ではありません。

彼女の武器は、その魔力です。いかなる物理的攻撃をも弾く魔法の盾は彼女の得意技。
自分や相手の行使した魔法の魔力を吸い取る能力も健在です。
これらにより、Dorotheaは破壊的魔法を際限なく使うことができるのです。

それに加えて今回の彼女は、各種の能力値を魔術で強化し、最も強く、最も知的で、最も素早く、最も魅力的な、完璧な存在として完成しました。
一度走ればNighthawk以上の速度を発揮し、狼男に変身したSwindleを軽くひねる怪力を持ち、手に持つ魔剣は魔法の金属をも砕き、防御も完璧で物理攻撃も魔法も通じません。
そして何よりも底無しの魔力を誇っています。もはや鉄のゴーレムといえども、彼女の行動を止める事すらできないでしょう。

無敵の力を得た時、人は何を考えて、どう行動するのか!?
DAGGERFALL」では、このことが実際に体験できます。
Dorotheaは都市の警備兵や悪党を相手にしているだけでは物足りず、世界で最も大きな城の数々を攻め落とすことで有り余る力を発揮しました。
いかなる軍隊も彼女の前では無力です。力がありすぎて退屈なので、困っている人々の願いも気まぐれできいてあげることもありました。

しかし人々の間での評判は下がる一方で、気がつけば町行く人は話しかけても全く相手にしてくれなくなっていました。
裏の世界では、物好きがDorotheaに好意的な態度をとったりしましたが、これは例外です(逆にいえば、一般人に紛れている裏の世界の人間を簡単に見分けられました)。

無敵の力を得ても、話し相手がいなくては本当に寂しいものです。ゲームでさえ、これは実感できます。

寂しくも爽快な毎日をおくっていた彼女は、ある日突然、体の異変に気がつきました。
体が思うように動きません。キャラクターシートを見ると、「Speed」がマイナスになっています。
それどろか、ますます素早さは減って行き、しまいには一歩先へ進むことも困難になってしまいました。
魔法で素早さを回復しても、元に戻った時には更に行動が遅くなっています。なぜこんなことに!?

どうやら魔法で能力を強化しすぎて、副作用が出てしまったようです。
能力値は100以上には達しませんが、その能力値を200上昇させる魔法を使ったらどうなるでしょうか。
100より大きくはならない能力値は、魔法の効力が切れると同時に以前よりも下がってしまうらしいのです。

あらかじめマイナスの能力値を用意している「DAGGERFALL」・・・。
プレイヤーがDorotheaのような愚かな行動をとることを予め予測していたかのようです。
しかもマイナスの能力値にまで、細かく「例え」が設定されているのには驚きました(Dorotheaは素早さが「Titanic」だと例えられました)。
改めて凄いゲームだと実感します。

彼女の人生は終わりました。もう打つ手がありません。
一歩先へ進むのに数分もかかるようでは、日常生活すら困難です。
おごれる者は久しからず・・・格言を身をもって体験できる「DAGGERFALL」。
悪いことをし過ぎると、最後はキャラクターの人生が終わってしまいます。こんなゲーム、滅多にお目にかかることはできません!

(追記 : 「Morrowind」以降は、こういう楽しみ方ができなくなってしまいました・・・)

金ぴかバージョン。鎧の材質を揃えるのも楽しみのひとつ。 Dorotheaだって普段着を着ることはありますが、魔力の詰め込まれた鎧を着ないと能力が大幅に減じてしまいます。

顔だけ白くて不気味・・・。

わりと普通かも。

・・・紹介してきたキャラクターが悪人ばっかりです。
自分でも驚きました。

(追記 : 前述した通り、続編の「Morrowind」や「Oblivion」では、悪人を演じづらいのですよね・・・。世界がリアルなだけに。)

しかし悪人を演じた方が楽しい事は確かかもしれません。
善人を演じていても儲からないし、損なことばかりです。
しかしそれでも頑張って人のためになることを多くすることで見えてくるものもあるはずです。

レンジャー Near

彼は都合、ゲームで1番最初に作られ、とりあえず本筋任務を達成することを目的とするキャラクターです。
魔法は全く使えませんが、Daggerfallの国の騎士団として仕え、数々の危険な任務を達成しました。
(追記 : この頃は魔法が苦手なキャラクタは全く魔法を使えませんでした。よくそれでコンプリートできたなあ・・・)

しかし稼ぎはスズメの涙。人々の頼みをきいて解決してあげても、貰える報酬は金貨数百枚程度なのです。
上に挙げたNighthawkならば、お店に忍び込むことで一晩で金貨数万枚を稼ぎます。
その差は歴然。悪人が楽しい理由もお分かり頂けると思います。

めげてばかりはいられません。地道な努力が最後には花開くのです。
行く先々で人々の困り毎を解決し、国のために尽くすうちに、その実力もかなりのものとなり、敵もいっぱいできました。英雄の誕生です!

英雄は1度誕生してしまえば、あとはしめたもの。地道に努力した過去を自慢げに振りかえり、酒場では自伝を語りたくなります。
時には腕に覚えのある戦士から戦いを挑まれたりもしますが、今の彼は「良いだろう、相手にしてやる」と、余裕で構えていられます。

しかし有名になるというのは辛いものです。宿でも毎日のように敵の刺客が襲ってきます。ゲームだから、これも面白いのですけどね。
気分は時代劇の主人公です。

彼の名声を更に上げたのは、「ドラゴン退治」でした。
ある日、騎士団の長から「ふ化したばかりのドラゴンを退治せよ」と命令を受けたNearは、「やっと英雄らしい仕事ができる!」とはりきって目的地へ向かいました。
しかしそこで待っていたものは・・・豚ほどの大きさの「Dragonling」です。

これは一応ドラゴンらしいのですが、とても小さく知能も低く、何しろ弱いのです。
とってもあっさりと小さなドラゴンを退治した彼は、肩透かしを食らったような気分に浸りながら騎士団の元へと帰りました。
任務の報告の後に酒場に飲みに行った彼は驚きます。

なんと、彼の倒した小ドラゴンは「全長十メートルのドラゴン」ということになっていて、皆が彼を英雄として扱ったのです。
人の噂は誇張されて伝わるのが常というもの。なんだか人を騙しているような気がしますが、これで良いのです。

その後彼は本筋の任務を達成し、騎士団から与えられた家で、最高位の騎士として生活をしています。

人々のためになる事をしても楽しいものです。実生活では決して人から尊敬されることなど無い私でも、ゲームの中では英雄を演じられます。
ドラゴンクエストの勇者なども英雄ですが、キャラクターの行き先が決まっていない「DAGGERFALL」では、その楽しみや喜びも一層大きいものがあります。

最後に中途半端になってしまったキャラクターもご紹介します。

蛮人 MAX

”蛮人”というと聞こえは悪いのですが、「DAGGERFALL」の世界で言う蛮人とは、力のとても強くて打たれ強い戦士のことを指します。
MAXも怪力と体力が自慢で、行く手に立ちふさがるものを真正面から叩き伏せるのが流儀です。
より多くの戦いを望む彼は、「戦士の訓練場」と呼ばれる組織に加入し、そこで出される数々の任務を引きうけては戦う毎日をおくっていました。
しかし苦労もあったりします。

ある日、MAXは「戦士の訓練場」で任務をうけました。
その内容は、「民家を侵略した動物(Harpy)を倒す」というもの。
通常の武器では傷つけることができないHarpyですが、彼の持つモーニングスターならば簡単に叩き落すことが可能のはずです。

意気揚揚と目的地へと向かうMAX。しかしHarpyの巣食う民家には、鍵がかけられています。

ここで選択肢はみっつ。鍵を開ける・・・これは彼には不可能な芸当です。
あきらめて帰る・・・まさか!彼は戦うためにここに来たのです。
最後の選択肢は・・・扉を壊して強引に侵入する!

MAXは民家の扉を叩き壊し、相手を探します。

「見つけたぞ、怪物め!」

勝負は一瞬でつきました。

「ま、この報酬で今日は十分生活できるな・・・
」と思いつつ民家の外へ出ると・・・。

そこへ待ちうけていたのは警備兵!民家の扉を壊しての侵入は、立派な犯罪です。
人助けをしようとして警備兵に追いまわされるのでは、たまったものではありません。

「くそう、何かが間違ってるぜ!!」

孤高の闘士の戦いは続きます。

数人のキャラクターの紹介をしましたが、これらから「DAGGERFALL」がどのような作品であるのかがお分かり頂けたことと思います。
このキャラクターを演じる楽しみは、前作の「ARENA」とは比較にならないほど強化されているのです。
(追記 : 続編の「Morrowind」や「Oblivion」より楽しいかも・・・)

 

―世界―

DAGGERFALL」の世界には40の国と数千の都市と町と村があり、面積はイギリスの2倍・・・よく言われることで事実でもあるのですが、「DAGGERFALL」の面白さを世界の広さで紹介したくはありません。

広すぎる世界は確かに最初は新鮮なのですが、1ヶ月ほど遊んでいると、都市や町や村やダンジョンや、そして世界そのものがランダムに作成されていることに気がつきます。
「ARENA」もランダムで作られた世界が舞台だったようですが、三次元化して特徴のある建物やダンジョン構造が目立つ「DAGGERFALL」では同じ構造の都市やダンジョンがいくつも存在することが気になって仕方ありません。

特に、30種類ほどのパーツを組み合わされて作成されているダンジョンはヒドイもので、初めて潜るダンジョンでも道に迷わないほど、同じパーツが使いまわされていることがわかります。
更にはランダムでパーツが組み合わされているためか、「歩いて行けない地域がやたらと多い」のです。
入り口のない通路や玄室が、山ほどあります。
別のダンジョンでは、ここに別のダンジョンのパーツが連結されて侵入可能になるのですが・・・。
そのため、歩いて行けない場所に任務の目的地が設定された場合は、その任務の完了は不可能になってしまうのです。

あんまりと言えばあんまりですが、考えようによっては「ガセネタを掴まされた」と解釈することもできます。
「本当はダンジョンに存在しない」怪物やお宝を目的とする任務を受けてしまった、ということです。なんだか実際にありそうで、妙にリアルに思えます。

都市も同じパーツばかりが目につくのですが、その分、地方の町で今まで見たことの無い建物や施設を見つけた時の喜びは大きいものがあります。
「お、この家は他でみたことがないぞ!!」とか。
怪しい場所もかなり多く、看板を出しているのに営業していないお店や、普通の民家に見えてお店をやっている建物もあったりします。

ネタばらしをしてしまえば、これらは都市がランダムで作成されているために発生したバグなのですが、そんなことよりも「このお店は廃業してしまったのか・・・」と、町で起こったことを考えてはしみじみしてしまいます。
中には本当に怪しい場所もあり、お店らしき建物の中に入るとやたらと沢山の人がいるのですが、話かけても何も売ってくれません。
これらは秘密のギルドの場合が多いのですが、私の知る限りはこの場所にはギルドはないし・・・。

まったくの謎!「DAGGERFALL」の世界には、意図的なものかランダム故のものかも分からない、謎な場所があふれているのです。

それでは、「DAGGERFALL」の神秘的な謎に少しふれてみましょう。

民家を訪れると、たまに「悪魔召還」や「任務」を選択肢に持つNPCに出会うことがあります。
民間人が悪魔召還!?
彼女ら(彼ら)こそが「DAGGERFALL」における「魔女(Witch)」なのです。

しかし待ってください。普通は魔女といえば、女性を指すはず。しかし中には男性にしか見えない”魔女”に出会うこともあります。
そこが「DAGGERFALL」の謎な部分。
また世界には、無数の「魔女の集会場」が存在すると噂されています。
もちろん、そのような場所は世界地図には載っていません。全ての謎を解き明かすのは、貴方なのです。

不死の怪物バンパイア。彼らは単独で行動するわけではなく、バンパイア同士で一族や派閥を構成しているとも言われています。
普通に生活しているだけでは、バンパイアの被害に遭うことはあっても、それよりも一歩踏み込んだ謎に迫ることはできません。バンパイアの一族とはいったい・・・!?解き明かされていない謎は、「DAGGERFALL」には多く存在します。


天候や時間によって細かく変化する空のグラフィックは、それだけで236メガバイトも使用するという凝りよう。
空の美しさは文句無しに極上。


夕日に浮かぶ廃墟。

次に都市、町、村についてを見てみましょう。

「ARENA」では、拠点は大都市に限られていました。
しかし「DAGGERFALL」では、都市、町、村、寺院、宿、荘園、農園が拠点として世界地図に表示されます。
種類や規模によって作りは大幅に違いますが、同じ種類で同じ規模同士の拠点はどれも同じような感じで、個性がありません。
しかも拠点と拠点をつなぐ野外は、道もなく植物が生えている程度で、適当にデコボコしているだけです。いったい何のための、イギリスの2倍の面積の世界でしょうか?
物足りなさを感じずにはいられません。

都市や町や村の施設についてを見てみます。

DAGGERFALL」の町や村に存在する商店は、雑貨屋、武器屋、防具屋、質屋、薬屋、服屋、本屋、図書館、宝石屋、家具屋、銀行です。
前作「ARENA」に存在した商店が武具店だけだったことを考えると、格段の進歩だといえます。

雑貨屋は、地方の町や村にも必ず存在する、生活に密着した商店です。
武器や防具はもちろん、馬や服や雑貨品も扱っています。馬を買えるのは雑貨屋だけです。
しかし何でも扱っているだけあって、品揃えは平凡なことが多いようです。現実の世界の地方の商店の特徴を良く表していると思えます。

武器屋はその名の通り、武器を専門に扱うお店です。たまに防具も売っています。
ほとんどの武器店は大都市に存在し、武器のことなら何でもお任せの武器のデパートのような雰囲気を漂わせています。
武器にこだわる戦士ならば、必ず1度は訪れてみたい場所です。
地方の町でも、たまに武器店を見かけることはあります。要注意!

防具店は、鎧を専門に扱うお店です。たまに武器も扱っています。
地方にも割と存在し、見つけるのには不自由しません。
小規模なお店が多く、主人が忙しく作業をしています。

質屋には、他のお店では見られない様々な品物が置いてあります。
冒険の役には全くたたないものから武器までの幅広い品揃えを誇りますが、どれも一流とは言えず、あまりお世話になることは多くありません。
ちなみに絵画を扱うのは質屋だけです。

薬屋は、秘薬の材料となる草や金属やその他の様々な怪しい物質を扱っています。
店主も裏の世界の人間が多いようで、暗殺者ギルドと深いつながりを持つことが多くあります。狭いものの、面白いことが多く起こるお店です。

服屋では様々な洋服を購入することができます。
着せ替え遊びには必須の商店なのですが、うっかりしていると店中で裸になってしまうこともあるので、注意が必要です。

本屋は本を売っているお店です。読書好きの方にとっては欠かせない場でしょう。
しかし私は英語が苦手なので、真面目に本を読んだことはありません。
どちらかというと、本を盗んで換金することの方が多かったと思います。この世界で本は高価な商品なのです。

図書館という施設があること自体、驚きです。
お金のない読書家の方達にとって、図書館は救いの場です。本を借りる事はできませんが、自由に閲覧することができます。

宝石屋は、完全に裏の世界とつながっています。
お店によっては装飾品程度の品物しか扱っていませんが、ダイアモンドなどの高価な宝石を扱う店も存在します。
それらの多くは、密輸や違法な取引によって利益をあげているのです。宝石は美しいだけではなく、多くの魔力を付与する器にもなります。

家具屋は・・・謎の商店です。
その全貌が明らかになる時は来るのでしょうか!?
DAGGERFALL」の開発中の初期バージョンでは、家具を家の中に飾ることができるとありましたが、もしや・・・。

銀行は、お金を借りる場であり、お金を預ける場であり、大量の金貨を兌換銀行券に交換する場であるだけでなく、船や家を買う場でもあります。
DAGGERFALL」の世界で生活をする者にとっては必ず必要となる施設です。
本を売っていることもあります。

宿はどうでしょうか。
結果からすると、宿の面白みは「ARENA」から大きく減じてしまいました。
怪しさと闇がなくなり、部屋の値段は均一になり、食事も制限されています。
しかし吟遊詩人の奏でる曲は何倍にも増えました。相変わらず、様々な人達が集まる場でもあります。
裏の世界の人間も多数、宿には集まっているのです。思わぬ大物に出会うこともあるかもしれません。
(追記 : 残念なことに、宿の楽しみは「Morrowind」で更に減じてしまいました。が、「Oblivion」で少し盛り返しました。)


宿では部屋を見て回ると、裸の宿泊客にお目にかかることも多いのです。思わず「おおっと失礼!」と言いたくなります。


ドアを開けると、裸でポーズをとっている女性が。


こちらを誘っているのか!?

 

DAGGERFALL」の世界には、三つの大都市が存在します。
この地方の三大国家のお城が存在する城下町です。
大都市は構造が独特なだけでなく、やたら広く、お城も大きく豪華です。観光旅行にもってこい、見て回るだけで楽しめます。

それだけではありません。お城では貴族が多数生活し、地下には謎の迷宮が広がっています。まさに冒険と事件と任務の宝庫といえるでしょう。


夕焼けの「DAGGERFALL」城(名前違うかも)。三大国家のお城の中では1番質素。


DAGGERFALL」の世界で最も華やかなWayrest城。フランスを思い浮かべてしまいます。

荘園や農園は、畑と農家や屋敷が存在する場所です。
「ARENA」では固有の名前はなく、都市の野外では頻繁に見ることができましたが、「DAGGERFALL」においては広すぎる世界に点在する施設になってしまいました。
グラフィックは格段に綺麗になり、家畜も豊富で、農園の雰囲気が十分出ているだけに、少々残念に思えます。

(追記 : 荘園や農園は、「Oblivion」で素晴らしく面白いことになりました。万歳!)

 

何か重要なことを書き忘れているような気もしますが、「DAGGERFALL」の紹介に一区切りつけたいと思います。

DAGGERFALL」で1番面白いのは、キャラクターを演じる部分です。物語やグラフィックを延々と説明したくはなかったので、今回のような形をとりました。

正直なところ、「DAGGERFALL」の本筋の任務を追って行っても面白くはありません。
ゲームを完了するよりも、どれだけキャラクターの役割を楽しく演じられたかが問題だと思います。

今回は画面をとるために少しだけ「DAGGERFALL」を起動したのですが、既に何百時間も遊んでいるのに、また熱中してしまいました。やはり文句無しに面白い作品です。


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